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24. 弟分
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24. 弟分
なんでこうも身近に私の前世の知り合いが出てくるのよ……あの女神の仕業じゃないのこれ?名前忘れたけど。
「アルフレッド。あなたは私には勝てないわ。得意の短剣技も闇属性魔法も知ってるし、おとなしく2人の影縫いを外して」
「ああ?なんだお前?なんでそんなこと知ってんだよ!」
そりゃ前世でパーティー組んでるからよ!ちなみに好きな食べ物や嫌いな食べ物だって知ってるし。アルフレッドは私の弟分だったんだもの。……でもなんか、実は同級生みたいだったんだけどさ。
「イデア知り合いですの?」
「えっ……あっ違うよ!知らない!人違い!」
「なんだぁ?そんなに慌てて。まあいい。その宝箱を渡せ。そうすりゃ見逃してやるぜ!」
「聞き分けのない子ね?嫌よ!いいから影縫いを外しなさい!」
私はそう言うと同時に後ろに飛び退き、魔法を発動する準備を始める。
「おいおい逃げるのか?まあ逃がさねえけどな!ダークアロー!!」
アルフレッドは闇属性魔法の矢を放ちながらこちらに駆け寄ってくる。
……というかさっきからなんなのこいつ?段々腹が立ってきたわ。前世では私のこと兄貴兄貴って慕ってた癖に!誰が面倒見てあげたと思ってんのよ!
「いい加減にしなさい!痛い目見ないと分からないみたいね!アイスジャベリン!」
「ちぃ!」
私が放った氷の槍はアルフレッドの肩をかすめる。そしてバランスを崩したところに一気に距離を詰めるが、アルフレッドは私の懐に潜り込むように身体を低くしながら短剣を振るう。
咄嵯に身を捻り避けようとするが間に合わず脇腹をかすめる。さすがに素早いわね……
「なに!?オレの短剣を避けただと!?」
「だから知ってるって言ってんでしょうが!」
それならパワーで押しきるわ!私はそのまま一気に剣を振り下ろす。その強力な一撃を短剣で受け止めるアルフレッド。
「ぐっ……」
「やああああああ!」
甘いわよアルフレッド!今は子どもだし女だし、あの時のような全盛期の力はないけど、元勇者の私に勝てるはずないわよ!私はそのまま力任せに剣を押し込んでいくと、やがてアルフレッドの手から短剣が弾け飛んだ。
「くそっ!」
「まだやる気かしら?」
「うるせぇ!このオレ様がこんなところで終わってたまるか!」
「往生際が悪いわね……。じゃあそろそろ終わりにしましょうか」
私はそう言って剣を頭上高く振り上げる。アルフレッドの顔からは血の気が引き青ざめている。しかしそれでも彼は諦めず抵抗しようと拳を握る。……全く。最後まで素直じゃないんだから。でも、そういうところも含めて可愛い弟分だったのよね。
そんな事を考えた時、いきなり地面が揺れだす。あれ?もしかしてさっきの一撃に勢いがありすぎたのかしら?それともその衝撃に耐えられなかったのかしら?
