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本編
-194- 寒天
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「やっぱ、行程が無理あるかあ」
「アサヒ、元気出す」
何が無理かというと、オブラート制作だ。
今日はおはぎと一緒にオブラートを作ろうと自室にこもった。
付与魔法の練習もまだまだしたいが、そっちよりオブラートの方が気になっちまったからな。
話ん中でオブラートが通用しなかった。
これは作れたら色々便利じゃないかと思って作成を試みようとした。
したんだけど……これがなあ、俺の魔法だけでどうにかなるもんでもなかった。
材料は、馬鈴薯でんぶんと、水、この二つだけだ。
こっちの世界にも勿論あるもんで、簡単に手に入る。
そのでんぷんと水を煮て、それを薄ーく伸ばして蒸気をあてながら焼いて、暗所で寝かすっていう製法なはずだが、
“薄ーく”の過程が、機械がねえと難しい。
ただの薄さじゃねえからだ、薄ーくだ。
となると、すぐには無理で、機械から製造が必要になる。
俺だけでどうこうするのは到底無理な話で、本当に作りたいならどっかの工房を巻き込まないと出来ない。
やるんだとしたらオリバーに相談して、アレックス様を通して、どっかに話を持っていって貰うのがいいだろう。
「あ……」
オブラートが無理なら、ゼリー状ならいける。
寒天が必要だが、それはソフィアが買い物に出る前にお願いして買ってもらってくればいいわけで。
薬を飲みやすくするっていう謳い文句で売るなら、こっちだって良いはずだ。
もともとそういうもん自体がなくて、如何に飲みやすい薬にするかは、薬師の課題らしい。
カプセルもないが、こっちの世界じゃカプセルの方がもっと非現実的な話だ。
カプセルを作ったところで、今度は薬を入れる機械も必要になる。
ちまちま手作業で入れるなんてのはもってのほかの話だからだ。
ってことで、今一番現実的なのは、元の世界で売られていた、薬と一緒につるんと飲み込めるゼリー状のアレだ。
適度にゆるく甘い寒天を作成してクラッシュさせればいいわけで、行程も簡単だ。
出来るとなったら、すぐにでもやりたくなってくる。
「もう帰ってきたかな?ちょっとソフィアに頼んでくる」
「ん!」
少し出かけてくると言ったソフィアだが、中休みの支度の前には帰ってくるはずだ。
ソフィアの趣味の一つである、街歩きだろう。
ソフィアは、毎日買い物に行くのも面倒に思っていないどころか、楽しみらしい。
その街歩きで、色々と気になるもんや新しい食を見つけるんだろうなあ。
今頼めば、夕飯の買い物のときに一緒に買って来てくれるはずだ。
寒天は食卓にあがったことは一度もない。
ってことは、普及していないかもしれない。
でも、昆布やら味噌やらが売っているんだから、寒天くらいあるだろう。
寒天が無くても天草のまま売ってるかもしれない。
キッチンを覗くと、首を傾げてなにやら悩んでるソフィアが目に入った。
最初は、昼ごはんを何にするか悩んでんのかな、なんて思っちまったがそうじゃない。
そうじゃない、と気が付いたのはソフィアの前にあるものを見てすぐだった。
「ソフィア、お願いが───あ、それ!」
ソフィアの前に、糸寒天が置いてある。
なんてタイムリー!
すげー運がいい。
運がいいなと思うことがこっちの世界に来てからめちゃくちゃあるが、今回もだ。
俺の運は、最初に拉致られたのが人生の最悪で底辺に落とされたのかもしれない。
だとしたら、今はせっせと長ーい階段を上っている最中だろう。
まだまだ尽きることはないだろうからそのままゆっくりと上っていってほしいところだ。
俺の運の話はさておき。
糸寒天だけじゃなくて、他にも乾燥されいる見慣れた海藻が色々と出ている。
が、俺が欲しかったのは寒天だけだ。
「ああ、アサヒとおはぎちゃん、丁度いいところに。アサヒに聞こうと思っていたのよ」
「うん、どうしたの?」
俺の『寒天が欲しい』はすぐに解消されたわけだから、先にソフィアの“お悩み”を解決する方が先だ。
「実はね、お豆腐とわかめを買ったらおまけにと貰ったのよ。
サラダにどうぞ、って。
でもね、どうやってサラダにしたらいいかを聞き忘れてしまったのよ、うっかりしてたわ」
ソフィアが味噌汁を作ってくれた時に、お勧めの食材は何か聞かれたから、『豆腐とわかめ』って答えたんだ。
ソフィアは早速買いに行ってくれたらしい。
因みに、豆腐も乾燥されているもんだった。
日持ちの問題だろうな、そこで作ってるわけじゃなくて南東からこっちに売るのに販路が呑気な馬車しかねえんだもんよ。
「ああ、それなら全部水で戻すだけだよ」
「あら、そうなの?」
「うん。水で戻して食べやすく切って、ドレッシングとあえるだけ。
レタスとかトマトとか他の野菜も一緒にあえても良いんじゃないかな。玉ねぎのドレッシング、あれが合うと思う」
「そうなのね、ありがとう、アサヒ。助かったわ」
「うん、それでさ、この糸寒天だけサラダにしないでこのまま貰えないかな?これ、煮詰めて溶かすと、ゼリーみたくなるんだ。
