噂の補佐君

さっすん

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「風紀の手伝いだぁ?」

目の前に座る会長は意味不明、理解出来ないと言うように嫌そうな顔をした。
まるで怒られているような感覚になるけれど、俺は全く悪い事はしていない。

「はい。風紀委員は新歓当日は見回りをするんですけど、人手が足りないらしくて」
「そんなの知るかよ。別に晴が見回りに加わる必要はねぇだろ」

会長の言葉にまあ……と言葉を濁す。

「でも風紀委員も大変みたいなんです。
休憩時間が取れない可能性もあるって」
「だからといって晴が参加する必要はないでしょう?」
「……副会長……」

副会長は呆れた顔で俺を見ている。

「大体、あなたは人がよすぎるんですよ。
あなたは生徒会の役員であって風紀委員ではないんですから」
「そうだよ。晴君だってずっと準備に動いてて忙しかったんだから、新歓の日も動き回るなんて大変過ぎるよ」
「そもそも生徒会役員は行事に参加するのが定石だろ」 
「風紀の事なんてほっといて大丈夫だって~」
「晴、無茶しちゃ、だめ」

生徒会の全員に反対され、さすがに落ち込んでしまう。というか……

「俺、もうオッケーしちゃいました」
「お前は馬鹿なのか!?」

会長が椅子から立ち上がって俺を罵倒した。
馬鹿ってひどい……。

「今すぐ断れ」

ギロリと睨まれ思わずひるんでしまうが、なんとか奮い立たせ、嫌です、と反抗する。

「助け合いって大事じゃないですか。
持ちつ持たれつという事です」
「はあ?持ちつ持ちつの間違いだろうが」

なんで分かってくれないの。
心配してくれるのは分かるけれど、正直新歓のゲームに参加するのと見回りするのはあんまり手間だとか疲労だとかは変わらない。

「ともかく、俺は見回りします!
グループ編成の時に俺は抜いておくようにちゃんと伝えてありますから!」

そう乱暴に言って俺は走って生徒会室を出た。後ろから静止の声が聞こえたが、完全に無視である。
後々怖いけど、今は絶対に無視する!
それに、俺、ずっと風紀委員の仕事がしたかったんだ。去年は風紀委員で、今年もするって思ってた。でも、突然生徒会の補佐をすることになって……。風紀委員である敦先輩と悠先輩には昨年からお世話になってるからその恩返しもしたい。

“もとは俺達風紀の補佐になる予定だった。”

少し前に敦先輩が言っていた。
俺は風紀委員の補佐をするはずだった──?
……いやいやいや、今は気にしても仕方ない。ともかく風紀室に行こう。
俺は雑念を頭を振って払い、心を整理する。
そして、また一歩風紀室へと足を進めた。
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