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じゅうきゅうぱいめ
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「え"、なんて言ったんですか?」
高橋パパから厳重に厳重に突き指に手当てを施され、一通り指のストレッチや包帯の巻き方の講義をされた後だった。
お父さんはまだご立腹の様子で、いつもの席から腕組をしたまま淡々と言い放ったのだ。
「だから…今日は早めに帰りなさい。電車に乗るときも手を庇って、怪我を増やさないように。」
「送ってくれないんですか………?」
送る=車内でのセ○クスだ。
今日1日楽しかったけれど高橋パパとえっちすることが1週間に1度の楽しみで、これのために指が痛いのを我慢していたようなもの。子犬のような眼差しを向けたところで高橋パパは、ぐっと目を逸らした。
「ひ、1人でも帰れるだろう。」
「外はもうこんなに暗くて寒いのに…いたいけな青年を1人、放り出すんですか?」
「別に、見捨てようだとかそんなんじゃなくてだな、私は、そのーー」
結局情に流されやすい高橋パパだ。目が合わなくたって動揺してる。止めは娘の四葉さんの声かけだった。
「お願いパパ、花文くんを送ってあげて。いつも送ってくれるのにどうして怪我した今日に限ってダメなことがあるの?」
「早く車に乗りたまえよ、花文くん!!」
「…ww」
痛いとこ突かれたのかこの時期に滝汗を流した高橋パパは素早い動きで車のキーを取って玄関から出てしまった。
四葉さんにも挨拶していかないとな。
「家にいるよりずっと楽しかった。ありがとう四葉さん。車、甘えちゃってごめんね。」
「ううん、その方がいいよ。」
「ありがとう、また来週も良ければ遊ぼうね。」
「……ねぇ、花文くん。最近………」
「ん、ん?どうかした?」
一瞬にして彼女の口調のトーンが下がったから何か察せられたのかと焦る。
平静を装って返事したが、四葉さんは…
「ううん、なんでもない。おやすみ。」
「おやすみ、四葉さん。」
なんだったんだろう…胸騒ぎがする。
2人きりだから…軽いキスをして、高橋パパの待つ車へ急いだ。余計なことを考えないように…。
*******************
「ダメだ。」
「イヤです。」
「イヤじゃないダメだ。」
「イヤです!高橋パパとセ○クスしたい!」
「こ、こらっ…」
いつもセ○クスする夜の人気のない道路で、助手席から迫る蒼雨と拒む高橋父で車体は揺れていた。運転席の高橋パパの言い分はこうだ。
「怪我をしてるんだ、悪化したら大変だぞ。大人の言うことを聞きなさい。」
「子供にえっちなことされてアヘアヘイッちゃう大人の言うことなんて聞きません。」
「あっ、アヘアヘなんていってない!!」
言ってますから。むきになった高橋パパは厳格に絞られた眉の下を真っ赤にして騒ぐが、蒼雨は涼しい顔。
「自分だって期待して洗浄してローション仕込んでいつでもハメられるようにしてるスケベおじさんのくせに、説得力がないんですよ。」
「仕込っ…し、証拠はあるのかっ…!?」
「いつもそうしてるでしょ、何を今さら。それとも指突っ込んで試して欲しいってプレイなんですか?」
「……………むむぅ。」
本気で抵抗すれば、ゴリマッチョの高橋父に普通の高校生である蒼雨は勝てない。
色気のない無地のスポーツブラをひっぺがし、ビンビンの巨大乳首に触ることを許すのは彼の甘えなのか、油断なのか…
「あ、あっ♡待ちなさい、んっ、指いやだっ…♡ちゃんと話を聞きなさいっ!」
全く、いつも焦らすんだから。
渋々エロ乳首を弄るのを止めて僅かな明かりで分かるくらい蕩けた顔と厳格な顔を合わせた高橋パパに向き直る。
「なんですか。」
「……こ、交換条件だ。」
「条件を飲めばセ○クスしていいんですね、中出ししまくって孕みそうなくらいメスイキさせていいんですね。」
「おほんっ…話を、聞かせて欲しい。」
「?」
話を聞けだ聞かせろだ、どっちなんだ。
本能のまま牝を貪ろうとした蒼雨だったがそこで少し萎えて冷静に考えることが出来るようになった。
「…突き指のことを家族に話したのか?」
「…どうして急に僕の家族のことなんか。そんなの気にせずえっちして来たでしょ?挨拶にでも来てくれるなら歓迎しますよ。」
