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幼女になりましたが何か?
つばい やだーっ! ほしいのーっ!
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【プレイヤーネームを設定してください】
名前を決める必要があるみたいだ。
〘ゆきうさぎ〙5/15文字
名前はゆきうさぎ、と設定した。
え? 名前の兎を気に入ってるのかって? そりゃあもちろん気に入ってるよ。……男らしいかと言われたら微妙だけども、僕といえばみたいな所もあるから。
【職業、役割を選択してください】
職業によってステータスに違いがあったり、覚えられる魔法が変わるらしい。職業には、以下の15種類のものがあった。
セイバー、ランサー、ウォリアー、シーフ、アーチャー、ハンター、ガンナー、メイジ、プリースト、アルケミスト、シェフ、ファーマシー、ブラックスミス、ダンサー、シーカー。
役割によって魔法の威力やステータスが変わるらしい。
役割は以下の三つ。
アタッカー、タンク、サポーター。
どの職業でもアタッカーとタンクとサポーターで使える魔法や性能が違うらしい。
僕はメイジのアタッカーを選んだ。
セイバーも良かったのだが、何となくメイジに惹かれてそうすることにした。アタッカーは、まぁ……一番やりやすそうだし……。そもそもこのゲーム絶対アタッカー率高いでしょうよ。
あ、ステータスを見ることは絶対にできない。ステータスは個人差もあるらしく、それによって明確な格差が生まれるのを防ぐためだという。
さて。ゲームにログインすると、森に囲まれた草原の中に出た。手には木の棒を持っていて、服装も魔女っ子みたいな黒いとんがり帽子にローブであった。
まるでこの世界に来たように、感触や嗅覚などもこの世界に準拠している。しかし……。
「あ、あっつぅ……っ!?」
熱などの感覚もあり、全身の肌が灼けるように痛い。ついゲームである事を忘れてしまいそうになる程度には暑く痛い。
「近くに日陰になりそうなのは……ないかぁ」
体感温度はあまり高くないのだが、肌が灼けるように暑いし熱い。恐らくはメラニン色素が少ないからだろうが……ここまでとは。
「んぅ……村ぁ……?」
少し辺りを見回すと、集落らしきものがあった。
屋内で涼みたいが、流石にゲームであっても民家に入る訳にもいかないので、お店らしき建物の扉をとんとんと叩いて、入った。
「いらっしゃい、嬢ちゃん」
「はぇ」
店に入ると、筋骨隆々なヤッさんのような人が出迎えていた。怖い。
「??? えっと……?」
「アルティメットゴリラだ。よろしくな嬢ちゃん」
「あ、はい、どーも……」
アルティメットゴリラさんというようだ。
自称ゴリラか……。えぇ……。
「ここは武器屋だ、嬢ちゃんは見た目からして、杖が欲しいんだろう? 服装で分かるさ。いい物があるからな、ちょっと待っていてくれ」
「は、はい……」
アルティメットゴリラさんはそのブツを取りに、店の奥に入っていった。言い方ぁ……。今の間に、少しどんなものが置いてあるかも見ておこう。
剣に盾、槍、斧、弓、杖。これらがあった。他に特に変わった武器はなさそうだ。
そういえば、僕の現在の装備はどうなっているのだろう。初期装備も多少ランダムらしい。強さに差はないが。
ネット曰く、こめかみを二回叩くと、自分のステータス以外の情報が見れるらしい。
ゆきうさぎ メイジ アタッカー
武器 木の棒 ★1
頭装備 しょぼいとんがり帽子 ★1
上半身装備 しょぼいローブ ★1
下半身装備 しょぼいパンツ ★1
靴 しょぼいサンダル ★1
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全部しょぼいのかよ……!
