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流れ星の落ちるところ-2
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ついに迎えた、アクセサリーカタログ撮影の日。マンションを出る際、晴人がハグで見送ってくれた。柊吾の姿は見当たらず、勝負の朝に顔を見られなかったのは心残りだが、作り置いてくれていた柊吾手製の朝食はとびきり美味しかった。
前田の運転する車に乗りこみ、都内のスタジオに入る。案内された楽屋でディレクターと挨拶を交わす。今日の今日まで、本当に前情報は一切夏樹に伝えられることはなかった。渡された絵コンテを片手に、ディレクターが話す大まかな流れを頭に叩きこむ。
「上半身は裸になってもらいます。男性同士ふたりのページなので相手の方もいますが、コンテを見てもらえば分かるようにあくまでも主役は南くんです。ただ、あまり気を張らずに。カメラマンの指示は聞きつつも、なるべく自然体でいることを意識してください」
「はい!」
自然体を意識する、というのは言葉に矛盾が生じている気もするが、そうディレクションされれば応じるのみだ。返事をしつつ、スタイリストの指示で上半身の服を全て脱ぎ、バスローブを羽織る。
「それじゃあスタジオで。今日は宜しくお願いします」
「はい! こちらこそ宜しくお願いします!」
ヘアメイクをされている時から最高潮に思えた心拍は、スタジオに入ると更に上昇した。カメラマンに先ほどのディレクター、他にも数人のスタッフたちが既に準備をしていて、緊張は留まるところを知らない。上擦ってしまった声でそれでもどうにか「宜しくお願いします!」と頭を下げて、カメラの前へ立つ。
カメラマンの最終調整が始まったが、まだ足りないものがここにはある。主役は南くんだ、とディレクターは言ってくれたが、実際のところの一番の主役はアクセサリーだと夏樹は思う。だが夏樹はまだ何も身につけていないし、相手役の男性モデルの姿も見当たらない。不思議に思っていると、スタジオの奥で扉が開いた。そこから入ってきた人物の姿に、夏樹は大きく目を見張る。
「え……椎名さん?」
何故こんなところに? 夏樹はつい息を飲んだのだが、驚いているのはどうやら自分だけのようだった。スタッフたち全員が柊吾と顔見知りなのだと伝わってくるし、ディレクターとは綿密に何かを話している。呆気に取られている夏樹の元に、柊吾がやって来る。
「夏樹、おはよう」
「お、おはようございます……?」
「驚かせたよな、ごめん」
「…………」
眉を少し下げて微笑んだ柊吾は、手に持っていたベルベットのケースを開いた。そこにはイアリングに指輪、ネックレスやバングルが美しい姿で出番を待っていた。
「南夏樹くん」
「へ……は、はい!」
「naturallyの椎名柊吾です。カタログのモデルをどうしても夏樹に頼みたかった。ブランド隠してもらったりして、妙な依頼になったけど。改めて宜しくお願いします」
「椎名さん……」
様々なことが頭の中を巡りだす。早川から今回の話を聞いた時、naturallyみたいだと感じたのはどうやら間違っていなかったようだ。それと同時に薄暗い思いがどうしても芽生える。
初めての名指しでの仕事だと喜んだが――柊吾は夏樹の世話係を引き受けているし、心から応援してくれている。だから仕事を与えてくれたのだ、既に知り合いである自分に、言わば贔屓をして。思わずくちびるを噛みしめ俯くと、柊吾がそっと夏樹の名前を呼ぶ。
「夏樹。知り合いだから情けでのオファーだって思ってる?」
「あ……えっと。はい。ごめんなさい」
「いや、謝らなくていい。俺が夏樹でもそう感じると思うし」
柊吾はそう言うと、背後のカメラマンたちを振り返って少し時間を貰えるようにと頼んだ。こちらを向き直し、真剣な瞳が夏樹を映す。
「このカタログのアイディアは一昨年くらいからあってさ、でも理想のモデルが見つからなくて。夏樹を初めて見た時……いいなって思った」
「え……」
「前に夏樹さ、オーディションで色気がないって落とされる、って言ってたろ。でも俺はそうは思わない。夏樹は確かに明るくて人懐っこくて――それでいて、ふとした時に強い目を見せたりすることもある。そのギャップは夏樹の武器だし、色気にも通ずるものがある」
