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一派緊急招集 動き出す武人・錬陽
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「まさか本当に……この様な悪事に加担する卑怯者に成り下がっていたなんて……! 罪人とはいえ武家の生まれ、恥を知りなさい!」
「いや、待て待て。こいつらをやったのは俺じゃない、でかい鎚を持った大男だ」
「嘘よ! ならあなたのその血に濡れた指はなに!? 語るに落ちるとはこのことよ!」
女は距離を詰め、俺に刀を振るってくる。
「これはその大男の血だ! というかお前誰だ、何でそんな一瞬で俺だと分かる!?」
「あなたは昔、お姉様に最も近かった男……! あなたの様な無能者が、お姉様の同情を買って悪だくみをしないか、常に警戒していたのよ! その顔、忘れる訳がないでしょう!」
刀を躱し、ある時はその刀身に手の甲を押し当てて軌道を逸らす。そして今の言葉でこの女の正体にあたりが付いた。
「お前、清香の妹の! 涼香か!?」
「見れば分かるでしょ!」
「分かるか!」
お姉様大好きっ娘で、確かによく俺の事を目の敵にしていた。誠彦の様に痛めつけてくる事が無かっただけ全然ましだが。涼香は俺が素手で対応している事に、今さら気付いたかの様な表情を見せる。
「な、なんで!? なんで素手!? どうして私の刀が当たらないの!?」
「ああ、お前には言ってなかったが。実は俺、剣術より無手の方が得意だったんだ」
「嘘よ!?」
「もちろん嘘だ」
「……っ! かつての同門を殺しておきながら、バカにして……! 許さない!」
涼香は一度俺から距離をとると刀の構えを変える。さて、どうするか。まさかこんなところで武人に……それも葉桐家の者と会うとはさすがに想像していなかった。
それに清香の妹だ、いくら斬りかかってこられても、問答無用で殺すほど俺も鬼ではない。まぁ余裕があるからこそだが。
「二進……金剛力!」
「おっと、そいつはまずいな……」
さすがに金剛力で斬りかかられたら素手では厳しい。仕方ない、アレを使うか。
「破っ!」
涼香が裂ぱくの気合を以て俺に斬りかかる。これで決めるつもりなのだろう。そんな涼香の顔に向けて、俺はギリギリまで刀を引きつけてから、どこからともなく取り出した粉を振りかける。
「な!?」
その場に崩れ落ちる涼香。刀を手放さないのはさすがと言ったところか。
「な、に……! 身体が、痺れて……!」
「ああ、慣れてなかったら厳しいだろうな」
「まさ、か……! 毒……!」
「正解だ」
俺はニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる。これはあの魔境にいた頃、よく戦っていた人面蛾の鱗粉だ。皮膚がボロボロになりながら採取していた。高濃度なそれを至近距離からくらえば、効果の発現までも早い。
「卑怯者……!」
「何とでも言え。正々堂々なんてものは実戦ではあり得ない。勉強になったな」
「くぅ……!」
「まぁ死にはしないから安心しろ。数刻もすれば動ける様になるし、後遺症もない。それじゃあな」
「ま、待て……! 待ちなさい、陸立理玖!」
俺はその場を離れ、森を進む。後ろからは涼香の恨み事が聞こえていたが無視だ無視。この辺りには幻獣なんてそうそういないし、放置しても死にはしないだろう。それにしても変な意地なんて張らずに、大人しく最初から回り道すればよかったか。
「……いや」
そうなればあの大男と戦っていたのは涼香だ。おそらく涼香だと少し分が悪い。まぁ清香の妹を助けたと思って納得しておこう。
「それにしても。誠彦に続いて涼香も、か……」
これで人界に戻ってから葉桐一派と戦ったのは二人目だ。二人ともまだまだ一派の中では若手の部類だが、武人として十分な霊力を持っている。
その二人に俺は素手でも余裕だった。かつての俺だったらあり得ない事だろう。俺自身あの魔境で強くなった自覚はあるし、この身は一度作りかえられている。だがこれまではその強さを計る物差しが無かった。