武器も木の棒……多分杖じゃないだろうから魔法使えないよねこれ。
そう思っていたら、アルティメットゴリラさんは出てきた。サラシのような物に包まれた、布越しでも緑色の光と蒼い煙のような光が見える杖。
「店一番の杖、いつもなら200000Gというとてつもない値段を取るところだったがな……今回は特別に100Gにしてやろう」
店一番の杖。布をしゅるしゅると外され、全貌が見えた。もう何パーセント引きなんだろう……? 緑色の水晶が付いた、銀色の杖。その水晶を守るかのような羽に、水晶から溢れ出る青白い光の渦。少し不気味だが、美しい。
それを触ると、羽のように軽く、手によく馴染んだ。また、杖に付いた緑色の水晶が紅く染まっていく。
この杖は、絶対に逃してはいけない代物だろう。だが……。
「えっと……ごーるど……金?」
「知らないのか。ゴールドはこのゲームの通貨……円みたいなものだな。その様子なら持ってないみたいだな。ごめんな、残念だけどお預けに……100ゴールド集めてから来てくれないか?」
お預け。そう聞いた瞬間、僕の目から涙が出てきた。そっかぁ、ちょっと残念……としか思っていないのに、それがとても増幅されて体に現れていた。
幼女に泣かれて……アルティメットゴリラさん、なんだかごめんなさい……。
「や、やだぁ……っほ、ほしいの……っ!」
「そ、そう言われてもなぁ……」
「ひっぐ……えっぐ……杖……」
僕の瞳からは更に涙が出てくる。
声も勝手に出てきて、喚いている。
いや。決して泣いているわけではない(数秒前の自分の発言を見返してみましょう)。
喚いてるだけなんだ。目から汗(涙)を出しながら喚いてるだけなんだよ。
というか200000Gから100Gにするのなら、余裕だとかはもういいだろうに。
「杖……ほしいの……!」
「うぐっ……だ、だがな、嬢ちゃん……」
な、何度も言うけど泣いてないからな。頼みます、信じてください。……ちょっと無理があるか。はい泣いてます。
「だめ……?」
「……!? わ、分かった……分かったから……な!?」
僕は、上目遣いでアルティメットゴリラさんを見ていた。その瞬間に、アルティメットゴリラさんは胸を抑えた。
「あのな……今回だけだからな……? だから、その……な? 心臓に悪いから、その顔はやめてくれ。な?」
「ありがとうございましゅ……!」
蒼光塵の魔杖 ★99 *属性 new!!
緑色の水晶の周りに青白い光が漂う杖。扱いがとても難しく、並大抵の者には岩のように重くなるが、選ばれし者は杖の全ての力を扱えるという。
アルティメットゴリラさんは優しく、なんとこの杖を無料でくれた。感謝してもしきれないし、駄々をこねてしまって、本当にとても申し訳ない。
ところで、★99ってどのくらいの強さです? 多分手に入っちゃいけないタイプの武器だよね? あと*属性って何!? 怖いんだけど!?
「じゃあな、可愛い嬢ちゃん。また来た時は歓迎しよう。」
「は、はい……!」
僕は店を出た。
ギャン泣きしたから少々気まずい。
店の外へと出て、日光に当たっているが、なぜだか暑さは全く感じない。むしろ涼しい。
「杖の力……なのかな?」
杖の力ってすげー! どうなってるの?
集落は、今見るとそこそこの大きさがあり、フィルスト村というようだ。十軒ほどの建物が建っており、林檎畑みたいなものもあった。多分きっと恐らくメイビー林檎だ。禁断の果実。
えっ禁断の果実はいちじくの可能性もあるの? 林檎のイメージ強いんだけど……。
そういえば、このゲームには属性や、固有の能力というものもあるらしい。自分の属性は知りたいので、こめかみを二回指で叩き情報を見る。
ゆきうさぎ さん ID:Juk1m18
Lv:1 Exp:0 SP:0
メイジ アタッカー 光属性、*属性
能力:****、****
覚えている魔法:なし
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属性だけでなく能力も伏字……?