「…………」
「夏樹、俺にとってnaturallyは宝物なんだ。情けだとか依怙贔屓を持ちこむつもりはない。ずっとあたためてきたこのアイディアを、夏樹の持つ武器に賭けたい。夏樹となら絶対にいいものが出来るって本気で思った。だから早川社長にオファーさせてもらったんだ。難しいかもしれないけど……信じてほしい」
「椎名さん……」
贔屓してくれたのだと一瞬でも感じたことを夏樹は心から恥じた。そんなもの、柊吾の真剣な瞳にはひとつも見えなかった。本当に純粋に、naturallyに必要としてくれているのだと伝わってきた。自分のことをそんな風に評価してくれる人がいて、それが憧れ続けた柊吾だなんて。それこそ信じられないくらいだが、疑いようがない。こみ上げてくる涙を飲みこみ、夏樹は強く頷く。
「椎名さん、ありがとうございます。椎名さんが見出してくれたもの、ちゃんと表現出来るように頑張るから……こちらこそ宜しくお願いします!」
「よかった……ありがとう、夏樹」
改めてこの撮影へ臨む心を確認し合ってから、柊吾はケースに入っていたアクセサリーを夏樹に飾ってゆく。
「ピアス開けといたらよかったっすね」
「いや、そのままでいい。うちにはイヤリングの加工もあるんだし」
「それもそっか。……ん? 椎名さんがしてるピアス、もしかしてオレにつけてくれたのと同じデザインっすか?」
「うん、そうだな」
カタログに載せるものなのだから、どのアクセサリーもまだ店頭には並んでいない完全な新作だ。それを柊吾も身につけていて、繊細なデザインがよく似合っている。
「やっぱりかっこいいっすね」
「そうか? ありがとな。俺もいい出来だと思う」
「ピアスももちろんっすけど、椎名さんのことっす」
「……そ。あー、夏樹、ローブ脱いで。次ネックレスな」
「あ、はい……」
思わず褒めると、柊吾はそっけなく答えて顔を逸らしてしまった。ああ、まただ。晴人は大丈夫だと言ってくれるけれど、やはり気がかりだ。今までだったら夏樹が格好いいと零してしまう度、スマートにあしらうのが柊吾の常だったのに。
柊吾の態度を寂しく思っている内に、アクセサリーの装着が完了した。柊吾がそれをスタッフに伝えると、ディレクターが「それじゃあ撮影始めます!」と声を上げる。
「あれ、もうひとりモデルの人いるって聞いてるんですけど……」
まだ自分しかいないのだから、始めることは出来ないだろう。夏樹は首を傾げたのだが、照明が変わり、ヘアメイクの人が寄ってきて前髪を調整される。そしてその手は柊吾の髪にも伸びた。それを柊吾は意にも介さず、着ているシャツのボタンを外し、上半身裸になってしまう。
「え? ……椎名さん?」
「びっくりだよな。でもこの役は……夏樹の恋人役は、俺がやらせてもらう」
「っ、嘘……」
目の前の光景が示すのは、このカタログで表現する男同士の恋人たち、その主役である夏樹の相手役が柊吾だ、ということだ。理解が追いつかず、だが驚いた心は涙を勝手に浮かべ始める。
憧れ続けた男は、もう二度とモデルをやるつもりはないと言っていた。いつか共演出来たら、と描いた夏樹の夢は、夜空へと消えていった。そのはずだったのに。まさかこんなかたちで叶うとは、それこそ夢にも思わなかったのだ。メイクをしているから駄目だと分かっているのに、涙が頬を伝ってしまう。慌てて拭おうとすると、カメラマンが声を張り上げた。
「南くんそのまま! そのままでこっち見て」
「え?」
「そう、椎名くんの肩越しに目線ちょうだい。いいよね、椎名くん」
「はい、続けてください」
今回の撮影のコンセプトが自然体だということを思い出す。泣いてしまうだなんて想定はされていなかっただろうが、これも自然体のひとつと捉えられたということだ。慌てて指示通りに目線を向け、途絶えることのないシャッター音の中で柊吾に問う。
「椎名さん、もう絶対モデルはしないって言ってたのに……えっと、なんで?」
「それは……俺のモデル姿また見たかったんだろ? 特等席じゃん」
「そ、そうだけど! はぐらかさんでよ」
「はは、そうだな。あー……顔出しないでも引き受けてくれるモデルが見つからなくて? 写っても後ろ姿とか、せいぜい背後からの輪郭くらいだけだから。じゃあ俺がやろうかなって。まあその程度でも二度とやらないつもりだったけど……この一瞬くらい、夏樹が教えてくれた俺と共演って夢に乗っかってみようと思った」