誠彦と涼香の二人を以て物差しとするのは、いささか問題はあるだろう。だが少なくとも霊力を持たないからと、震えていたあの頃の理玖にはならずに済んだ様だ。
この事実はこれから皇都へ向かう俺にとって、いくらか安心材料になった。何せあそこは何も良い思い出が無いのだ。行かずに済むなら行きたくない。
■
「ぐぅ……い、一体何者だ、あいつは……」
理玖と戦っていた鎚を振るう大男……慈雷。彼は小川で傷口を洗っていた。容赦なく穴を開けられた肉体に水が染み込み、激痛が走る。こればかりはいくら身体を鍛え上げても感じなくなるものではない。
「まさかお前にそこまでの手傷を負わせる者がいたとはな……。一体どんな奴だ、武器はなんだ?」
「確雅……」
慈雷は側にいた同じ死刃衆の確雅に、理玖との戦いを話す。強いのは一目見て感じたが、霊力は感じなかった。実際戦っている最中にあっても霊力は使っていなかった。
「では霊力も無く、その肉体に傷を付けたのか!? 信じられん……」
「実際に戦った我が一番信じられぬわ……。まさかこいつを逃げるために振るう事になろうとは思わなかったぞ」
そう言って慈雷は鎚の方に視線を向ける。これまで強者との戦いの時に振るってきた、世に二つとない特別な武器だ。その性質は神徹刀に近い。
「だが武人ではなかったのだろう?」
「それは間違いない。刀も持っておらぬし、出で立ちも気配も武人のそれとは違う。あれはもっと凶暴な獣のそれよ」
皇国で武家といえば貴族に当たる。武に生きる一派といっても教養は高いし、育ちの良さを感じさせる者も多い。だが慈雷は理玖から、そういった気配を微塵も感じ取る事ができなかった。
「そもそも武人を二人屠った直後だったのだ。同じ武人であれば何らかの反応を見せていたであろう」
「それもそうか。……なら気にはなるが、我らの目的と被る事はない。一旦捨ておこう」
「む……」
「霊力を持たぬ以上、破術士としての名もないだろう。現状そやつの正体を知るのは難しい。強者と死合うは我らの喜び。こんな時でなければな」
「…………」
「今は目的を果たすが先決。そやつの事はそれが終わってからで良い」
「そう、だな。確雅の言うとおりよ。今は他にやらねばならぬ事がある」
「そういう事だ」
死刃衆の二人も北へ足を向ける。だがここ数年、苦戦というものを経験していなかった慈雷にとって、理玖は久しぶりに恐怖を覚えた人物であった。
■
次の日。涼香は後で駆け付けた二人の配下と共に急ぎ皇都へと帰還した。そこで皇都圏最南の村が壊滅した事、二人の武人がその命を失った事を報告する。
事の重大性を重く見た葉桐善之助は、皇族や他の皇護三家への報告とは別に、一派緊急招集を行っていた。涼香は改めて一派の当主達に、昨日の出来事を報告する。
「という訳であります。私も理玖の卑怯な毒で体の自由を奪われ、そのまま逃がしてしまいました」
自らの敗北を皆の前で話す事は屈辱だった。だが死んだ配下や村人を想うと、これくらいの屈辱がなんだと己を奮い立たせる。会議に参加していた誠彦も涼香に同調した。
「やっぱりそうだ! あの罪人はもはや武人としての誇りも何もない、卑怯者! これ以上放置しては葉桐一派の名折れ! ここは直ちに陸立理玖を誅殺対象にすべきです!」
誅殺対象。それは葉桐一派総出で殺しにかかる対象の事である。涼香が理玖に敗れたため、誠彦は今こそ自分がお役目を果たせなかったのは、理玖のせいであるという意見を通す好機と捉えていた。
善之助は誠彦の意見は一旦置き、理玖の父である陸立錬陽に意見を求める。
「錬陽。何かあるか」
それに対し錬陽は静かに首を横に振るのみ。ふぅ、と善之助は息を吐いた。
「これは近年なかったとても大きな事件だ。一つの村が消え、一派の武人も二人亡くなった。だからこそ判断を誤る訳にはいかぬ。涼香よ、今一度聞くぞ。村人を殺し、武人をも手にかけたのは陸立理玖である。間違いないか?」
善之助から強い口調で問われる涼香。ここで中途半端な事や嘘偽りを並べる事はできない。後でやっぱり間違いでした、というのは通用しないのだ。