属性の片方は光属性みたいだけども。
とりあえず、属性について説明しよう。
炎、水、氷、雷、風、土、光、闇、無の九種類がある。伏字の属性は知らん。
また、属性には相性というものがあり、基本的に覆ることはない。ただし一部例外の魔法あり。尚、無属性は相性などない。
伏字は知らん。
能力は、ゲーム内の物を操ったり、自分の攻撃などに効果を追加したりする、人によって違うシステムだ。基本的に四字。……基本一人一つなのだが、何故か二つある上に能力が分からない。
「あ、そろそろ黒菜が帰ってきてるかな? よし、ログアウトっと……」
黒菜が帰っている頃合いと思い、ゲームを中断し、ログアウトした。
ゲームしている間は現実が全く分からないから少し不便なものだ。
◇
「ただいま~、買ってきた服全部銀郎爺さんが奢ってくれたよ~」
「ちょうど良かった……。おかえりー」
ゲームをログアウトした直後、玄関の扉が開いた音がし、妹が帰ってきた。
さて。どんな服を買ってきたか……。
ビニール袋の中身を見る。
機能性の良い服装ばかり……なのだが……。
「いや、あのさぁ……」
「お兄ちゃん、受け入れなよ」
「スカート買ってこないで……」
「お兄ちゃん今可愛い女の子なの。スカートくらい穿きなって」
初日でスカートは覚悟が……。せめてもう少しだけ待って……。
「嫌だ……恥ずかしいから嫌だ……」
「イギリス人※だってスカート着るんだよ!?」
「キルトと言えキルトと!」
※イギリス人でも間違ってはいないが、正確にはスコットランド人の民族衣装である。イングランド人やウェールズ人などが着るわけではないので注意。
……というか僕は日本人なのだが?
「はぁ、まぁ爺さんに奢られたし着るけどさ……少し覚悟もしてたし……」
「お兄ちゃんはよ着なよ」
「……」
腹が立つ妹だ。
さて、妹が買ってきた服達は、可愛い物やお洒落な物ばかりだ。……何処で買ってきたのやら。まさか西○屋か?
そういや西○屋なんて行ったことないな。
基本行くところなんてユ○クロかし○むらだし。というかそもそも服屋に行かない。
全部脱げて下着も履いていないので、下着から履くことにする。……が、全部のパンツにうさぎさんが描かれていた。
「って、ぉ、おい! 黒菜……っ! な、何で全部うさぎパンツなの……!?」
「か、可愛いよお兄ちゃん……っふふ」
「なにわろてんねん……っ!」
妹よ、兄にうさぎさんパンツを履かせて楽しいか? 訊きたいのだけれど?
あとこういうパンツの相場はくまさんだろうに……。
まぁ、いいか。
とりあえずスカートとTシャツを着た。
「うん、可愛いよお兄ちゃん」
「良かった……、普通にお洒落な感じの服だ……。本当に良かったぁ……変な服じゃなくて……」
痛々しかったり人前で見せられないような服じゃなくて本当に良かった。
「でも、なんだろう……。うん。可愛いんだけど……段々となんか……、今のお兄ちゃんは儚げというか……幽霊みたい」
「こんな真っ白な肌だしなぁ……幽霊呼ばわりは嫌だけど」
妹に幽霊とか言われたのだが。
まぁ、自分で言うのもなんだが、肌も髪も真っ白だし、顔も可愛い……けど、綺麗でもあるし……。幽霊と言われても多少は分からなくもない。
「てかお兄ちゃん。これからどうするの?」
そういえばそうだった。
女の子になったから、学校には行きません……なんて信じられるわけない上に学校来いと言われるだけだ。
友達も信じるような人は……いないと思う。
え? どうしようもなくね……?
「と、とりあえず。昼ごはん食べよっか」
「う。うん……いや考えるのやめたでしょお兄ちゃん……?」
「……やめてないよ?」
さて。昼食。普段は僕の方が料理するのだが、縮んで料理中のフライパンの中が見えなくなり、出来なくなった。
そのため、いつもは名前の如く作る料理を|黒い菜にする黒菜に任せてしまった。
「はい、私特製チャーハン」
「嘘だろ……? こんなちゃんとした炒飯を……黒菜が……?」
「失礼だよねお兄ちゃん……!」
しかし、今日の炒飯は黒菜が作ったとはとても思えない出来だった。見た目は。
「いただきます」
とりあえず一口。
炒飯はとてもパラパラとしており、スプーンですくうことも難しい。黒菜のくせにどうやったんだ?
