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第9話 VSゴブリン
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暫し歩くとだいぶ森も深くなってきた。
サクトが後ろを歩く朱華を見ると殺気がどんどん強くなっていた。
ゴブリン事件の内容を聞いてからの朱華からは不安感は消え、怒りをモチベーションに圧倒的にやる気が漲っている。
朱華の戦闘を楽しみにしつつ進んでいくと遠目に洞窟が見えてきた。
入り口付近まで近づいて暗闇であるはずの洞窟が微妙に明るいことに気づいた。
「なんだ、これは?」
洞窟内の天井には照明が取り付けられており、トンネルくらいの明るさだった。
明らかに電気が通っている。いくらこの世界が発展しており、サクトが元いた世界に近いとは言え、ゴブリンがこんな文明を取り入れて生活しているとは思えない。
せいぜい炬くらいだろう。
(人間の手が加えられているな)
そう思った。
流石に朱華も気づいた様子で
「まるでトンネルみたい。こんなライトを取り付けてるなんてゴブリンって人間くらい頭いいやつもいるの?」
「いや、せいぜい小学生の低学年くらいの知能だ。科学の概念や知識があるなんてあり得ない」
と、朱華の問いに答えていると前方から足音が近づいてきた。
「ギギギッ!ニンゲン、ニンゲンイル!」
ゴブリンの群れだ。ほとんどが小柄な大人、もしくは子供くらいの大きさだが、目立って2メートルくらいの巨体もいる。
サクトは「出番だ」と言わんばかりにトンと朱華を前に押しやった。
「はい?あたし!?」
驚いて尋ねる朱華にニヤリと笑い頷くサクトだった。
獲物を差し出されたゴブリン達は舌舐りをしてニタァッと笑った。
朱華のようなスタイル抜群の美少女はゴブリンにとっては様々な欲を満たしてくれる最高の贄なのだ。
不満そうにサクトを睨み付けながらしぶしぶ構える朱華。
頭の中にゴブリンがやってきた残酷な所業を浮かべ、自ら怒りを煽る。
すると右手の拳に薄い光の膜が張り始めた。
黄色がかっていた光はやがて赤く変化して炎のように熱を放ち拳を包んだ。
「なんか…力が湧いてくる!あたしいけるかも!」
ギャギャギャッ!と笑いながら群がってくる小柄なゴブリン達に向かって朱華は勢いよく突っ込んでいく。
「はぁっ!!」朱華の一撃が先頭のゴブリンの顔面にヒットするとゴキッ!という音と共にゴブリンの頭がぶっ飛んだ。
体から離れた頭部は炎に包まれてトンッと地面に落ちて燃え上がった。
なるほど。身体能力の強化に加え炎属性の魔力も付与されているのか。
などとサクトが感心していると朱華が騒ぎだした。
「なんか出た!火みたいの出た!ちょっとアッツいんですけど!?」
「お前自身の体から発している炎属性の魔力だ。最初は熱いだろうがお前が焼け焦げることはないから安心して戦え」
騒ぐ朱華に魔力のことを伝えると落ち着きを取り戻して息を整え、再びゴブリンを睨む。
力を見せつけられ、たじろいでいたゴブリン達からは下卑た笑いは消え、完全に戦闘モードで身構えている。
「コノニンゲンノオンナ、ツヨイ。ツカエルクライニコワス。アソブ、アトマワシ」
ボスらしき大きなゴブリンの言葉を聞いたゴブリンが一斉に動きだし、サクト、朱華を取り囲んだ。
「いいね。俺も遊ぶとしますか」
サクトは笑みを浮かべて素早く一体のゴブリンの眼前に移動すると顔面を掴んで持ち上げた。
手足をバタつかせ踠くが容赦なく力を込める。
ミシッミシッと音をたてゴブリンの頭が弾けた。
「さぁ楽しもうぜ?」
サクトが後ろを歩く朱華を見ると殺気がどんどん強くなっていた。
ゴブリン事件の内容を聞いてからの朱華からは不安感は消え、怒りをモチベーションに圧倒的にやる気が漲っている。
朱華の戦闘を楽しみにしつつ進んでいくと遠目に洞窟が見えてきた。
入り口付近まで近づいて暗闇であるはずの洞窟が微妙に明るいことに気づいた。
「なんだ、これは?」
洞窟内の天井には照明が取り付けられており、トンネルくらいの明るさだった。
明らかに電気が通っている。いくらこの世界が発展しており、サクトが元いた世界に近いとは言え、ゴブリンがこんな文明を取り入れて生活しているとは思えない。
せいぜい炬くらいだろう。
(人間の手が加えられているな)
そう思った。
流石に朱華も気づいた様子で
「まるでトンネルみたい。こんなライトを取り付けてるなんてゴブリンって人間くらい頭いいやつもいるの?」
「いや、せいぜい小学生の低学年くらいの知能だ。科学の概念や知識があるなんてあり得ない」
と、朱華の問いに答えていると前方から足音が近づいてきた。
「ギギギッ!ニンゲン、ニンゲンイル!」
ゴブリンの群れだ。ほとんどが小柄な大人、もしくは子供くらいの大きさだが、目立って2メートルくらいの巨体もいる。
サクトは「出番だ」と言わんばかりにトンと朱華を前に押しやった。
「はい?あたし!?」
驚いて尋ねる朱華にニヤリと笑い頷くサクトだった。
獲物を差し出されたゴブリン達は舌舐りをしてニタァッと笑った。
朱華のようなスタイル抜群の美少女はゴブリンにとっては様々な欲を満たしてくれる最高の贄なのだ。
不満そうにサクトを睨み付けながらしぶしぶ構える朱華。
頭の中にゴブリンがやってきた残酷な所業を浮かべ、自ら怒りを煽る。
すると右手の拳に薄い光の膜が張り始めた。
黄色がかっていた光はやがて赤く変化して炎のように熱を放ち拳を包んだ。
「なんか…力が湧いてくる!あたしいけるかも!」
ギャギャギャッ!と笑いながら群がってくる小柄なゴブリン達に向かって朱華は勢いよく突っ込んでいく。
「はぁっ!!」朱華の一撃が先頭のゴブリンの顔面にヒットするとゴキッ!という音と共にゴブリンの頭がぶっ飛んだ。
体から離れた頭部は炎に包まれてトンッと地面に落ちて燃え上がった。
なるほど。身体能力の強化に加え炎属性の魔力も付与されているのか。
などとサクトが感心していると朱華が騒ぎだした。
「なんか出た!火みたいの出た!ちょっとアッツいんですけど!?」
「お前自身の体から発している炎属性の魔力だ。最初は熱いだろうがお前が焼け焦げることはないから安心して戦え」
騒ぐ朱華に魔力のことを伝えると落ち着きを取り戻して息を整え、再びゴブリンを睨む。
力を見せつけられ、たじろいでいたゴブリン達からは下卑た笑いは消え、完全に戦闘モードで身構えている。
「コノニンゲンノオンナ、ツヨイ。ツカエルクライニコワス。アソブ、アトマワシ」
ボスらしき大きなゴブリンの言葉を聞いたゴブリンが一斉に動きだし、サクト、朱華を取り囲んだ。
「いいね。俺も遊ぶとしますか」
サクトは笑みを浮かべて素早く一体のゴブリンの眼前に移動すると顔面を掴んで持ち上げた。
手足をバタつかせ踠くが容赦なく力を込める。
ミシッミシッと音をたてゴブリンの頭が弾けた。
「さぁ楽しもうぜ?」
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