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第一話
①★
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◆◆◆
「ハアハア、蘭ちゃん…… 」
「あっ。狐太郎さん。待っ、そこは駄目っっ。そんな厭らしい触り方をしたら、私は最後まで持たなくなっちゃう 」
「何で? 甘い吐息も、苦しそうな仕草も、全部可愛いのに 」
「違うの。そういう問題でなくて、ちょっ、待って、あっ…… 」
狐太郎は蘭の細やかな抵抗をあっさりと無に帰すと、白くてフワフワの尾っぽを身体の隅々に巻き付ける。神経の隅々から、蘭の温かな体温が伝わって、毎回のことながら心の高揚が高ぶっていた。
君と一つに繋がることは、この上なく心地がいい。
やっぱり君はいい匂いがする。
その耽美な毒牙を一度知ってしまったら、元の場所には戻れない。
「狐太郎さんっっ 」
「蘭ちゃん、蘭ちゃん…… 」
人間の女の子なんて、最初は絶対に有り得ないと思っていた。ちょっと力を加えたらすぐに壊れてしまいそうだし、何より妖狐なんて毛嫌いされると思っていた。
最初は君の身体だけで満足していたはずなのに、今は君の中に、僕の思いを全て吐き出してしまいたくて仕方がない。
こんな気持ちを、人間の世界ではどのように表現するのだろうか。
これから先も身体だけの関係でいられる自信はまるでない。でも彼女の人生を棒に振る訳にはいかないのだ。
狐太郎は蘭の背中に回した手に力を込めると、互いに果てるまで、彼女を解放することはなかったのだった。
「ハアハア、蘭ちゃん…… 」
「あっ。狐太郎さん。待っ、そこは駄目っっ。そんな厭らしい触り方をしたら、私は最後まで持たなくなっちゃう 」
「何で? 甘い吐息も、苦しそうな仕草も、全部可愛いのに 」
「違うの。そういう問題でなくて、ちょっ、待って、あっ…… 」
狐太郎は蘭の細やかな抵抗をあっさりと無に帰すと、白くてフワフワの尾っぽを身体の隅々に巻き付ける。神経の隅々から、蘭の温かな体温が伝わって、毎回のことながら心の高揚が高ぶっていた。
君と一つに繋がることは、この上なく心地がいい。
やっぱり君はいい匂いがする。
その耽美な毒牙を一度知ってしまったら、元の場所には戻れない。
「狐太郎さんっっ 」
「蘭ちゃん、蘭ちゃん…… 」
人間の女の子なんて、最初は絶対に有り得ないと思っていた。ちょっと力を加えたらすぐに壊れてしまいそうだし、何より妖狐なんて毛嫌いされると思っていた。
最初は君の身体だけで満足していたはずなのに、今は君の中に、僕の思いを全て吐き出してしまいたくて仕方がない。
こんな気持ちを、人間の世界ではどのように表現するのだろうか。
これから先も身体だけの関係でいられる自信はまるでない。でも彼女の人生を棒に振る訳にはいかないのだ。
狐太郎は蘭の背中に回した手に力を込めると、互いに果てるまで、彼女を解放することはなかったのだった。
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