「亡くなった二人は共に刀による切り傷があった。陸立理玖は刀で戦っていたのか?」
「い、いえ! あいつは素手でした! 武器は何も……持ってはおりませんでした……」
もちろん善之助は事前にその事を涼香より聞いている。同行した二人の配下からも話を聞き、善之助なりに様々な想定を考えていた。皆の前で問いかける事により、涼香に落ち着きと冷静さを取り戻させ、当時の事を客観的に見られる様に促しているのだ。
「実際に戦ったお前から見て、理玖は村人全員、一人の生き残りも残さず殺し尽くせるほどの実力であったか?」
「……いえ。昔と変わらず、霊力は持っていませんでした。目撃者一人残さず殺し尽くす、というのは難しいかと。……何らかの毒を使ったのならば話は別ですが」
「では実際埋葬した村人の中に、毒で苦しんだ表情を残したまま死んでいた者は? あるいは毒殺であると、はっきり分かる死体はあったか?」
「いえ。村人の死因は全員、刀傷を含む何らかの外傷によるものでした」
「亡くなった二人の武人は、共に見るも無残な亡骸だった。辺りには相当血が飛び散っていたな?」
「はい」
「では理玖の身体は血で汚れていたか?」
「……指のみ、血で濡れていました」
「霊力を持たぬ者が指のみであの様な亡骸を生み出せると、実際戦ったお前は思うか?」
ここに来てようやく涼香は善之助の意図に気付く。いくらか冷静さを取り戻した涼香は、犯人は理玖であると決めつけていた事を恥じる。そして同時に、善之助は理玖が犯人だとは考えていないと理解できた。
「いいえ。確かに体術はかなりの上達を確認しましたが、それでもやはり何らかの武器がなくてはあの惨状は生み出せないかと。……すみません、皆様。どうやら理玖は、たまたまあそこに居合わせただけの可能性もございます」
「そんな!」
遠くから誠彦の声が飛ぶ。それを無視して涼香は言葉を続けた。
「それから思い出した事もございます」
「……それは?」
「はい。二人の亡骸を前に、理玖はこれをやったのはでかい鎚を持った大男だ、と話していました。そしてその指の血はその大男のものだと」
部屋がどよめき立つ。考えてみれば本当に理玖が村人や武人に対して凶悪に振る舞った犯人なのであれば、毒で動けなくなった涼香をそのままにしておくはずがない。涼香はあの時、自分が早とちりしていた可能性に気付き、しっかり話を聞かなかった事を恥じた。
もしかしたら理玖の話していた事は本当で、あの場には近くに配下の仇がいたかもしれないのだ。でかい鎚を持った大男という人物が。
「……だが理玖が皇国において罪人である事実は変わりない。そして此度の件における重要参考人でもある。一度捕えて、再びこの地に戻った理由も含め、直に話を聞かねばならないだろう。それにその鎚を持った大男というのも気になる」
ここからは話し合いで、手の空いている一派の武人でいくつか隊を作り、理玖を捜索する事となった。同時に鎚を持った大男の情報収集も始める。
だがもしかしたら並の武人以上の実力を持ち、凶悪な性格の持ち主である可能性もある。万が一発見した場合は直ぐに引き返す様にと厳命された。そして広間には善之助と錬陽が残る。
「此度は愚息がご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませぬ」
「何を言う。もしかしたらお前の息子は我が娘を救ってくれたのやもしれんのだ。……でかい鎚を持った大男。我らの世代であれば心当たりがあろう」
「……かつて皇国を荒らしに荒らした死刃衆。その一人、慈雷」
「失われし十六霊光無器が一つ、大蔵地砕槌を振るう剛の破術士。今の若い者達は知らぬであろうが、な」
錬陽は渋面をその顔に浮かべる。
「奴らが……皇国に帰ってきた、と?」
「……分からん。だがもし本人であれば、涼香では死んでいたかもしれぬ」
「本当に慈雷であったとして、理玖が敵う相手とは思いませぬが」
錬陽の言葉に対し、善之助は意地の悪い笑みを見せた。
「とぼけおって。誠彦の事も聞いたであろう。お前、理玖が強くなって戻ってきたのだと確信を得ておろう。涼香の話を聞けば、犯人が理玖でない事も分かっておったはず。先ほど何も言わなかったのはあえてだな」
