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旅立ち編
童貞こじらせ系思春期男子が町で一番かわいい女子とデートさせられた結果
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いま、俺は町随一の美少女とデート中だ。何でこうなったんだろう。
いや、発端は自分だったのだが、それでも恥ずかしい。まあ、俺のような冴えない男が成り行きでデートまでこじつけたというのは、もはや奇跡に近いだろう。そう、いままでほとんどモテなかった俺が思うのは、「果たしてほんとに俺はこんなことをしていいのだろうか」という不安。アリスにはもっとほかにいい相手がいるのではないか、ほんとに俺なんかで満足しているのだろうか、という風に思ってしまう。そして、いま一番思っていることは――
(こういう状況で、一体何を話せばいいんだぁぁぁぁぁ!!)
デートどころか、家族以外の異性と出かけたことすらないから! 異性どころか高校入るまでは友達もいなかったから!! 高校では友達出来たけど、全員男子だから!!! だってうちの高校男子校だからっ!!!!
ああああ、高校いた頃のように下ネタを話せば引かれることは火を見るより明らかだし、だからといって、ネットの出来事なんか話せないというか、そもそもそんなものこの異世界に存在するはずがないしっ! 一体どうすればいいんだ!!
俺たちはお互いに無口だった。アリスは、顔を赤くしたまま、もじもじして、たまにニヤニヤしている。かわいいけど、なにを考えているのだろう……。
にしても、こういう時って、一体なにを話せばいいんだろうか?
そこで、アリスが話しかけてきた。
「あ、あの洋服かわいいね」
「うん、そうだね」
アリスが指差した先にあったのは、かわいいワンピースだった。
俺はどうすればいいんだ! 話す内容が何一つ無い……いや今話しかけてきたよな。ならそれを広げれば……
「アリスにとっても似合うと思うよ」
「ありがとう」
「……」
「……」
駄目だ話がぜんぜん続かない!
またお互いに黙り込んでしまう。こういう時って一体どうすればいいんだ?
何も考えずにここまで来た。なので、少しの準備もしていない。
ちなみに、エロいゲームどころか恋愛シミュレーションゲームすらやったことが無い俺だ。恐らく普通のオタクよりもそういうことについては無知なのだろう。少女漫画ならたまに読んでいたが。
そのため、いろいろわからないことだらけだ。
そもそもこういう恋愛とかデートとかの異文化はよくわからないんだ!
とにかくヘルプミィィィィ!!
そこで、舌打ちの音が聞こえた気がした。
服のすそが引っ張られた。何かと思うと、リリスだった。なんだろう。
「おにーちゃん、あそこのケーキたべたーい」
なんだ、そんないつにも増して媚び媚びの口調で、上目遣いで可愛くおねだりなんかして。
……よし、行こう。
「じゃあ、あのケーキ屋さんに寄ろうか」
「……あ、うん!」
アリス、ボーっとしていたな。大丈夫だろうか?
ということで、ケーキ屋――実際は喫茶店であった――に立ち寄った。そして、ケーキを食べた。しかし……
「あーん、して?」
「え? アリスさん? 君は何を言っているんだ!?」
「だから、食べさせて?」
「はいっ!?」
やっぱりアリスは大丈夫ではないようだ。リリスが俺に話しかける。
「お姉ちゃんはお前と一緒に出かけたことで、すっかり舞い上がってしまっているようだ。こういう時どうすればいいかはわかるな?」
「わからないから困っているんですよ!」
「くっ、これだから童貞こじらせた思春期男子は……! こういう時はな、素直に女の方の言うことを聞いてやるんだ。譲り譲られつつエスコートしていって、最終的に女を濡らしてヤるまでが男の仕事だろう!」
なんだろう、俺にはまだ早い気がする。全くわからん。
「……お願い❤」
……やらなければ男が廃るぜ!
「じ、じゃあ、やるぞ……」
「うん……」
その時の様子は割愛しよう。
……決して作者がそういうのを書くのがめんどくさくなったわけではっ……ない……から……な……。
その後、喫茶店を出て、また俺たちは歩く……あれ? 何か忘れていたような……。
そういえば、そもそも何で買い物に出かけたんだっけ。
……まあ、いいk――いやよくなかった!
思い出した! そうだ! 俺は旅に出るための荷物を買いに来たんだった!