「花文くん、私はその類いの冗談は嫌いだ。」
「………………。」
好きな人にはっきり嫌いって言われると、文脈に関わらずドキッとして焦ってしまう。…正直に話すべきなのだろうか。
蒼雨は左手の包帯の端を摘まんで手遊びを始めた。
「言いませんよ、こんなことで。別にどんなことでも僕からは言いませんよ。だって…両親は僕に興味がありませんから。」
「…やはり、そうか。ご両親は君を放任してるのか?」
「放任ってか、放置ですね。邪魔な家具と同じ扱いです。僕は…別に生まれて来なくても良かったんです。」
「…!」
高橋パパの目に同情の光が灯る。
演技じゃない本当の自分の…弱さを見せるのはダサいことだって思っていたけど大人の、彼ならいいのかな…。
「父は最近会社の社長になりました。そのための今回の引っ越しでしたが『来なくてもいい』、そう言われました。あいつは僕が憎いんだ。そのせいで結婚しなくちゃいけなくなったから…母は料理を作ったことがありません。パーティーとアクセサリーにしか興味がなくて、僕を作ったのは金も自分も自由にさせてくれる父を離したくなかったから、それだけなんです。」
「…君の考えを否定したくない、君がそれだけ辛い思いをしてるって信じる。だが、子供を愛さない親なんていないはずだ…!」
「大人は皆そう言うんです…思春期の僕の妄想だって。あなたもそうなんですね。」
怒りで思わず、左手に爪を立てた。腫れた部分に食い込む爪の感触は釘を打ち込むように痛むがそれ以上に胸の痛みが勝っていた。それを見てギョッとした高橋パパが急いで否定した。
「そうではない!すまない、自分の物差しで話してはいけないな…言いたいことを話してくれるか?」
「…………両親は僕を愛してくれています。必要な衣類、必要な食事、必要な家を与えて勉強させてくれています。だけど僕は愛せない、そんな僕のエゴイスト、みっともないでしょ?」
「君は両親に何をされたんだ…?」
「…………何も、って言うと世の中虐待とかもっと苦しい人が沢山いるって言うんでしょ。」
ああ僕、面倒くさいって思われてるんだろな…そう不貞腐れて顔を背けても高橋パパは真っ直ぐ見つめ返してくれた。
「言わないよ。ちゃんと聞くから。」
…………………。
「本当に大したことはされてません。でも昔から忘れられないことがあるんです。小さい頃理由は忘れたけど…僕が駄々捏ねていたら父は『俺に逆らうことをしなければ幸せな生活を与えてやるから、演技でもいいから目障りなことやめろ』って。それから僕はイイコを演じるクセがあります。そんな自分が嫌なんですけど止められないんですよ。」
「………ふむ。」
「母は子供のままです。遊ぶことが大好きで、僕はペットのようでした。気が向いた時しか構ってくれない、それでも僕は必死に愛されようと努力しました。今は…もう、しませんけど。だけど僕は自分が幸せと思いますよ。そう思わないと頭がおかしくなりそうで。」
高橋パパは、彼の浅黒い大きな手を僕の手に重ねてくれた。
同情してくれてる?それでもいい…。
好きな人に優しくしてもらえることがこんなに嬉しいなら、最初からこうすれば良かったのか?それが出来なかったのは僕が子供だったから…?次第に僕の声は感情が抑制出来ない子供みたいに震えてきた。
「生んで、育ててくれた両親に恩返しすれば、また違うかもって。幸い僕は頭がいいから沢山勉強しました。父の会社へ貢献すれば僕を認めてくれるんじゃないかって…!だけど…」
「挫折、したのか。」
「ええまあ、ポッキリと。父が電話してきたんです。そんなの初めてだから、褒めてくれるのかな、何を言うんだろってドキドキしてました。でも父の言葉は…『目障りなことをやめろ』でした。僕は目障りなんです、身分も賢さもない女から生まれた子供を自分の跡取りにするつもりはない。だからっ、成人したらーーー家を出てーーー消えろってーーーーー」
「もういい。」
あの時の絶望と孤独感は一生忘れられない。
暗い部屋で視界を奪われ、熱も匂いも音も感じなくなった。
僕は生きてるのか?生きていいのか…
喉の奥から絞り出す声さえ、掠れて消えてしまいそうで。自分で自分を傷つけるような感覚に耐えられなくなった蒼雨を、いつもの厳格で優しい声で、高橋パパは止めてくれた。その体に受け止めるように抱き包まれると感じたことない安心感が、僕を癒してくれる。
