色々不遇な転生したのでちびっ子魔王を最強に育てる事にしました〜なんでも壊す壊し屋さんとしてついでに異世界壊します〜

ちょっと黒い筆箱

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第25壊 常識破壊女神と地味にサムライ③

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「―――!! なるほどぉ......旦那は勇者やそれに近しい存在って訳ですかぃ......なら、ジブンも殺り方をそれ用に変えるとしましょうかぁ......」

 ライが取っているのは腰を大きく落とした居合の構え! 

 動きをよく見ろ......動き出した瞬間には斬られているイメージで......

 刹那、柄にかざしてあった右手人差し指がピクリと動いた。

 音すら残さず。一瞬の前までライがいた場所からは全てが消えていた。

「くっ――――!!!!」

 【神速】をそのまま現実に落とし込んだかのような速さ!! 全身の毛の先まで神経を張り巡らせなければ到底受け切る事ができない!!!!

 だが俺は準備をしていた! コレを完璧に防御する準備をッ!!

「そこだァァァァァ!!!!」

 俺の掌には、頸に目掛けて振り抜かれようとしていた刃が確かに握られていた。

 第三者......フィンから見てみれば、突如消えたライが次の瞬間にはトウヤに武器を握られている。そんな風に写っていただろう。

「どうした......俺を殺す為の剣技......殺せてねぇじゃねぇか!!」

「いやぁ! こんな無茶苦茶な対処をしたのは旦那が初めてです!」

 刃を握る拳に力を込め、刀身を砕いてやった。これでもうライは戦えない。

 なのになんだ? 振り払った筈の殺気が、まだ後ろから追いかけて来るような感覚は......今すぐにでも俺の頸を狩らんと、もう一度その刃を振るうような違和感は!!

「――――やっぱり......旦那が......いや、異世界人が単純で良かったぁ......」

 狂気に染まった、映画もビックリな笑顔を貼り付けたのライが、結界の中に満たされた殺気の中から突如として現れた。

 違う!! 違ったのだ!! 俺が今防御した剣閃は!! 刀身を砕き! 戦意を失わせたライは――――!!!!

「死ね」

「全部予想済みだよぶぁーかァ!!」

 冷静無比な俺のグーパンが、ライの顔面へとめり込む。

「なッ――――!!?!?」

 ライは神速の勢いそのままに地面へと叩き付けられた。

「あれ? なんでさっきまでいた人が居なくなって別の所で倒れてるの? あれ?」

『ちょっとトウヤどういう事なの!? 今の一瞬で何が起こってたの!?』

「だァーもう耳元と脳内で同時に話すな!! 鬱陶しい!!」

 てかプリメーラは見えてろよ! 一応女神なんだろ!?

「――ア゛っ......旦那ぁ......まだ勝負は終わっちゃいませんよぉ......まだ五分じゃぁない。ジブンにはまだ試したい事が沢山あるんでさぁ......」

 口から血を流し、ガクガクと震えながらもライは立ち上がり刀を構えた。

「止めとけ。その感じだと脳ミソにダメージが行ってる。これ以上動けば最悪死ぬぞ」

「嫌だ!! ジブンはぁ......命のやり取りで死ねるなら本――――」

「なんて甘い事言うと思ったら大間違いだぞコラァ!! 壊し屋さんはなぁ......超スパルタなんだよォ!!!!」

 ライも何かを言いかけたようだが、多分俺と同じ事を言おうとしていたのだろう。

 最初に決めた以上。五分間、本気で殺し合う。それが俺達の闘いだ。

「はっ......流石旦那だ......ジブンが見込んだだけはある」

「プリメーラァ!! あと何分だァ!?」

「え!? えーと......あと1分20秒!」

 よぉし! あと1分ちょい! 全力で勝ってやる!!
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