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月雫への気持ち

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「響也、おはよ。」

「おう!翔太、おはよ!」

「お前、相変わらず元気だな。」

翔太は笑ってこう言った。
クラスメイトは今まで話していなかった翔太と響也を心配していたが2人が元に戻り安心していた。
皆が安心していると月雫が久しぶりに教室に入って来た。

「月雫ちゃん!おはよ!体調崩してたんでしょ?もう大丈夫なの?」

「あ、うん。もう、大丈夫。ありがとう。」

クラスの女子は月雫が来るのを待っていたのか、一人一人が月雫に声をかけていた。

すると、翔太が月雫と目が合った。
月雫がこちらに向かって歩いてくる。

「星宮さん、お…」

「あ、廣瀬くん、おはよ。私のこと月雫って呼んで?星宮さんってなんか距離が遠く感じるから。」

「あ、うん、わかった。じゃあ俺のことは翔太でいいから。」

翔太は月雫がいつもと違うことにすぐに気づいた。
普段なら月雫から話しかけて来ないのに今日は話しかけてきたのだ。
それも、自分のことを呼び捨てして欲しいと。

いや、いつもと違うのは自分なのかもしれない。
月雫のことを何度も考えるようになってから沙羅や他の女子とは違う何か他の感情が月雫にはあるのだ。

月雫と目が合うと心臓が軽くトクンと鳴る。

これがその他の感情の原因なのかもしれない。

しかし、それとはまた違う体の違和感が翔太にはあった。
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