高橋パパから厳重に厳重に突き指に手当てを施され、一通り指のストレッチや包帯の巻き方の講義をされた後だった。
お父さんはまだご立腹の様子で、いつもの席から腕組をしたまま淡々と言い放ったのだ。
「だから…今日は早めに帰りなさい。電車に乗るときも手を庇って、怪我を増やさないように。」
「送ってくれないんですか………?」
送る=車内でのセ○クスだ。
今日1日楽しかったけれど高橋パパとえっちすることが1週間に1度の楽しみで、これのために指が痛いのを我慢していたようなもの。子犬のような眼差しを向けたところで高橋パパは、ぐっと目を逸らした。
「ひ、1人でも帰れるだろう。」
「外はもうこんなに暗くて寒いのに…いたいけな青年を1人、放り出すんですか?」
「別に、見捨てようだとかそんなんじゃなくてだな、私は、そのーー」
結局情に流されやすい高橋パパだ。目が合わなくたって動揺してる。止めは娘の四葉さんの声かけだった。
「お願いパパ、花文くんを送ってあげて。いつも送ってくれるのにどうして怪我した今日に限ってダメなことがあるの?」
「早く車に乗りたまえよ、花文くん!!」
「…ww」
痛いとこ突かれたのかこの時期に滝汗を流した高橋パパは素早い動きで車のキーを取って玄関から出てしまった。
四葉さんにも挨拶していかないとな。
「家にいるよりずっと楽しかった。ありがとう四葉さん。車、甘えちゃってごめんね。」
「ううん、その方がいいよ。」
「ありがとう、また来週も良ければ遊ぼうね。」
「……ねぇ、花文くん。最近………」
「ん、ん?どうかした?」
一瞬にして彼女の口調のトーンが下がったから何か察せられたのかと焦る。
平静を装って返事したが、四葉さんは…
「ううん、なんでもない。おやすみ。」
「おやすみ、四葉さん。」
なんだったんだろう…胸騒ぎがする。
2人きりだから…軽いキスをして、高橋パパの待つ車へ急いだ。余計なことを考えないように…。
*******************
「ダメだ。」
「イヤです。」
「イヤじゃないダメだ。」
「イヤです!高橋パパとセ○クスしたい!」
「こ、こらっ…」
いつもセ○クスする夜の人気のない道路で、助手席から迫る蒼雨と拒む高橋父で車体は揺れていた。運転席の高橋パパの言い分はこうだ。
「怪我をしてるんだ、悪化したら大変だぞ。大人の言うことを聞きなさい。」
「子供にえっちなことされてアヘアヘイッちゃう大人の言うことなんて聞きません。」
「あっ、アヘアヘなんていってない!!」
言ってますから。むきになった高橋パパは厳格に絞られた眉の下を真っ赤にして騒ぐが、蒼雨は涼しい顔。
「自分だって期待して洗浄してローション仕込んでいつでもハメられるようにしてるスケベおじさんのくせに、説得力がないんですよ。」
「仕込っ…し、証拠はあるのかっ…!?」
「いつもそうしてるでしょ、何を今さら。それとも指突っ込んで試して欲しいってプレイなんですか?」
「……………むむぅ。」
本気で抵抗すれば、ゴリマッチョの高橋父に普通の高校生である蒼雨は勝てない。
色気のない無地のスポーツブラをひっぺがし、ビンビンの巨大乳首に触ることを許すのは彼の甘えなのか、油断なのか…
「あ、あっ♡待ちなさい、んっ、指いやだっ…♡ちゃんと話を聞きなさいっ!」
全く、いつも焦らすんだから。
渋々エロ乳首を弄るのを止めて僅かな明かりで分かるくらい蕩けた顔と厳格な顔を合わせた高橋パパに向き直る。
「なんですか。」
「……こ、交換条件だ。」
「条件を飲めばセ○クスしていいんですね、中出ししまくって孕みそうなくらいメスイキさせていいんですね。」
「おほんっ…話を、聞かせて欲しい。」
「?」
話を聞けだ聞かせろだ、どっちなんだ。
本能のまま牝を貪ろうとした蒼雨だったがそこで少し萎えて冷静に考えることが出来るようになった。
「…突き指のことを家族に話したのか?」
「…どうして急に僕の家族のことなんか。そんなの気にせずえっちして来たでしょ?挨拶にでも来てくれるなら歓迎しますよ。」
「花文くん、私はその類いの冗談は嫌いだ。」
「………………。」
好きな人にはっきり嫌いって言われると、文脈に関わらずドキッとして焦ってしまう。…正直に話すべきなのだろうか。
