上 下
3 / 12

翔太と不思議な少女の出会い

しおりを挟む
家に帰るものの翔太はあの不思議な少女のことがずっと気になり眠れず一睡もしないまま学校に行った。

「翔太、おはよ!」

「おはよ。お前、今日も元気だな。」

「俺はいつも元気だぞ!」

響也は翔太が無理矢理笑っていることに気づきそれ以上何も聞かなかった。

翔太と響也が話していると月雫が来た。
翔太は昨日決心したことを実行した。

「あ、あの、星宮さん。おはよう。」

「廣瀬くん。おはよう。」

挨拶を交わしたあと少しだけ間が空いた。

「あの!」

2人同時に声をかけた。
それと同時に2人は笑った。

「先にどうぞ。」
月雫は笑顔でそう言った。

「ありがとう。俺、星宮さんに聞きたいことがあるんだ。」

「聞きたいこと?」

「そう。今日放課後でいいんだけど少し時間あるかな?」

月雫は俯いた。

「あ、無理だったらいいんだ。時間があればで。」

月雫が暗くなったことに気づいた翔太は慌てて言った。

「ごめんなさい。放課後は用事があって。」

「そっか。大丈夫だよ。ありがとう。星宮さんも何か言いかけてたよね?」

「もういいの。ありがと。」

そう言って月雫はどこかへ行ってしまった。

このやり取りを見ていた響也はこの2人の関係に少し違和感を感じたのだった。

昼休み、翔太はもう一度月雫に話しかけてみようと思い月雫が教室に来るのを待った。

月雫は来なかった。

どうしたのかと思い月雫と仲のいい沙羅に聞いた。

「なぁ、沙羅。星宮さんは?」

「月雫帰っちゃった。」

そう言われ翔太は頭の中であれこれ考えた。
翔太は様子を見に行こうと思ったが家を知らないことに気づき諦めた。
しおりを挟む

処理中です...