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タケノコドンⅡ 〜タケノコドンVSスペースコーン〜
宇宙唐黍
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宇宙から飛来した巨大トウモロコシによる米国蹂躙から間も無く一月。その行方は杳として知れず、世界の国々は捜索と防衛策に追われた。日本もまた同様であったが、新たに就任した総理主導による対応は遅々として進まず、世論からの不信感は募るばかりであった。
「聞いたかよ。またあの馬鹿総理、無理難題や斜め上の立案して却下されたんだと。党内部からも反発出てんじゃあダメだなありゃ。何で総理になれたんだ?」
「選挙だけは上手かったんだろ。就任後は被災者支援に託けて、全国一律に給付金ばら撒いて人気取り。そんな金どっから持って来たんだか」
「噂じゃ前の怪獣騒動の時、防衛費の来年度の予算はゼロだとか冗談じみた事言ってそれを本当に実行したとか」
「馬鹿じゃん。消耗したんなら補給しなきゃいけないのに、寧ろ金が必要なとこだろう」
「それが今の対策の遅れにも直結してるんだから笑えねえよな」
一方、甚大な被害を被った米国には一縷の希望が生まれつつあった。大陸中からタケノコドン小型幼体が被害地に集結し、瓦礫の中から有害な廃棄物を捕食除去し始めたのである。特に核の爆心地となったLAには大量の個体が増殖しながら根付き、放射線量が見る見る減少しているという。大統領はそれを見越して核の使用を決断したとみられた。
――所変わって東北のとある静かな町、井戸端町に在る身寄りの無い子供達を預かる養護施設カエル園。先の騒動の渦中にあったこの町は事後一時期大変な賑わいを見せ、カエル園の面々は一躍時の人となった。そのブームも今や落ち着き、新たな脅威の話題で世間の目は離れつつあり落ち着きを取り戻していた。カエル園の子供達も進級し、高校生だった2人は町を離れそれぞれの道に進む為に勉学に励んでいる。それでも尚賑やかさを損なっていないカエル園を久方ぶりに訪問する客があった。
「御無沙汰してますぅ~。タケノコテレビの青山麻美です」
「甲斐美弥子でえす!」
「アラアラお久しぶり。ん? 局のお名前そんなだったかしら?」
「いえ、前の報道でバズっちゃって社長が勢いで改名しちゃったんです」
「ま。面白い社長さんだこと」
「連絡差し上げた通りまたインタビューをお願いしたいんですけど……あの子達帰ってらっしゃいますか?」
「ええ、皆部屋でお待ちしていますよ」
2人は養母に招き上げられ、階段を昇り二階の大部屋へと足を踏み入れた。そこは以前は宴会場の様な広い大部屋を襖で仕切っていただけでほぼ男女共用のスペースだったのだが、流石に皆年頃になってきたからか襖が在った所を壁で間仕切り完全に男女別部屋になっていた。それでも分かれるのは寝る時くらいで、それぞれの部屋の行き来は普通に有るらしい。その男組の部屋で、中学3年に上がったダイ、シン、美衣子、よしえの4人が待ち構えていた。
「よっす。姉ちゃんズ久しぶり!」
「おひさ~! 相変わらず元気そうね。暫く見ない内に大きくなって」
「親戚のオバちゃんか。それよりどう? アレから色々有ったと思うけど」
「あーまあいきなり有名人になって、何処行ってもチヤホヤされてたな」
「良い事ばかりじゃなかったけどね」
「何か有ったの?」
「怪獣生み出した元凶つってさ、被害受けた人や色んなトコから誹謗中傷が送られて来たりしたんよね」
「そう。気持ちは分からなくはないんだけどね……」
「子供にアタって恥ずかしくないのかしら!」
「別にいいよ。それより、応援の声の方がずっと多かったんだ。日本中どころか世界中から」
「タケノコドンによる影響は今や世界規模だものね。環境汚染物の削減、二酸化炭素濃度の減少は目覚しいものが有るわ。特に海洋汚染はなかなか人の手では対応しきれなかったとこだから、ビニールやマイクロプラスチックの除去は大きな貢献だと言える」
