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第5章 使用人とメイドさんとお友だち
45. 使用人とメイド服
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45. 使用人とメイド服
オレは今、ものすごく焦りながらエルナリア様の部屋に走っている。まさか……お付きの使用人になって1週間で遅刻してしまうとは。今まで遅刻なんてほとんどしたことないのに!
「あぁもうっ!」
階段を駆け上がりながら、オレは自分の不甲斐なさに悪態をつく。そしてエルナリア様の部屋につくと、勢いよく扉を開け中に入る。
「おはようございます!申し訳ございません!寝坊しました!!」
息を整えつつ、頭を下げる。そして頭をあげるとそこには見かけたことのない後ろ姿のメイドが窓の外を見ていた。
「あの?エルナリア様は?」
オレがそう言うと、そのメイドは振り向きながらオレを見る。
「あら?おはようカイル。遅刻はいただけないわね?」
「は?えっえっ……エルナリア様!?」
何やってんのこの人!?なんで貴族令嬢がメイドの格好してるんだ!?しかもいつものツインテールじゃねぇし。ってかめちゃくちゃ可愛いんだけど!!っていかんいかん!オレにはマリアさんがいるから!
「ふふっ、似合ってるかしら?」
くるりと一回転しながら、自分の服装を見せるようにポーズをとるエルナリア様に見惚れてしまう。
「はい……。とても良くお似合いです……」
「ふーん。褒め言葉はちゃんと言えるのね?」
「というか何やってるんですか?」
「マリアと服を交換したのよ。遅刻したしょーもない使用人を驚かそうとしてね?」
なるほど、そういうことですか。やってることもしょーもない気がするが……というかマリアさんのメイド服なのか。通りでさっきから胸元のサイズがあってないのかピンクの下着がチラ見するわけですよ。
「おはようカイル君」
「あっおはようございますマリアさん」
ベッドの布団にくるまっている姿のマリアさん。可愛い……やっぱりマリアさんしか勝たん!
ん?でもなんで布団に?あーなるほどな。普段察しの悪いオレでも分かったぞ。良くもこんな下らないことして驚かせてくれたな銀髪ツインテール。オレは意気揚々と言ってやることにする。
「あれどうしてマリアさんはエルナリア様の服着ないんですか?」
「そっそれはねカイル君……」
モジモジしているマリアさんが可愛すぎる!ずっと見てられるぞ!癒される……。とか余韻に浸っていると、銀髪ツインテールが怒り出す。
「うるさいわね!あんた分かってて言ってるでしょ!胸のサイズが合わないのよ!着替えるから出てきなさい!ほら行った行った!」
「はい分かりましたよ」
ふふん。このジェントルのオレを騙すからだ。そのあとはエルナリア様とマリアさんの着替えも終わり、通常の仕事に戻る。オレが本棚を綺麗にしているとエルナリア様が口を開く。
「そう言えばカイル。あなた……さっき私の胸見てたでしょ?女の子はそういうの分かるのよね。水色の可愛いのが見えて、さぞかし嬉しかったでしょうね?」
「見てませんよ!それに水色じゃなくてピンクじゃ……あ。」
「……見てるじゃない」
「カイル君……」
やっちまった!なんて子供騙しなんだ!オレはまんまと引っかかったって訳だ。しかもマリアさんも少し引いてる?これはまずい。何とか誤魔化さないと。
「まっ待ってください!確かに見てしまいましたけど、わざと見たわけでは!」
オレがそう言うとエルナリア様とマリアさんはジト目でオレを見てくる。そんな……マリアさんまで……
「……どうだか?遅刻に猥褻か。もうこれはイライザお姉様に言わないとかしら?」
「ちょっと待って下さい!それだけは勘弁してください!」
まだ終わりたくない!もっとこの生活を続けたい!そんな思いから必死になってお願いをする。するとエルナリア様は笑いながら言う。
「じゃあカイル。あなたの今のご主人は誰かしら?」
「エルナリア様です!」
「なら私の言うことは絶対よね?」
「はい!」
「それなら。私が戻るまで毎日魔法特訓に付き合ってもらおうかしら?別に嫌ならいいけど?」
「喜んで!!」
「ふふっ、それでいいのよ」
そんなオレとエルナリア様の様子をマリアさんはニコニコしながら見ていた。やっぱりマリアさんは可愛いなぁ。こうしてなんとか許してもらうことができた。そして、その日以来毎日のように魔法の特訓相手をさせられるのだった。
オレは今、ものすごく焦りながらエルナリア様の部屋に走っている。まさか……お付きの使用人になって1週間で遅刻してしまうとは。今まで遅刻なんてほとんどしたことないのに!