「あむっ」
少し不安ながらも、黒菜の料理を口に入れた。その瞬間、舌に少しの痛みが走る。
「アメリカ産黒毛和牛……(!?)」
「……お、お兄ちゃん……?」
「インド風味噌汁……(!?)」
僕は一体何を言って……!?
炒飯の味は、口の中に塩の塊を詰め込まれたみたいな感じの味であった。脱水症状になるかと思った。
「大丈夫……? お兄ちゃん……」
「黒菜……。お前もう二度と料理するな」
「な、何で……っ!?」
昼食を食べ終わり(全部黒菜に食わせた)「おぇ……」、少しテレビを見ていたら、インターホンが鳴った。今いい所なのに。
『白兎くん、今家にいらっしゃいますか?』
僕の耳にとても聞き馴染みのある声だった。しかし、信じてくれるだろうか。
あとせめてテレビの結末が知りた……『白兎くーん、いないのですか?』……はいはい。
ドアを開いて、彼女と会う。
近坂 望乃。僕の幼馴染であり、昔からゲーム廃人な所以外はほとんど完璧なお嬢様。
あと小学4年生の頃から急に丁寧語になった。それ以前まで滅茶苦茶口悪かったのに。
「あの、すみません……どなた様……でしょうか……? 白兎くんの妹さん……? ですが、黒菜さん以外は聞いたことがないですし、それに白兎くんのお母様は……」
望乃は僕の家から知らない幼女が出た事に困惑したのか、ブツブツと言っている。
「ぼ、僕だよ望乃……! 白兎だよ……!」
「はい……? え、……はい!? どういうことでしょうか……!?」
Zwei Ich moechte diesen Gehstock
次回:Drei Spiele ich Spiele mit Mino?
名前を決める必要があるみたいだ。
〘ゆきうさぎ〙5/15文字
名前はゆきうさぎ、と設定した。
え? 名前の兎を気に入ってるのかって? そりゃあもちろん気に入ってるよ。……男らしいかと言われたら微妙だけども、僕といえばみたいな所もあるから。
【職業、役割を選択してください】
職業によってステータスに違いがあったり、覚えられる魔法が変わるらしい。職業には、以下の15種類のものがあった。
セイバー、ランサー、ウォリアー、シーフ、アーチャー、ハンター、ガンナー、メイジ、プリースト、アルケミスト、シェフ、ファーマシー、ブラックスミス、ダンサー、シーカー。
役割によって魔法の威力やステータスが変わるらしい。
役割は以下の三つ。
アタッカー、タンク、サポーター。
どの職業でもアタッカーとタンクとサポーターで使える魔法や性能が違うらしい。
僕はメイジのアタッカーを選んだ。
セイバーも良かったのだが、何となくメイジに惹かれてそうすることにした。アタッカーは、まぁ……一番やりやすそうだし……。そもそもこのゲーム絶対アタッカー率高いでしょうよ。
あ、ステータスを見ることは絶対にできない。ステータスは個人差もあるらしく、それによって明確な格差が生まれるのを防ぐためだという。
さて。ゲームにログインすると、森に囲まれた草原の中に出た。手には木の棒を持っていて、服装も魔女っ子みたいな黒いとんがり帽子にローブであった。
まるでこの世界に来たように、感触や嗅覚などもこの世界に準拠している。しかし……。
「あ、あっつぅ……っ!?」
熱などの感覚もあり、全身の肌が灼けるように痛い。ついゲームである事を忘れてしまいそうになる程度には暑く痛い。
「近くに日陰になりそうなのは……ないかぁ」
体感温度はあまり高くないのだが、肌が灼けるように暑いし熱い。恐らくはメラニン色素が少ないからだろうが……ここまでとは。
「んぅ……村ぁ……?」
少し辺りを見回すと、集落らしきものがあった。
屋内で涼みたいが、流石にゲームであっても民家に入る訳にもいかないので、お店らしき建物の扉をとんとんと叩いて、入った。