作りたいなって思ってたものの原料で丁度寒天が欲しくて」
「ええ、勿論」
「やった。ありがとう、ソフィア」
「ふふっ」
糸寒天で喜ぶ俺が面白かったのかソフィアが楽しそうに笑い、そのあとじっと糸寒天を目にする。
「でも不思議ね。海藻がゼリーになるなんて」
「うん、でも、これだけは他のと違って天草っていう海藻の加工品だから」
「あらそうなの?」
「うん」
「ゼリーとは違うの?」
天草その物じゃなくて、糸寒天なのは幸いだ。
どうやらソフィアは寒天に興味が出たらしい。
「触感はちょっと違うけれど、ジュースや蜜で甘くしたらデザートにもなるよ。
違いは、そうだな、ゼリーよりカロリーが……って、カロリーがそもそもねえんだっけ、こっちの世界。
えーと、食物繊維……あー……ゼリーより腹持ちが良いんだ。だから、ゼリーより太りにくいかな」
「まあ」
カロリーだの食物繊維だのそういった概念がこっちの世界にはないから説明が簡素になる。
けれど、まちがっちゃいないはずだ。
ソフィアが『太りにくい』に反応する。
「栄養があるのはゼリー、ゼラチンの方だけれど。あ、アレルギーがあってゼリー食えない人でも寒天なら食えるかな」
「アレルギー……」
「え?アレルギーもねえの?えーと、極まれにだけれど、ゼリーを食べたら、湿疹とか腹痛とか吐き気とか、あと呼吸が苦しくなるだとか
そういう人がいるんだ」
「それなら注意しないといけない食べ物なのね」
「でもそれは、肉も魚もたまごも小麦も牛乳もバナナやりんごやみかんだって同じことが言えるから。
むしろ、たまごと牛乳と小麦の方がなる確率は多いと思う」
「そう、なのね?アサヒのいたところは、色々と進んでいたのね」
「か、なあ。こっちじゃ医療は劣ってるなとは思うよ」
「今のお話は詳しくオリバー様にしてあげるといいと思うわ」
「え?アレルギーの話?」
「ええ。宮廷薬師をされていた頃、かなり調べられていて。仮説を立てて調合の段階になったところで、根拠がないと却下されたんですって」
「マジか」
オリバーの文献を、全部目に通したわけじゃない。
俺が目にしていない中に、あるんだろう。
「アサヒ、元気出す」
何が無理かというと、オブラート制作だ。
今日はおはぎと一緒にオブラートを作ろうと自室にこもった。
付与魔法の練習もまだまだしたいが、そっちよりオブラートの方が気になっちまったからな。
話ん中でオブラートが通用しなかった。
これは作れたら色々便利じゃないかと思って作成を試みようとした。
したんだけど……これがなあ、俺の魔法だけでどうにかなるもんでもなかった。
材料は、馬鈴薯でんぶんと、水、この二つだけだ。
こっちの世界にも勿論あるもんで、簡単に手に入る。
そのでんぷんと水を煮て、それを薄ーく伸ばして蒸気をあてながら焼いて、暗所で寝かすっていう製法なはずだが、
“薄ーく”の過程が、機械がねえと難しい。
ただの薄さじゃねえからだ、薄ーくだ。
となると、すぐには無理で、機械から製造が必要になる。
俺だけでどうこうするのは到底無理な話で、本当に作りたいならどっかの工房を巻き込まないと出来ない。
やるんだとしたらオリバーに相談して、アレックス様を通して、どっかに話を持っていって貰うのがいいだろう。
「あ……」
オブラートが無理なら、ゼリー状ならいける。
寒天が必要だが、それはソフィアが買い物に出る前にお願いして買ってもらってくればいいわけで。
薬を飲みやすくするっていう謳い文句で売るなら、こっちだって良いはずだ。
もともとそういうもん自体がなくて、如何に飲みやすい薬にするかは、薬師の課題らしい。
カプセルもないが、こっちの世界じゃカプセルの方がもっと非現実的な話だ。
カプセルを作ったところで、今度は薬を入れる機械も必要になる。
ちまちま手作業で入れるなんてのはもってのほかの話だからだ。
ってことで、今一番現実的なのは、元の世界で売られていた、薬と一緒につるんと飲み込めるゼリー状のアレだ。
適度にゆるく甘い寒天を作成してクラッシュさせればいいわけで、行程も簡単だ。
出来るとなったら、すぐにでもやりたくなってくる。
「もう帰ってきたかな?ちょっとソフィアに頼んでくる」
「ん!」
少し出かけてくると言ったソフィアだが、中休みの支度の前には帰ってくるはずだ。
ソフィアの趣味の一つである、街歩きだろう。
ソフィアは、毎日買い物に行くのも面倒に思っていないどころか、楽しみらしい。
その街歩きで、色々と気になるもんや新しい食を見つけるんだろうなあ。
今頼めば、夕飯の買い物のときに一緒に買って来てくれるはずだ。
寒天は食卓にあがったことは一度もない。
ってことは、普及していないかもしれない。
でも、昆布やら味噌やらが売っているんだから、寒天くらいあるだろう。
寒天が無くても天草のまま売ってるかもしれない。
キッチンを覗くと、首を傾げてなにやら悩んでるソフィアが目に入った。
最初は、昼ごはんを何にするか悩んでんのかな、なんて思っちまったがそうじゃない。
そうじゃない、と気が付いたのはソフィアの前にあるものを見てすぐだった。
「ソフィア、お願いが───あ、それ!」
ソフィアの前に、糸寒天が置いてある。
なんてタイムリー!