「椎名さん……」
一旦カットがかかり、涙を流しているシーンはここまでということになった。慌ただしくメイクを直しヘアセットも少し変えて、次のカットへと移る。
「じゃあ南くん、次は椎名くんの背中に腕回してみて。バングルがこっちに見えるように。そう、いいね」
柊吾とカメラの前に立っている。その現実に浸る間もなく撮影は進んでいく。カメラマンの指示に必死に、だが自然に見えるようにと苦心しながらポーズをとる。
「椎名さん、あの」
「……柊吾」
「え?」
「俺たちは今恋人って設定だろ。名前で呼んでみてよ」
「へ……いや無理、オレ爆発する!」
「はは、でも呼んでほしい。夏樹」
「あ……」
タイミングがいいのか悪いのか、ふたりともピアスが見えるように頬のラインをギリギリ見せてほしい、との指示が柊吾に入った。それを聞いた柊吾は、夏樹の顎に手を添え、夏樹の頬にキスをするふりで指示に応えていく。例えポーズでくちびるは当たっていないとしても、夏樹には刺激が強かった。思わず声が漏れると、その表情もいいね、本当に恋人みたいだと煽てられ、シャッターが切られていく。
「椎名さん、これ」
「柊吾」
「っ、柊吾、さん……これ、やばい」
「ん……俺もやばい」
撮影が進むにつれ、夏樹の中にあった緊張や驚き、柊吾と密着することへの恥じらいは徐々になくなっていった。なんせ夢が叶っている真っ最中だ。夏樹はもちろん、柊吾やカメラマンを始めここにいる全員が共鳴するような、最高潮のボルテージ。こちらを睨むように、とのディレクションの際には柊吾を誰にも譲りたくないという想いで睨み、ヒートアップして柊吾の肩に齧りついた。指を絡めて指輪の美しさを際立たせたり、ネックレスがぶつかるくらいの距離を横から撮影したり。クライマックスは、角度を工夫してキスをしているように見えるアングルを求められる。カメラの前に立つひとりのモデルである夏樹には、戸惑いは一切ない。スタッフたちが、感嘆の息を漏らしているのが分かる。柊吾さん、と名を呼び、夏樹、と返ってくる自分の名に酔いしれて――カット! とのカメラマンの大きな声で撮影が全て終了したところで、夏樹はハッと我に返る。
「南くん! すごくよかったよ!」
スタッフたちが夏樹へと大歓声を送る。撮影は大成功で終えられたようだ。安堵したのと同時に息が上がり、それを整えながら目の前の柊吾へと視線を移す。撮影は終わったのだから、離れなければ。そう思うのに、興奮しきっている体は言うことを聞いてくれそうになかった。
「柊吾さん、あの」
「夏樹、こっち」
「へ……あっ」
ローブと服を引っ掴んだ柊吾は、夏樹の腕を取りスタッフたちに着替えてきますと声を掛ける。この後は別のペアでの撮影が予定されているようで、既にその準備を始めているスタッフたちはふたりのことなど気にも止めない。
柊吾が足早に向かったのは楽屋だった。中に入ると、扉が荒々しく閉められる。
「っ、柊吾さん」
「夏樹……」
うわ言のように夏樹の名を呼びながら、柊吾は夏樹を扉のすぐ横の壁に囲った。大きな体、長い腕。閉じこめられたその中で肩にぐりぐりと額を擦りつけられ、聞こえてくるのは柊吾の呼吸と自分の名前だけで。もう隠してなんていられなかった。
「柊吾さん、キスしたい」
「っ、夏樹……」
「さっき出来んくて寂しかった、オレ……んっ」
押しつけられるような荒っぽいキス。その一度で離れようとした柊吾を、今度は夏樹が逃さない。首を引き寄せて夏樹からもキスをすると、もうそこからはお互いに止められなかった。興奮したままの体、絡む舌の熱さはあの夏の夜以上で。このまま好きだと言えたらどんなに幸せだろう。受け入れてもらえると、このキスに期待をしてもいいだろうか。顎を引き、離れたくちびるにそれでも舌先は甘えたがって。どうにか空けたすき間で、柊吾の名前を呼んでみる。
「柊吾、さん。オレ……」
「ん?」
「あの、柊吾さんのこと……好き……んんっ!?」
「……ごめん、夏樹。それは待っ……」
想いを伝えようとした口を、慌てた様子の柊吾に手で塞がれてしまった。そして続くのは、残酷な“ごめん”だった。なんだ、自分だけだったのか。そうか、そうだよな。夏樹はどん底まで一気に落ちかけ、だがまだ途切れてはいなかった柊吾の言葉を、乾いたノック音が遮る。こんなところを見られてはまずい。慌てて距離を取り、柊吾が返事をする。
