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きゅうぱいめ
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ガチャッ
「ありがとー花文くん!ごめんね、お客様なのにドア開けさせちゃって…全く、お父さんは何してるのよー。」
ついさっきまでナニしてました!
四葉さんは片手に湿布とか絆創膏の入った小さな袋、反対の手には重たいジュース二本持っていた。そちらの袋を預かり、とっさに思いついた言い訳を述べる。
「なんかね、お腹の調子がすごく悪かったみたいなんだ。その、調子悪い時って女の子がいると恥ずかしいんじゃないかな?僕もそういう気持ち分かるからそんな気がするんだ。」
すごい、頭の中遅れた賢者タイムでボーッとしてるのに口がよく動く。逆に怪しまれるんじゃないかってくらいだけど四葉さんはトイレの方を向いて複雑に眉をしかめ、頬を染めていた。
「もう…お父さんったら!それなら2人で買い物行けば良かったね。ごめんね、花文くん一人残しちゃって。」
「全然!その、お願いされてテレビの音量おっきくして見てたから何も気にならなかったよ。それでお迎えするの遅くなっちゃったんだけど、こっちこそごめんね。時間遅いのに重たい買い物してきてくれたんだね。」
「うん、夕飯からパーティーに変更しちゃおって思って!ジュース苦手なのなかったかな?」
「いいね、大丈夫!」
よし、よし!我ながらここまで上手く誤魔化せた経験は数えるほどしかない。なんとか彼女の父親をレ○プしていたことは隠し通せそうだ…しかし次の瞬間、彼女が異変を感じ取る。
「あれ…?」
ギクッッ
玄関からリビングへ移動中、四葉さんが警戒して立ち止まり、鼻をスンスンさせていた。高橋パパがぶちまけた体液はすぐに拭ってゴミ箱に捨てたけどニオイが残っていたか…!?
彼女の鼻は匂いの元を辿り、やがて僕の方を見た。
「すごくいい匂い!なんだろ、ハンドクリーム?花文くんの手からめっちゃいい匂いがする!」
「あ、あーー。」
手を掴まれて匂いを嗅がれそうになったけどさりげなく背中に回す。代わりに使いきったハンドクリームのチューブを見せた。
「で、でしょー、このメーカーめちゃ気に入ってるんだ。」
「いいなー、ウチも同じやつ使っていいかな?」
「いいよ!家にストックあるから明日持ってくるよ。」
「えー!?嬉しい!早く明日になるように、グラタン張り切って作るね!♡お父さーーん!手伝ってよーぅ!」
ガチャ、パタパタ…
お、戻ってきたお父さんは腑抜けた顔になってると思いきやキリッとしたお父さんの顔してる。
「ああ、待たせたな…。」
「トイレ長すぎー。手、洗ったー?」
「ああ…。」
僕にチラ、と一瞥をくべてキッチンに潜ってしまった。1人残された僕、ジュースをテーブルに置いて今のうちにトイレを借りると声をかけて、手を洗ってきた。
「ふう…」
鏡を見ると…まだ信じられない。
一目惚れして助けたおじさんが彼女のお父さんだったなんて、そのお父さんの乳首がでかくてエロくて触りまくって口の中で射精したなんて…。もっと、もっとずっと触りたい。
「四葉さんごめん…。」
僕、君のお父さんが本気で好きだ…。
申し訳なさ、罪悪感、劣等感色々あるけど今は全て忘れなきゃいけない。彼女を傷つけてしまうから…。
得意の笑顔を張りつけて、元気よく洗面所から戻る。椅子に座ってしばらく待つと満点の笑顔で四葉さんが鍋つかみを両手に装着して出来立てのグラタンを運んできた。
お、美味しそう…!
「大変長らくお待たせしましたーっ♡」
「僕、グラタンが好きだって話したことあったっけ?」
「ううん聞いたことないよ!でもよくグラタンコロッケパン買って食べてるから好きなのかなーって。好きなら良かった、えへへ。」
「…ありがとう。」
「お父さん早くー。パーティーするよー?」
「あつっ、あつっ…」
鍋つかみ、もうないのか…wバスタオルで苦戦しながら高橋パパがグラタンを運ぶ。
なんとか用意が出来て…ジュースをグラスに注いで、乾杯!
「「「かんぱーい」」」
熱々のグラタンを吐息で軽く冷まし…四葉さんに注目されながら、一口パクッ。
「………。」
「どうかな?」
……………これは…。
「美味しい…!」
「わーっ♡嬉しい、お世辞じゃないよねっ」
四葉さんはピョコピョコ飛びはね、全身で喜びを体現していた。一方高橋父は不動。
「や、本当に美味しい…。これ、市販のホワイトソースじゃないよね?味つけが全然違う…いや美味しすぎるって意味で!」
「ウチのアレンジでーす♪えへへ、良かった、美味しいってー♪あちっ!」
頬を明るく染めながら彼女は気を抜いていたのかスプーンが顎に触れて熱がっていた。大丈夫かな。
「火傷してないか、よつは。」
「お父さん、食べこぼし顔につけすぎ!」
「むむ…済まない。」
「………。」
「あれ?花文くんどうしたの…?熱かった?」
「あ、ううん、違うんだ…楽しいなって。」
熱い、温かい。こんなに楽しい食事、初めてってくらいだったから嬉しくて…気づかないうちに涙が滲んでいた。
この親娘は、本当に仲良しだ。
シングルファザーでもこんなに幸せなんだ…尊敬する。
「えへへ、良かった♪また呼ぶからその時はよろしくね♪あー、もっと好物教えて欲しいな!」
「うん、うん…ありがとう。美味しい…」
今、僕は幸せだ…。
「ありがとー花文くん!ごめんね、お客様なのにドア開けさせちゃって…全く、お父さんは何してるのよー。」
ついさっきまでナニしてました!