「福島がそうだった様に有名なチェルノブイリでも放射線殆ど吸いきっちゃって、長年根差した問題を解決。砂漠の緑地化を始めとした環境改善までするとは驚いたわよね。まさか南極にまで進出するなんて思ってもなかった」
「そうね。世界平均気温の低下も徐々に見られるっていうし、知らない内にオゾンホールの修復とかしてても不思議じゃないかも」
「その反面、廃棄物や排水で環境汚染をしてしまっていた企業が割りを食って、倒産や大幅な業務修正を余儀無くされて離職率が上がった。特に途上国では大規模開発による森林伐採や焼畑を阻害して露頭に迷う人も多く、そんな人達が恨み辛みをぶつけてんのね」
「でもこの流れを是とする人が圧倒的多数だわ。凡ゆる企業や政府がエコ化を図り、クリーンエネルギー開発も加速した。内戦が起きる場所にもタケノコドンが集まって、万が一刺激して牙を剥かない様にって半ば強制的に停戦状態にしちゃうんだから。改めて言うけど、世界平和への貢献度は尋常じゃないわよ」
「ま、まあ俺らがやったわけじゃないし……その点手柄が有るとすりゃクマ兄なんだけどな。へへ」
「お陰様で応援の声だけじゃなく支援も沢山頂きましてね。義援金だけじゃなく、食べ物、家電、子供達の為にゲームや漫画まで。お陰で園の財政と生活環境は大きく改善され、那由子と熊三の2人を大学にやれて一人暮らし出来るまでになったんです。本当に世間様には感謝が絶えません」
「それは良かったですねえ。では次に……こっちが本題なんですけど、アメリカに現れた新たな怪獣について意見を貰えませんか?」
「あ~あの化けモロコシか」
「そ。何故現れて何が目的なのか。その前に名前とか付けて欲しいな~って。未だに世間じゃ、未確認浮遊生物だとか宇宙怪獣とか巨大コーンって呼ばれ方で統一性も無く何かしっくりこないのよね。発見元のアメリカはそれどころじゃなくて未発表だし」
「宇宙から来た巨大モロコシなんだから、スペースコーンでいいんじゃないの?」
「スペースコーンね…… うん、語呂は良いかも! 化けモロコシはそれで面白いけどね」
「何で来たかっつっても……偶々じゃね?」
「偶然だと思う?」
「最初から地球目指して出発したなんて有り得ねっしょ。んな宇宙で何処にどんな星が在るかなんて分かんねえのに。適当にカッ飛んでて偶々地球が目に入ったから、あーあそこ良さそとか思って来たんじゃないすか」
「まあそれが意外とリアルかもね~。でも、何で地球が良かったのかな?」
「さあ? 宇宙の生き物の心理なんて分かる筈ねえやで。やっぱ地球が一番綺麗に見えたからじゃないっすか」
「他の皆は?」
「私も地球の方が住みやすそうだと思ったからかな。月は好きだけど岩しか無いから」
「あたしも同感。水や空気も在るし、生き物が生息出来る環境なのはこの星しか無いから。あの怪獣も何か欲しい物がここになら有りそうと思ったんじゃないかな」
「シン君はどう?」
「うん……アレが本当に生き物なんだとしたら、普通に縄張り作りと繁殖の為……なんじゃないかな」
「やっぱりそう思う? アメリカでは個体増殖行動も観測されてるし、殆どの学者が営巣地として飛来したという意見で一致してるの。でも、あの異常な迄の攻撃性までは言及出来てないわ」
「それは一番簡単だろ」
「え?」
「姉ちゃん、自分ちの部屋にゴキブリ出たらどうするよ?」
「そりゃ……悲鳴上げて逃げるか殺虫スプレーで……」
「そういう事だろ。嫌なモンが居たら、逃げるか殺すか追っ払うんが普通やもんで。自分がこれから住もうと思った土地とか家の中に虫が湧いてたら駆除するでしょ」
「そうね。それに地球到達前に先制でミサイルまで撃っちゃってるから、敵対認定されててもおかしくないものね。じゃあ、今後どうすればいいと思う? 対策や退治方法とか」
「それこそ分かるわけないじゃん。世界中の軍隊が協力して倒すとか、また宇宙に追い出すとかじゃね?」
「そうね。それが出来たらもしかしたら……」
「でも、世界中が協力なんてそう簡単に出来るもんじゃないわ。特に日本の様な島国じゃ戦力を集中させるのも難しいわね。核兵器ですら倒せなかった相手だし」
「麻美ぃ……マジになんないでくれる? 折角意見出して貰ってるのにケチ付けないで」
「あ……アラ、ごめんない!」