すっかり忘れてた。あぶねえ。
「ごめん、ちょっと寄りたいところがあるんだ! 一緒に来て!」
「え……❤」
俺達は、急いで道具屋に向かった。
ここは道具屋の店内。肩で息をしつつ、会話する。
「行きたいところって、道具屋?」
「ああ、あさってには旅に出るから、そのための道具を買おうと思ってな」
「あ、そう……(それでこそジュンヤ君だよね……)」
アリスたち姉妹は、そろって呆れた様子だ。何故だろう。まあ、それはいいか。
それからしばらくの間、三人で旅に必要な道具を見繕っていた。
いろいろと知ることができたので、この外出には意味があったといえるだろう。
はあ、疲れた。まだ午前中なのに、それが信じられない。ラブコメ主人公の精神力を少し見習うぜ。一人でこれだから、ハーレムはもっと大変なんだろうな。改めて、すごいな。ラブコメの主人公って。
さて、次はアリスたちの用事だが。
「え、用事!? そんなのあったっけ!?」
「あったよ!!」
「はっ! 思い出した!」
と、そんな感じであった。俺と同じく、ど忘れしていたらしい。
「で、アリスちゃんたちの用事って、何だ?」
「それは――」
「あたしの冒険者カードだ!」
リリスはまだ幼く、冒険者登録は出来ないはずなのだが、この間の悪魔討伐で多大な功績を挙げたため、特例で冒険者登録させてもらうことになったのだ。
今日はそのカード作成であったのだが。
「今日はいろいろと忙しい日だったらしくてな。時間が必要だといわれた」
そういうことか。それは仕方がない。
「そろそろ昼だし、大丈夫だろう。行こう、冒険者ギルドへ!」
『オ――』
冒険者ギルドに向かった。
俺は、昼食を食べて登録を待った。そして。
「よし、登録ができたぞ!」
「おお、早速見てもいいか……って、強すぎィ!」
リリスのステータスは、超強力であった。具体的には……
『HP 1529』『MP 1182』『攻撃力 885』『防御力 792』『魔法力 1232』
強すぎる。レベル欄には、『Lv.51』と表記されている。
ちなみに、『Lv.45』と記載されているはずの俺のステータスはこちら。
『HP 85』『MP 95』『攻撃力 28+150+210=388』『防御力 28+140=168』『魔法力 29+20+25+35+190=299』
フル装備でこの程度。というか、常人でせいぜいこの程度である。
規格外幼女とはこのことを言うのか。これで全力ではないとは、どれだけ強いんだ、この悪魔。
「どうだ、すごいだろう! 職員の人がとっても驚いてたぞ!」
うん、もう帰って寝るか。やることはやったし、もう疲れたし。
もうこれは夢だ……。
疲れた……。
寝る……。
いや、発端は自分だったのだが、それでも恥ずかしい。まあ、俺のような冴えない男が成り行きでデートまでこじつけたというのは、もはや奇跡に近いだろう。そう、いままでほとんどモテなかった俺が思うのは、「果たしてほんとに俺はこんなことをしていいのだろうか」という不安。アリスにはもっとほかにいい相手がいるのではないか、ほんとに俺なんかで満足しているのだろうか、という風に思ってしまう。そして、いま一番思っていることは――
(こういう状況で、一体何を話せばいいんだぁぁぁぁぁ!!)
デートどころか、家族以外の異性と出かけたことすらないから! 異性どころか高校入るまでは友達もいなかったから!! 高校では友達出来たけど、全員男子だから!!! だってうちの高校男子校だからっ!!!!
ああああ、高校いた頃のように下ネタを話せば引かれることは火を見るより明らかだし、だからといって、ネットの出来事なんか話せないというか、そもそもそんなものこの異世界に存在するはずがないしっ! 一体どうすればいいんだ!!
俺たちはお互いに無口だった。アリスは、顔を赤くしたまま、もじもじして、たまにニヤニヤしている。かわいいけど、なにを考えているのだろう……。
にしても、こういう時って、一体なにを話せばいいんだろうか?
そこで、アリスが話しかけてきた。
「あ、あの洋服かわいいね」
「うん、そうだね」
アリスが指差した先にあったのは、かわいいワンピースだった。
俺はどうすればいいんだ! 話す内容が何一つ無い……いや今話しかけてきたよな。ならそれを広げれば……
「アリスにとっても似合うと思うよ」
「ありがとう」
「……」
「……」
駄目だ話がぜんぜん続かない!
またお互いに黙り込んでしまう。こういう時って一体どうすればいいんだ?
何も考えずにここまで来た。なので、少しの準備もしていない。
ちなみに、エロいゲームどころか恋愛シミュレーションゲームすらやったことが無い俺だ。恐らく普通のオタクよりもそういうことについては無知なのだろう。少女漫画ならたまに読んでいたが。
そのため、いろいろわからないことだらけだ。
そもそもこういう恋愛とかデートとかの異文化はよくわからないんだ!