「いらっしゃい、嬢ちゃん」
「はぇ」
店に入ると、筋骨隆々なヤッさんのような人が出迎えていた。怖い。
「??? えっと……?」
「アルティメットゴリラだ。よろしくな嬢ちゃん」
「あ、はい、どーも……」
アルティメットゴリラさんというようだ。
自称ゴリラか……。えぇ……。
「ここは武器屋だ、嬢ちゃんは見た目からして、杖が欲しいんだろう? 服装で分かるさ。いい物があるからな、ちょっと待っていてくれ」
「は、はい……」
アルティメットゴリラさんはそのブツを取りに、店の奥に入っていった。言い方ぁ……。今の間に、少しどんなものが置いてあるかも見ておこう。
剣に盾、槍、斧、弓、杖。これらがあった。他に特に変わった武器はなさそうだ。
そういえば、僕の現在の装備はどうなっているのだろう。初期装備も多少ランダムらしい。強さに差はないが。
ネット曰く、こめかみを二回叩くと、自分のステータス以外の情報が見れるらしい。
ゆきうさぎ メイジ アタッカー
武器 木の棒 ★1
頭装備 しょぼいとんがり帽子 ★1
上半身装備 しょぼいローブ ★1
下半身装備 しょぼいパンツ ★1
靴 しょぼいサンダル ★1
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全部しょぼいのかよ……!
武器も木の棒……多分杖じゃないだろうから魔法使えないよねこれ。
そう思っていたら、アルティメットゴリラさんは出てきた。サラシのような物に包まれた、布越しでも緑色の光と蒼い煙のような光が見える杖。
「店一番の杖、いつもなら200000Gというとてつもない値段を取るところだったがな……今回は特別に100Gにしてやろう」
店一番の杖。布をしゅるしゅると外され、全貌が見えた。もう何パーセント引きなんだろう……? 緑色の水晶が付いた、銀色の杖。その水晶を守るかのような羽に、水晶から溢れ出る青白い光の渦。少し不気味だが、美しい。
それを触ると、羽のように軽く、手によく馴染んだ。また、杖に付いた緑色の水晶が紅く染まっていく。
この杖は、絶対に逃してはいけない代物だろう。だが……。
「えっと……ごーるど……金?」
「知らないのか。ゴールドはこのゲームの通貨……円みたいなものだな。その様子なら持ってないみたいだな。ごめんな、残念だけどお預けに……100ゴールド集めてから来てくれないか?」
お預け。そう聞いた瞬間、僕の目から涙が出てきた。そっかぁ、ちょっと残念……としか思っていないのに、それがとても増幅されて体に現れていた。
幼女に泣かれて……アルティメットゴリラさん、なんだかごめんなさい……。
「や、やだぁ……っほ、ほしいの……っ!」
「そ、そう言われてもなぁ……」
「ひっぐ……えっぐ……杖……」
僕の瞳からは更に涙が出てくる。
声も勝手に出てきて、喚いている。
いや。決して泣いているわけではない(数秒前の自分の発言を見返してみましょう)。
喚いてるだけなんだ。目から汗(涙)を出しながら喚いてるだけなんだよ。
というか200000Gから100Gにするのなら、余裕だとかはもういいだろうに。
「杖……ほしいの……!」
「うぐっ……だ、だがな、嬢ちゃん……」
な、何度も言うけど泣いてないからな。頼みます、信じてください。……ちょっと無理があるか。はい泣いてます。
「だめ……?」
「……!? わ、分かった……分かったから……な!?」
僕は、上目遣いでアルティメットゴリラさんを見ていた。その瞬間に、アルティメットゴリラさんは胸を抑えた。
「あのな……今回だけだからな……? だから、その……な? 心臓に悪いから、その顔はやめてくれ。な?」
「ありがとうございましゅ……!」
蒼光塵の魔杖 ★99 *属性 new!!