「はい」
「あ、椎名さんこちらにいらっしゃったんですね。次の撮影の件で確認があるのですが……」
「すみません、すぐ行きます」
椎名に用があったようだが、扉越しで伝えられたことに夏樹は安堵した。ふたりして服を羽織ることすら忘れていたからだ。柊吾の返事にスタッフは去り、静寂が訪れる。
「俺、今日一日撮影につきっきりの予定なんだ。そろそろ行かなきゃ」
「っす」
「……夏樹、さっきの」
「あー、あれは気にせんでください! オレはその、大丈夫なんで! ね、行ってください、しゅ……椎名さん」
「夏樹……」
「ほらほら、何て顔してんすか! 最高にかっこいいカタログ、作ってきてください!」
「……ああ、行ってくる」
縋れるものならそうしたいが、柊吾には今日をとことんやり切って欲しかったし、何より改めて“ごめん”と言われることが夏樹は恐ろしかった。躊躇っている柊吾の背にシャツを羽織らせ、ぐいぐいと背中を押す。名残惜しそうにこちらを見て、大きな手が夏樹の頭の上へと翳される。だが撫でられることはなく、きゅっと握りこんでそのままスタジオへと戻っていった。
ひとり楽屋に残された夏樹は、ずるずると壁伝いに座りこむ。大きく開いた足の間で頭を抱え、出てくるのは深いため息だ。本来なら今は、撮影を駆け抜けられた達成感だとか、反省点に課題を見つけるべき時間で。分かっている、分かっているのにどうしても頭の中は柊吾だらけだった。叶うはずのなかった、柊吾と共演の夢が叶った。久しぶりに触れた熱、ずっとずっと柊吾の視界に自分はいて、役だとしてもあの時間だけはふたりは恋人同士だった。どうしようもなく好きだ、溢れ続ける想いはもうこの体だけでは抱えていられなくて、弾けそうなくらいに。好きすぎて呼吸すら忘れそうなくちびるを指で辿る。まだキスの感覚が残っていて、忘れないようにと下くちびるを口内に引きこみ、柊吾の跡を舌でなぞる。そうすれば、熱い吐息が腹の奥から零れ出た。
体がおかしくなるほど恋をしている、そんな恋を柊吾に捧げている。息もおぼつかないほどに苦しい。けれど柊吾を想うこそなのならば、この苦しみもまた幸せと呼ぶのだろうか。
どうにか息を整えて、いつのまにか流れていた涙を拭って。挨拶を終えて戻ってきた前田に絶賛されながら、夏樹はマンションへと戻った。柊吾は何時ごろ帰ってくるだろう。きっと今日のことを褒めてくれる。その後は気まずい空気が流れて、そうしたら自分たちはどうなるのだろう。何事もなかったようにまた毎日を始めるのだろうか。それともきちんと振られて、失恋を抱えて生きていくことになるだろうか。どちらに転んでも、受け入れられる自分でいられたらいい。不安はたくさんあるけれど、それでも日々の生活に柊吾がいることは変わらない、それだけが夏樹が心を保てる理由だった――だったのに。
柊吾はその夜も、また明くる日も、マンションに戻ることはなかった。
前田の運転する車に乗りこみ、都内のスタジオに入る。案内された楽屋でディレクターと挨拶を交わす。今日の今日まで、本当に前情報は一切夏樹に伝えられることはなかった。渡された絵コンテを片手に、ディレクターが話す大まかな流れを頭に叩きこむ。
「上半身は裸になってもらいます。男性同士ふたりのページなので相手の方もいますが、コンテを見てもらえば分かるようにあくまでも主役は南くんです。ただ、あまり気を張らずに。カメラマンの指示は聞きつつも、なるべく自然体でいることを意識してください」
「はい!」
自然体を意識する、というのは言葉に矛盾が生じている気もするが、そうディレクションされれば応じるのみだ。返事をしつつ、スタイリストの指示で上半身の服を全て脱ぎ、バスローブを羽織る。
「それじゃあスタジオで。今日は宜しくお願いします」
「はい! こちらこそ宜しくお願いします!」
ヘアメイクをされている時から最高潮に思えた心拍は、スタジオに入ると更に上昇した。カメラマンに先ほどのディレクター、他にも数人のスタッフたちが既に準備をしていて、緊張は留まるところを知らない。上擦ってしまった声でそれでもどうにか「宜しくお願いします!」と頭を下げて、カメラの前へ立つ。
