たてまえ家族

しんたろう

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小学校の卒業の時を迎える。
一人浮いていた自分に友達が、

「直樹、卒業文集に自分の大人になったらの夢を何載せた」

その卒業文集に直樹は大人になったらの夢で教師になりたいと書きこんだ。

その時期だったが、直樹の家庭生活はヒドかった。
祖母がなくなり、父は直樹を虐待しはじめた。
破産して会社も辞め、直樹と父は家賃5千円のスラムの住宅に引っ越す事になった。
破産する前は学校と遠い駅の終点の地区から学校へ2時間かけて通学していたが、
父への不満もあった。

やがて、小学校が終わり、中学を迎えた。
中学の体育館で中学の校歌を歌う。
いろんな子が声をかけてきた。

「直樹君って言うんだ。よろしく」その中で女の子の一人は言う。

その子とクラスが一緒になり、いろんな話しで盛り上がる。
でもなぜか帰りたがらない直樹に友達は言う。

「そろそろ帰らないと」
「嫌だ、帰りたくないな・・・」
「なんで」
「とにかく帰りたくない」
「どうして?」

直樹はしきりに時間を気にしていた。
父が帰ってくる時間だ。

「帰りたくない」
「ごめん」

帰ってきた父はいつものようにピリピリと、
直樹は自分の部屋に行って、会話を避けていた。

そんなある日、父に内緒で父の置いていたお金を少し取って、
尾崎豊のOHMYLITTLEGIRLのCDを買って、部屋で自分の境遇を思い、少し泣いた。
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