「愚息の父が何を語っても誰にも響きますまい。……ですが、本当に強くなったのかは疑問にございます」
「ほう?」
「確かに理玖がこの皇都を出て五年以上の月日が経っております。男子三日会わずば……とも申しますが、霊力が無いのは事実。どれほど己を磨いても、霊力がなくては圧倒的な能力差は埋められますまい」
「……そうだな。その点は同意だ。だが実際、理玖は素手で涼香の刀を捌いたというぞ?」
善之助は誠彦から理玖の話を聞いた時、ある可能性についても考えていた。それは純粋に真正面から戦い、誠彦を降したという可能性である。
そして今回の涼香の件。おそらく今の理玖は、若手では相手にならない程の実力を身に付けているのではないかとも思っていた。
「ご息女は頭に血が上っており、普段の実力が発揮できなかったのでしょう。それにまだまだ未熟であるのも事実。……ここは私も愚息の捜索に協力しましょう」
「ほう……?」
「なに、見つけても生かして連れてくるのでご安心を。……腕の一本は無くなっているかもしれませんが」
錬陽の実力は葉桐一派の中でも上位に入る。長く皇国軍の武術指南役を務めたほどである。さすがにいくら理玖が強くなったといっても、霊力が無ければこの男には敵うまいと善之助は苦笑した。
「お前ももう歳であろうに……。だがもし本当に慈雷を見かけたら直ちに知らせてくれ。もしかしたら他の三人も潜んでいる可能性もある。私は急ぎこの件を皇護三家で共有できる様に動こう」
「頼みます」
部屋を後にした錬陽の口には、自然と笑みが浮かんでいた。かつて理玖を才無しと断じた身ではあるが、元々剣才は誰よりも光るものを持っていた。その理玖が、霊力が無いなりに強くなる事をあきらめず、今日まで生きてきたのかもしれないのだ。
ならばその身に付けた強さを受け止めるのは、自分の役目。理玖が15の誕生日を迎える前日に立ち合った日の事を思い出す。
「くれぐれも他の武人にあっさり捕まるなんて、情けない事にはなってくれるなよ? 理玖」
そうして手にしたのは、かつて皇族より賜りし神徹刀だった。
「いや、待て待て。こいつらをやったのは俺じゃない、でかい鎚を持った大男だ」
「嘘よ! ならあなたのその血に濡れた指はなに!? 語るに落ちるとはこのことよ!」
女は距離を詰め、俺に刀を振るってくる。
「これはその大男の血だ! というかお前誰だ、何でそんな一瞬で俺だと分かる!?」
「あなたは昔、お姉様に最も近かった男……! あなたの様な無能者が、お姉様の同情を買って悪だくみをしないか、常に警戒していたのよ! その顔、忘れる訳がないでしょう!」
刀を躱し、ある時はその刀身に手の甲を押し当てて軌道を逸らす。そして今の言葉でこの女の正体にあたりが付いた。
「お前、清香の妹の! 涼香か!?」
「見れば分かるでしょ!」
「分かるか!」
お姉様大好きっ娘で、確かによく俺の事を目の敵にしていた。誠彦の様に痛めつけてくる事が無かっただけ全然ましだが。涼香は俺が素手で対応している事に、今さら気付いたかの様な表情を見せる。
「な、なんで!? なんで素手!? どうして私の刀が当たらないの!?」
「ああ、お前には言ってなかったが。実は俺、剣術より無手の方が得意だったんだ」
「嘘よ!?」
「もちろん嘘だ」
「……っ! かつての同門を殺しておきながら、バカにして……! 許さない!」
涼香は一度俺から距離をとると刀の構えを変える。さて、どうするか。まさかこんなところで武人に……それも葉桐家の者と会うとはさすがに想像していなかった。
それに清香の妹だ、いくら斬りかかってこられても、問答無用で殺すほど俺も鬼ではない。まぁ余裕があるからこそだが。
「二進……金剛力!」
「おっと、そいつはまずいな……」
さすがに金剛力で斬りかかられたら素手では厳しい。仕方ない、アレを使うか。
「破っ!」
涼香が裂ぱくの気合を以て俺に斬りかかる。これで決めるつもりなのだろう。そんな涼香の顔に向けて、俺はギリギリまで刀を引きつけてから、どこからともなく取り出した粉を振りかける。
「な!?」
