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第43壊 出発っ!
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結局その日は一旦帰る事にした。
翌日、冒険者ギルドへと赴き大森林のヌシについての情報を集めていたら、思いの外分かった事があった。
先ず第一に、“大森林のヌシは最近突然現れた”という事だ。
いきなり現れたのにヌシとはなんのこっちゃとは思ったが、冒険者ギルドが勝手に付けた異名的なものなのであまり気にしないでください。と言われた。
そして突然現れた......と言うのは、本当に突然凄まじい魔力の反応が出現したらしく、怯えた森の魔物が逃げ出して来たのだそう。そして逃げ出した魔物がファストレアの住民に危害を加える可能性がある事で魔物の退治が本業のギルドは対応する事になり、ベテランの冒険者が魔力反応の元を調査しに向かったらしい......
「――んで、何度か派遣したけど誰も戻って来ないから藁にもすがる思いで広く依頼を出したんだとよ」
ギルドが逆に依頼ってのも変な話だけどな。
腕に自信のある者が皆冒険者になる訳では無い......ので、“そういった人物”に向けて依頼を出したのだろう。
「だとしても金貨1200枚は大盤振る舞い過ぎない? 絶対裏に何かあるわよ! 絶対難癖つけられて有耶無耶になるパターンよ! まぁ私は最初からそんな事だろうと思ってたけど!」
時間を空けてすっかり元気になったプリメーラは飯をかきこみながら喋る。
ご飯飛んでるぞ。
「いや、俺も流石に1億は一つの依頼に出しすぎなんじゃとは思ったさ......けどよ」
「けど?」
「本物見せられたら......信じるしかないよね......」
俺の脳裏に焼き付いて離れない金貨の山!
「なんで一枚くすねて来なかったのよぉぉぉぉ!!!!」
「仮にも女神がなんちゅうこと言ってんだよ!?」
この女神様、高潔さがアレな分魔王よりタチが悪いかもしれん......なんというかこう、人間っぽいと言うか、俗っぽいと言うか......
ここだけの話だが人間というのは不思議なもので、身の丈に合っていない大金を目の前にすると身体は動かなくなってしまうのだ。
ちょっと......ほんのちょっとだけ、一枚くらい持って帰ってもバレないんじゃないか思考が頭をよぎったが、あの動けなくなる現象は良心に働きかけられて起こるのかもしれない。
「――まぁ何にせよ! プリメーラの千里眼の件とギルドでの話で相当やばい奴が相手だって分かった! 準備は万全にして行くぞ!」
「おー!」
とここまで言って気が付いたが、いないのである。
「......そういえばフィンは? ショクもいないぞ?」
「フィンとスライムちゃんならトウヤが募集ギルドに行ってる間に『じまんしてくる!』ってどこかへ行ったわよ?」
自慢って......どこに!?
まぁ大丈夫だと信じよう。知らないおじさんにはついて行くなって言ってあるし、一人で冒険するのも成長ってやつだろうからな。
「とはならねぇからな!? プリメーラ! 探しに行くぞ!! ほっといたら絶対問題起こして来る!」
「ねぇ出発前にこんなでいいの......?」
30分後、瓦礫の山になった警備局の前で胸を張っているフィンが発見された。本日ガリア、ルーク、ライの三人は不在だったようで警備局新入りの“アレクサンダー・ミルキーウェイ(28)(最近彼女と別れた)”さんがお疲れの表情で相手をしてくれていましたとさ。
翌日、冒険者ギルドへと赴き大森林のヌシについての情報を集めていたら、思いの外分かった事があった。
先ず第一に、“大森林のヌシは最近突然現れた”という事だ。
いきなり現れたのにヌシとはなんのこっちゃとは思ったが、冒険者ギルドが勝手に付けた異名的なものなのであまり気にしないでください。と言われた。
そして突然現れた......と言うのは、本当に突然凄まじい魔力の反応が出現したらしく、怯えた森の魔物が逃げ出して来たのだそう。そして逃げ出した魔物がファストレアの住民に危害を加える可能性がある事で魔物の退治が本業のギルドは対応する事になり、ベテランの冒険者が魔力反応の元を調査しに向かったらしい......
「――んで、何度か派遣したけど誰も戻って来ないから藁にもすがる思いで広く依頼を出したんだとよ」
ギルドが逆に依頼ってのも変な話だけどな。
腕に自信のある者が皆冒険者になる訳では無い......ので、“そういった人物”に向けて依頼を出したのだろう。
「だとしても金貨1200枚は大盤振る舞い過ぎない? 絶対裏に何かあるわよ! 絶対難癖つけられて有耶無耶になるパターンよ! まぁ私は最初からそんな事だろうと思ってたけど!」
時間を空けてすっかり元気になったプリメーラは飯をかきこみながら喋る。
ご飯飛んでるぞ。
「いや、俺も流石に1億は一つの依頼に出しすぎなんじゃとは思ったさ......けどよ」
「けど?」
「本物見せられたら......信じるしかないよね......」
俺の脳裏に焼き付いて離れない金貨の山!
「なんで一枚くすねて来なかったのよぉぉぉぉ!!!!」
「仮にも女神がなんちゅうこと言ってんだよ!?」
この女神様、高潔さがアレな分魔王よりタチが悪いかもしれん......なんというかこう、人間っぽいと言うか、俗っぽいと言うか......
ここだけの話だが人間というのは不思議なもので、身の丈に合っていない大金を目の前にすると身体は動かなくなってしまうのだ。
ちょっと......ほんのちょっとだけ、一枚くらい持って帰ってもバレないんじゃないか思考が頭をよぎったが、あの動けなくなる現象は良心に働きかけられて起こるのかもしれない。
「――まぁ何にせよ! プリメーラの千里眼の件とギルドでの話で相当やばい奴が相手だって分かった! 準備は万全にして行くぞ!」
「おー!」
とここまで言って気が付いたが、いないのである。
「......そういえばフィンは? ショクもいないぞ?」
「フィンとスライムちゃんならトウヤが募集ギルドに行ってる間に『じまんしてくる!』ってどこかへ行ったわよ?」
自慢って......どこに!?
まぁ大丈夫だと信じよう。知らないおじさんにはついて行くなって言ってあるし、一人で冒険するのも成長ってやつだろうからな。
「とはならねぇからな!? プリメーラ! 探しに行くぞ!! ほっといたら絶対問題起こして来る!」
「ねぇ出発前にこんなでいいの......?」
30分後、瓦礫の山になった警備局の前で胸を張っているフィンが発見された。本日ガリア、ルーク、ライの三人は不在だったようで警備局新入りの“アレクサンダー・ミルキーウェイ(28)(最近彼女と別れた)”さんがお疲れの表情で相手をしてくれていましたとさ。
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