カメラマンの最終調整が始まったが、まだ足りないものがここにはある。主役は南くんだ、とディレクターは言ってくれたが、実際のところの一番の主役はアクセサリーだと夏樹は思う。だが夏樹はまだ何も身につけていないし、相手役の男性モデルの姿も見当たらない。不思議に思っていると、スタジオの奥で扉が開いた。そこから入ってきた人物の姿に、夏樹は大きく目を見張る。
「え……椎名さん?」
何故こんなところに? 夏樹はつい息を飲んだのだが、驚いているのはどうやら自分だけのようだった。スタッフたち全員が柊吾と顔見知りなのだと伝わってくるし、ディレクターとは綿密に何かを話している。呆気に取られている夏樹の元に、柊吾がやって来る。
「夏樹、おはよう」
「お、おはようございます……?」
「驚かせたよな、ごめん」
「…………」
眉を少し下げて微笑んだ柊吾は、手に持っていたベルベットのケースを開いた。そこにはイアリングに指輪、ネックレスやバングルが美しい姿で出番を待っていた。
「南夏樹くん」
「へ……は、はい!」
「naturallyの椎名柊吾です。カタログのモデルをどうしても夏樹に頼みたかった。ブランド隠してもらったりして、妙な依頼になったけど。改めて宜しくお願いします」
「椎名さん……」
様々なことが頭の中を巡りだす。早川から今回の話を聞いた時、naturallyみたいだと感じたのはどうやら間違っていなかったようだ。それと同時に薄暗い思いがどうしても芽生える。
初めての名指しでの仕事だと喜んだが――柊吾は夏樹の世話係を引き受けているし、心から応援してくれている。だから仕事を与えてくれたのだ、既に知り合いである自分に、言わば贔屓をして。思わずくちびるを噛みしめ俯くと、柊吾がそっと夏樹の名前を呼ぶ。
「夏樹。知り合いだから情けでのオファーだって思ってる?」
「あ……えっと。はい。ごめんなさい」
「いや、謝らなくていい。俺が夏樹でもそう感じると思うし」
柊吾はそう言うと、背後のカメラマンたちを振り返って少し時間を貰えるようにと頼んだ。こちらを向き直し、真剣な瞳が夏樹を映す。
「このカタログのアイディアは一昨年くらいからあってさ、でも理想のモデルが見つからなくて。夏樹を初めて見た時……いいなって思った」
「え……」
「前に夏樹さ、オーディションで色気がないって落とされる、って言ってたろ。でも俺はそうは思わない。夏樹は確かに明るくて人懐っこくて――それでいて、ふとした時に強い目を見せたりすることもある。そのギャップは夏樹の武器だし、色気にも通ずるものがある」
「…………」
「夏樹、俺にとってnaturallyは宝物なんだ。情けだとか依怙贔屓を持ちこむつもりはない。ずっとあたためてきたこのアイディアを、夏樹の持つ武器に賭けたい。夏樹となら絶対にいいものが出来るって本気で思った。だから早川社長にオファーさせてもらったんだ。難しいかもしれないけど……信じてほしい」
「椎名さん……」
贔屓してくれたのだと一瞬でも感じたことを夏樹は心から恥じた。そんなもの、柊吾の真剣な瞳にはひとつも見えなかった。本当に純粋に、naturallyに必要としてくれているのだと伝わってきた。自分のことをそんな風に評価してくれる人がいて、それが憧れ続けた柊吾だなんて。それこそ信じられないくらいだが、疑いようがない。こみ上げてくる涙を飲みこみ、夏樹は強く頷く。
「椎名さん、ありがとうございます。椎名さんが見出してくれたもの、ちゃんと表現出来るように頑張るから……こちらこそ宜しくお願いします!」
「よかった……ありがとう、夏樹」
改めてこの撮影へ臨む心を確認し合ってから、柊吾はケースに入っていたアクセサリーを夏樹に飾ってゆく。
「ピアス開けといたらよかったっすね」
「いや、そのままでいい。うちにはイヤリングの加工もあるんだし」
「それもそっか。……ん? 椎名さんがしてるピアス、もしかしてオレにつけてくれたのと同じデザインっすか?」
「うん、そうだな」
カタログに載せるものなのだから、どのアクセサリーもまだ店頭には並んでいない完全な新作だ。それを柊吾も身につけていて、繊細なデザインがよく似合っている。
「やっぱりかっこいいっすね」
「そうか? ありがとな。俺もいい出来だと思う」
「ピアスももちろんっすけど、椎名さんのことっす」
「……そ。あー、夏樹、ローブ脱いで。次ネックレスな」
「あ、はい……」
思わず褒めると、柊吾はそっけなく答えて顔を逸らしてしまった。ああ、まただ。晴人は大丈夫だと言ってくれるけれど、やはり気がかりだ。今までだったら夏樹が格好いいと零してしまう度、スマートにあしらうのが柊吾の常だったのに。
