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猫たちの新生活(1)
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3月
神田明神で、身内と共通の知人のみを招いて、マサトと滋の結婚式が行われた
「神社とは意外」
「新宿じゃないんだ」
「ないだろ。滋さんのイメージ悪くなる」
「俺らの新宿に謝れ」
プッシールームのメンバーは社殿での式から招待されていた
「呼んでいただけてありがたいよね」
タキは若草色の色紋付き姿で、神前式に花を添えている
クロから喪服姿を指定されているうちに、着物が好きになり、今では自分で着られるようになっていた
滋のモデル引退の理由が【結婚】と発表されると、世間では相手が誰かと取りざたされた
新事務所の力のお陰か、マサトのことを【一般人】と発表したからなのか、マスコミはそれ以上掘り下げなかったが、マサト側のファンから流れたネット上の情報で、マサトが相手というの公然のこととなっている
ただ、風俗店の店長をしているということは流れていない
今回の結婚式はマスコミ禁止ではあったが、出席した人間のタグ付けはフリーということで、九とコノエはシャッターチャンスを狙っていた
「九さん、式中はダメですからね!」
先冬、オンラインゲームの開発会社に中途採用されて社会人になったエチゼンが、板についたスーツ姿で九の袖を引っ張った
雅楽の音色が境内に響き渡るなか、式は厳かに進んだ
「俺らがこんなまともな結婚式に出られるなんて思っても見なかったあ」
エチゼンは今にも泣きそうだ
「俺らって、俺も一緒にすんなよ」
九があきれて言った
「九さんも、トワさんとするんでしょ?」
「おう!こないだ実家に挨拶行ったし!」
((((((どっちの?!))))))
皆の心の声が一致した
九の彼氏であるトワの実家は、ヤクザであった
※※※※※※※※※※
披露宴は近くの老舗のクラシックホテルで行われた
日本屈指のクラシックホテルだけあって、建具から調度品まで、気品に満ちていて、滋にぴったりだった
滋は純白のウエディングドレスに身を包み、その際立った美しさを惜しみ無く招待客に披露した
マサトも、バンドマンの端くれらしく、細身のタキシードをきれいに着こなしている
「滋さんの来賓席にいる人、女優さんだよね。披露宴には業界関係者も呼んだんだあ。当然だよね」
九が目を細めて新婦側の席を見た
滋の招待客の中には、女優、モデル、監督、作家、デザイナーなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいた
特に、滋が出演している映画の俳優陣は、とりわけ目を引いた
「格差婚じゃん。大丈夫かな、マサトさん」
コノエは自分が着ているデザイナーズスーツを見た
もちろん、レンタルである
悔しいかな、よく似合っていた
「15年の恋を実らせてゴールインだよ?大丈夫に決まってるって」
ミナミもスマホカメラを構えている
彼女のアイナが滋のファンなのだという
「こっちも派手さじゃ負けてませんけどね」
アヤメが苦笑いをして言った
アヤメは昨夏、公務員試験に受かり、プッシールームを辞めていた
約束では、アヤメが働き始めたらコタローも辞めることになっていたが、なぜか少し前から指名が増え、売上を九と二分するようになった
そこで、マサトからアヤメに直接泣きが入り、他が育つまでもうしばらくコタローを働かせてくれ、と言われたのだ
アヤメは少しでも近くにいたいと新宿勤務にこだわった結果、4月から都庁で働くことになった
ふいに首元を引っ張られそちらを向くと、隣からコタローがアヤメのネクタイを直してくれた
コタローの色素の薄いグレーの瞳を見たアヤメは、
「結果、よかったのか、なあ?」
と呟いた
神田明神で、身内と共通の知人のみを招いて、マサトと滋の結婚式が行われた
「神社とは意外」
「新宿じゃないんだ」
「ないだろ。滋さんのイメージ悪くなる」
「俺らの新宿に謝れ」
プッシールームのメンバーは社殿での式から招待されていた
「呼んでいただけてありがたいよね」
タキは若草色の色紋付き姿で、神前式に花を添えている
クロから喪服姿を指定されているうちに、着物が好きになり、今では自分で着られるようになっていた
滋のモデル引退の理由が【結婚】と発表されると、世間では相手が誰かと取りざたされた
新事務所の力のお陰か、マサトのことを【一般人】と発表したからなのか、マスコミはそれ以上掘り下げなかったが、マサト側のファンから流れたネット上の情報で、マサトが相手というの公然のこととなっている
ただ、風俗店の店長をしているということは流れていない
今回の結婚式はマスコミ禁止ではあったが、出席した人間のタグ付けはフリーということで、九とコノエはシャッターチャンスを狙っていた
「九さん、式中はダメですからね!」
先冬、オンラインゲームの開発会社に中途採用されて社会人になったエチゼンが、板についたスーツ姿で九の袖を引っ張った
雅楽の音色が境内に響き渡るなか、式は厳かに進んだ
「俺らがこんなまともな結婚式に出られるなんて思っても見なかったあ」
エチゼンは今にも泣きそうだ
「俺らって、俺も一緒にすんなよ」
九があきれて言った
「九さんも、トワさんとするんでしょ?」
「おう!こないだ実家に挨拶行ったし!」
((((((どっちの?!))))))
皆の心の声が一致した
九の彼氏であるトワの実家は、ヤクザであった
※※※※※※※※※※
披露宴は近くの老舗のクラシックホテルで行われた
日本屈指のクラシックホテルだけあって、建具から調度品まで、気品に満ちていて、滋にぴったりだった
滋は純白のウエディングドレスに身を包み、その際立った美しさを惜しみ無く招待客に披露した
マサトも、バンドマンの端くれらしく、細身のタキシードをきれいに着こなしている
「滋さんの来賓席にいる人、女優さんだよね。披露宴には業界関係者も呼んだんだあ。当然だよね」
九が目を細めて新婦側の席を見た
滋の招待客の中には、女優、モデル、監督、作家、デザイナーなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいた
特に、滋が出演している映画の俳優陣は、とりわけ目を引いた
「格差婚じゃん。大丈夫かな、マサトさん」
コノエは自分が着ているデザイナーズスーツを見た
もちろん、レンタルである
悔しいかな、よく似合っていた
「15年の恋を実らせてゴールインだよ?大丈夫に決まってるって」
ミナミもスマホカメラを構えている
彼女のアイナが滋のファンなのだという
「こっちも派手さじゃ負けてませんけどね」
アヤメが苦笑いをして言った
アヤメは昨夏、公務員試験に受かり、プッシールームを辞めていた
約束では、アヤメが働き始めたらコタローも辞めることになっていたが、なぜか少し前から指名が増え、売上を九と二分するようになった
そこで、マサトからアヤメに直接泣きが入り、他が育つまでもうしばらくコタローを働かせてくれ、と言われたのだ
アヤメは少しでも近くにいたいと新宿勤務にこだわった結果、4月から都庁で働くことになった
ふいに首元を引っ張られそちらを向くと、隣からコタローがアヤメのネクタイを直してくれた
コタローの色素の薄いグレーの瞳を見たアヤメは、
「結果、よかったのか、なあ?」
と呟いた
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