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第7章 使用人とメイドさんと歓迎会
62. メイドさんと歓迎会
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62. メイドさんと歓迎会
エルナリア様の専属メイドが終わり、1ヶ月がたった。朝の朝礼が終わり、仕事の準備をしていると、ここ最近見る朝のルーティンが始まった。
「いい加減になさい!先日も言いましたが、もう少ししっかりしなさいカイル=オーランド!」
「はい……」
また怒られている。この光景を毎日見せられるこっちの身にもなって欲しいものだけど……まぁカイル君はメモを取らないから悪いんだと思う。あとでメモ帳をプレゼントしてあげようかな。
しかし、最近は違う。カイル君だけが怒られているわけではない。
「あなたもですよフラウ!もう新人じゃありませんよ!?」
「すいません……」
彼女はフラウちゃん。私とカイル君がエルナリア様の専属をしているとき雇われたばかりの新しいメイドさん。年齢は16。身長が低くくて可愛らしい後輩メイドさんだ。
でも彼女は仕事ができないわけではない。ただ、要領が悪いというか、ドジが多い……だからカイル君とはまったく違う。そうカイル君とはね。
「全く……あなたたち何をしているんですか!リンスレット家の使用人やメイドとしての誇りをですね……」
「ごめんなさいぃ……」
フラウちゃんは泣きながら謝っている。メリッサさんはメイド長として当たり前のことをしているのだけど……少し厳しい気もする。私は軽くため息をついて、2人を助けてあげることにする。
「あの……メリッサさん。そこまでにしてあげてください。カイル君もフラウちゃんも頑張っているんで。フラウちゃんは私が指導しますから」
「マリア……わかりました。では、私はこれで失礼します。これから気を付けるように」
メリッサさんが大広間から出て行く、それを確認した私たちは安堵のため息をつく。
「ありがとうございます。マリアさん」
「ううん。大丈夫だよ。さあ、そろそろ持ち場に戻ろうか」
「うわ~ん!マリア先輩!」
フラウちゃんが私の胸に飛び込んでくる。それを優しく受け止める。そして頭を撫でてあげた。そんな様子を怒りながらカイル君は見ている。……本当に彼は何がしたいのかわからない。
「よしよし。大変だったね。でも、フラウちゃんならきっとできるよ」
「はい……。頑張ります!」
そんなこんなで今日の持ち場につくことにする。私はミーアと共に書斎の掃除をすることになっている。
「ねぇマリア?聞いた歓迎会の話」
「うん。明日の仕事終わりでしょ?聞いてるよ」
「いやそうなんだけど、ほら……メリッサさんの相手の件」
あー……メリッサさんは酔うと面倒だから、誰かが犠牲になって相手するんだっけ。大体こういうのは新人の役目だけど、フラウちゃんにはまだ荷が重いだろうなぁ。というか説教されて辞めそう。
「そう言えばメリッサさんってお酒強いのかな?」
「毎回かなり飲んでいるけど……潰れたところを見たことないよね。すぐ酔っぱらうけどさ」
確かに。メリッサさんはかなり飲むし、そのくせ次の日にはケロッとしている。もしかしたらかなりの強者かもしれない。
「っで。誰がその役目をやるのかって話なのよ。」
「えっと……私がやろうか?」
「えっマリアが?」
「うん。だってフラウちゃんには厳しいと思うし」
「まぁ確かにね……せっかく新しい仲間が増えたのにいなくなるのは嫌だし。わかったわ。よろしくね」
こうして私の中でメリッサさんのお世話係が決定した。きっとお酒にも付き合わないといけないよね?できれば飲みすぎないように注意しておかないと。
そして夕食の時間になり、私は食堂に向かっていた。うーん。やっぱり不安ではあるよね……メリッサさんに怒られたことはほとんどないけど、怒られるのは嫌だし。1人で対処できるのかも心配だし。
……そうだ!去年メリッサさんの相手をしていたカイル君を誘おう!カイル君なら経験者だもん!心強いよね!
食堂に入るとカイル君と……誰だっけ?なんか話してるけど、明日の歓迎会の話っぽい。しかもカイル君は出席しないようなこと言っている!?まずい。これは阻止しないと!
