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第4話 妖精の女王の逆襲
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(またあの夢か……)
あの夢とは前世の高校時代の夢だ。
私、桜川美華は前世で天寿を全うして、この世界に勇者として転生した。
そしてこの世界の魔王も転生者で、私の前世の高校時代の同級生の湊山空太郎くんだったのだ。
『勇者ミリアとデートがしたいです』
先日、妖精の女王の「デートをしてあげましょう」という提案に、魔王湊山くんはそう答えた。
(あんな事を言うもんだから……)
それ以来、私は前世の高校時代の夢を見続けている。学校帰りに湊山くんと一緒に歩く夢を。
(てか、あれはデートじゃないけど!)
前世の高校時代、湊山くんとは私のちょっとした気まぐれからから話をするようになり、放課後に一緒に帰る仲になった。
(それだけだし)
そう、それだけだった。
話すのも、帰るのも、いつも私から声をかけていた。
(そうなのよね、いつだって私からだったし!)
そう思うとなんだか腹が立つが、結局なんだかんだと私は湊山くんと過ごす時間を楽しんでいたのかもしれない。
(この前、デートの真似事くらいしてあげても、なんて思っちゃったからかなぁ……)
「はぁーーまったく……!」
そう言いながら私がベッドで身を起こした時、ノックが聞こえた。
「はぁーーい」
「王様がお呼びです」
扉越しにメイドの声が聞こえた。
(なんか、いつもと違う感じね)
なにやらメイドのレギナの声に切迫感があった。
私はすぐに着替えを済ませて玉座の間へ向かった。
「勇者ミリア、魔王を討伐するのだ」
王様は例のごとく同じことしか言わなかった。
玉座の間には妖精の女王も来ていた。しかも今回は一人ではなく何人もの妖精を引き連れて。
そして妖精たちは皆一様に思い詰めたような厳しい表情をしている。
(なるほど……これは物々しいわね)
「あの、今回はどういう……」
恐る恐る私が聞くと、
「魔王は私を侮辱しました!」
妖精の女王がいきなりの剣幕で話し始めた。
「魔王は、妖精の女王からの寛大で慈悲に満ちた申し出を無下に断るという暴挙に出たのです!」
(すっごい怒ってる)
「なので、今回は妖精十二使徒を引き連れていきます!」
女王の声に呼応して十二人の女性の妖精がズラリと勢ぞろいした。
(うん、みんな美人!)
女王を含めれて十三人のエルフが並んでいるところは壮観だった。
「それでは参りましょう、勇者ミリア!」
そう言って女王は十二使徒を引き連れて玉座の間を後にした。
(私、いなくてもいいんじゃね?)
と思ったが、一応は王様の命令もあったのでついていくことにした。
――――――――
「一体これは……」
魔王の間にずらりと並んだ妖精を見て魔王湊山くんは、驚くどころか怯えているようにも見えた。
「先日は私に恥をかかせてくれましたわね、魔王!」
怒りもあらわに妖精の女王が言った。
「え、俺が……?」
何を言われているのか分からない様子の魔王湊山くん。
「今日は我が妖精国が誇る十二使徒の魅力であなたを虜にしてみせます!」
女王が言うと、十二使徒は魔王湊山くんに向かって進み始めた。
「さあ、降伏しなさい、魔王。さすれば、この十二使徒のいずれかと、いえ、もし望むのなら全員とデートができるのです!」
「い、いや、そんなことを言われても……俺はやっぱり……」
と魔王湊山くんが言ったところで私は動いた。
私は勇者の剣を抜いて、勇者として授かった能力全開で、まさに光のごとく魔王に斬りかかった。
ガキィーーーーン!
だが、そこはさすがに魔王、私の斬撃を魔王の剣でしっかりと受け止めた。
「勇者ミリア殿!」
後ろから妖精の女王が叫ぶのが聞こえた。
「さくらが……勇者ミリア……?」
見事に私の剣を受けたものの、魔王湊山くんは目を丸くして驚いている。
私は剣を交差させながら魔王湊山くんににじり寄った。
そして、
「ばか、少しは空気を読みなさい……!」
と妖精の女王に聞こえないように、ささやき声で言った。
「え……空気?」
今ひとつ要領を得ない魔王湊山くん。
「とりあえず『一時停戦します』とか言って誰かとデートしなさい……!」
「え、でも、おれは桜川さんと……」
(……んもう、じれったい!)