とにかくヘルプミィィィィ!!
そこで、舌打ちの音が聞こえた気がした。
服のすそが引っ張られた。何かと思うと、リリスだった。なんだろう。
「おにーちゃん、あそこのケーキたべたーい」
なんだ、そんないつにも増して媚び媚びの口調で、上目遣いで可愛くおねだりなんかして。
……よし、行こう。
「じゃあ、あのケーキ屋さんに寄ろうか」
「……あ、うん!」
アリス、ボーっとしていたな。大丈夫だろうか?
ということで、ケーキ屋――実際は喫茶店であった――に立ち寄った。そして、ケーキを食べた。しかし……
「あーん、して?」
「え? アリスさん? 君は何を言っているんだ!?」
「だから、食べさせて?」
「はいっ!?」
やっぱりアリスは大丈夫ではないようだ。リリスが俺に話しかける。
「お姉ちゃんはお前と一緒に出かけたことで、すっかり舞い上がってしまっているようだ。こういう時どうすればいいかはわかるな?」
「わからないから困っているんですよ!」
「くっ、これだから童貞こじらせた思春期男子は……! こういう時はな、素直に女の方の言うことを聞いてやるんだ。譲り譲られつつエスコートしていって、最終的に女を濡らしてヤるまでが男の仕事だろう!」
なんだろう、俺にはまだ早い気がする。全くわからん。
「……お願い❤」
……やらなければ男が廃るぜ!
「じ、じゃあ、やるぞ……」
「うん……」
その時の様子は割愛しよう。
……決して作者がそういうのを書くのがめんどくさくなったわけではっ……ない……から……な……。
その後、喫茶店を出て、また俺たちは歩く……あれ? 何か忘れていたような……。
そういえば、そもそも何で買い物に出かけたんだっけ。
……まあ、いいk――いやよくなかった!
思い出した! そうだ! 俺は旅に出るための荷物を買いに来たんだった!
すっかり忘れてた。あぶねえ。
「ごめん、ちょっと寄りたいところがあるんだ! 一緒に来て!」
「え……❤」
俺達は、急いで道具屋に向かった。
ここは道具屋の店内。肩で息をしつつ、会話する。
「行きたいところって、道具屋?」
「ああ、あさってには旅に出るから、そのための道具を買おうと思ってな」
「あ、そう……(それでこそジュンヤ君だよね……)」
アリスたち姉妹は、そろって呆れた様子だ。何故だろう。まあ、それはいいか。
それからしばらくの間、三人で旅に必要な道具を見繕っていた。
いろいろと知ることができたので、この外出には意味があったといえるだろう。
はあ、疲れた。まだ午前中なのに、それが信じられない。ラブコメ主人公の精神力を少し見習うぜ。一人でこれだから、ハーレムはもっと大変なんだろうな。改めて、すごいな。ラブコメの主人公って。
さて、次はアリスたちの用事だが。
「え、用事!? そんなのあったっけ!?」
「あったよ!!」
「はっ! 思い出した!」
と、そんな感じであった。俺と同じく、ど忘れしていたらしい。
「で、アリスちゃんたちの用事って、何だ?」
「それは――」
「あたしの冒険者カードだ!」
リリスはまだ幼く、冒険者登録は出来ないはずなのだが、この間の悪魔討伐で多大な功績を挙げたため、特例で冒険者登録させてもらうことになったのだ。
今日はそのカード作成であったのだが。
「今日はいろいろと忙しい日だったらしくてな。時間が必要だといわれた」
そういうことか。それは仕方がない。
「そろそろ昼だし、大丈夫だろう。行こう、冒険者ギルドへ!」
『オ――』
冒険者ギルドに向かった。
俺は、昼食を食べて登録を待った。そして。
「よし、登録ができたぞ!」
「おお、早速見てもいいか……って、強すぎィ!」
リリスのステータスは、超強力であった。具体的には……
『HP 1529』『MP 1182』『攻撃力 885』『防御力 792』『魔法力 1232』
強すぎる。レベル欄には、『Lv.51』と表記されている。
ちなみに、『Lv.45』と記載されているはずの俺のステータスはこちら。
『HP 85』『MP 95』『攻撃力 28+150+210=388』『防御力 28+140=168』『魔法力 29+20+25+35+190=299』
フル装備でこの程度。というか、常人でせいぜいこの程度である。
規格外幼女とはこのことを言うのか。これで全力ではないとは、どれだけ強いんだ、この悪魔。
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