青山はまたいつもの癖で、高速ペン回しをしながら没入してしまっていた様だ。園の皆もその妙技に見惚れ、先の発言には特に気にならなかったらしい。そんな時ポツリとよしえが――
「タケノコドンが居たら退治してくれたかなぁ」
「どうだろうね。あなた達の願いに添って行動したというのが事実なら、宇宙怪獣を倒してって願いが含まれてない限り動かないかもしれない。奴が致命的な環境破壊を引き起こしたりしない限りはね。核まで使う人類を許容してるの見ると可能性は低いかもだけど」
よしえと青山女史のこの考察に関し、遠く離れた地でその答えになりそうな一幕が今起ころうとしていた。
「聞いたかよ。またあの馬鹿総理、無理難題や斜め上の立案して却下されたんだと。党内部からも反発出てんじゃあダメだなありゃ。何で総理になれたんだ?」
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「それが今の対策の遅れにも直結してるんだから笑えねえよな」
一方、甚大な被害を被った米国には一縷の希望が生まれつつあった。大陸中からタケノコドン小型幼体が被害地に集結し、瓦礫の中から有害な廃棄物を捕食除去し始めたのである。特に核の爆心地となったLAには大量の個体が増殖しながら根付き、放射線量が見る見る減少しているという。大統領はそれを見越して核の使用を決断したとみられた。
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「御無沙汰してますぅ~。タケノコテレビの青山麻美です」
「甲斐美弥子でえす!」
「アラアラお久しぶり。ん? 局のお名前そんなだったかしら?」
「いえ、前の報道でバズっちゃって社長が勢いで改名しちゃったんです」
「ま。面白い社長さんだこと」
「連絡差し上げた通りまたインタビューをお願いしたいんですけど……あの子達帰ってらっしゃいますか?」
「ええ、皆部屋でお待ちしていますよ」
2人は養母に招き上げられ、階段を昇り二階の大部屋へと足を踏み入れた。そこは以前は宴会場の様な広い大部屋を襖で仕切っていただけでほぼ男女共用のスペースだったのだが、流石に皆年頃になってきたからか襖が在った所を壁で間仕切り完全に男女別部屋になっていた。それでも分かれるのは寝る時くらいで、それぞれの部屋の行き来は普通に有るらしい。その男組の部屋で、中学3年に上がったダイ、シン、美衣子、よしえの4人が待ち構えていた。
「よっす。姉ちゃんズ久しぶり!」
「おひさ~! 相変わらず元気そうね。暫く見ない内に大きくなって」
「親戚のオバちゃんか。それよりどう? アレから色々有ったと思うけど」
「あーまあいきなり有名人になって、何処行ってもチヤホヤされてたな」
「良い事ばかりじゃなかったけどね」
「何か有ったの?」
「怪獣生み出した元凶つってさ、被害受けた人や色んなトコから誹謗中傷が送られて来たりしたんよね」
「そう。気持ちは分からなくはないんだけどね……」
「子供にアタって恥ずかしくないのかしら!」
「別にいいよ。それより、応援の声の方がずっと多かったんだ。日本中どころか世界中から」
「タケノコドンによる影響は今や世界規模だものね。環境汚染物の削減、二酸化炭素濃度の減少は目覚しいものが有るわ。特に海洋汚染はなかなか人の手では対応しきれなかったとこだから、ビニールやマイクロプラスチックの除去は大きな貢献だと言える」
「福島がそうだった様に有名なチェルノブイリでも放射線殆ど吸いきっちゃって、長年根差した問題を解決。砂漠の緑地化を始めとした環境改善までするとは驚いたわよね。まさか南極にまで進出するなんて思ってもなかった」
「そうね。世界平均気温の低下も徐々に見られるっていうし、知らない内にオゾンホールの修復とかしてても不思議じゃないかも」
「その反面、廃棄物や排水で環境汚染をしてしまっていた企業が割りを食って、倒産や大幅な業務修正を余儀無くされて離職率が上がった。特に途上国では大規模開発による森林伐採や焼畑を阻害して露頭に迷う人も多く、そんな人達が恨み辛みをぶつけてんのね」
