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ペルシャの前夜(2)
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緑人は慌ててタキの口をふさいだ
露天風呂つきの離れではあるが、こんなに静かな自然のなかでは、少しの声でも遠くまで聞こえそうだった
今日のタキはいつものタキではなかった
全身から感情が溢れていた
「いつもイケなくてごめんっ」
「俺の方こそイカせてあげられなくてごめんっ!」
いつもは時間をかけたスローセックスだが、今日は止められなかった
椅子に座った状態から、挿れたままタキを抱き上げ、部屋に運んだ
部屋の壁にタキの背中を押し付けて手の力を緩めると、腰に響くくらい重くタキが落ちてきた
「深…イッ」
タキの反応は上々だった
もっと続けたかったが、3回で力の限界を迎え、ベッドに倒れ込んだ
ずっと挿れっぱなしのせいか、結合部分から太ももにかけて、びしょびしょに濡れていた
女性ではないからこんなに濡れるはずはない
じゃあこれは何だと思ったとき、緑人は自分の精液なのだと気づいた
イッたことに気づかないほど、タキを悦ばせることに夢中になっていた
「りょくとっ!もうだめっ!」
急にタキが腰を引いて暴れだした
「なんでっ?」
「イヤイヤイヤ」
「だからっなんで…」
「イッ…」
タキの身体がビクンと跳ね上がった
いつもの演技なら、ここで終わる
だが、その時はビクビクと、意識的に動かすのは困難な動きで震えた後、ペニスの先端から白い液体が溢れだした
「タキ…?」
タキは肩で息をしながら、緑人を見つめた
「イッた…?」
タキは、ウンともスンと言わなかった
緑人がゆっくりと引き抜くと、タキは震える脚を閉じて、シャツの裾で下半身を隠した
「見せて!」
「やだよ!」
抵抗するタキを押さえつけてシャツをめくると、くたったペニスがぐちょぐちょに濡れていた
客室についた露天風呂で身体を洗っている最中も、緑人は鼻唄を歌っていた
タキはそれを冷めた目で眺めながら
「そんなに嬉しい?」
と泡だらけの背中に投げ掛けた
「当たり前じゃん。タキ、セックスでイッたの初めてなんだろ?だったらタキの処女は実質オレのものじゃん」
緑人はシャワーを全開にし、一気に泡を洗い流した
タキが横にずれて湯船にスペースを作ると、そこに緑人が入った
「タキはどんな気分だった?」
「…気持ちよかったよ…」
タキは緑人の方を見ずに、吐き捨てるように呟いた
言い方はどうあれ、タキと付き合いだしてから、緑人が二番目に聞きたかった言葉だ
ちなみに、一番聞きたい言葉は「イッちゃう」だが、それは今後も聞く機会があるだろう
緑人は心がむずむずしてきた
「何モジモジしてるの」
緑人の異変に気づいたタキがいぶかしげに顔を覗き込んだきた
すっぴんのタキはいつもよりあどけなく見えた
「何でもないよ」
緑人は、タキのおでこにくっついた髪を払って、キスをした
※※※
次の日は昼近くまで寝て、レストランで昼食に近い朝食を食べ、他の客が誰もいない大浴場にゆっくり浸かってから帰途についた
温泉とセックスしかしなかったが、思い出せば胸がいっぱいになる旅行になったと緑人は思った
「今度は観光もできるといいね」
タキが車窓から見える海を眺めながら言った
※※※
新宿に着いたのは夕方5時前だった
「間に合う?」
「十分だよ。せっかく明日まで宿取ってたのに、泊まれなくてごめんね」
よほど大事な用事なのか、口では大丈夫と言いながら何度も時計を見るタキが気になった
その用事が仕事かどうか聞いたとき、タキは「違う」と答えたが、新宿の繁華街のど真ん中で降ろすとなると、色々と勘ぐってしまう
区役所通りを靖国通り方面に向けて走っていると、浴衣姿の人が目についた
「何かの祭りかな?」
「花園神社。酉の市。今日は一の酉かな」
「二の酉もあるの?」
「三の酉まであるよ。2週間起きくらいに」
「詳しいね」
「プッシールームが近いからね。俺の青春」
「それは知らなかった」
「いまは緑人くんがいるけど、少し前までは俺の心を慰めてくれるのはプッシールームのお客さんたちだけだったからね」
「もう大丈夫?」
「うん。頼りにしてる。一の酉が無事に終わったら、二の酉は一緒にいこう」
「え?」
緑人の聞き返しに、タキは答えなかった
「本当にここでいいの?」
新宿ピカデリーの前でタキを降ろした
人も車も多い道路だから、別れを惜しむ時間などない
「ありがとう。じゃあ、また連絡するね」