緑色の水晶の周りに青白い光が漂う杖。扱いがとても難しく、並大抵の者には岩のように重くなるが、選ばれし者は杖の全ての力を扱えるという。
アルティメットゴリラさんは優しく、なんとこの杖を無料でくれた。感謝してもしきれないし、駄々をこねてしまって、本当にとても申し訳ない。
ところで、★99ってどのくらいの強さです? 多分手に入っちゃいけないタイプの武器だよね? あと*属性って何!? 怖いんだけど!?
「じゃあな、可愛い嬢ちゃん。また来た時は歓迎しよう。」
「は、はい……!」
僕は店を出た。
ギャン泣きしたから少々気まずい。
店の外へと出て、日光に当たっているが、なぜだか暑さは全く感じない。むしろ涼しい。
「杖の力……なのかな?」
杖の力ってすげー! どうなってるの?
集落は、今見るとそこそこの大きさがあり、フィルスト村というようだ。十軒ほどの建物が建っており、林檎畑みたいなものもあった。多分きっと恐らくメイビー林檎だ。禁断の果実。
えっ禁断の果実はいちじくの可能性もあるの? 林檎のイメージ強いんだけど……。
そういえば、このゲームには属性や、固有の能力というものもあるらしい。自分の属性は知りたいので、こめかみを二回指で叩き情報を見る。
ゆきうさぎ さん ID:Juk1m18
Lv:1 Exp:0 SP:0
メイジ アタッカー 光属性、*属性
能力:****、****
覚えている魔法:なし
Page1 [Page2] Page3
属性だけでなく能力も伏字……?
属性の片方は光属性みたいだけども。
とりあえず、属性について説明しよう。
炎、水、氷、雷、風、土、光、闇、無の九種類がある。伏字の属性は知らん。
また、属性には相性というものがあり、基本的に覆ることはない。ただし一部例外の魔法あり。尚、無属性は相性などない。
伏字は知らん。
能力は、ゲーム内の物を操ったり、自分の攻撃などに効果を追加したりする、人によって違うシステムだ。基本的に四字。……基本一人一つなのだが、何故か二つある上に能力が分からない。
「あ、そろそろ黒菜が帰ってきてるかな? よし、ログアウトっと……」
黒菜が帰っている頃合いと思い、ゲームを中断し、ログアウトした。
ゲームしている間は現実が全く分からないから少し不便なものだ。
◇
「ただいま~、買ってきた服全部銀郎爺さんが奢ってくれたよ~」
「ちょうど良かった……。おかえりー」
ゲームをログアウトした直後、玄関の扉が開いた音がし、妹が帰ってきた。
さて。どんな服を買ってきたか……。
ビニール袋の中身を見る。
機能性の良い服装ばかり……なのだが……。
「いや、あのさぁ……」
「お兄ちゃん、受け入れなよ」
「スカート買ってこないで……」
「お兄ちゃん今可愛い女の子なの。スカートくらい穿きなって」
初日でスカートは覚悟が……。せめてもう少しだけ待って……。
「嫌だ……恥ずかしいから嫌だ……」
「イギリス人※だってスカート着るんだよ!?」
「キルトと言えキルトと!」
※イギリス人でも間違ってはいないが、正確にはスコットランド人の民族衣装である。イングランド人やウェールズ人などが着るわけではないので注意。
……というか僕は日本人なのだが?
「はぁ、まぁ爺さんに奢られたし着るけどさ……少し覚悟もしてたし……」
「お兄ちゃんはよ着なよ」
「……」
腹が立つ妹だ。
さて、妹が買ってきた服達は、可愛い物やお洒落な物ばかりだ。……何処で買ってきたのやら。まさか西○屋か?
