【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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初めての従魔『フェンリル』

 オールは私の学園の手続きとバールナ公爵へ養女として行く為の書類、自国の政務で多忙なようなので、少しお庭を散歩してみようとお花の並木道を歩いている。
 ガッ!
 私は何もないような所で転び、両手と足をすりむいた。

「いたたっ」

 両手からは血が、スカートをめくって見たら、やっぱりだすりむいて足からも血が出てるよ。
 消毒して薬塗らないと、メイドさん方に心配させちゃうな。



 ズザザザザッ!

「………グルルルッ……」

 えっ? 何?
 音と唸るような声の方を見たら!!
 狼? にしてはデカイよね?
 血が出てる、手当てしてあげないと!

「大丈夫だよ。
 傷にハンカチを巻くだけだからね?
 治したいけど、魔法が使えないから応急手当てで、ゴメンね?」
「………」

 唸ってないから良いって事だよね。
 ササッと巻いて、体に付いてるゴミや葉っぱを取ってあげた。
 これで応急処置は終わり、ハンカチを巻いただけなんだけど。

「まだ痛いよね? 大丈夫?」

 尻尾振っちゃって可愛い、漫画に出て来る『』みたい。
」勝手に名前つけちゃった、けど大丈夫だよね?
 もう帰ろう。

 テクテクテク……トコトコトコ。
 テクテクテク……トコトコトコ。

 んっ? 気のせい?

 テクテクテク……トコトコトコ。

 後ろを振り返ると、フェンリルが居た~~! って呑気に思っている場合じゃない、どうしよう。
 連れて帰ってあげたいけれど、皆になんて言われるか分からないしな。

「わたくしの所に来たいの?」

 うわっ、凄い勢いで尻尾を振ってる!

「我は名を授かった。
 主は我の主になった、主が行くとこ我も行く」

 フェンリルが喋った!
 あっ、シンから貰ったチートで、私のスキルにがあった。
 名前を付けると従魔になるんだ?
 名前付けちゃったのは私なんだし責任持って育ててあげないと。
 って、もう大きく育ってるよね。

「ついておいで。
 そうだっ! 良い事考えた、お風呂に入ろう!
 お風呂に入ってキレイキレイしようねぇ」

 綺麗になればモフモフ出来る!
 モフモフは癒しよ!
 王城に入ろうとすると、心配したオールが出て来る所で私は手を振って声をかけた。

「オール、ただいま。
 ちょっと散歩してたら遅くなっちゃった」

 フェンをナデナデしながら話す私。
 ………。

「ユア、はユアが名を付けたのか?
 ……怪我をしたのか?
 血の匂いがする!」

 オールは、私とフェンが怪我しているとすぐ分かってくれた。

「うん、並木道でつまずいて転んじゃったの。
 フェンは血を流してるのを見つけて、放っておけなくて応急処置をして名前付けたら従魔になってて」
「フェンリルは強いからユアの護衛としては申し分無いが、ユアとフェンは回復魔法をしてもらわないとな」

 急いで治癒師によって回復してくれた。

「フェン、良かったね。
 これで王城にも入れるし一緒にお風呂にも入れるね。
 あとはブラッシングして一緒に寝ようね、モフモフが出来る!」

 1人で盛り上がっていたらオールは、口を尖らせながら言った。

「一緒の風呂も寝室での寝起きも別にしてくれ、俺だって一緒に寝た事無いのにコイツだけズルイだろ!」

 そんなオールを見て笑ってしまった。

「大きいままだと移動しづらいだろ? 小さくなっとけ」

 オールがフェンに助言した後、子犬に変身した。

「きゃあぁぁっ!  可愛い!」

 ムギュギュッ!  思わずフェンに抱きつき、オールに剥がされた私だった。



 フェンは調理室の隅っこで居眠り中。

 夕食は肉じゃが!
 あとはホウレン草に似た菜っ葉の和え物と、卵があるからオムレツをパン代わりにしよう。

 ジャガイモを切って水に浸けておき、人参・玉ねぎ・糸こんにゃくは無いから、お肉を切って鍋に入れていた鳥の骨付き肉を出して、人参・玉ねぎ・ジャガイモ・肉を入れ醤油・砂糖、みりんは無いからこのまま煮込む。

 煮込んでる間にホウレン草もどきを沸騰している鍋に入れ、

「うん、良い感じになった」

 ザルに茹でた菜っ葉を流し込み、水で素早く冷やす。あとは適度な大きさに切って、手で絞って醤油で味付けして一品出来上がり。

 次はオムレツ。
 具はミンチは無いから、プレーンオムレツにしよう。
 スピードが大事だから、かき混ぜた卵をフライパンに入れ素早くかき混ぜ、素早く形を整えてお皿に入れて完成!

「良い匂い、肉じゃがが出来たみたいだね。
 うん! 良い感じになった」


 フェンは一緒のベッドで寝るのは禁止にされたけど、フェンをベッドに入れず横に寝るって事をオールから勝ち取った。
 フェンのお風呂はどうなったかって?
 それは想像通りで、オールがクリーンの生活魔法で綺麗にしてくれたんだよね。
 こんなに大きなフェンリルを手で洗うのは大変だし、フェンと一緒にお風呂に入るのがネックになったみたいで、急いで魔法を使ってた。



 今日の夕食も大好評で無事1日が終わった。

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