私は、より一層魔王湊山くんににじり寄り、彼の耳元に囁いた。
「今度、デートしてあげるから……!」
この一言は魔王湊山くんにもろに刺さったようだ。
「で、デート!?」
「声がでかい……!」
「すみません……!」
そして、私は魔王湊山くんから離れた。
「大丈夫ですか、勇者ミリア殿?」
妖精の女王が私のもとに来て心配そうに聞いた。
「ええ、大丈夫です」
「何か話していたようですが……」
「え、ええ……ちょっと脅しを、ね」
「脅し?」
「とりあえず一時停戦でも受け入れなさい、さもなくば、てね」
「なるほど一時停戦……それも良いかもしれませんね」
どうやら妖精の女王は納得してくれたようだ。
こうして、一時停戦と引き換えに魔王湊山くんは妖精十二使徒にチヤホヤされることとなった。
(てか、そもそも私たちって戦ってたのかな……)
なんていう疑問もあったが、とりあえずそれは置いておくことにした。
私は、妖精たちに囲まれて満更でもない魔王湊山くんを見ていたが、ここ最近見た夢のことを思うと、なんだか胸がざわざわしてきた。
そして、
(なんか……やだな)
なんて気持ちが湧き上がってきた自分に驚いた。
(さ、帰ろ帰ろ……!)
気持ちを切り替えて王城に戻ろうとした私を、
「……勇者ミリア」
と魔王湊山くんが呼び止めた。
「何……?」
「あの、さっきの約束のことなんですけど?」
「え……?」
「いつデートしてもらえますか?」
その場の空気が凍りついた。
(この、ばか……!)
私はガックリと頭を下げた。
「魔王!私達を謀《たばか》ったのですね!?」
「え……?」
「許しません!」
「ええ?」
「さあ皆さん!」
「「「「「「はい!」」」」」」
「あの、勇者ミリア……?」
魔王湊山くんは助けを求めるように私を見た。
「覚悟を決めなさい」
「か、覚悟……?」
「「「「「「ダースストーム!」」」」」
妖精十二使徒の詠唱が魔王の間に響き渡った。
十二の竜巻が一つに集束し魔王湊山くんを直撃した。
「うわぁああああーーーー!」
結局いつものように、魔王湊山くんはぶっ飛ばされて、魔王の間の壁を突き破って遥か彼方に吹っ飛んでいった。
「本当に失礼な男ですね、魔王は!」
妖精の女王は完全にご立腹である。十二使徒も皆、うんうんと頷いている。
「そうですね、全くです!」
と、私も同意した。表面上は。
(よかった……)
なんていう気持ちが頭をよぎったことは、私だけの絶対の秘密である。
あの夢とは前世の高校時代の夢だ。
私、桜川美華は前世で天寿を全うして、この世界に勇者として転生した。
そしてこの世界の魔王も転生者で、私の前世の高校時代の同級生の湊山空太郎くんだったのだ。
『勇者ミリアとデートがしたいです』
先日、妖精の女王の「デートをしてあげましょう」という提案に、魔王湊山くんはそう答えた。
(あんな事を言うもんだから……)
それ以来、私は前世の高校時代の夢を見続けている。学校帰りに湊山くんと一緒に歩く夢を。
(てか、あれはデートじゃないけど!)
前世の高校時代、湊山くんとは私のちょっとした気まぐれからから話をするようになり、放課後に一緒に帰る仲になった。
(それだけだし)
そう、それだけだった。
話すのも、帰るのも、いつも私から声をかけていた。
(そうなのよね、いつだって私からだったし!)
そう思うとなんだか腹が立つが、結局なんだかんだと私は湊山くんと過ごす時間を楽しんでいたのかもしれない。
(この前、デートの真似事くらいしてあげても、なんて思っちゃったからかなぁ……)
「はぁーーまったく……!」
そう言いながら私がベッドで身を起こした時、ノックが聞こえた。
「はぁーーい」
「王様がお呼びです」
扉越しにメイドの声が聞こえた。
(なんか、いつもと違う感じね)
なにやらメイドのレギナの声に切迫感があった。
私はすぐに着替えを済ませて玉座の間へ向かった。
「勇者ミリア、魔王を討伐するのだ」
王様は例のごとく同じことしか言わなかった。
玉座の間には妖精の女王も来ていた。しかも今回は一人ではなく何人もの妖精を引き連れて。
そして妖精たちは皆一様に思い詰めたような厳しい表情をしている。
(なるほど……これは物々しいわね)
「あの、今回はどういう……」
恐る恐る私が聞くと、
「魔王は私を侮辱しました!」
妖精の女王がいきなりの剣幕で話し始めた。
「魔王は、妖精の女王からの寛大で慈悲に満ちた申し出を無下に断るという暴挙に出たのです!」
(すっごい怒ってる)
「なので、今回は妖精十二使徒を引き連れていきます!」
女王の声に呼応して十二人の女性の妖精がズラリと勢ぞろいした。
(うん、みんな美人!)