その場に崩れ落ちる涼香。刀を手放さないのはさすがと言ったところか。
「な、に……! 身体が、痺れて……!」
「ああ、慣れてなかったら厳しいだろうな」
「まさ、か……! 毒……!」
「正解だ」
俺はニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる。これはあの魔境にいた頃、よく戦っていた人面蛾の鱗粉だ。皮膚がボロボロになりながら採取していた。高濃度なそれを至近距離からくらえば、効果の発現までも早い。
「卑怯者……!」
「何とでも言え。正々堂々なんてものは実戦ではあり得ない。勉強になったな」
「くぅ……!」
「まぁ死にはしないから安心しろ。数刻もすれば動ける様になるし、後遺症もない。それじゃあな」
「ま、待て……! 待ちなさい、陸立理玖!」
俺はその場を離れ、森を進む。後ろからは涼香の恨み事が聞こえていたが無視だ無視。この辺りには幻獣なんてそうそういないし、放置しても死にはしないだろう。それにしても変な意地なんて張らずに、大人しく最初から回り道すればよかったか。
「……いや」
そうなればあの大男と戦っていたのは涼香だ。おそらく涼香だと少し分が悪い。まぁ清香の妹を助けたと思って納得しておこう。
「それにしても。誠彦に続いて涼香も、か……」
これで人界に戻ってから葉桐一派と戦ったのは二人目だ。二人ともまだまだ一派の中では若手の部類だが、武人として十分な霊力を持っている。
その二人に俺は素手でも余裕だった。かつての俺だったらあり得ない事だろう。俺自身あの魔境で強くなった自覚はあるし、この身は一度作りかえられている。だがこれまではその強さを計る物差しが無かった。
誠彦と涼香の二人を以て物差しとするのは、いささか問題はあるだろう。だが少なくとも霊力を持たないからと、震えていたあの頃の理玖にはならずに済んだ様だ。
この事実はこれから皇都へ向かう俺にとって、いくらか安心材料になった。何せあそこは何も良い思い出が無いのだ。行かずに済むなら行きたくない。
■
「ぐぅ……い、一体何者だ、あいつは……」
理玖と戦っていた鎚を振るう大男……慈雷。彼は小川で傷口を洗っていた。容赦なく穴を開けられた肉体に水が染み込み、激痛が走る。こればかりはいくら身体を鍛え上げても感じなくなるものではない。
「まさかお前にそこまでの手傷を負わせる者がいたとはな……。一体どんな奴だ、武器はなんだ?」
「確雅……」
慈雷は側にいた同じ死刃衆の確雅に、理玖との戦いを話す。強いのは一目見て感じたが、霊力は感じなかった。実際戦っている最中にあっても霊力は使っていなかった。
「では霊力も無く、その肉体に傷を付けたのか!? 信じられん……」
「実際に戦った我が一番信じられぬわ……。まさかこいつを逃げるために振るう事になろうとは思わなかったぞ」
そう言って慈雷は鎚の方に視線を向ける。これまで強者との戦いの時に振るってきた、世に二つとない特別な武器だ。その性質は神徹刀に近い。
「だが武人ではなかったのだろう?」
「それは間違いない。刀も持っておらぬし、出で立ちも気配も武人のそれとは違う。あれはもっと凶暴な獣のそれよ」
皇国で武家といえば貴族に当たる。武に生きる一派といっても教養は高いし、育ちの良さを感じさせる者も多い。だが慈雷は理玖から、そういった気配を微塵も感じ取る事ができなかった。
「そもそも武人を二人屠った直後だったのだ。同じ武人であれば何らかの反応を見せていたであろう」
「それもそうか。……なら気にはなるが、我らの目的と被る事はない。一旦捨ておこう」
「む……」
「霊力を持たぬ以上、破術士としての名もないだろう。現状そやつの正体を知るのは難しい。強者と死合うは我らの喜び。こんな時でなければな」
「…………」
「今は目的を果たすが先決。そやつの事はそれが終わってからで良い」
「そう、だな。確雅の言うとおりよ。今は他にやらねばならぬ事がある」
「そういう事だ」
死刃衆の二人も北へ足を向ける。だがここ数年、苦戦というものを経験していなかった慈雷にとって、理玖は久しぶりに恐怖を覚えた人物であった。
■
