悪役令嬢?えっ、誰が?

Nom

文字の大きさ
11 / 13

11

しおりを挟む





 そんな感じで、ベルは王子妃教育。
俺は、第二王子として、兄上を支えるために、勉強、公務、その他諸々に励んできて、10年が経った。

16歳になり、もうすぐで学園の1学年を終え、2学年に進級する。
そこから、ゲームは始まる。

最近は、ベルと過ごしすぎて、ゲームのことなんて忘れていた。
だってさ、ベルが可愛いすぎるんだ…!
ゲームの中では、いかにも悪役令嬢!という感じでつり目で美人系で高圧的なベルは、
今は、天使!
天使は成長しても天使だった。

重力のまま、真下に落ちる艶やかに輝く紺髪。
二重まぶたのぱっちりとしたライム色の瞳。
透き通るほどの白い肌と形のいいぷくりとしたピンクの唇。
纏う空気も優しげで、一緒にいると心が安まる。だが、それと同時に誘惑とも戦っているのだが…

あまり目立ちはしないが十分な胸。たぶんDカップぐらい…
身長は155cm。俺は175cmもあるから、抱きしめればすっぽりとはまる。
いい身長差だと思う。

うん、どうしてこうなった?
って思うじゃん?
これもよくあるやつだけどさ、
ユトラが冷たくなる。
家族からも虐げられ、頼れる人もいない。それでも婚約者であることは変わらない。
そのための武装って言うの?
自分が下に見られないように、高圧的になって、化粧で印象をキツくする事で表情を隠して…

でも今は、俺が溺愛しまくったから!
そのまんまの天使なベルが出来上がったってこと!
毎日、"好き"、"可愛い"って言いまくって、親からもらえない愛情分も俺が愛したから。
あ、でも、各領地の視察とか、外交とかで会えない時は言えなかったけどね。
まぁ、言い過ぎても飽きられちゃうから、良かったけどさ。

 あー、呆れることにね、アニデロイド侯爵、まだ妹を婚約者にしようとしてるんだよね。
ベルに会うため。とか言って王城に妹も連れて登城するようになった。
表向きは反省したから、関係改善のためとかで。
でも、ベルを見る目は変わらない。どこが反省したんだか…
出来ることなら、侯爵家を取り潰しにしたい。でも、政略的な関係とか、諸々で出来ない。
仮にも侯爵家。
そう簡単には潰せないし、潰した場合には貴族間の争い等に発展する可能性がある。
ベルは王子妃にふさわしくない。とかで他の家から娘を俺に。と出されるかもしれない。
ベルを公爵家とかに養子にする。という手もあるけど、派閥とかでそう簡単にはいかないってこと。

で、妹だけど…
ベルに会いに来てるはずなのに、なぜか!俺のところに来る。
侯爵家の令嬢で、第二王子の婚約者の妹。
王城の騎士やメイドとかには止めづらい。という…

媚売ってくる。マジで吐き気。
何度注意しても、名前で呼ぶし、腕絡ませてきたりして…
そろそろ不敬罪に処していいかな?

そんなクソ妹が学園に入学してくる。
一歳年下だから仕方ないんだけど、出来るだけ関わりたくない。もちろんヒロインも入学してくるよ。
気持ちが悪い……

考えただけで憂鬱だけど、ヒロインは俺ルートじゃなきゃいいわけだし!
俺ルートになったとしても、俺がヒロインに落ちることなんて絶対にないから、別にいいんだけど…
勝手に近づいてきて、有る事無い事言ってベルが不安になったり傷ついたりしたら…
と思うとそれが一番辛い…
いやもちろん、不安になんてさせないけどね⁉︎

今も愛情表現は欠かさずしてる。
その度にベルは顔を真っ赤にさせて照れるんだけど…!
10年も一緒にいて、毎日のように言ってるのに、ピュアすぎじゃない!??
そんなところも可愛い、天使…









しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

……モブ令嬢なのでお気になさらず

monaca
恋愛
……。 ……えっ、わたくし? ただのモブ令嬢です。

悪役令嬢は断罪の舞台で笑う

由香
恋愛
婚約破棄の夜、「悪女」と断罪された侯爵令嬢セレーナ。 しかし涙を流す代わりに、彼女は微笑んだ――「舞台は整いましたわ」と。 聖女と呼ばれる平民の少女ミリア。 だがその奇跡は偽りに満ち、王国全体が虚構に踊らされていた。 追放されたセレーナは、裏社会を動かす商会と密偵網を解放。 冷徹な頭脳で王国を裏から掌握し、真実の舞台へと誘う。 そして戴冠式の夜、黒衣の令嬢が玉座の前に現れる――。 暴かれる真実。崩壊する虚構。 “悪女”の微笑が、すべての終幕を告げる。

断罪前に“悪役"令嬢は、姿を消した。

パリパリかぷちーの
恋愛
高貴な公爵令嬢ティアラ。 将来の王妃候補とされてきたが、ある日、学園で「悪役令嬢」と呼ばれるようになり、理不尽な噂に追いつめられる。 平民出身のヒロインに嫉妬して、陥れようとしている。 根も葉もない悪評が広まる中、ティアラは学園から姿を消してしまう。 その突然の失踪に、大騒ぎ。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?

荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」 そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。 「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」 「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」 「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」 「は?」 さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。 荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります! 第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。 表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。

処理中です...