そういや西○屋なんて行ったことないな。
基本行くところなんてユ○クロかし○むらだし。というかそもそも服屋に行かない。
全部脱げて下着も履いていないので、下着から履くことにする。……が、全部のパンツにうさぎさんが描かれていた。
「って、ぉ、おい! 黒菜……っ! な、何で全部うさぎパンツなの……!?」
「か、可愛いよお兄ちゃん……っふふ」
「なにわろてんねん……っ!」
妹よ、兄にうさぎさんパンツを履かせて楽しいか? 訊きたいのだけれど?
あとこういうパンツの相場はくまさんだろうに……。
まぁ、いいか。
とりあえずスカートとTシャツを着た。
「うん、可愛いよお兄ちゃん」
「良かった……、普通にお洒落な感じの服だ……。本当に良かったぁ……変な服じゃなくて……」
痛々しかったり人前で見せられないような服じゃなくて本当に良かった。
「でも、なんだろう……。うん。可愛いんだけど……段々となんか……、今のお兄ちゃんは儚げというか……幽霊みたい」
「こんな真っ白な肌だしなぁ……幽霊呼ばわりは嫌だけど」
妹に幽霊とか言われたのだが。
まぁ、自分で言うのもなんだが、肌も髪も真っ白だし、顔も可愛い……けど、綺麗でもあるし……。幽霊と言われても多少は分からなくもない。
「てかお兄ちゃん。これからどうするの?」
そういえばそうだった。
女の子になったから、学校には行きません……なんて信じられるわけない上に学校来いと言われるだけだ。
友達も信じるような人は……いないと思う。
え? どうしようもなくね……?
「と、とりあえず。昼ごはん食べよっか」
「う。うん……いや考えるのやめたでしょお兄ちゃん……?」
「……やめてないよ?」
さて。昼食。普段は僕の方が料理するのだが、縮んで料理中のフライパンの中が見えなくなり、出来なくなった。
そのため、いつもは名前の如く作る料理を|黒い菜にする黒菜に任せてしまった。
「はい、私特製チャーハン」
「嘘だろ……? こんなちゃんとした炒飯を……黒菜が……?」
「失礼だよねお兄ちゃん……!」
しかし、今日の炒飯は黒菜が作ったとはとても思えない出来だった。見た目は。
「いただきます」
とりあえず一口。
炒飯はとてもパラパラとしており、スプーンですくうことも難しい。黒菜のくせにどうやったんだ?
「あむっ」
少し不安ながらも、黒菜の料理を口に入れた。その瞬間、舌に少しの痛みが走る。
「アメリカ産黒毛和牛……(!?)」
「……お、お兄ちゃん……?」
「インド風味噌汁……(!?)」
僕は一体何を言って……!?
炒飯の味は、口の中に塩の塊を詰め込まれたみたいな感じの味であった。脱水症状になるかと思った。
「大丈夫……? お兄ちゃん……」
「黒菜……。お前もう二度と料理するな」
「な、何で……っ!?」
昼食を食べ終わり(全部黒菜に食わせた)「おぇ……」、少しテレビを見ていたら、インターホンが鳴った。今いい所なのに。
『白兎くん、今家にいらっしゃいますか?』
僕の耳にとても聞き馴染みのある声だった。しかし、信じてくれるだろうか。
あとせめてテレビの結末が知りた……『白兎くーん、いないのですか?』……はいはい。
ドアを開いて、彼女と会う。
近坂 望乃。僕の幼馴染であり、昔からゲーム廃人な所以外はほとんど完璧なお嬢様。
あと小学4年生の頃から急に丁寧語になった。それ以前まで滅茶苦茶口悪かったのに。
「あの、すみません……どなた様……でしょうか……? 白兎くんの妹さん……? ですが、黒菜さん以外は聞いたことがないですし、それに白兎くんのお母様は……」
望乃は僕の家から知らない幼女が出た事に困惑したのか、ブツブツと言っている。
「ぼ、僕だよ望乃……! 白兎だよ……!」
「はい……? え、……はい!? どういうことでしょうか……!?」
Zwei Ich moechte diesen Gehstock
次回:Drei Spiele ich Spiele mit Mino?
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