「あぁもうっ!」
階段を駆け上がりながら、オレは自分の不甲斐なさに悪態をつく。そしてエルナリア様の部屋につくと、勢いよく扉を開け中に入る。
「おはようございます!申し訳ございません!寝坊しました!!」
息を整えつつ、頭を下げる。そして頭をあげるとそこには見かけたことのない後ろ姿のメイドが窓の外を見ていた。
「あの?エルナリア様は?」
オレがそう言うと、そのメイドは振り向きながらオレを見る。
「あら?おはようカイル。遅刻はいただけないわね?」
「は?えっえっ……エルナリア様!?」
何やってんのこの人!?なんで貴族令嬢がメイドの格好してるんだ!?しかもいつものツインテールじゃねぇし。ってかめちゃくちゃ可愛いんだけど!!っていかんいかん!オレにはマリアさんがいるから!
「ふふっ、似合ってるかしら?」
くるりと一回転しながら、自分の服装を見せるようにポーズをとるエルナリア様に見惚れてしまう。
「はい……。とても良くお似合いです……」
「ふーん。褒め言葉はちゃんと言えるのね?」
「というか何やってるんですか?」
「マリアと服を交換したのよ。遅刻したしょーもない使用人を驚かそうとしてね?」
なるほど、そういうことですか。やってることもしょーもない気がするが……というかマリアさんのメイド服なのか。通りでさっきから胸元のサイズがあってないのかピンクの下着がチラ見するわけですよ。
「おはようカイル君」
「あっおはようございますマリアさん」
ベッドの布団にくるまっている姿のマリアさん。可愛い……やっぱりマリアさんしか勝たん!
ん?でもなんで布団に?あーなるほどな。普段察しの悪いオレでも分かったぞ。良くもこんな下らないことして驚かせてくれたな銀髪ツインテール。オレは意気揚々と言ってやることにする。
「あれどうしてマリアさんはエルナリア様の服着ないんですか?」
「そっそれはねカイル君……」
モジモジしているマリアさんが可愛すぎる!ずっと見てられるぞ!癒される……。とか余韻に浸っていると、銀髪ツインテールが怒り出す。
「うるさいわね!あんた分かってて言ってるでしょ!胸のサイズが合わないのよ!着替えるから出てきなさい!ほら行った行った!」
「はい分かりましたよ」
ふふん。このジェントルのオレを騙すからだ。そのあとはエルナリア様とマリアさんの着替えも終わり、通常の仕事に戻る。オレが本棚を綺麗にしているとエルナリア様が口を開く。
「そう言えばカイル。あなた……さっき私の胸見てたでしょ?女の子はそういうの分かるのよね。水色の可愛いのが見えて、さぞかし嬉しかったでしょうね?」
「見てませんよ!それに水色じゃなくてピンクじゃ……あ。」
「……見てるじゃない」
「カイル君……」
やっちまった!なんて子供騙しなんだ!オレはまんまと引っかかったって訳だ。しかもマリアさんも少し引いてる?これはまずい。何とか誤魔化さないと。
「まっ待ってください!確かに見てしまいましたけど、わざと見たわけでは!」
オレがそう言うとエルナリア様とマリアさんはジト目でオレを見てくる。そんな……マリアさんまで……
「……どうだか?遅刻に猥褻か。もうこれはイライザお姉様に言わないとかしら?」
「ちょっと待って下さい!それだけは勘弁してください!」
まだ終わりたくない!もっとこの生活を続けたい!そんな思いから必死になってお願いをする。するとエルナリア様は笑いながら言う。
「じゃあカイル。あなたの今のご主人は誰かしら?」
「エルナリア様です!」
「なら私の言うことは絶対よね?」
「はい!」
「それなら。私が戻るまで毎日魔法特訓に付き合ってもらおうかしら?別に嫌ならいいけど?」
「喜んで!!」
「ふふっ、それでいいのよ」
そんなオレとエルナリア様の様子をマリアさんはニコニコしながら見ていた。やっぱりマリアさんは可愛いなぁ。こうしてなんとか許してもらうことができた。そして、その日以来毎日のように魔法の特訓相手をさせられるのだった。
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