【異世界ラブコメ】勇者のわたしと魔王湊山くん

舞波風季

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第32話 大賢者湊山くん

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「桜川さんに呼ばれて返事をしたらあそこにいたんです」

 今私たちは王城の城門前の平地で座って話している。
 つい今しがたまで強大な魔王と戦っていた場所だ。

 今ここにいるのは、私と湊山くん、王様で元勇者のランベル、それとエルファ、オローギルとグルヌだ。

 魔王に壊されてしまった城門には、既に修復のための瓦礫撤去の作業員が集まり始めている。

「もう魔王じゃないんだよね、湊山くん?」
 私は湊山くんの頭を見ながら言った。以前は頭に角が生えていたから。
「はい、もう魔王ではないと思います、あ……」
「どうかしたの?」
「みんなを起こしてあげないと」
 そう言って、湊山くんは手を振った。

 湊山くんの手から無数の光の粒が広がっていった。
 光の粒は眠らされて倒れている魔物達の上に降り注いだ。
 すると、魔物たちはむくむくと起き上がってキョロキョロとし始めた。

「アスウスとドーガも……」
「あの二人も元に戻せるの?」
 彼らは私が見ている前で魔力を湊山くんに渡して、文字通り土に還ってしまった。
「はい、彼らがくれた魔力は俺の中にありますから。身体は……」
 そう言うと湊山くんはヒュンと姿を消し、先ほどアスウスとドーガが土に還った場所に姿を現した。

 湊山くんはそこにしゃがみ込むと、掌を地面に着けた。
 魔力を流し込んでいるようだ。
 すると地面がむくむくと盛り上がり、だんだんと人型ひとがたになっていった。
 そしてそれぞれ、アスウスとドーガになったのが離れた私の目にもハッキリ分かった。
 湊山くんは二人としばらく話をすると、また瞬間移動のように戻ってきた。

「二人とも元に戻れて本当に良かったわ」
 私が言うと、
「はい、二人には本当に感謝しています」

 それにしても湊山くんはとんでもなく強かった。
 魔王だった頃も強かったが、戻ってきてからの強さは桁違けたちがいと言っていい。

「我々も色々と思い出しまして」
 オローギルが言った。

 強大なる魔王が現れたことで、王様をはじめ皆の記憶がよみがえったらしい。

 オローギルの話だとこうだ。
 かつて、今の王様であるランベルが勇者としてパーティーを組み、強大な魔王に立ち向かった。
 メンバーは勇者ランベル、魔術師オローギル、妖精術師エルファ、隠密妖精グルヌの四人だ。

 だが、勇者パーティーは強大なる魔王を倒すことができなかった。
 パーティーメンバーは瀕死状態ではあったが一命は取り留めた。
 強大なる魔王は王国と魔王国の全ての者の記憶を封印した。

「我々の記憶は一旦そこで止まっています」
「そして、強大なる魔王は湊山くんを転生させたってことなのね」
 オローギルにそう言った後、私は少し考えた。

「私はなんで転生してきたのかな、しかも勇者で」
「俺達が皆勇者の登場を待ち望んでいたからだろう。なぜあなたなのかまでは分からないが」
 と、ランベル。

「おそらく湊山殿と前世でつながりがあったことに起因きいんしているのかもしれません」
 と、オローギル。
「湊山さんが呼び寄せたかったのかもしれませんわね」
 そう言ってエルファは意味ありげに私と湊山くんを見た。

「そうなの、湊山くん?」
「え、いや、俺は桜川さんを呼び寄せたりは……」
「あーーなんか私のこと呼んでもいないのに勝手に来た女とか思ってない?」
「いえ、そ、そんなこと思ってないです!」
「ふーーん、ま、いいけどねえ」

 そう言って私はぷいっと顔を背けた。
 実を言えば、さっき湊山くんに泣きながら抱きついてしまったのが今になって恥ずかしくなってきたのだ。
 そこに前世でのつながりとか呼び寄せたとか言われたものだから、つい湊山くんに意地悪な態度になってしまった。

 横目で見ると湊山くんはしょんぼりしている。
 ちょっと可哀想だったかなと思って、
「そういえばさあ、湊山くんはなんで復活できたんだろう?しかもあんなに強くなって」
 と、私は言った。

