❰完結済!❱堅物牛乳(ウシチチ)お父さんと激しくラブしたい!

蒼い色鉛筆

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よんぱいめ

高橋さんの家は僕の家と真反対、なので電車を利用して向かうことにした。

えーと、○○駅なら…どれだ。
あまり電車を使ったことない緊張と遅れたら印象が悪くなる不安で胸がいっぱいだった。人多いなぁ、毎日こうってことはないだろうけど偶然かな?ちょっと息苦しいっていうか暑苦しい、せめてリラックスして行こうと思いバッグからイヤホンを取り出し、両耳に挿して好きな音楽を流す。
なんとか切符の購入に成功し、指し示されたルート通りに歩いて駅のホームで電車を待つ。

「…♪」

ああ…好きな曲はいいなぁ、落ち着く。
電車に乗ってしまえばもう、後は身を任せるしかない。昼時でも急行の車内は結構混んでて席に座れそうにないので知らないおじさんに左右挟まれ棒立ちでつり革を握る。

「♪~♪~♪~」

めっちゃいい曲…新曲が更新されてないかと熱心にネットサーフィンに勤しむ。そうして集中すること15分…いくつか駅に着いたようだけどまだまだ彼女の家は遠い。1つ前の駅で入れ替わった隣のおじさん…?はすごいムキムキしてる。あんまり腕の筋肉太いからちょろっと盗み見てしまった。

「………。」

浅黒の肌に、電車の天井に頭つくんじゃないかって高身長。不似合いなメガネに白シャツを着ているがムチムチ過ぎて筋肉が苦しそうだ。待って…超好き!!!待って、待って…!今まで年上と付き合ったことないじゃん!なのにどうして、やばい隣の人好き過ぎる!どうしよう、股が熱くなってきた。色んな男を食ってきた蒼雨はノーマルノンケは食い飽きて、ギャップ萌えがあるほど興奮する性癖になってしまっていた。

動悸息切れが激しくて、電車内で興奮してることを悟られないよう必死だ。

やばい…痴漢したい(※犯罪です)。
キリッとした目付きの、このおじさんがムチムチのお尻触られたらどんなえろちっくな表情になるのか気になりすぎて夜も眠れない!特に胸板すごいなぁ、どんな鍛え方したらこんな、鳩胸みたいなムキムキになるんだ。
ちょっとヨダレを垂らしながら隣のおじさんに熱い視線を送っていると相手もこちらに気づいてくれた!

期待に胸と何かが爆発しそうになりながら、相手に小声で呼び掛けられたから咄嗟にイヤホンを外す。
おじさんはちょっと迷惑そうに眉をひそめていた。

「君…音楽の音が大きい、少し下げなさい。」

「あ、ふぁい、すませんっ…」

やっば怒られた…!秒でスマホの画面を切る。静かになったからか、おじさんはキリッとした顔のまま正面を向いてしまった。

ああ…すっごいドキドキした…!怒られてちょっと悲しい。でも昔、同じようにイヤホンしてたら別のおっさんに音漏れよりもデカイ声で説教されたことがある。僕はあんなおっさんにならないぞ、と決意した覚えもある。それに比べたら今の優しさよ。良いおじさんもいるんだなぁと安心した。

「っ!」

ガタン、と電車が揺れた拍子でおじさんの方にぶつかってしまい肘にめちゃくちゃ柔らかいものが触れたからびっくりした。でもこのムキムキにふわふわな部分なんて無さそうだし…あ、筋肉かな?力こぶって柔らかいのかなぁ~。
もっとずっと隣にいたいのに…ああ、もうすぐ彼女の家が近い。こ、これ…ダメかな、ダメかな?脳内で欲望と理性のバトルが開始する。

難癖つけてこのおじさんとセ○クスしたい!でもそしたら彼女の家に行くのは確実に遅れるし行けなくなるかもしれない。
その言い訳をどうする?彼女に「君の家に行こうとしたらドチャシコタイプのおじさんに出会って彼を犯してたんだ♡」…絶対最悪の結果になる!学校でも言いふらさせれる絶対!!

