15 / 124
第一章 マゼンタ王国~皇女の守護魔獣に転生編~
二次会
しおりを挟む
魂晶の儀は無事? おわった。折角上機嫌だったピロロが、また、荒れ狂っている。一時はニガレオス帝国に、攻め込む勢いだった。周囲が反対すると、一騎で攻め込むと言い出した。
ここは、マドムさんとモアゼルさんの出番である。二人で手に負えなくなると、マドムさんが目配せしてドン・スネークが投入される。
予定では、白蛇が逃げ回って姫を疲れさせるはずだったようだが、姫の怒りは激しく、易々と捕まってしまった。
蒲焼にされる既のところで、救世主シマさんがやってきた。
俺達は今、料理長室にいる。魂晶の儀のお祝いをしてくれているのだ。城をあげた盛大なパーティでは、気疲れして楽しめないだろうと内々で、二次会? を開いてくれたのだ。
テーブルにはご馳走が並べられている。さらに、天麩羅やお寿司は、目の前でシマさんが調理してくれた。シマさんの芸術のような料理を前に、ピロロの怒りは食欲へと変貌し消化されたようである。
ラヴォア博士にピロロとラキノン王の撃退劇について聞かせた。
博士はラキノン王の采配に唸り声をあげた。あの黒い煙は色素であり、体内に取り込まれると精神を支配し暴走させるらしい。それを瞬時に判断し焼失させたのは流石である。
俺とピロロの件でも、お互いに同じ気持ちであることを、一目で見抜いた。この国の平和と安泰は、あの王によって齎されているといっても過言ではないようだ。
一対の朱雀についても聞いてみた。滅多にお目にかかれず、博士もあまり知らないようだ。ラキノン王の守護魔獣でアントラキノン種であること、色素を炎に変換できるらしいという情報だけ得られた。
あの焼滅の能力だけでも十分取得する価値がある。幸いアントラキノンの合成法も、うろ覚えではあるが知っている。博士の知識とあわせれば、再現可能だろう。ということで、取得実験の立会をお願いした。
また、悪い顔になっている。裏で論文の題材にでもされているのだろう。
突然、廊下が騒がしくなった。勢いよくドアが開けられ、衛兵が飛び込んでくる。
「ピロロピロール姫様、ラキノン大王陛下がお呼びです」
「何? 陛下がお呼びだと。わかった、すぐ、参ろう」
そういうと、ピロロは部屋を後にした。残された俺達も、その物々しさに、これ以上遊ぶ気分にもなれずお開きとなった。
ピロロはその夜、戻って来なかった。朝日が登り始めた頃、ようやく戻ってきた。
なんでも、シアニン帝国で内乱が起こったらしい。マゼンタ王国とシアニン帝国は同盟関係にあり、援軍の準備を要請されたそうだ。ピロロはヴァイオレッタの身を案じ、即出兵を進言した。しかし、相手方の内政に関することであり、派遣の要請無しには兵を動かせいないようだ。
「私は行くぞ」
ピロロが静かにいった。
「そうか。それなら、俺もいこう」
俺がそう答えると、ピロロが目を見開いた。
「止めぬのか」
「いや、止めたって無駄だろ。今まで散々議論しあってその結果に至ったんだろうから。それに、ラキノン王に言われたんだよ、命ある限りピロロを守れって」
「それは、私も同じだ」
「じゃー、一心同体。派手に暴れるとするか」
俺のお腹がモゾモゾと動く。ドン・スネークが顔をだした。
「何なに?ヴァイオレッタに会えんのか」
目がキラキラと輝いている。主のことは一切心配していないようだ。相変わらず能天気なヤツである。
いつの間にやら、マドムさんとモアゼルさんが傍にたっていた。出立の準備をする気満々のようである。
情報収集や新たな能力獲得のために、博士の所も尋ねなければならない。
思い立ったが吉日、皆一斉に動きだすのであった。
ここは、マドムさんとモアゼルさんの出番である。二人で手に負えなくなると、マドムさんが目配せしてドン・スネークが投入される。
予定では、白蛇が逃げ回って姫を疲れさせるはずだったようだが、姫の怒りは激しく、易々と捕まってしまった。
蒲焼にされる既のところで、救世主シマさんがやってきた。
俺達は今、料理長室にいる。魂晶の儀のお祝いをしてくれているのだ。城をあげた盛大なパーティでは、気疲れして楽しめないだろうと内々で、二次会? を開いてくれたのだ。
テーブルにはご馳走が並べられている。さらに、天麩羅やお寿司は、目の前でシマさんが調理してくれた。シマさんの芸術のような料理を前に、ピロロの怒りは食欲へと変貌し消化されたようである。
ラヴォア博士にピロロとラキノン王の撃退劇について聞かせた。
博士はラキノン王の采配に唸り声をあげた。あの黒い煙は色素であり、体内に取り込まれると精神を支配し暴走させるらしい。それを瞬時に判断し焼失させたのは流石である。
俺とピロロの件でも、お互いに同じ気持ちであることを、一目で見抜いた。この国の平和と安泰は、あの王によって齎されているといっても過言ではないようだ。
一対の朱雀についても聞いてみた。滅多にお目にかかれず、博士もあまり知らないようだ。ラキノン王の守護魔獣でアントラキノン種であること、色素を炎に変換できるらしいという情報だけ得られた。
あの焼滅の能力だけでも十分取得する価値がある。幸いアントラキノンの合成法も、うろ覚えではあるが知っている。博士の知識とあわせれば、再現可能だろう。ということで、取得実験の立会をお願いした。
また、悪い顔になっている。裏で論文の題材にでもされているのだろう。
突然、廊下が騒がしくなった。勢いよくドアが開けられ、衛兵が飛び込んでくる。
「ピロロピロール姫様、ラキノン大王陛下がお呼びです」
「何? 陛下がお呼びだと。わかった、すぐ、参ろう」
そういうと、ピロロは部屋を後にした。残された俺達も、その物々しさに、これ以上遊ぶ気分にもなれずお開きとなった。
ピロロはその夜、戻って来なかった。朝日が登り始めた頃、ようやく戻ってきた。
なんでも、シアニン帝国で内乱が起こったらしい。マゼンタ王国とシアニン帝国は同盟関係にあり、援軍の準備を要請されたそうだ。ピロロはヴァイオレッタの身を案じ、即出兵を進言した。しかし、相手方の内政に関することであり、派遣の要請無しには兵を動かせいないようだ。
「私は行くぞ」
ピロロが静かにいった。
「そうか。それなら、俺もいこう」
俺がそう答えると、ピロロが目を見開いた。
「止めぬのか」
「いや、止めたって無駄だろ。今まで散々議論しあってその結果に至ったんだろうから。それに、ラキノン王に言われたんだよ、命ある限りピロロを守れって」
「それは、私も同じだ」
「じゃー、一心同体。派手に暴れるとするか」
俺のお腹がモゾモゾと動く。ドン・スネークが顔をだした。
「何なに?ヴァイオレッタに会えんのか」
目がキラキラと輝いている。主のことは一切心配していないようだ。相変わらず能天気なヤツである。
いつの間にやら、マドムさんとモアゼルさんが傍にたっていた。出立の準備をする気満々のようである。
情報収集や新たな能力獲得のために、博士の所も尋ねなければならない。
思い立ったが吉日、皆一斉に動きだすのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
152
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる