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新歓が終わるまで生徒会と風紀は協力する、と約束してからもうすぐ一週間。
まだ新歓の準備は始まっていない為協力し合う場面はないのだが、喧嘩だとか言い合いだとかは減った。
時々俺は敦先輩や悠先輩に新歓の企画書の相談をしに行くのだが、それに対して生徒会の先輩方は何も言わなくなった。
嫌そうな顔をして、ぶつぶつ何か言っているようだが、喧嘩とはなっていないのでよしとする。
まぁそんなこんなで、今日は月に一度の定期委員会。つまり、俺の企画書を発表する日。
緊張してきた~!
会議室に一番乗りだった生徒会は各々自分の準備をしている。
ちなみに、今回生徒会役員で参加するのは会長、副会長、書記の中尾先輩、そして俺だ。定期委員会はこのメンツで参加するらしい。
生徒会長は資料の確認。副会長は資料を一枚ずつ机に置いていく。中尾先輩はノートに必要事項を書き込んでいる。俺はぶつぶつと呟きながら、今日のプレゼンテーションの進め方をもう一度見る。
そうしていると、ノック三回の後にドアが開いた。
「失礼します」
「失礼します~」
入って来た方々を見て、俺はすぐさま駆け寄った。
「梓先輩!真先輩!」
俺を認識した二人は柔らかい笑みを浮かべて晴、と俺の名前を呼んでくれた。
「晴、プレゼンするんだって?」
梓先輩の言葉に真先輩はえぇ?と驚いて目を丸くし、俺を見た。
「それほんとう?すごいねぇ、晴君」
偉い偉いと頭を撫でてくれる真先輩をえへへとだらしなく笑ってしまう。
梓先輩は保健委員長、久野真先輩は図書委員長だ。
俺はけっこう図書館を利用するタイプだから真先輩とは仲がいい方だと思う。
梓先輩も真先輩も癒し系で、大好きな先輩だ。
「失礼する!」
と今度は体育委員長の加野智先輩が入ってきた。
体育委員長として不足ない熱血な方である。
「失礼します……」
加野先輩に続いて入ってきたのは放送委員長の渡修先輩。
超ネガティブ思考。
「遅れてすまない」
そして最後に入ってきたのは風紀委員長の敦先輩。
全員席についたのを確認した司会の副会長が号令をかけ、定期委員会は始まった。
「まずは近況報告です。体育委員からお願いします」
「分かった!」
ガタッと勢いよく立って、体育委員長は報告を始めた。
「これといって問題はない!だが、翔がなかなか振り向いてくれない!」
「体育委員長、私情を持ち込まないでください」
うん、確かに最後の一言は完全に自分自身の事だよ。
副会長冷静だな……。
にしても、翔って誰なんだ。
「その"翔"というのは転校生の事か」
「そうだ!」
ん?会長が食い付くなんて珍しいな……。
「そいつに関する事案がたくさん上がってきている。前川翔関連で何か報告する者はいるか」
「あ、はぁい」
緩く手を上げたのは図書委員長の真先輩。立ち上がって困った顔をしながら説明をする。
「図書館であまりにも騒ぐものだから、出禁にしたよぉ。そしたら癇癪を起こして暴れて、本が一冊ダメになっちゃったんだよねぇ」
「暴れてって、何をしたんですか、彼は……」
副会長が呆れたように言ってため息をつく。
「あ、あの」
戸惑った様子で声を上げたのは放送委員長だった。
全員の視線がそそがれておどおどしつつ、言葉の続きを話した。
「ぼ、僕、友人に生徒会の親衛隊の子がいるんですけど、彼が、言ってたんです。
"前川翔が生徒会の友達、と名乗って親衛隊に喧嘩を仕掛けてくる"って」
「友達ぃ?」
呆れと怒りを含んだ会長の声。比率的には7:3くらいだろうか。
「私達は彼と友達になった覚えはありません」
副会長の冷たい言葉に中尾先輩はうんうんと頷く。
「そういえば、晴、あれから前川に何もされてない?」
「そうだった、晴君転校生君に傷つけられたんだよねぇ?」
今度は俺に視線が集まっておどおどしてしまう。
そんなに凝視しないでください!
「とっ特には何もないです。
会ったら話しかけられますけど、触ろうとしてきたら、友人が阻止するので」
「さすが生徒会補佐さんだ……」
ちょっと待ってください。
さすがってどういう意味ですか、放送委員長さん。
「む、羨ましいぞ、生徒会補佐!
