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しおりを挟むベルリアーナの部屋の前に案内される。
なぜか、俺の後ろには妹が付いて来ていた。
いや、何?うざいな…
後ろから、トコトコ歩いてきやがって!
それが可愛いとでも思ってんのか!
5歳でも貴族令嬢なら、そんな歩き方しねーぞ⁉︎
アニデロイド家の執事が扉をノックし、
「ベルリアーナお嬢様。ユトラ王子殿下がお越しでございます。」
と、声をかける。
ちょっと時間が空いてから、ドアが開き、そこからベルが顔を覗かせる。
目尻が赤くなっている。
泣いていた…?
ふつふつと怒りがこみ上げる。
それでも、俺を見て?顔を嬉しそうに綻ばせた。けど、俺の後ろにまだいたらしい妹を見て、顔を強張らせた。
しかしそれを感じさせないように、笑顔を作り、部屋に招き入れてくれた。
またもや何故か、妹はついて来た。
ベルの部屋は、侯爵令嬢にはにつかわないほどに質素だった。
机には、本と紙とペンが広がったままだった。
勉強していたんだな。
そう思ったが、何事もないように、ベルに案内されソファに腰を下ろした。
向かいにベルが座り、妹が俺の隣に座ってきた。しかもピトッと体をくっつけてくる。
ベルは俯き、悲しげだった。
「ユトラさま~。わたしのお部屋でおはなししませんか~?」
雑音が隣から響く。
その間にもアニデロイド家の執事が紅茶をいれ準備してくれた。何故か3人分。
とりあえずそれらは無視した。
「ベル。体調を崩していると聞いたが大丈夫なのか?」
「は、はい…
お気遣いありがとうございます…」
一瞬目を彷徨わせた後、ベルは答えた。
「おねえさまは、たいちょうがすぐれないんですって~。だからわたしの部屋でお茶にいたしましょ~?ユトラさま~。」
いまだに、隣で虫が騒ぐ。
目の端で少しだけ視線を送ると、そこには、コテンと首を傾げ、俺の袖をツンと掴み、いじらしく引っ張るレモン色のビッチがいた。
「私はあなたに名を呼ぶことを許していない。王族に対して許可もないのに名を呼ぶのは不敬罪だ。
それにどうしてここにいる。ベルの妹君だったか?
お前に席を共にすることを許した覚えはない。出て行け。」
目線は送らずに冷徹に言う。
妹は少し怯えたように肩を震わせ、アンバー色の目に涙をいっぱいにため、
「わ、わたし、ユトラさまと、なかよくなりたくて…」
「だから、名を呼ぶことを許していない。お前の耳はお飾りか?出て行け。
ベルとの時間を邪魔するな。」
「ひ、ひどいです…!」
どこがひどいというのか…
とりあえず早く出て行ってくれないか?お前がいるとベルと話せないし、笑顔も見れない。
「はやく出て行け。私の婚約者はベルリアーナだ。お前が選ばれることは絶対にない。目障りだ。」
妹は泣きながら出て行った。
ようやく邪魔者はいなくなったか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
HOT1位ありがとうございます!!
夢かと思い、何回も上にスクロールして更新させました…
夢じゃなかったです。
これからも頑張っていきたいと思います!
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