次の日。涼香は後で駆け付けた二人の配下と共に急ぎ皇都へと帰還した。そこで皇都圏最南の村が壊滅した事、二人の武人がその命を失った事を報告する。
事の重大性を重く見た葉桐善之助は、皇族や他の皇護三家への報告とは別に、一派緊急招集を行っていた。涼香は改めて一派の当主達に、昨日の出来事を報告する。
「という訳であります。私も理玖の卑怯な毒で体の自由を奪われ、そのまま逃がしてしまいました」
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「やっぱりそうだ! あの罪人はもはや武人としての誇りも何もない、卑怯者! これ以上放置しては葉桐一派の名折れ! ここは直ちに陸立理玖を誅殺対象にすべきです!」
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善之助は誠彦の意見は一旦置き、理玖の父である陸立錬陽に意見を求める。
「錬陽。何かあるか」
それに対し錬陽は静かに首を横に振るのみ。ふぅ、と善之助は息を吐いた。
「これは近年なかったとても大きな事件だ。一つの村が消え、一派の武人も二人亡くなった。だからこそ判断を誤る訳にはいかぬ。涼香よ、今一度聞くぞ。村人を殺し、武人をも手にかけたのは陸立理玖である。間違いないか?」
善之助から強い口調で問われる涼香。ここで中途半端な事や嘘偽りを並べる事はできない。後でやっぱり間違いでした、というのは通用しないのだ。
「亡くなった二人は共に刀による切り傷があった。陸立理玖は刀で戦っていたのか?」
「い、いえ! あいつは素手でした! 武器は何も……持ってはおりませんでした……」
もちろん善之助は事前にその事を涼香より聞いている。同行した二人の配下からも話を聞き、善之助なりに様々な想定を考えていた。皆の前で問いかける事により、涼香に落ち着きと冷静さを取り戻させ、当時の事を客観的に見られる様に促しているのだ。
「実際に戦ったお前から見て、理玖は村人全員、一人の生き残りも残さず殺し尽くせるほどの実力であったか?」
「……いえ。昔と変わらず、霊力は持っていませんでした。目撃者一人残さず殺し尽くす、というのは難しいかと。……何らかの毒を使ったのならば話は別ですが」
「では実際埋葬した村人の中に、毒で苦しんだ表情を残したまま死んでいた者は? あるいは毒殺であると、はっきり分かる死体はあったか?」
「いえ。村人の死因は全員、刀傷を含む何らかの外傷によるものでした」
「亡くなった二人の武人は、共に見るも無残な亡骸だった。辺りには相当血が飛び散っていたな?」
「はい」
「では理玖の身体は血で汚れていたか?」
「……指のみ、血で濡れていました」
「霊力を持たぬ者が指のみであの様な亡骸を生み出せると、実際戦ったお前は思うか?」
ここに来てようやく涼香は善之助の意図に気付く。いくらか冷静さを取り戻した涼香は、犯人は理玖であると決めつけていた事を恥じる。そして同時に、善之助は理玖が犯人だとは考えていないと理解できた。
「いいえ。確かに体術はかなりの上達を確認しましたが、それでもやはり何らかの武器がなくてはあの惨状は生み出せないかと。……すみません、皆様。どうやら理玖は、たまたまあそこに居合わせただけの可能性もございます」
「そんな!」
遠くから誠彦の声が飛ぶ。それを無視して涼香は言葉を続けた。
「それから思い出した事もございます」
「……それは?」
「はい。二人の亡骸を前に、理玖はこれをやったのはでかい鎚を持った大男だ、と話していました。そしてその指の血はその大男のものだと」
部屋がどよめき立つ。考えてみれば本当に理玖が村人や武人に対して凶悪に振る舞った犯人なのであれば、毒で動けなくなった涼香をそのままにしておくはずがない。涼香はあの時、自分が早とちりしていた可能性に気付き、しっかり話を聞かなかった事を恥じた。
もしかしたら理玖の話していた事は本当で、あの場には近くに配下の仇がいたかもしれないのだ。でかい鎚を持った大男という人物が。