「あれカイル君。歓迎会参加しないの?」
「えっマリアさん!?」
私がそう言うとカイル君は嬉しそうな顔をして私の胸をチラ見しながら『最近マリアさんが足りない』とか言っている。……そうかな?むしろまた少し成長したんだけどな。これ以上大きい胸がいいのか……もしかして飽きられたのかな?なんか……複雑。
「マリア。カイルは不参加だ。それにメリッサさんの相手はしたくないって言って……」
……だから誰だっけ?私が名前を知らない使用人にそう言われると、カイル君は勢い良く割り込んでくる。
「マリアさん!オレも参加しますから!一緒にあのおばさ……メリッサさんのお相手をしましょう!エルナリア様お墨付きのオレとマリアさんのコンビなら問題ないですよ!」
「ああ?お前パスって……」
「おいおいどうしたアストン?パラレルワールドにでも迷い込んだか?オレは参加するぞ?」
アストン君ね。今覚えたよ。というよりカイル君の変わり身の速さがすごい。
「本当に?良かった。カイル君がいないと……寂しいもんね?」
私がそう言うとカイル君は喜びを身体で表現している。大袈裟だなぁ……ここ食堂だよ?みんな見てるよ?でもその姿を見るとやっぱりカイル君が歓迎会に参加しないと寂しいと思ってしまうのでした。
エルナリア様の専属メイドが終わり、1ヶ月がたった。朝の朝礼が終わり、仕事の準備をしていると、ここ最近見る朝のルーティンが始まった。
「いい加減になさい!先日も言いましたが、もう少ししっかりしなさいカイル=オーランド!」
「はい……」
また怒られている。この光景を毎日見せられるこっちの身にもなって欲しいものだけど……まぁカイル君はメモを取らないから悪いんだと思う。あとでメモ帳をプレゼントしてあげようかな。
しかし、最近は違う。カイル君だけが怒られているわけではない。
「あなたもですよフラウ!もう新人じゃありませんよ!?」
「すいません……」
彼女はフラウちゃん。私とカイル君がエルナリア様の専属をしているとき雇われたばかりの新しいメイドさん。年齢は16。身長が低くくて可愛らしい後輩メイドさんだ。
でも彼女は仕事ができないわけではない。ただ、要領が悪いというか、ドジが多い……だからカイル君とはまったく違う。そうカイル君とはね。
「全く……あなたたち何をしているんですか!リンスレット家の使用人やメイドとしての誇りをですね……」
「ごめんなさいぃ……」
フラウちゃんは泣きながら謝っている。メリッサさんはメイド長として当たり前のことをしているのだけど……少し厳しい気もする。私は軽くため息をついて、2人を助けてあげることにする。
「あの……メリッサさん。そこまでにしてあげてください。カイル君もフラウちゃんも頑張っているんで。フラウちゃんは私が指導しますから」
「マリア……わかりました。では、私はこれで失礼します。これから気を付けるように」
メリッサさんが大広間から出て行く、それを確認した私たちは安堵のため息をつく。
「ありがとうございます。マリアさん」
「ううん。大丈夫だよ。さあ、そろそろ持ち場に戻ろうか」
「うわ~ん!マリア先輩!」
フラウちゃんが私の胸に飛び込んでくる。それを優しく受け止める。そして頭を撫でてあげた。そんな様子を怒りながらカイル君は見ている。……本当に彼は何がしたいのかわからない。
「よしよし。大変だったね。でも、フラウちゃんならきっとできるよ」
「はい……。頑張ります!」
そんなこんなで今日の持ち場につくことにする。私はミーアと共に書斎の掃除をすることになっている。
「ねぇマリア?聞いた歓迎会の話」
「うん。明日の仕事終わりでしょ?聞いてるよ」
「いやそうなんだけど、ほら……メリッサさんの相手の件」
あー……メリッサさんは酔うと面倒だから、誰かが犠牲になって相手するんだっけ。大体こういうのは新人の役目だけど、フラウちゃんにはまだ荷が重いだろうなぁ。というか説教されて辞めそう。
「そう言えばメリッサさんってお酒強いのかな?」
「毎回かなり飲んでいるけど……潰れたところを見たことないよね。すぐ酔っぱらうけどさ」
確かに。メリッサさんはかなり飲むし、そのくせ次の日にはケロッとしている。もしかしたらかなりの強者かもしれない。
「っで。誰がその役目をやるのかって話なのよ。」
「えっと……私がやろうか?」
「えっマリアが?」
「うん。だってフラウちゃんには厳しいと思うし」
「まぁ確かにね……せっかく新しい仲間が増えたのにいなくなるのは嫌だし。わかったわ。よろしくね」
こうして私の中でメリッサさんのお世話係が決定した。きっとお酒にも付き合わないといけないよね?できれば飲みすぎないように注意しておかないと。
そして夕食の時間になり、私は食堂に向かっていた。うーん。やっぱり不安ではあるよね……メリッサさんに怒られたことはほとんどないけど、怒られるのは嫌だし。1人で対処できるのかも心配だし。
……そうだ!去年メリッサさんの相手をしていたカイル君を誘おう!カイル君なら経験者だもん!心強いよね!
食堂に入るとカイル君と……誰だっけ?なんか話してるけど、明日の歓迎会の話っぽい。しかもカイル君は出席しないようなこと言っている!?まずい。これは阻止しないと!
「あれカイル君。歓迎会参加しないの?」
「えっマリアさん!?」
私がそう言うとカイル君は嬉しそうな顔をして私の胸をチラ見しながら『最近マリアさんが足りない』とか言っている。……そうかな?むしろまた少し成長したんだけどな。これ以上大きい胸がいいのか……もしかして飽きられたのかな?なんか……複雑。
「マリア。カイルは不参加だ。それにメリッサさんの相手はしたくないって言って……」
……だから誰だっけ?私が名前を知らない使用人にそう言われると、カイル君は勢い良く割り込んでくる。
「マリアさん!オレも参加しますから!一緒にあのおばさ……メリッサさんのお相手をしましょう!エルナリア様お墨付きのオレとマリアさんのコンビなら問題ないですよ!」
「ああ?お前パスって……」
「おいおいどうしたアストン?パラレルワールドにでも迷い込んだか?オレは参加するぞ?」
アストン君ね。今覚えたよ。というよりカイル君の変わり身の速さがすごい。
「本当に?良かった。カイル君がいないと……寂しいもんね?」
私がそう言うとカイル君は喜びを身体で表現している。大袈裟だなぁ……ここ食堂だよ?みんな見てるよ?でもその姿を見るとやっぱりカイル君が歓迎会に参加しないと寂しいと思ってしまうのでした。
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