女王を含めれて十三人のエルフが並んでいるところは壮観だった。
「それでは参りましょう、勇者ミリア!」
そう言って女王は十二使徒を引き連れて玉座の間を後にした。
(私、いなくてもいいんじゃね?)
と思ったが、一応は王様の命令もあったのでついていくことにした。
――――――――
「一体これは……」
魔王の間にずらりと並んだ妖精を見て魔王湊山くんは、驚くどころか怯えているようにも見えた。
「先日は私に恥をかかせてくれましたわね、魔王!」
怒りもあらわに妖精の女王が言った。
「え、俺が……?」
何を言われているのか分からない様子の魔王湊山くん。
「今日は我が妖精国が誇る十二使徒の魅力であなたを虜にしてみせます!」
女王が言うと、十二使徒は魔王湊山くんに向かって進み始めた。
「さあ、降伏しなさい、魔王。さすれば、この十二使徒のいずれかと、いえ、もし望むのなら全員とデートができるのです!」
「い、いや、そんなことを言われても……俺はやっぱり……」
と魔王湊山くんが言ったところで私は動いた。
私は勇者の剣を抜いて、勇者として授かった能力全開で、まさに光のごとく魔王に斬りかかった。
ガキィーーーーン!
だが、そこはさすがに魔王、私の斬撃を魔王の剣でしっかりと受け止めた。
「勇者ミリア殿!」
後ろから妖精の女王が叫ぶのが聞こえた。
「さくらが……勇者ミリア……?」
見事に私の剣を受けたものの、魔王湊山くんは目を丸くして驚いている。
私は剣を交差させながら魔王湊山くんににじり寄った。
そして、
「ばか、少しは空気を読みなさい……!」
と妖精の女王に聞こえないように、ささやき声で言った。
「え……空気?」
今ひとつ要領を得ない魔王湊山くん。
「とりあえず『一時停戦します』とか言って誰かとデートしなさい……!」
「え、でも、おれは桜川さんと……」
(……んもう、じれったい!)
私は、より一層魔王湊山くんににじり寄り、彼の耳元に囁いた。
「今度、デートしてあげるから……!」
この一言は魔王湊山くんにもろに刺さったようだ。
「で、デート!?」
「声がでかい……!」
「すみません……!」
そして、私は魔王湊山くんから離れた。
「大丈夫ですか、勇者ミリア殿?」
妖精の女王が私のもとに来て心配そうに聞いた。
「ええ、大丈夫です」
「何か話していたようですが……」
「え、ええ……ちょっと脅しを、ね」
「脅し?」
「とりあえず一時停戦でも受け入れなさい、さもなくば、てね」
「なるほど一時停戦……それも良いかもしれませんね」
どうやら妖精の女王は納得してくれたようだ。
こうして、一時停戦と引き換えに魔王湊山くんは妖精十二使徒にチヤホヤされることとなった。
(てか、そもそも私たちって戦ってたのかな……)
なんていう疑問もあったが、とりあえずそれは置いておくことにした。
私は、妖精たちに囲まれて満更でもない魔王湊山くんを見ていたが、ここ最近見た夢のことを思うと、なんだか胸がざわざわしてきた。
そして、
(なんか……やだな)
なんて気持ちが湧き上がってきた自分に驚いた。
(さ、帰ろ帰ろ……!)
気持ちを切り替えて王城に戻ろうとした私を、
「……勇者ミリア」
と魔王湊山くんが呼び止めた。
「何……?」
「あの、さっきの約束のことなんですけど?」
「え……?」
「いつデートしてもらえますか?」
その場の空気が凍りついた。
(この、ばか……!)
私はガックリと頭を下げた。
「魔王!私達を謀《たばか》ったのですね!?」
「え……?」
「許しません!」
「ええ?」
「さあ皆さん!」
「「「「「「はい!」」」」」」
「あの、勇者ミリア……?」
魔王湊山くんは助けを求めるように私を見た。
「覚悟を決めなさい」
「か、覚悟……?」
「「「「「「ダースストーム!」」」」」
妖精十二使徒の詠唱が魔王の間に響き渡った。
十二の竜巻が一つに集束し魔王湊山くんを直撃した。
「うわぁああああーーーー!」
結局いつものように、魔王湊山くんはぶっ飛ばされて、魔王の間の壁を突き破って遥か彼方に吹っ飛んでいった。
「本当に失礼な男ですね、魔王は!」
妖精の女王は完全にご立腹である。十二使徒も皆、うんうんと頷いている。
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