❰完結済!❱堅物牛乳(ウシチチ)お父さんと激しくラブしたい!

蒼い色鉛筆

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にぱいめ

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新クラスにはすぐ馴染めた。他人が喜ぶ演技を簡単に実行できる蒼雨にはなんてことない。数日でファンクラブもどきも出来たらしい、イケメンは罪だ。

「えー、………であるからして………ここ…」

ふあーあ、退屈だ。

授業はなんとなく聞いてるだけで覚える。なんて言うと友人からの印象が悪い。ノートをとるのは苦手だけど頑張ろう。しかしそうでなくてもここの高校の数学の先生はなんか怖いタイプっぽいから真面目に授業を受けた方が良さそう。あーゆー厳格な人ほど特殊な性癖があったり…

「…!」

いかんいかん趣味の妄想は禁止したはずだ!頭を左右にブンブン振る。

「終業5秒前、本日はこれにて解散。」

キーンコーンカーンコーン♪

間もなく授業が終わり、休み時間の間に近くの女子グループが声をかけてきた。
現代っ子っぽい、明るい雰囲気の芸能人メイクで華やかな女子グループ。ファンクラブ所属してるらしい?

「アメく~ん、放課後私達とカラオケ行かない~?♡」

「キャッ♡ハルカ大胆~♡」

「いいね!アメ君来たら楽しそう!」

アイドル並みのルックスに程よく整った体格、そのくせ声は幼く甘い蒼雨は新学期早々全女子の注目の的だった。
その上猫被るのも得意だし転校生テンションのうちに友達も何人か出来たのは幸いだ。すかさず他の男友達が後ろから衝突するようにして僕の肩を掴み、でかい声で会話に割り込んだ。

「いいじゃんいいじゃんカラオケ!でもアメ1人とそっち3人じゃバランス悪いから…俺たち2人も一緒にいいよな!?」

「な!?アメくん!」

「ははっ、元気だなぁ。」

「え~~アメくんだけでいいんだけどぉ、特別ね♡」

「キャー♡」

「誘ってくれてありがとう…………スズキサン。」

やっべー隣の席なのに女子の名前覚えてなかった。嬉しそうにしてるし、セーフセーフ。逆に男友達に抱きつかれていると内に秘めたはずの欲望がムクムクと…ハッ!いかんいかん!ここで勃起したら修羅場じごくぞ!得意の愛想笑いでなんとか冷静を保つ。こんな生活が、いつか慣れるのかなぁ…はぁ。ちょっとこっそりため息ついた。

*******************

僕の思い描いていたのんびり隠居生活…それは想像以上に駆け足で、現役生活へと戻って来た。
しかし僕の『専門』ではなく…

『もしフリーならさ、ウチと付き合わない?』

ある日突然個人ラ○ンで告白された。
それは女子グループ肉食担当のスズキサンでも取り巻きのサトウさんでもなく、元気担当っぽい高橋さんだった。

ふむ…口元に指を当てて熟考する。
想定外からの告白に頭が追いついていない。
高橋さん…高橋四葉よつはさんは確か陸上部…短距離走をしてるんだっけかな?細く白い首筋が見えるくらい黒髪を短くしているがフワフワでよく手入れがされている。スタイルもいいし声も明るくて顔も可愛い。しかし…どうしても「妹」ポジションから抜け出せない幼さがある。身長も150ないし。

そんな子がまさか、引っ越しから3ヶ月経とうとしたところでいの一番に告白してくるなんて全くもって予想外だった。だが、文句はない。せっかく声をかけてくれたんだからちゃんと返事しないとな。

『いいよ!よろしくね!』

こんな感じかな…送信。
1人寝が寂しい頃ではあるが、依然として実感が湧かない。
高橋さんと寝るビジョンが見えないが今は、一歩前に進んだことに満足しよう。

すっかり自分の部屋らしくなった部屋を見渡し、スマホの画面を切る。
これからどんな波乱が待ち受けてるかも知らず…蒼雨は落ちる眠りに逆らわず、ベッドに潜り込むとゆっくりまぶたを閉じた。

*******************

次の日学校に行っても特に変わりはなかった。いつも通り女子グループと男子グループと仲良くして、いつも通り購買のパンを食べて、授業を聞きながらぼんやりする。

高橋さん、他の誰にも言ってないんだろうなぁ…スズキサンの獣のような眼光が変わらない、でもガッついてこないとこ可愛い。いやいや僕の彼女は高橋さんだ、調子に乗りすぎちゃいけない。

告白してもらった側だから僕の方は僅かに浮き足立っている、それなのに高橋さんは全然変わらず元気だから不思議なんだ。
しかし多分、女子グループの関係が拗れるから付き合うことにしたことは秘密の方がいいな。僕としてもそっちの方が慣れてる。

………。

長い長い7限目の授業がやっと終わり、担任から返してもらった携帯に、ふとメールが届く。高橋さんからだ。

『授業長かったね!お腹鳴ってたかも!』
『それで、さ、もし日曜日空いてたらご飯食べない!?』

くす、緊張してるのかな可愛い。
ご飯食べに行かない?って内容かな。
もちろんOKっと。ああ…僕、健全な青春してるなぁ。
使える公衆トイレ探したり、トイレに自販機付いてるとこ探したりしなくていいんだ…!カレンダーアプリを開いて人差し指を踊らせ日曜日まで数える。
…明後日か、高橋さん甘いもの平気かな?いいなら帰りに寄れるスイーツショップとか探そう。うん…健全だ!笑っちゃうくらい!
思わず笑みが溢れると、男友達が気配を消して、思いっきり背中に飛びついてくる。

「アメ~早くラーメン食いに行こうぜ~!」

「………。」

こういう元気馬鹿の前立腺責めて泣き顔見たいなぁ…はっ!!!健全、僕は健全なんだ!
スマホの画面を切って微妙なスマイルで答えた。

「毎回タックルはやめてよ~」

「ははっ、すまん!帰ろかーえろ。」

バッグを担いで教室を出る瞬間、まだ残ってた女子グループの輪の中からこっそり高橋さんが微笑んで、小さく手を振ってくれた。ちゃんと反省しよう…。
振り返す資格がないから、うつ向いて逃げるように廊下へ飛び出した。
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