「でもこの流れを是とする人が圧倒的多数だわ。凡ゆる企業や政府がエコ化を図り、クリーンエネルギー開発も加速した。内戦が起きる場所にもタケノコドンが集まって、万が一刺激して牙を剥かない様にって半ば強制的に停戦状態にしちゃうんだから。改めて言うけど、世界平和への貢献度は尋常じゃないわよ」
「ま、まあ俺らがやったわけじゃないし……その点手柄が有るとすりゃクマ兄なんだけどな。へへ」
「お陰様で応援の声だけじゃなく支援も沢山頂きましてね。義援金だけじゃなく、食べ物、家電、子供達の為にゲームや漫画まで。お陰で園の財政と生活環境は大きく改善され、那由子と熊三の2人を大学にやれて一人暮らし出来るまでになったんです。本当に世間様には感謝が絶えません」
「それは良かったですねえ。では次に……こっちが本題なんですけど、アメリカに現れた新たな怪獣について意見を貰えませんか?」
「あ~あの化けモロコシか」
「そ。何故現れて何が目的なのか。その前に名前とか付けて欲しいな~って。未だに世間じゃ、未確認浮遊生物だとか宇宙怪獣とか巨大コーンって呼ばれ方で統一性も無く何かしっくりこないのよね。発見元のアメリカはそれどころじゃなくて未発表だし」
「宇宙から来た巨大モロコシなんだから、スペースコーンでいいんじゃないの?」
「スペースコーンね…… うん、語呂は良いかも! 化けモロコシはそれで面白いけどね」
「何で来たかっつっても……偶々じゃね?」
「偶然だと思う?」
「最初から地球目指して出発したなんて有り得ねっしょ。んな宇宙で何処にどんな星が在るかなんて分かんねえのに。適当にカッ飛んでて偶々地球が目に入ったから、あーあそこ良さそとか思って来たんじゃないすか」
「まあそれが意外とリアルかもね~。でも、何で地球が良かったのかな?」
「さあ? 宇宙の生き物の心理なんて分かる筈ねえやで。やっぱ地球が一番綺麗に見えたからじゃないっすか」
「他の皆は?」
「私も地球の方が住みやすそうだと思ったからかな。月は好きだけど岩しか無いから」
「あたしも同感。水や空気も在るし、生き物が生息出来る環境なのはこの星しか無いから。あの怪獣も何か欲しい物がここになら有りそうと思ったんじゃないかな」
「シン君はどう?」
「うん……アレが本当に生き物なんだとしたら、普通に縄張り作りと繁殖の為……なんじゃないかな」
「やっぱりそう思う? アメリカでは個体増殖行動も観測されてるし、殆どの学者が営巣地として飛来したという意見で一致してるの。でも、あの異常な迄の攻撃性までは言及出来てないわ」
「それは一番簡単だろ」
「え?」
「姉ちゃん、自分ちの部屋にゴキブリ出たらどうするよ?」
「そりゃ……悲鳴上げて逃げるか殺虫スプレーで……」
「そういう事だろ。嫌なモンが居たら、逃げるか殺すか追っ払うんが普通やもんで。自分がこれから住もうと思った土地とか家の中に虫が湧いてたら駆除するでしょ」
「そうね。それに地球到達前に先制でミサイルまで撃っちゃってるから、敵対認定されててもおかしくないものね。じゃあ、今後どうすればいいと思う? 対策や退治方法とか」
「それこそ分かるわけないじゃん。世界中の軍隊が協力して倒すとか、また宇宙に追い出すとかじゃね?」
「そうね。それが出来たらもしかしたら……」
「でも、世界中が協力なんてそう簡単に出来るもんじゃないわ。特に日本の様な島国じゃ戦力を集中させるのも難しいわね。核兵器ですら倒せなかった相手だし」
「麻美ぃ……マジになんないでくれる? 折角意見出して貰ってるのにケチ付けないで」
「あ……アラ、ごめんない!」
青山はまたいつもの癖で、高速ペン回しをしながら没入してしまっていた様だ。園の皆もその妙技に見惚れ、先の発言には特に気にならなかったらしい。そんな時ポツリとよしえが――
「タケノコドンが居たら退治してくれたかなぁ」
「どうだろうね。あなた達の願いに添って行動したというのが事実なら、宇宙怪獣を倒してって願いが含まれてない限り動かないかもしれない。奴が致命的な環境破壊を引き起こしたりしない限りはね。核まで使う人類を許容してるの見ると可能性は低いかもだけど」
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