柊吾の態度を寂しく思っている内に、アクセサリーの装着が完了した。柊吾がそれをスタッフに伝えると、ディレクターが「それじゃあ撮影始めます!」と声を上げる。
「あれ、もうひとりモデルの人いるって聞いてるんですけど……」
まだ自分しかいないのだから、始めることは出来ないだろう。夏樹は首を傾げたのだが、照明が変わり、ヘアメイクの人が寄ってきて前髪を調整される。そしてその手は柊吾の髪にも伸びた。それを柊吾は意にも介さず、着ているシャツのボタンを外し、上半身裸になってしまう。
「え? ……椎名さん?」
「びっくりだよな。でもこの役は……夏樹の恋人役は、俺がやらせてもらう」
「っ、嘘……」
目の前の光景が示すのは、このカタログで表現する男同士の恋人たち、その主役である夏樹の相手役が柊吾だ、ということだ。理解が追いつかず、だが驚いた心は涙を勝手に浮かべ始める。
憧れ続けた男は、もう二度とモデルをやるつもりはないと言っていた。いつか共演出来たら、と描いた夏樹の夢は、夜空へと消えていった。そのはずだったのに。まさかこんなかたちで叶うとは、それこそ夢にも思わなかったのだ。メイクをしているから駄目だと分かっているのに、涙が頬を伝ってしまう。慌てて拭おうとすると、カメラマンが声を張り上げた。
「南くんそのまま! そのままでこっち見て」
「え?」
「そう、椎名くんの肩越しに目線ちょうだい。いいよね、椎名くん」
「はい、続けてください」
今回の撮影のコンセプトが自然体だということを思い出す。泣いてしまうだなんて想定はされていなかっただろうが、これも自然体のひとつと捉えられたということだ。慌てて指示通りに目線を向け、途絶えることのないシャッター音の中で柊吾に問う。
「椎名さん、もう絶対モデルはしないって言ってたのに……えっと、なんで?」
「それは……俺のモデル姿また見たかったんだろ? 特等席じゃん」
「そ、そうだけど! はぐらかさんでよ」
「はは、そうだな。あー……顔出しないでも引き受けてくれるモデルが見つからなくて? 写っても後ろ姿とか、せいぜい背後からの輪郭くらいだけだから。じゃあ俺がやろうかなって。まあその程度でも二度とやらないつもりだったけど……この一瞬くらい、夏樹が教えてくれた俺と共演って夢に乗っかってみようと思った」
「椎名さん……」
一旦カットがかかり、涙を流しているシーンはここまでということになった。慌ただしくメイクを直しヘアセットも少し変えて、次のカットへと移る。
「じゃあ南くん、次は椎名くんの背中に腕回してみて。バングルがこっちに見えるように。そう、いいね」
柊吾とカメラの前に立っている。その現実に浸る間もなく撮影は進んでいく。カメラマンの指示に必死に、だが自然に見えるようにと苦心しながらポーズをとる。
「椎名さん、あの」
「……柊吾」
「え?」
「俺たちは今恋人って設定だろ。名前で呼んでみてよ」
「へ……いや無理、オレ爆発する!」
「はは、でも呼んでほしい。夏樹」
「あ……」
タイミングがいいのか悪いのか、ふたりともピアスが見えるように頬のラインをギリギリ見せてほしい、との指示が柊吾に入った。それを聞いた柊吾は、夏樹の顎に手を添え、夏樹の頬にキスをするふりで指示に応えていく。例えポーズでくちびるは当たっていないとしても、夏樹には刺激が強かった。思わず声が漏れると、その表情もいいね、本当に恋人みたいだと煽てられ、シャッターが切られていく。
「椎名さん、これ」
「柊吾」
「っ、柊吾、さん……これ、やばい」
「ん……俺もやばい」
撮影が進むにつれ、夏樹の中にあった緊張や驚き、柊吾と密着することへの恥じらいは徐々になくなっていった。なんせ夢が叶っている真っ最中だ。夏樹はもちろん、柊吾やカメラマンを始めここにいる全員が共鳴するような、最高潮のボルテージ。こちらを睨むように、とのディレクションの際には柊吾を誰にも譲りたくないという想いで睨み、ヒートアップして柊吾の肩に齧りついた。指を絡めて指輪の美しさを際立たせたり、ネックレスがぶつかるくらいの距離を横から撮影したり。クライマックスは、角度を工夫してキスをしているように見えるアングルを求められる。カメラの前に立つひとりのモデルである夏樹には、戸惑いは一切ない。スタッフたちが、感嘆の息を漏らしているのが分かる。柊吾さん、と名を呼び、夏樹、と返ってくる自分の名に酔いしれて――カット! とのカメラマンの大きな声で撮影が全て終了したところで、夏樹はハッと我に返る。