 湊山くんがうなだれていた顔をふっと上げた。
「俺にも、分かりません」
「そうなんだね」
「それなんですが、気になる言い伝えがありまして」
 と、オローギル。

「言い伝えって、強大な魔王がっていう話?」
「いえ、それとは別のいい伝えでして」
「そういえば、ありましたわね。確か大賢者が現れるだったかしら……?」
 エルファが思い出したように言った。

「うむ、この世界に危機が訪れる時大賢者が現れるであろう、でしたな」
「ということは湊山くんは大賢者になったってこと?」
 私が聞くと、オローギルは少し考えて答えた。

「これには続きがありましてな、確か……」
「その者、天寿てんじゅまっとうせし色恋を知らぬ男子おのこにて」
 エルファが言葉を継ぎ、
「転生により大賢者となるものなり」
 オローギルが最後をめた。

「色恋を知らぬおのこ……あ」
 その言葉に、私は前世でまことしやかに言われていた話を思い出した。
 三十歳でどう……ホニャララだと魔法使いになれて、四十歳だと賢者になれるという、あの話だ。
 色恋を知らぬ男子おのことはまさにそういうことなのではないか?
 何よりも湊山くんの圧倒的な強さからしたら、彼が大賢者であることは間違いない。

 だが湊山くんを見ると、明らかにいたたまれない表情をしている。

(これは湊山くん的には避けて欲しい話題だよね、きっと)

「あの、そのへんはあまり詳しくは……」
 と私が言いかけたところ、

「素晴らしいですわ、大賢者湊山様!」
 エルファが両手を握って嬉しそうに言った。
「湊山様が前世で恋愛経験ゼロだったことは分かっておりましたし!」
「あ、あの、エルファさん……」
「この世界をお救いいただくために、前世では色恋から遠ざかってくださっておられたとは、およよよ」
 オローギルなどは涙を流して喜んでいる。
 
「あの、もうそのへんで……」
 そう言いながら湊山くんを見ると、彼はもう半泣きの状態だ。
 私はなんとか話題をそらそうとしたが、湊山くんが大賢者らしいと言うのが瞬時に広まって、あっという間に人が集まってきた。

「あの方が大賢者さまよ」
「この世界を救うために前世では女人にょにんを遠ざけておられたとか」
「ありがたやありがたや」
 お年寄りなどは湊山くんに手を合わせて拝み始める始末だ。

「あ、あの……えっと、その……」
 湊山くんは半泣きでオロオロするばかりだ。

 そこに、おそらく王国一空気が読めないであろう男が、話の輪に入ろうと湊山くんのそばに寄ってきた。闇妖精部隊隊長グルヌだ。
 私は非常に嫌な予感がした。彼が嫌な奴だということではない。
 彼はややシスコン気味ではあるが、基本あっさりとしていて分かりやすい性格の男だ。
 だが、あっさりとしている者の常として、悪気など全くなしにやらかしてしまう事が多々ある。

「あの、グルヌさん……」
 私は彼がやらかす前に湊山くんから遠ざけようとした。
 だが、時すでに遅し。

「てことはよ大賢者様、前世じゃ童貞のまま死んじまったってことなのか?」

 悪いことは重なるものだ。
 つい今までは、湊山くんの周りに集まった人がわいわいがやがやしていたのに、まるで図ったように話すのをやめてしまったのだ。

 なので、ただでさえ大きく通りやすいグルヌの声で言った言葉は、その場の皆にはっきりと聞こえてしまった。

「あちゃぁ……」
 私はおでこに手を当てながら湊山くんを見た。
 彼はもう半泣きどころか泣き出す寸前だった。

「あれ……俺……」
 さすがのグルヌも異様な空気に気づいたようだ。
「大賢者様、俺間違ったこと言ったかな……?」
 と、グルヌは傷口をえぐるようなことをぬかした。
 これがとどめになった。

