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「っ、桜輔……」
「やっと水沢くんと話せたんだ、よかったね。……あれ、あんまり上手く話進んでない感じ?」
「…………」
「…………」
瀬名とふたりして黙りこむと、桜輔がこちらへと近づいてきた。まったくしょうがないな、と言いたげな顔をしているのが腹立たしい。
「ねえモモ、もっと自信持って。モモはモモだよ。俺とも、誰とだって、比べられるところなんかない。モモに届くものを、見誤らないで」
「は? マジ意味分かんねえ……」
なにを言っているのか、本当に意味が分からない。なのにどうしてだろう。桜輔からかけられた言葉に、乾きかけていた瞳がじわりと熱くなる。そんな弟にはお構いなしといった風に、桜輔は今度は瀬名に声をかける。
「水沢くん」
「はい」
「モモは捻くれてるわけじゃないんだけど、たくさん気持ちを渡してあげないと、信じられないところがあるから」
「は? 桜輔、お前なに言って……」
「そばにいた俺ができたらよかったんだけど……俺はそれが下手くそだったみたい。でも、水沢くんならできるよ。モモのこと、よろしくお願いします」
「……はい」
頷いた瀬名を見て、桜輔は満足そうな顔をした。「じゃあ」と笑顔で手を振ってくる。校門のほうに歩きだして、だがすぐに踵を返し走ってきた。
「モモ!」
「……なんだよ」
子どもじみた不貞腐れた顔をしていると、自分で分かっている。だが取り繕う気にもなれず素っ気なく返事をすると、桜輔が口元に手を添えて近づいてきた。思わず耳を寄せると、「ちゃんと素直になるんだよ」と囁かれる。
「は? どういう意味……」
「水沢くんに告白するんでしょ? 応援してる」
「っ、は? お、お前、なに言って……」
その言い方はまるで、瀬名に恋をしていると知っているかのようだ。話した覚えはない、誰にも言ったことなんてないのに。これも双子の不思議な力、とでも桜輔は言うのだろうか。
厄介すぎる……とため息をつけば、不敵な笑みを浮かべ追い打ちをかけてくる。
「幸せだって分かるまで、帰ってきちゃダメだよ」
「っ、うるせえよ! 勝手に決めんな!」
そもそも、今日は今までのことを詫びるために話にきただけだ。告白するつもりなんてないし、仮にそうしたってフラれるのは分かり切っているのに。大体、幸せだって分かるまで、とはどういう意味だ。
「あはは! じゃあ今度こそ、バイバイ」
「早く帰れ」
「はいはーい」
追い払うように手を振ると、桜輔はやっと去っていった。がっくりと項垂れれば、瀬名の小さな笑い声が耳に届く。
「仲いいんすね」
「どこがだよ……」
「やっと水沢くんと話せたんだ、よかったね。……あれ、あんまり上手く話進んでない感じ?」
「…………」
「…………」
瀬名とふたりして黙りこむと、桜輔がこちらへと近づいてきた。まったくしょうがないな、と言いたげな顔をしているのが腹立たしい。
「ねえモモ、もっと自信持って。モモはモモだよ。俺とも、誰とだって、比べられるところなんかない。モモに届くものを、見誤らないで」
「は? マジ意味分かんねえ……」
なにを言っているのか、本当に意味が分からない。なのにどうしてだろう。桜輔からかけられた言葉に、乾きかけていた瞳がじわりと熱くなる。そんな弟にはお構いなしといった風に、桜輔は今度は瀬名に声をかける。
「水沢くん」
「はい」
「モモは捻くれてるわけじゃないんだけど、たくさん気持ちを渡してあげないと、信じられないところがあるから」
「は? 桜輔、お前なに言って……」
「そばにいた俺ができたらよかったんだけど……俺はそれが下手くそだったみたい。でも、水沢くんならできるよ。モモのこと、よろしくお願いします」
「……はい」
頷いた瀬名を見て、桜輔は満足そうな顔をした。「じゃあ」と笑顔で手を振ってくる。校門のほうに歩きだして、だがすぐに踵を返し走ってきた。
「モモ!」
「……なんだよ」
子どもじみた不貞腐れた顔をしていると、自分で分かっている。だが取り繕う気にもなれず素っ気なく返事をすると、桜輔が口元に手を添えて近づいてきた。思わず耳を寄せると、「ちゃんと素直になるんだよ」と囁かれる。
「は? どういう意味……」
「水沢くんに告白するんでしょ? 応援してる」
「っ、は? お、お前、なに言って……」
その言い方はまるで、瀬名に恋をしていると知っているかのようだ。話した覚えはない、誰にも言ったことなんてないのに。これも双子の不思議な力、とでも桜輔は言うのだろうか。
厄介すぎる……とため息をつけば、不敵な笑みを浮かべ追い打ちをかけてくる。
「幸せだって分かるまで、帰ってきちゃダメだよ」
「っ、うるせえよ! 勝手に決めんな!」
そもそも、今日は今までのことを詫びるために話にきただけだ。告白するつもりなんてないし、仮にそうしたってフラれるのは分かり切っているのに。大体、幸せだって分かるまで、とはどういう意味だ。
「あはは! じゃあ今度こそ、バイバイ」
「早く帰れ」
「はいはーい」
追い払うように手を振ると、桜輔はやっと去っていった。がっくりと項垂れれば、瀬名の小さな笑い声が耳に届く。
「仲いいんすね」
「どこがだよ……」
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