タキは素早く降りると、すぐに夜の新宿の喧騒に紛れて、見えなくなってしまった
露天風呂つきの離れではあるが、こんなに静かな自然のなかでは、少しの声でも遠くまで聞こえそうだった
今日のタキはいつものタキではなかった
全身から感情が溢れていた
「いつもイケなくてごめんっ」
「俺の方こそイカせてあげられなくてごめんっ!」
いつもは時間をかけたスローセックスだが、今日は止められなかった
椅子に座った状態から、挿れたままタキを抱き上げ、部屋に運んだ
部屋の壁にタキの背中を押し付けて手の力を緩めると、腰に響くくらい重くタキが落ちてきた
「深…イッ」
タキの反応は上々だった
もっと続けたかったが、3回で力の限界を迎え、ベッドに倒れ込んだ
ずっと挿れっぱなしのせいか、結合部分から太ももにかけて、びしょびしょに濡れていた
女性ではないからこんなに濡れるはずはない
じゃあこれは何だと思ったとき、緑人は自分の精液なのだと気づいた
イッたことに気づかないほど、タキを悦ばせることに夢中になっていた
「りょくとっ!もうだめっ!」
急にタキが腰を引いて暴れだした
「なんでっ?」
「イヤイヤイヤ」
「だからっなんで…」
「イッ…」
タキの身体がビクンと跳ね上がった
いつもの演技なら、ここで終わる
だが、その時はビクビクと、意識的に動かすのは困難な動きで震えた後、ペニスの先端から白い液体が溢れだした
「タキ…?」
タキは肩で息をしながら、緑人を見つめた
「イッた…?」
タキは、ウンともスンと言わなかった
緑人がゆっくりと引き抜くと、タキは震える脚を閉じて、シャツの裾で下半身を隠した
「見せて!」
「やだよ!」
抵抗するタキを押さえつけてシャツをめくると、くたったペニスがぐちょぐちょに濡れていた
客室についた露天風呂で身体を洗っている最中も、緑人は鼻唄を歌っていた
タキはそれを冷めた目で眺めながら
「そんなに嬉しい?」
と泡だらけの背中に投げ掛けた
「当たり前じゃん。タキ、セックスでイッたの初めてなんだろ?だったらタキの処女は実質オレのものじゃん」
緑人はシャワーを全開にし、一気に泡を洗い流した
タキが横にずれて湯船にスペースを作ると、そこに緑人が入った
「タキはどんな気分だった?」
「…気持ちよかったよ…」
タキは緑人の方を見ずに、吐き捨てるように呟いた
言い方はどうあれ、タキと付き合いだしてから、緑人が二番目に聞きたかった言葉だ
ちなみに、一番聞きたい言葉は「イッちゃう」だが、それは今後も聞く機会があるだろう
緑人は心がむずむずしてきた
「何モジモジしてるの」
緑人の異変に気づいたタキがいぶかしげに顔を覗き込んだきた
すっぴんのタキはいつもよりあどけなく見えた
「何でもないよ」
緑人は、タキのおでこにくっついた髪を払って、キスをした
※※※
次の日は昼近くまで寝て、レストランで昼食に近い朝食を食べ、他の客が誰もいない大浴場にゆっくり浸かってから帰途についた
温泉とセックスしかしなかったが、思い出せば胸がいっぱいになる旅行になったと緑人は思った
「今度は観光もできるといいね」
タキが車窓から見える海を眺めながら言った
※※※
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「間に合う?」
「十分だよ。せっかく明日まで宿取ってたのに、泊まれなくてごめんね」
よほど大事な用事なのか、口では大丈夫と言いながら何度も時計を見るタキが気になった
その用事が仕事かどうか聞いたとき、タキは「違う」と答えたが、新宿の繁華街のど真ん中で降ろすとなると、色々と勘ぐってしまう
区役所通りを靖国通り方面に向けて走っていると、浴衣姿の人が目についた
「何かの祭りかな?」
「花園神社。酉の市。今日は一の酉かな」
「二の酉もあるの?」
「三の酉まであるよ。2週間起きくらいに」
「詳しいね」
「プッシールームが近いからね。俺の青春」
「それは知らなかった」
「いまは緑人くんがいるけど、少し前までは俺の心を慰めてくれるのはプッシールームのお客さんたちだけだったからね」
「もう大丈夫?」
「うん。頼りにしてる。一の酉が無事に終わったら、二の酉は一緒にいこう」
「え?」
緑人の聞き返しに、タキは答えなかった
「本当にここでいいの?」
新宿ピカデリーの前でタキを降ろした
人も車も多い道路だから、別れを惜しむ時間などない
「ありがとう。じゃあ、また連絡するね」
タキは素早く降りると、すぐに夜の新宿の喧騒に紛れて、見えなくなってしまった
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