「うわぁああああーーーーーーーーん!」

 湊山くんは突然大声で泣きだすと、一瞬で遥か彼方に飛んで行ってしまった。

「あーーあ」
「え……なんで?」
 私の非難の声にグルヌは訳が分からないという顔をしている。
「大賢者様を泣かしちゃって、どうするのよ?」
「どうするって、あの……」
 グルヌも状況が分かってきたようで顔色が悪くなって冷や汗をかき始めた。

「とんでもないことをしてくれたね、グルヌ」
 そこに気の強そうな女性の声が聞こえた。
 グルヌの顔がより一層青くなった。
 声の主はグルヌの妻ナアシュだった。

「この世界を救ってくださった大賢者様の純朴な心を傷つけて泣かしてしまうなどとは、言語道断!万死に値する!」
 指をぽきぽき無らしながら凄みのある声でナアシュは言った。

「そうですわよ、グルヌ!」
 エルファも怒り心頭の様子だ。
「全く兄貴ときたら、最低だな」
 いつの間にか来たトーラもグルヌを睨みつけている。

「え、あの、俺……」
 本能的に逃げようとしたグルヌを数人の闇妖精部隊員達が取り押さえた。
「お前らぁああーーーー!」
「すみません、隊長」
女将おかみさんの命令ですので」
「俺たちも命が惜しいので」

「裏庭に連れて行きな」
「「「はい!」」」
 冷酷なナアシュの命令に答えて隊員たちはジタバタするグルヌを連行した。
「許してくれよーーナアシューーうわぁああーーん!」
 今度はグルヌが泣く番だった。
 後で聞いたところでは、ボコボコにされたグルヌが、ナアシュに引っ立てられて湊山くんに土下座をして謝ったらしい。

「勇者ミリア、大賢者様は大丈夫だろうか?」
 王様が心配そうに言った。
「どこに行ってしまわれたのかしら。このまま戻ってこられないなんてことになったら……」
 エルファも同様に心配そうだ。

「どこに行ったかは、私に心当たりがあるわ」
「本当か!それはよかった」
「では、お迎えに参りましょう」
「ですな」

「ううん、とりあえず私が話をしてみるから」
 私はなるべく何気ない言い方に聞こえるように言った。
 根拠がある訳ではなかったが、あまり話を大きくしないほうがいいと私は思ったのだ。

 湊山くんがどこに行ったのかは、彼が飛んでいった方向から想像がついた。

「それじゃ、行ってくるね」
 そう言って私は魔力で脚を強化して、水平方向に跳んだ。
 湊山くんのように飛行することはできないが、これだけでも数十メートルは跳べた。
 強大なる魔王との戦いで気づいたことだ。
(皮肉よね)
 などと思いながら私は跳び続けた。

 やがて私は目指す場所に着地した。
 思っていたとおり、そこには湊山くんがいた。
 国境沿いの桜並木にある大きな岩に彼は座っていた。

 湊山くんは私が来たことに気づいて、俯いていた顔を上げた。
 かれは何か言おうとして口を開けだが、何も言わずにまたしたを向いてしまった。

「やっぱり、ここだったね」
 私はそう言いながら湊山くんの隣に座った。
 心持ち顔を上げて私を見る湊山くん。

「私たちが始めてデートした場所だもんね」
 そう言って私は、湊山くんのほうに少し体を近づけた。
 湊山くんがハッとしたように私を見る。

「…………はい」
 やっとのことで湊山君が返事をした。
「グルヌもさ、悪気があったわけじゃないと思うよ。まあ、無神経だとは思うけど」
「……はい、でも……」
「でも?」

「きっと、その、経験がないせいで、いきなり告白したりして桜川さんに嫌な思いをさせちゃってたのかなって……」
「うーーん、まあ、時々変なこと言ったりしたかもだけど」
「やっぱり……」
 と再びがっくりとうなだれる湊山くん。

「でもさ、ホワイトデーにここでデートした時は楽しかったよ」
「え……」
 顔を上げた湊山くんの表情がゆっくりと変わっていく。
「は、はい、楽しかったです、俺も!」

「だからさ、前世のことはもう置いておいてさ、この世界での暮らしを楽しめばいいんじゃない?」
「この世界で、楽しく……」
「そう、だからさ、改めて」
「……はい」
「私たち、友達から始めよう、ね?」
「友達から……」
「そう、友達としてたくさんお話してさ、お互いを知っていこう」
「はい……!」 