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「柊吾さん、あの」
「夏樹、こっち」
「へ……あっ」
ローブと服を引っ掴んだ柊吾は、夏樹の腕を取りスタッフたちに着替えてきますと声を掛ける。この後は別のペアでの撮影が予定されているようで、既にその準備を始めているスタッフたちはふたりのことなど気にも止めない。
柊吾が足早に向かったのは楽屋だった。中に入ると、扉が荒々しく閉められる。
「っ、柊吾さん」
「夏樹……」
うわ言のように夏樹の名を呼びながら、柊吾は夏樹を扉のすぐ横の壁に囲った。大きな体、長い腕。閉じこめられたその中で肩にぐりぐりと額を擦りつけられ、聞こえてくるのは柊吾の呼吸と自分の名前だけで。もう隠してなんていられなかった。
「柊吾さん、キスしたい」
「っ、夏樹……」
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押しつけられるような荒っぽいキス。その一度で離れようとした柊吾を、今度は夏樹が逃さない。首を引き寄せて夏樹からもキスをすると、もうそこからはお互いに止められなかった。興奮したままの体、絡む舌の熱さはあの夏の夜以上で。このまま好きだと言えたらどんなに幸せだろう。受け入れてもらえると、このキスに期待をしてもいいだろうか。顎を引き、離れたくちびるにそれでも舌先は甘えたがって。どうにか空けたすき間で、柊吾の名前を呼んでみる。
「柊吾、さん。オレ……」
「ん?」
「あの、柊吾さんのこと……好き……んんっ!?」
「……ごめん、夏樹。それは待っ……」
想いを伝えようとした口を、慌てた様子の柊吾に手で塞がれてしまった。そして続くのは、残酷な“ごめん”だった。なんだ、自分だけだったのか。そうか、そうだよな。夏樹はどん底まで一気に落ちかけ、だがまだ途切れてはいなかった柊吾の言葉を、乾いたノック音が遮る。こんなところを見られてはまずい。慌てて距離を取り、柊吾が返事をする。
「はい」
「あ、椎名さんこちらにいらっしゃったんですね。次の撮影の件で確認があるのですが……」
「すみません、すぐ行きます」
椎名に用があったようだが、扉越しで伝えられたことに夏樹は安堵した。ふたりして服を羽織ることすら忘れていたからだ。柊吾の返事にスタッフは去り、静寂が訪れる。
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「っす」
「……夏樹、さっきの」
「あー、あれは気にせんでください! オレはその、大丈夫なんで! ね、行ってください、しゅ……椎名さん」
「夏樹……」
「ほらほら、何て顔してんすか! 最高にかっこいいカタログ、作ってきてください!」
「……ああ、行ってくる」
縋れるものならそうしたいが、柊吾には今日をとことんやり切って欲しかったし、何より改めて“ごめん”と言われることが夏樹は恐ろしかった。躊躇っている柊吾の背にシャツを羽織らせ、ぐいぐいと背中を押す。名残惜しそうにこちらを見て、大きな手が夏樹の頭の上へと翳される。だが撫でられることはなく、きゅっと握りこんでそのままスタジオへと戻っていった。
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体がおかしくなるほど恋をしている、そんな恋を柊吾に捧げている。息もおぼつかないほどに苦しい。けれど柊吾を想うこそなのならば、この苦しみもまた幸せと呼ぶのだろうか。
どうにか息を整えて、いつのまにか流れていた涙を拭って。挨拶を終えて戻ってきた前田に絶賛されながら、夏樹はマンションへと戻った。柊吾は何時ごろ帰ってくるだろう。きっと今日のことを褒めてくれる。その後は気まずい空気が流れて、そうしたら自分たちはどうなるのだろう。何事もなかったようにまた毎日を始めるのだろうか。それともきちんと振られて、失恋を抱えて生きていくことになるだろうか。どちらに転んでも、受け入れられる自分でいられたらいい。不安はたくさんあるけれど、それでも日々の生活に柊吾がいることは変わらない、それだけが夏樹が心を保てる理由だった――だったのに。