四葉さんは片手に湿布とか絆創膏の入った小さな袋、反対の手には重たいジュース二本持っていた。そちらの袋を預かり、とっさに思いついた言い訳を述べる。
「なんかね、お腹の調子がすごく悪かったみたいなんだ。その、調子悪い時って女の子がいると恥ずかしいんじゃないかな?僕もそういう気持ち分かるからそんな気がするんだ。」
すごい、頭の中遅れた賢者タイムでボーッとしてるのに口がよく動く。逆に怪しまれるんじゃないかってくらいだけど四葉さんはトイレの方を向いて複雑に眉をしかめ、頬を染めていた。
「もう…お父さんったら!それなら2人で買い物行けば良かったね。ごめんね、花文くん一人残しちゃって。」
「全然!その、お願いされてテレビの音量おっきくして見てたから何も気にならなかったよ。それでお迎えするの遅くなっちゃったんだけど、こっちこそごめんね。時間遅いのに重たい買い物してきてくれたんだね。」
「うん、夕飯からパーティーに変更しちゃおって思って!ジュース苦手なのなかったかな?」
「いいね、大丈夫!」
よし、よし!我ながらここまで上手く誤魔化せた経験は数えるほどしかない。なんとか彼女の父親をレ○プしていたことは隠し通せそうだ…しかし次の瞬間、彼女が異変を感じ取る。
「あれ…?」
ギクッッ
玄関からリビングへ移動中、四葉さんが警戒して立ち止まり、鼻をスンスンさせていた。高橋パパがぶちまけた体液はすぐに拭ってゴミ箱に捨てたけどニオイが残っていたか…!?
彼女の鼻は匂いの元を辿り、やがて僕の方を見た。
「すごくいい匂い!なんだろ、ハンドクリーム?花文くんの手からめっちゃいい匂いがする!」
「あ、あーー。」
手を掴まれて匂いを嗅がれそうになったけどさりげなく背中に回す。代わりに使いきったハンドクリームのチューブを見せた。
「で、でしょー、このメーカーめちゃ気に入ってるんだ。」
「いいなー、ウチも同じやつ使っていいかな?」
「いいよ!家にストックあるから明日持ってくるよ。」
「えー!?嬉しい!早く明日になるように、グラタン張り切って作るね!♡お父さーーん!手伝ってよーぅ!」
ガチャ、パタパタ…
お、戻ってきたお父さんは腑抜けた顔になってると思いきやキリッとしたお父さんの顔してる。
「ああ、待たせたな…。」
「トイレ長すぎー。手、洗ったー?」
「ああ…。」
僕にチラ、と一瞥をくべてキッチンに潜ってしまった。1人残された僕、ジュースをテーブルに置いて今のうちにトイレを借りると声をかけて、手を洗ってきた。
「ふう…」
鏡を見ると…まだ信じられない。
一目惚れして助けたおじさんが彼女のお父さんだったなんて、そのお父さんの乳首がでかくてエロくて触りまくって口の中で射精したなんて…。もっと、もっとずっと触りたい。
「四葉さんごめん…。」
僕、君のお父さんが本気で好きだ…。
申し訳なさ、罪悪感、劣等感色々あるけど今は全て忘れなきゃいけない。彼女を傷つけてしまうから…。
得意の笑顔を張りつけて、元気よく洗面所から戻る。椅子に座ってしばらく待つと満点の笑顔で四葉さんが鍋つかみを両手に装着して出来立てのグラタンを運んできた。
お、美味しそう…!
「大変長らくお待たせしましたーっ♡」
「僕、グラタンが好きだって話したことあったっけ?」
「ううん聞いたことないよ!でもよくグラタンコロッケパン買って食べてるから好きなのかなーって。好きなら良かった、えへへ。」
「…ありがとう。」
「お父さん早くー。パーティーするよー?」
「あつっ、あつっ…」
鍋つかみ、もうないのか…wバスタオルで苦戦しながら高橋パパがグラタンを運ぶ。
なんとか用意が出来て…ジュースをグラスに注いで、乾杯!
「「「かんぱーい」」」
熱々のグラタンを吐息で軽く冷まし…四葉さんに注目されながら、一口パクッ。
「………。」
「どうかな?」
……………これは…。
「美味しい…!」
「わーっ♡嬉しい、お世辞じゃないよねっ」
四葉さんはピョコピョコ飛びはね、全身で喜びを体現していた。一方高橋父は不動。
「や、本当に美味しい…。これ、市販のホワイトソースじゃないよね?味つけが全然違う…いや美味しすぎるって意味で!」
「ウチのアレンジでーす♪えへへ、良かった、美味しいってー♪あちっ!」
頬を明るく染めながら彼女は気を抜いていたのかスプーンが顎に触れて熱がっていた。大丈夫かな。
「火傷してないか、よつは。」
「お父さん、食べこぼし顔につけすぎ!」
「むむ…済まない。」
「………。」
「あれ?花文くんどうしたの…?熱かった?」
「あ、ううん、違うんだ…楽しいなって。」
熱い、温かい。こんなに楽しい食事、初めてってくらいだったから嬉しくて…気づかないうちに涙が滲んでいた。
この親娘は、本当に仲良しだ。
シングルファザーでもこんなに幸せなんだ…尊敬する。
「えへへ、良かった♪また呼ぶからその時はよろしくね♪あー、もっと好物教えて欲しいな!」
「うん、うん…ありがとう。美味しい…」
今、僕は幸せだ…。
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