目が覚めたら奇妙な同居生活が始まりました。気にしたら負けなのでこのまま生きます。

kei

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自作の酒?

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 髭おじが満面の笑みで差し出した徳利。
 果たしてこれは何なのか。‥…全く分かりません。
 髭おじはウキウキで「つまみがあれば最高なんだが」と呟いてる。

 「…‥‥これが何か?」強張った口調から、私の不興を知ってよね。
 「おうおう、見てたよな、魔術具を使えば簡単に出来るんだよ」

 さも自分の手絡のような威張った物言い。説明になっていないの知ってる?

 「まあ見とけよ。ほ~うらっ!」

 トク、トク、トクとコップに注がれる音はリズムのある好い音。
 注がれた水…‥え? さっきは水だったモノが半透明の綺麗な琥珀色に変わっていた。

 ‥‥うわぉ『ザ・宴会芸』!?

 これって拍手する? しない? どっち!?

 私が手を叩くべきかどうか悩んでいると髭おじはニヤリと片方の口角を上げ

 「これは大人のお薬♡ お前は吞むなよ」と不要な一言を放ちそれはそれは大層お幸せなお顔で一気に飲んだ。
 「プファー! ああ、うめえ!」聞こえる髭おじの歓喜の声。煩いなもう。

 …‥大人のお薬? 水だったよねえ。

 溢れんばかり注いだ琥珀色の液体に喜色満面な髭おじ。どうみても怪しい。

 一気に煽り空になったコップにまた注いでる。その様が屋台で熱燗吞む人のソレ。色は琥珀だけど。どう見ても酒を煽ってるオジサンにしか見えないのだ。

 ‥‥この人何やってるの? 

 「‥‥‥で、何飲んでるんですか? 私にも飲ませて下さい」
 「は? バカ言うなよお前。これは俺の大事な大事なお薬つってんだろ」
 「‥…お話ではマジックグッズを見せてくれるのでしたよね? それがそうですか?」

 ‥‥髭おじ、当初の目的が変っていない? キッと睨むと「煩せぇなぁ」て。

 「おう、もう一回やってやるからよーく見とけ。ほらっよ」
 「…‥‥」
 「チッ、しゃーねぇな。今度はコレをこーして、アレをソレして‥‥□△×〇ほらっと、これで度数が違う種類が出来たぞ」

 使用したのは一つの徳利に三つのコップ。イマイチ何をしているのか理解できないが、それぞれのコップに入った大人のお薬は度数が違うそうだ。私には飲ませないから確認が取れない。でも多分、凡そ、いや確実に大人のお薬=お酒だ。間違いない。幼女の勘が教えてくれる。 

 「‥‥‥お酒ですよね、これ」
 「うう~ん? 何言ってやがるガキンチョ! これは大人の薬だっちゅうの」

 コップに度数違いのお酒、三種類。とうとう飲み比べを始めた。

 ‥‥利き酒かよ! 

 (あかーん! この人ダメな大人だよ! 朝からお酒飲んで! マジックグッズはどこに行ったの?!)


 吠える吠える内心で吠え捲った私にそっと朝食を差し出してくれた神官はめちゃくちゃ良い人。「心を強く持つのです」そう教えてくれた彼の苦労を垣間見た気がする。そそくさと退出した神官の背を縋る目で追う。

 ‥…ちょっとちょっと逃げないで! このオジサンどうするのーーー!?
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