蒼雨は左手の包帯の端を摘まんで手遊びを始めた。
「言いませんよ、こんなことで。別にどんなことでも僕からは言いませんよ。だって…両親は僕に興味がありませんから。」
「…やはり、そうか。ご両親は君を放任してるのか?」
「放任ってか、放置ですね。邪魔な家具と同じ扱いです。僕は…別に生まれて来なくても良かったんです。」
「…!」
高橋パパの目に同情の光が灯る。
演技じゃない本当の自分の…弱さを見せるのはダサいことだって思っていたけど大人の、彼ならいいのかな…。
「父は最近会社の社長になりました。そのための今回の引っ越しでしたが『来なくてもいい』、そう言われました。あいつは僕が憎いんだ。そのせいで結婚しなくちゃいけなくなったから…母は料理を作ったことがありません。パーティーとアクセサリーにしか興味がなくて、僕を作ったのは金も自分も自由にさせてくれる父を離したくなかったから、それだけなんです。」
「…君の考えを否定したくない、君がそれだけ辛い思いをしてるって信じる。だが、子供を愛さない親なんていないはずだ…!」
「大人は皆そう言うんです…思春期の僕の妄想だって。あなたもそうなんですね。」
怒りで思わず、左手に爪を立てた。腫れた部分に食い込む爪の感触は釘を打ち込むように痛むがそれ以上に胸の痛みが勝っていた。それを見てギョッとした高橋パパが急いで否定した。
「そうではない!すまない、自分の物差しで話してはいけないな…言いたいことを話してくれるか?」
「…………両親は僕を愛してくれています。必要な衣類、必要な食事、必要な家を与えて勉強させてくれています。だけど僕は愛せない、そんな僕のエゴイスト、みっともないでしょ?」
「君は両親に何をされたんだ…?」
「…………何も、って言うと世の中虐待とかもっと苦しい人が沢山いるって言うんでしょ。」
ああ僕、面倒くさいって思われてるんだろな…そう不貞腐れて顔を背けても高橋パパは真っ直ぐ見つめ返してくれた。
「言わないよ。ちゃんと聞くから。」
…………………。
「本当に大したことはされてません。でも昔から忘れられないことがあるんです。小さい頃理由は忘れたけど…僕が駄々捏ねていたら父は『俺に逆らうことをしなければ幸せな生活を与えてやるから、演技でもいいから目障りなことやめろ』って。それから僕はイイコを演じるクセがあります。そんな自分が嫌なんですけど止められないんですよ。」
「………ふむ。」
「母は子供のままです。遊ぶことが大好きで、僕はペットのようでした。気が向いた時しか構ってくれない、それでも僕は必死に愛されようと努力しました。今は…もう、しませんけど。だけど僕は自分が幸せと思いますよ。そう思わないと頭がおかしくなりそうで。」
高橋パパは、彼の浅黒い大きな手を僕の手に重ねてくれた。
同情してくれてる?それでもいい…。
好きな人に優しくしてもらえることがこんなに嬉しいなら、最初からこうすれば良かったのか?それが出来なかったのは僕が子供だったから…?次第に僕の声は感情が抑制出来ない子供みたいに震えてきた。
「生んで、育ててくれた両親に恩返しすれば、また違うかもって。幸い僕は頭がいいから沢山勉強しました。父の会社へ貢献すれば僕を認めてくれるんじゃないかって…!だけど…」
「挫折、したのか。」
「ええまあ、ポッキリと。父が電話してきたんです。そんなの初めてだから、褒めてくれるのかな、何を言うんだろってドキドキしてました。でも父の言葉は…『目障りなことをやめろ』でした。僕は目障りなんです、身分も賢さもない女から生まれた子供を自分の跡取りにするつもりはない。だからっ、成人したらーーー家を出てーーー消えろってーーーーー」
「もういい。」
あの時の絶望と孤独感は一生忘れられない。
暗い部屋で視界を奪われ、熱も匂いも音も感じなくなった。
僕は生きてるのか?生きていいのか…
喉の奥から絞り出す声さえ、掠れて消えてしまいそうで。自分で自分を傷つけるような感覚に耐えられなくなった蒼雨を、いつもの厳格で優しい声で、高橋パパは止めてくれた。その体に受け止めるように抱き包まれると感じたことない安心感が、僕を癒してくれる。
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