ホタル

憂鬱な朝

カーテンをぬけるとそこにはたくさんの光が待っていて、わたしの一挙一動に固唾を飲む観客がいる。
もちろんわたしはそれに気づかないくらい集中していて、みんなもついてきてくれる。
わたしにのみこまれて、世界に沈黙が落ちる。
そんな、夢を見る。
起きるといつも分からない朝が待っていて、時計は変わらず6時を指している。
羨望、嫉妬
夢の中でわたしに向けられたそれらはもしかすると私が望んでいるものなのかもしれない。
私のいる、ここが現実だ
「与えられた環境で咲きなさい」
どこかで聞いた言葉が私の頭を押さえつける
立派な人の言葉は立派だ
そうでなければならないと勘違いしてしまいそうになる
どうせ私は人格者なんかにはなれっこない
さて、今日はどうしようか
雨音が強くなる窓を見て私は身支度を始めた