翔に話し掛けてもらえるなんて感謝しろ!」
やばい。
体育委員長の脳はもう既に前川翔に侵されている。
「なんにせよ、前川翔には注意喚起が必要だろう」
毅然とした態度の敦先輩にそうですね、と同意しようとした時、会長が食いかかった。
「注意喚起なんてぬるいもんじゃ足りないだろ。風紀委員は物事を軽く考え過ぎなんだよ」
ちょ、会長!?
なんでそんな喧嘩を売るような事を……!?
「お前に言われる筋合いはない。
そもそも生徒会が解決すべきではないのか?前川翔は生徒会の友達だと名乗っている」
「そんなの俺達の知った事じゃねぇ。学校の風紀を守るのが風紀の仕事なんだから、お前等が解決させるのが妥当だろう。
俺達の管轄ではない」
「管轄でないから放棄するのか?おかしな話だ。
お前等が直接前川翔に会うのが最も手っ取り早いと俺は思うが?」
「あんな奴に真っ正面から言っても伝わる訳ないだろ?そのくらい考えろ」
「ちょっ、ストップです!」
俺は遂に見ていられなくなり割って入る。
副会長は敦先輩を怪訝そうに見て、中尾先輩と放送委員長はビクビクとし、梓先輩と真先輩はまたか、と呆れている。ただ一人体育委員長は状況が理解出来ていないようだ。
「新歓が終わるまでは喧嘩は禁止だと言いましたよね?」
「これは喧嘩じゃない。論争だ」
「そんな屁理屈染みた事言わないでください!」
会長はふんっ、と機嫌悪そうにして俺と目を合わせない。
一方の敦先輩はすまない、と小さく俺に謝った。
そこは会長に謝って欲しかったです、敦先輩。
でも、今回明らかに会長が悪いから、謝る必要はないのか。
「ともかく、彼には風紀と我々生徒会からきつい注意をします。
それでも直らない場合はまた策を練りましょう」
副会長は綺麗に意見をまとめて、前川翔の話を止めさせた。
てきぱきと采配を振る副会長にさすがだ、と思いながら俺は自分の番が回ってくるまでドキドキしていた。
まだ新歓の準備は始まっていない為協力し合う場面はないのだが、喧嘩だとか言い合いだとかは減った。
時々俺は敦先輩や悠先輩に新歓の企画書の相談をしに行くのだが、それに対して生徒会の先輩方は何も言わなくなった。
嫌そうな顔をして、ぶつぶつ何か言っているようだが、喧嘩とはなっていないのでよしとする。
まぁそんなこんなで、今日は月に一度の定期委員会。つまり、俺の企画書を発表する日。
緊張してきた~!
会議室に一番乗りだった生徒会は各々自分の準備をしている。
ちなみに、今回生徒会役員で参加するのは会長、副会長、書記の中尾先輩、そして俺だ。定期委員会はこのメンツで参加するらしい。
生徒会長は資料の確認。副会長は資料を一枚ずつ机に置いていく。中尾先輩はノートに必要事項を書き込んでいる。俺はぶつぶつと呟きながら、今日のプレゼンテーションの進め方をもう一度見る。
そうしていると、ノック三回の後にドアが開いた。
「失礼します」
「失礼します~」
入って来た方々を見て、俺はすぐさま駆け寄った。
「梓先輩!真先輩!」
俺を認識した二人は柔らかい笑みを浮かべて晴、と俺の名前を呼んでくれた。
「晴、プレゼンするんだって?」
梓先輩の言葉に真先輩はえぇ?と驚いて目を丸くし、俺を見た。
「それほんとう?すごいねぇ、晴君」
偉い偉いと頭を撫でてくれる真先輩をえへへとだらしなく笑ってしまう。
梓先輩は保健委員長、久野真先輩は図書委員長だ。
俺はけっこう図書館を利用するタイプだから真先輩とは仲がいい方だと思う。
梓先輩も真先輩も癒し系で、大好きな先輩だ。
「失礼する!」
と今度は体育委員長の加野智先輩が入ってきた。
体育委員長として不足ない熱血な方である。
「失礼します……」
加野先輩に続いて入ってきたのは放送委員長の渡修先輩。
超ネガティブ思考。
「遅れてすまない」
そして最後に入ってきたのは風紀委員長の敦先輩。
全員席についたのを確認した司会の副会長が号令をかけ、定期委員会は始まった。
「まずは近況報告です。体育委員からお願いします」
「分かった!」