すげー運がいい。
運がいいなと思うことがこっちの世界に来てからめちゃくちゃあるが、今回もだ。
俺の運は、最初に拉致られたのが人生の最悪で底辺に落とされたのかもしれない。
だとしたら、今はせっせと長ーい階段を上っている最中だろう。
まだまだ尽きることはないだろうからそのままゆっくりと上っていってほしいところだ。
俺の運の話はさておき。
糸寒天だけじゃなくて、他にも乾燥されいる見慣れた海藻が色々と出ている。
が、俺が欲しかったのは寒天だけだ。
「ああ、アサヒとおはぎちゃん、丁度いいところに。アサヒに聞こうと思っていたのよ」
「うん、どうしたの?」
俺の『寒天が欲しい』はすぐに解消されたわけだから、先にソフィアの“お悩み”を解決する方が先だ。
「実はね、お豆腐とわかめを買ったらおまけにと貰ったのよ。
サラダにどうぞ、って。
でもね、どうやってサラダにしたらいいかを聞き忘れてしまったのよ、うっかりしてたわ」
ソフィアが味噌汁を作ってくれた時に、お勧めの食材は何か聞かれたから、『豆腐とわかめ』って答えたんだ。
ソフィアは早速買いに行ってくれたらしい。
因みに、豆腐も乾燥されているもんだった。
日持ちの問題だろうな、そこで作ってるわけじゃなくて南東からこっちに売るのに販路が呑気な馬車しかねえんだもんよ。
「ああ、それなら全部水で戻すだけだよ」
「あら、そうなの?」
「うん。水で戻して食べやすく切って、ドレッシングとあえるだけ。
レタスとかトマトとか他の野菜も一緒にあえても良いんじゃないかな。玉ねぎのドレッシング、あれが合うと思う」
「そうなのね、ありがとう、アサヒ。助かったわ」
「うん、それでさ、この糸寒天だけサラダにしないでこのまま貰えないかな?これ、煮詰めて溶かすと、ゼリーみたくなるんだ。
作りたいなって思ってたものの原料で丁度寒天が欲しくて」
「ええ、勿論」
「やった。ありがとう、ソフィア」
「ふふっ」
糸寒天で喜ぶ俺が面白かったのかソフィアが楽しそうに笑い、そのあとじっと糸寒天を目にする。
「でも不思議ね。海藻がゼリーになるなんて」
「うん、でも、これだけは他のと違って天草っていう海藻の加工品だから」
「あらそうなの?」
「うん」
「ゼリーとは違うの?」
天草その物じゃなくて、糸寒天なのは幸いだ。
どうやらソフィアは寒天に興味が出たらしい。
「触感はちょっと違うけれど、ジュースや蜜で甘くしたらデザートにもなるよ。
違いは、そうだな、ゼリーよりカロリーが……って、カロリーがそもそもねえんだっけ、こっちの世界。
えーと、食物繊維……あー……ゼリーより腹持ちが良いんだ。だから、ゼリーより太りにくいかな」
「まあ」
カロリーだの食物繊維だのそういった概念がこっちの世界にはないから説明が簡素になる。
けれど、まちがっちゃいないはずだ。
ソフィアが『太りにくい』に反応する。
「栄養があるのはゼリー、ゼラチンの方だけれど。あ、アレルギーがあってゼリー食えない人でも寒天なら食えるかな」
「アレルギー……」
「え?アレルギーもねえの?えーと、極まれにだけれど、ゼリーを食べたら、湿疹とか腹痛とか吐き気とか、あと呼吸が苦しくなるだとか
そういう人がいるんだ」
「それなら注意しないといけない食べ物なのね」
「でもそれは、肉も魚もたまごも小麦も牛乳もバナナやりんごやみかんだって同じことが言えるから。
むしろ、たまごと牛乳と小麦の方がなる確率は多いと思う」
「そう、なのね?アサヒのいたところは、色々と進んでいたのね」
「か、なあ。こっちじゃ医療は劣ってるなとは思うよ」
「今のお話は詳しくオリバー様にしてあげるといいと思うわ」
「え?アレルギーの話?」
「ええ。宮廷薬師をされていた頃、かなり調べられていて。仮説を立てて調合の段階になったところで、根拠がないと却下されたんですって」
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オリバーの文献を、全部目に通したわけじゃない。
俺が目にしていない中に、あるんだろう。
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