(これで、いいよね)

 正直なところ、前世の私は所謂いわゆる恋愛らしい恋愛はしたことがない。
 勿論、夫のことは心から慕っていたが、十代の若者が抱くドキドキワクワクする恋心とは違ったように思う。

「それじゃ、王城に戻ろうか」
「はい」
「そういえばさ、湊山くんて空飛べるよね?」
「気がついたら飛べるようになってました」
「今度私に教えてくれる」
「はい!」

 なんて話していると、
「「「大賢者さまぁああーーーー!」」」
 と女子が大挙してやってきた。

「大賢者様、メフィーラです!あなたさまの許嫁いいなずけのメフィーラです!」
 そう言って、悪魔卿アスウスの妹でサキュバスのメフィーラが湊山くんにすがりついた。

「何言ってるのですか!あなたは魔王の許嫁っていう設定でしょ!」
 妖精十二使徒の一人がそう言ってメフィーラを押しのけようとする。

(設定なのか)

「大賢者様は元魔王様なんだから同じことよ!」
「身ぎれいな大賢者様の妻には清楚なエルフが相応しいのですわ」
 明らかに上から目線でいう妖精十二使徒。

「何言ってるんだい。いい子ぶりっ子のエルフなんかより、ダークエルフのほうが大賢者様をたっぷり楽しませてあげられるんだよ」
 そう言って湊山くんに迫るのは闇の女帝で天下無双の男たらし(本人曰く)のダークエルフのトーラだ。

「私達の事も忘れてもらっては困ります!」
 と、更に加わってきたのは王国騎士隊の女子隊員たちだ。

「えっと、あの、その、ど、どうも……」
 湊山くんは大勢の女子に言い寄らて、おろおろアワアワしている。
 だが、困惑気味ではあっても嫌がってはいないようだ。私にはそう見える。

「ふーーん、随分とモテるのね、湊山くん」
 私は聞こえよがしに言った。
「え、桜川さん、これは……」
「まあ、いいんだけどね、私と湊山くんはただの友達だしぃ」
 そう言って私は湊山くんに背を向けた。

「そうですわ!ミリア様には私がおります!」
 そう言って私に抱きついてきたのは王国騎士隊副隊長でギールの妹のクリスだ。
(うわ、ヤバい子が来た!)
「あ、あら、クリス、来てたのね」
「はい!私が浮気者の大賢者様からミリア様をお守りいたします!」
 クリスはまた新たなお楽しみ設定を創ったようだ。 

(まあ、今日のところは、これで帰ろかな)
 なんて思っていると、

桜川さくらがわ美華みはなさん!」
 と大賢者湊山くんが私を本名フルネームで呼んだ。

「なによ!」
 振り返って私が言うと、大賢者湊山くんは駆け寄ってきて私を真正面から見た。
 そして、

「俺と結婚してください!」

 と言って私の前で九十度お辞儀をした。

 一瞬その場が静まり返った。

「あんたは……」

 沈黙を破って私はそう言った。
 そして大賢者湊山くんに大股で歩み寄った。

「はい!」
 頭を上げて元気よく答える大賢者湊山くん。

「友達から始めようって言ったばかりだろぉおおおおーーーーーーーー!」

 ドゴォオオーーーーーーーーン!

 私の久しぶりの渾身の一撃が大賢者湊山くんに炸裂した。

「ごめんなさぁああーーーーい……」

 謝罪の言葉の尾を引きながら吹っ飛んでいく大賢者湊山くん。

「「「「大賢者様ーーーー!」」」」

 彼を取り囲んでいた女子たちが、吹っ飛んでいく大賢者湊山くんを追って駆けて行った。

「ほんとにもう……!」

 なんて言葉が口をついてでたが、顔はついつい綻んでしまった。

「……ふふ」
「ミリア様?」
 クリスが不思議そうに私を見た。
「ううん、なんでもないわ」

(また、振り出しに戻った感じね)

 そう思うと楽しみで仕方ない私なのだった。


       ――――おわり――――

 ※お読みいただき、ありがとうございました!
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