ガタッと勢いよく立って、体育委員長は報告を始めた。
「これといって問題はない!だが、翔がなかなか振り向いてくれない!」
「体育委員長、私情を持ち込まないでください」
うん、確かに最後の一言は完全に自分自身の事だよ。
副会長冷静だな……。
にしても、翔って誰なんだ。
「その"翔"というのは転校生の事か」
「そうだ!」
ん?会長が食い付くなんて珍しいな……。
「そいつに関する事案がたくさん上がってきている。前川翔関連で何か報告する者はいるか」
「あ、はぁい」
緩く手を上げたのは図書委員長の真先輩。立ち上がって困った顔をしながら説明をする。
「図書館であまりにも騒ぐものだから、出禁にしたよぉ。そしたら癇癪を起こして暴れて、本が一冊ダメになっちゃったんだよねぇ」
「暴れてって、何をしたんですか、彼は……」
副会長が呆れたように言ってため息をつく。
「あ、あの」
戸惑った様子で声を上げたのは放送委員長だった。
全員の視線がそそがれておどおどしつつ、言葉の続きを話した。
「ぼ、僕、友人に生徒会の親衛隊の子がいるんですけど、彼が、言ってたんです。
"前川翔が生徒会の友達、と名乗って親衛隊に喧嘩を仕掛けてくる"って」
「友達ぃ?」
呆れと怒りを含んだ会長の声。比率的には7:3くらいだろうか。
「私達は彼と友達になった覚えはありません」
副会長の冷たい言葉に中尾先輩はうんうんと頷く。
「そういえば、晴、あれから前川に何もされてない?」
「そうだった、晴君転校生君に傷つけられたんだよねぇ?」
今度は俺に視線が集まっておどおどしてしまう。
そんなに凝視しないでください!
「とっ特には何もないです。
会ったら話しかけられますけど、触ろうとしてきたら、友人が阻止するので」
「さすが生徒会補佐さんだ……」
ちょっと待ってください。
さすがってどういう意味ですか、放送委員長さん。
「む、羨ましいぞ、生徒会補佐!
翔に話し掛けてもらえるなんて感謝しろ!」
やばい。
体育委員長の脳はもう既に前川翔に侵されている。
「なんにせよ、前川翔には注意喚起が必要だろう」
毅然とした態度の敦先輩にそうですね、と同意しようとした時、会長が食いかかった。
「注意喚起なんてぬるいもんじゃ足りないだろ。風紀委員は物事を軽く考え過ぎなんだよ」
ちょ、会長!?
なんでそんな喧嘩を売るような事を……!?
「お前に言われる筋合いはない。
そもそも生徒会が解決すべきではないのか?前川翔は生徒会の友達だと名乗っている」
「そんなの俺達の知った事じゃねぇ。学校の風紀を守るのが風紀の仕事なんだから、お前等が解決させるのが妥当だろう。
俺達の管轄ではない」
「管轄でないから放棄するのか?おかしな話だ。
お前等が直接前川翔に会うのが最も手っ取り早いと俺は思うが?」
「あんな奴に真っ正面から言っても伝わる訳ないだろ?そのくらい考えろ」
「ちょっ、ストップです!」
俺は遂に見ていられなくなり割って入る。
副会長は敦先輩を怪訝そうに見て、中尾先輩と放送委員長はビクビクとし、梓先輩と真先輩はまたか、と呆れている。ただ一人体育委員長は状況が理解出来ていないようだ。
「新歓が終わるまでは喧嘩は禁止だと言いましたよね?」
「これは喧嘩じゃない。論争だ」
「そんな屁理屈染みた事言わないでください!」
会長はふんっ、と機嫌悪そうにして俺と目を合わせない。
一方の敦先輩はすまない、と小さく俺に謝った。
そこは会長に謝って欲しかったです、敦先輩。
でも、今回明らかに会長が悪いから、謝る必要はないのか。
「ともかく、彼には風紀と我々生徒会からきつい注意をします。
それでも直らない場合はまた策を練りましょう」
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てきぱきと采配を振る副会長にさすがだ、と思いながら俺は自分の番が回ってくるまでドキドキしていた。
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