柊吾はその夜も、また明くる日も、マンションに戻ることはなかった。
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可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話
日向汐
BL
「好きです」
「…手離せよ」
「いやだ、」
じっと見つめてくる眼力に気圧される。
ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。
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純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26)
閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、
一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨
短期でサクッと読める完結作です♡
ぜひぜひ
ゆるりとお楽しみください☻*
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🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧
❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21
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応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪)
なにとぞ、よしなに♡
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冷徹勇猛な竜将アルファは純粋無垢な王子オメガに甘えたいのだ! ~だけど殿下は僕に、癒ししか求めてくれないのかな……~
大波小波
BL
フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、ネイトステフ王国の第三王子だ。
端正だが、どこか猛禽類の鋭さを思わせる面立ち。
鋭い長剣を振るう、引き締まった体。
第二性がアルファだからというだけではない、自らを鍛え抜いた武人だった。
彼は『竜将』と呼ばれる称号と共に、内戦に苦しむ隣国へと派遣されていた。
軍閥のクーデターにより内戦の起きた、テミスアーリン王国。
そこでは、国王の第二夫人が亡命の準備を急いでいた。
王は戦闘で命を落とし、彼の正妻である王妃は早々と我が子を連れて逃げている。
仮王として指揮をとる第二夫人の長男は、近隣諸国へ支援を求めて欲しいと、彼女に亡命を勧めた。
仮王の弟である、アルネ・エドゥアルド・クラルは、兄の力になれない歯がゆさを感じていた。
瑞々しい、均整の取れた体。
絹のような栗色の髪に、白い肌。
美しい面立ちだが、茶目っ気も覗くつぶらな瞳。
第二性はオメガだが、彼は利発で優しい少年だった。
そんなアルネは兄から聞いた、隣国の支援部隊を指揮する『竜将』の名を呟く。
「フェリックス・エディン・ラヴィゲール殿下……」
不思議と、勇気が湧いてくる。
「長い、お名前。まるで、呪文みたい」
その名が、恋の呪文となる日が近いことを、アルネはまだ知らなかった。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲
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過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
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【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
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