「……だが理玖が皇国において罪人である事実は変わりない。そして此度の件における重要参考人でもある。一度捕えて、再びこの地に戻った理由も含め、直に話を聞かねばならないだろう。それにその鎚を持った大男というのも気になる」
ここからは話し合いで、手の空いている一派の武人でいくつか隊を作り、理玖を捜索する事となった。同時に鎚を持った大男の情報収集も始める。
だがもしかしたら並の武人以上の実力を持ち、凶悪な性格の持ち主である可能性もある。万が一発見した場合は直ぐに引き返す様にと厳命された。そして広間には善之助と錬陽が残る。
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「……かつて皇国を荒らしに荒らした死刃衆。その一人、慈雷」
「失われし十六霊光無器が一つ、大蔵地砕槌を振るう剛の破術士。今の若い者達は知らぬであろうが、な」
錬陽は渋面をその顔に浮かべる。
「奴らが……皇国に帰ってきた、と?」
「……分からん。だがもし本人であれば、涼香では死んでいたかもしれぬ」
「本当に慈雷であったとして、理玖が敵う相手とは思いませぬが」
錬陽の言葉に対し、善之助は意地の悪い笑みを見せた。
「とぼけおって。誠彦の事も聞いたであろう。お前、理玖が強くなって戻ってきたのだと確信を得ておろう。涼香の話を聞けば、犯人が理玖でない事も分かっておったはず。先ほど何も言わなかったのはあえてだな」
「愚息の父が何を語っても誰にも響きますまい。……ですが、本当に強くなったのかは疑問にございます」
「ほう?」
「確かに理玖がこの皇都を出て五年以上の月日が経っております。男子三日会わずば……とも申しますが、霊力が無いのは事実。どれほど己を磨いても、霊力がなくては圧倒的な能力差は埋められますまい」
「……そうだな。その点は同意だ。だが実際、理玖は素手で涼香の刀を捌いたというぞ?」
善之助は誠彦から理玖の話を聞いた時、ある可能性についても考えていた。それは純粋に真正面から戦い、誠彦を降したという可能性である。
そして今回の涼香の件。おそらく今の理玖は、若手では相手にならない程の実力を身に付けているのではないかとも思っていた。
「ご息女は頭に血が上っており、普段の実力が発揮できなかったのでしょう。それにまだまだ未熟であるのも事実。……ここは私も愚息の捜索に協力しましょう」
「ほう……?」
「なに、見つけても生かして連れてくるのでご安心を。……腕の一本は無くなっているかもしれませんが」
錬陽の実力は葉桐一派の中でも上位に入る。長く皇国軍の武術指南役を務めたほどである。さすがにいくら理玖が強くなったといっても、霊力が無ければこの男には敵うまいと善之助は苦笑した。
「お前ももう歳であろうに……。だがもし本当に慈雷を見かけたら直ちに知らせてくれ。もしかしたら他の三人も潜んでいる可能性もある。私は急ぎこの件を皇護三家で共有できる様に動こう」
「頼みます」
部屋を後にした錬陽の口には、自然と笑みが浮かんでいた。かつて理玖を才無しと断じた身ではあるが、元々剣才は誰よりも光るものを持っていた。その理玖が、霊力が無いなりに強くなる事をあきらめず、今日まで生きてきたのかもしれないのだ。
ならばその身に付けた強さを受け止めるのは、自分の役目。理玖が15の誕生日を迎える前日に立ち合った日の事を思い出す。
「くれぐれも他の武人にあっさり捕まるなんて、情けない事にはなってくれるなよ? 理玖」
そうして手にしたのは、かつて皇族より賜りし神徹刀だった。
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ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
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※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
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