でも、でもおじさんと別れたくない…流石に密集した車内でナンパする度胸も僕にはない。学生証でもあれば「うっかり」おじさんのポケットに忍ばせてそれを理由になんとかかんとか…。
もう駅に着いてしまう、いっそ…なんて考えていると、静寂だった車内に怒りの声が響く。

「あのさぁ…」

*******************

僕が呼ばれたのかと焦ったが若い女の声だったから両隣のおじさんから呼ばれたわけではない。

さっき注意してくれたドチャシコタイプのおじさんの、隣に立っていた女子高生のようだ。背中をそらして覗いて見るとおじさんのことを心底軽蔑した虫けらのように睨んでる。うっわ、典型的なワルそうな女子高生。

「な、何か用ですか?」

おじさんはさっきと違う弱々しい声で返事してた、ええ弱い!可愛い!可愛い!
女子高生はガムをクチャクチャ噛みながらだるそうに話していた。

「オッサンさ~、アーシのパンツ触ったでしょ、マジきしょいんだけど死んでくれない。」

「!」

車内がちょっとざわついて、露骨に周りの人がおじさんを避けてバリアみたいな空間ができる。おじさんも心外、って感じで女子高生に反論してた。

「さ、触ってない!こちらの手には鞄を持っていたし反対の手はつり革を握っていたんだ!」

ああそういうこと、女子高生の釣りか。でもそんなの相手には関係ないんだろうなぁ。案の定彼女の態度は微塵も変わらなかった、さては慣れてるな。

「ウソきもいんだけど、次の駅で駅員さんにチクるから。嫌なら十万で許してあげるけど。あと、土下座ね。」

凍りついた車内…おじさんは何も言えず、うつ向いて静かに…絶望しているようだった。

「………。」

………これ、もしかすると僕が助けられる?
わ、ワンチャンだよ?
普段なら絶対、おじさんなんて助けない。

周りの人と同じように「あーあやっちゃったね」と好奇心と差別心でジロジロ見るだけだ、でもこのおじさんに恩を売れるならなんだってする!おじさんを助けてあげたい!勇気を出せ、蒼雨!今しかない…!

「…………。」

生唾を飲み込み、余裕を保つ。

意を決しておじさんの背中からひょっこり顔を見せた。この時だけは自分を世界一のイケメンと思い込んで自信を奮い起たせていた。

「あれ、君って…○○高校?」

声をかけると女子高生は男子高校生が庇いに出てくるとは思っていなかったのかあからさまに動揺してる。

「っ…な、なんだよあんた。」

「うわ制服めっちゃ可愛い…!すごい、好きになっちゃうかも。」

あえておじさんには目もくれず割り込み、女子高生の前に立つ。恥ずかしい…視線が恥ずかしい、僕だって普通の一般人なんだから!ああ、黒歴史確定…恥ずかしい。
もーこうなりゃヤケだ。

「ね、ね、連絡先交換しない?これ僕の電話番号あげるから。君の傷ついた心、僕に埋めさせてくれないかな。」

言ってて恥ずか死ぬ…でも後ろのおじさんを口説く時を想像してペラペラと口が動いてくれる。女子高生は頬を紅く染めた。

「い、いーよっ。OK、連絡する…。」

「ありがとう。」

すっかり痴漢騒動を忘れたようで、恥ずかしそうにうつ向いて別の車両に走って行ってしまった。他の誰も、おじさんに興味を失い静寂が戻った。終わった…のか?
ただし蒼雨だけはおじさんに細心の注意を払って注目した。

「…………。」

一連の流れに着いてこれなかったようで、何が起きて終わったかも気づいてない様子。表情の死んだ絶望の顔で時が止まっている。

ふう、よし…この人、どこで降りるか知らないけど当然ほっとけないよね♪
次の駅で降りて僕が介抱してあげよう!
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