噂の補佐君

さっすん

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「……要するに、みんな俺を狙ってるってこと?」
「そういうこと」

容赦ない捺の肯定にはあ、と意図せず深いため息がこぼれた。
生徒会の先輩たちが俺に隠す理由は分かる。俺が怒るから。でも、なんで俺を巻き込むのかは皆目見当がつかない。そこまでして俺を新勧に参加させたいと思うものなんだろうか……。

「とりあえず、俺たちのグループは第二の課題はクリアだな。晴、インカム貸せ」
「え?いいけど……」

不思議に思いながらも耳に取り付けていたインカムを捺に渡す。

「お前のインカムに分かりづらいが六桁の番号が書かれたシールが貼られている」

ほら、と捺はさっきまで俺がつけていたインカムを見せる。分かりづらいが確かに番号が書かれている。正直今捺に見せられるまで気がつかなかった。

「それで、その番号をグループの代表者が、指定されたメールアドレスに送ると」

梓先輩が説明してくれている途中で、ピロリン、と軽快な通知音が鳴った。

「よし、成功です」

どことなく嬉しそうに捺は梓先輩にスマホの画面を見せた。

「ありがとう、青野くん。本当は先輩である僕がするべきなんだろうけど……」

苦笑いする梓先輩。
別に気にしなくていいのに……。梓先輩はいつも謙虚なんだから……。

「いえ、全然大丈夫です。それに、中村先輩はカッコいいですから、そんなの気にしなくていいんですよ」

少しだけ口角を上げてそう言う捺。優しい微笑みに思わず俺もときめいてしまう。も、もしかして、捺って梓先輩のことが……!?

「いたっ!」

突然ビシッと額に痛みが走る。あまりの痛みに額を手でおさえ、目にじんわり涙がたまる。そしてデコピンの犯人を睨む。

「なんでデコピンするの!捺!」
「なんでも何も、晴があほなこと考えてるからだろ」
「な!俺別になんも言ってないじゃん!」
「顔がそうだったんだよ」

ム~!と頬を膨らませてあからさまに怒っているように表現するが、捺は全く意に介さない。そんな捺は分かりやすく不機嫌で。どうしたのだろうか。

「何度でも言ってやるよ。

俺が好きなのはお前だ」
「っ、なっ」

顔がぶわっと熱くなる。もちろん忘れていたわけではないが、今日までの忙しなさに考えることが疎かになっていたのは事実。

「行きましょう、中村先輩。晴にばかり構ってられないですし」
「え、あ、そうだね。じゃあ、またね、晴くん」

バイバイと中村先輩は俺に手を振ってくれたが、捺はそれから何も言わずに俺に背を向けた。

「捺のあーほ」

そう悪態をついて、俺は二人の背中を見送った。
捺のせいだ。捺のせいで、全然熱が引かない。
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