「きゃあああ!?」
「イデアッ!?」
私とアルフレッドはそのまま崩れ落ちる地面に飲み込まれてしまう。そしてそのまま地下へ落下していく。
「いたた……。もう一体何なのよ……」
落ちた先は幸いにも土ではなく、柔らかな草の上に落ちることができた。どうやら地下庭園みたいな場所らしい。長い時間落下したようには思えないし、ダンジョンの別のフロアの可能性があるわね。
「あ。大丈夫アルフレッド?」
「なんとかな。それよりお前何者なんだよ?」
「何者ってただの学生でしょ。それより索敵してくれない?近くに魔物がいるかもしれないわ。とりあえずここから脱出するまでは協力しましょ」
「お、おう。分かったぜ」
こうして私たちは2人で協力して脱出を目指すことにしたのだった。
なんでこうも身近に私の前世の知り合いが出てくるのよ……あの女神の仕業じゃないのこれ?名前忘れたけど。
「アルフレッド。あなたは私には勝てないわ。得意の短剣技も闇属性魔法も知ってるし、おとなしく2人の影縫いを外して」
「ああ?なんだお前?なんでそんなこと知ってんだよ!」
そりゃ前世でパーティー組んでるからよ!ちなみに好きな食べ物や嫌いな食べ物だって知ってるし。アルフレッドは私の弟分だったんだもの。……でもなんか、実は同級生みたいだったんだけどさ。
「イデア知り合いですの?」
「えっ……あっ違うよ!知らない!人違い!」
「なんだぁ?そんなに慌てて。まあいい。その宝箱を渡せ。そうすりゃ見逃してやるぜ!」
「聞き分けのない子ね?嫌よ!いいから影縫いを外しなさい!」
私はそう言うと同時に後ろに飛び退き、魔法を発動する準備を始める。
「おいおい逃げるのか?まあ逃がさねえけどな!ダークアロー!!」
アルフレッドは闇属性魔法の矢を放ちながらこちらに駆け寄ってくる。
……というかさっきからなんなのこいつ?段々腹が立ってきたわ。前世では私のこと兄貴兄貴って慕ってた癖に!誰が面倒見てあげたと思ってんのよ!
「いい加減にしなさい!痛い目見ないと分からないみたいね!アイスジャベリン!」
「ちぃ!」
私が放った氷の槍はアルフレッドの肩をかすめる。そしてバランスを崩したところに一気に距離を詰めるが、アルフレッドは私の懐に潜り込むように身体を低くしながら短剣を振るう。
咄嵯に身を捻り避けようとするが間に合わず脇腹をかすめる。さすがに素早いわね……
「なに!?オレの短剣を避けただと!?」
「だから知ってるって言ってんでしょうが!」
それならパワーで押しきるわ!私はそのまま一気に剣を振り下ろす。その強力な一撃を短剣で受け止めるアルフレッド。
「ぐっ……」
「やああああああ!」
甘いわよアルフレッド!今は子どもだし女だし、あの時のような全盛期の力はないけど、元勇者の私に勝てるはずないわよ!私はそのまま力任せに剣を押し込んでいくと、やがてアルフレッドの手から短剣が弾け飛んだ。
「くそっ!」
「まだやる気かしら?」
「うるせぇ!このオレ様がこんなところで終わってたまるか!」
「往生際が悪いわね……。じゃあそろそろ終わりにしましょうか」
私はそう言って剣を頭上高く振り上げる。アルフレッドの顔からは血の気が引き青ざめている。しかしそれでも彼は諦めず抵抗しようと拳を握る。……全く。最後まで素直じゃないんだから。でも、そういうところも含めて可愛い弟分だったのよね。
そんな事を考えた時、いきなり地面が揺れだす。あれ?もしかしてさっきの一撃に勢いがありすぎたのかしら?それともその衝撃に耐えられなかったのかしら?
「きゃあああ!?」
「イデアッ!?」
私とアルフレッドはそのまま崩れ落ちる地面に飲み込まれてしまう。そしてそのまま地下へ落下していく。
「いたた……。もう一体何なのよ……」
落ちた先は幸いにも土ではなく、柔らかな草の上に落ちることができた。どうやら地下庭園みたいな場所らしい。長い時間落下したようには思えないし、ダンジョンの別のフロアの可能性があるわね。
「あ。大丈夫アルフレッド?」
「なんとかな。それよりお前何者なんだよ?」
「何者ってただの学生でしょ。それより索敵してくれない?近くに魔物がいるかもしれないわ。とりあえずここから脱出するまでは協力しましょ」
「お、おう。分かったぜ」
こうして私たちは2人で協力して脱出を目指すことにしたのだった。
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