177 / 303
177.後悔Ⅰ
しおりを挟む
会社の誰かからもらったお土産。それの贈答用の紙袋だった。中身のケーキだけは別の店で買って、その箱を入れて持って帰るために手近にあったホテルの紙袋をたまたま使っただけかもしれない。
ケーキの箱に店の名前は入っていなかった。ロゴシールの一枚も貼っていなかった。紙袋がホテルの物でも、あの可愛いケーキがホテルで売られている商品とは限らないだろう。
たかが小さな入れ物だ。手提げ袋の存在一つで、ホテルを訪れた証拠になるものか。
俺が見つけるべきなのは、女がいる確証なんかじゃない。疑惑が杞憂であったことを示すための確信だ。そのため瀬名さんが風呂に行った後、紙袋に書かれていたホテルの名前を調べてみた。調べてしまって、後悔した。
ホテルには直営のパティスリーがある。上品で綺麗なスイーツが、ホームページに並んでいた。瀬名さんがくれたのと同じ、可愛くて綺麗なケーキも。
でも、まだ、決めつけるのは早い。疑いを後悔したのは俺自身だ。同じ後ろめたさを抱えたくないなら、同じ過ちは繰り返してはいけない。
だからまた一晩を費やした。大きなホテルを使う理由を思いつく限り集めた。
仕事上の会食。打ち合わせ。顔合わせ。会議があった。通常業務以外の可能性だって。たとえば取引先が主催するパーティーやなんかに招待されたとか。
そうだ。それだ。担当の人が行けなくなって、急遽代打としての出席が決まった。だからあの時間に電話をかけてきた。
宴会やパーティーの類でなくても、職務として医療機器の学会に参加する事もあるだろう。医療関係者という立場の人たちが大勢集まるような場面だとすれば、開催場所としてシティホテルの大ホールを指定されていても不思議ではない。
こんなにある。少し考えただけでも、これだけの理由が出てくる。可能性なんていくらでもある。疑うのがそもそもどうかしている。
だいたい、仮に何かがある相手と二人で本当にホテルを訪れたとして、そこの名前が真正面に入ったお土産を堂々と渡してくるはずがない。
俺の勘違いだ。やはり違う。瀬名さんにそんな相手はいない。瀬名さんは俺を裏切らない。
ホテルの名が入った紙袋を渡された。そこに隠し事があるようには見えなかった。後ろめたい何かがあるなら、普通だったらもっと注意を払う。疑われるリスクを遠ざけようとする。誰だってその程度は考えられるのだから、瀬名さんみたいに隙のない人ならそれ以上に頭を回すはず。
だから違う。潔白だ。疑惑の元となる紙袋を寄越してきたのが、潔白を示す何よりの証拠。
部屋の中で一人、夕べと全く同じ事を何度も繰り返し考え込んだ。しかし今日はそこまで思って、ふと、何かが記憶を掠めた。
スナネコ。広大なアニマルパーク。子ヤギや子羊を見渡せるレストラン。
生まれて間もないスナネコベビーを瀬名さんと二人で見に行った。俺がショウくんとはじめてラヴィを訪れた夜の翌日だった。注文したサラダうどんには一向に手を付けず、瀬名さんはあの時、自分で言った。
巧妙な、カモフラージュ。
「…………」
詰めて、耐えて、けれども駄目で、とうとう溜め息が漏れていった。ほんの一つ綻んでしまえば、縫い目からは二つ三つと零れる。
学会って、あんな時間にやるかな。会議なら、そうと一言言えば済む。別の誰かが行くはずだった仕事上のパーティーだとしても、そこまで突然の代理など、あるだろうか。分からない。
瀬名さんを疑っている自分を認めたくなかった。でも考えずにはいられない。嫌な想像だけが膨らんでいく。重苦しい気分のまま、ベッドの前にのろく座りこんだ。
今夜も電話が来たらどうしよう。夕食いらないって、言われたらどうしよう。
食事はもう用意してある。たった今二十時を回った。片膝に腕を乗せ、押し込めるようにわずかに顔を伏せ、それでも溜め息は勝手に漏れていく。
瀬名さんは帰ってくるだろうか。気持ちはまだ俺のところにあるのか。俺じゃない誰かがいるのか。そんなのはいないのか、本当はいるけど、まだ、抱いていないのか。
俺にするのと同じように、その人にも触れるのか。
疑いを潰すために考え始めたはずが、考えるほど疑いが強くなる。あの人が俺以外に触れる光景が浮かぶ。想像ですら耐えられない。
膝を抱え、すがるように腕に力を込めた。ぎゅっと目を強くつぶっても、嫌な光景は消えてくれない。
目の前は暗い。なのに鮮明に浮かぶ。時間が経つごとに、イメージは濃くなる。
あの人に抱かれる誰かがいるかもしれない。どれだけ大事にしてもらえるか知ってる。あの人に抱かれることが、どれだけ幸せなことかを知っている。
それは俺だけのものだったのに、今はもう違うのかもしれない。
頭がグラグラする。気持ち悪い。目を開けようとしたが、異様に重い。
それでも想像が掻き消える事だけはなかった。これでもかというほど鮮明なのに、目の前はどんどん暗くなっていく。
頭が重い。指先が重い。グルグルとして、気持ち悪い。瀬名さんはまだ帰って来ない。瀬名さんが誰かを抱くのは、嫌だ。
***
「……き。……遥希」
遠くから聞こえた。呼ばれてる。遠くからじゃない。近かった。
控えめに肩を揺すられるのが分かって、パチリとそこで、目を開けた。
上から覗き込んでくる、心配そうな瀬名さんの顔。一瞬意味が分からず、ぼんやりと見渡す。ラグの上にいた。気づいたら、ラグの上で横たわっていた。
寝ていたのか。いつの間に。気怠く肘をつきながら、壁の時計に視線を向けた。二十時十分を少し過ぎている。さっきから十分くらい、時間だけが飛んでいた。
夕べも結局ほとんど眠れなかった。だからだろう。十分前に意識が落ちた瞬間の記憶もない。
「大丈夫か……?」
「あ……」
「……どうした。やっぱ具合悪いのか」
「いえ、すみません……ちょっと……寝ちゃってて」
のろのろと体を起こせば腰に手を当てて支えられる。近距離で顔を覗き込まれ、ふいっと視線を外し、逃げてしまった。
すると今度は額にふわりと。大きな手がそこを覆った。思わず体がビクリと強張ったのは、気づかれてしまっただろうか。
「……熱は……?」
「いえ……」
「病院行くか? まだやってるとこ探…」
「いえっ……いえあの、すみません。平気です……」
「…………」
気づかう意図しかないその手から離れ、不自然にならないよう立ち上がった。そのままキッチンに逃げ込もうとして、目に入る。瀬名さんのビジネスバッグ。
置いてあるんじゃない。投げ出されている。普段であれば決まった場所にきちんと置かれるはずの黒い鞄が、こことダイニングとの間で床の上に投げ捨ててあった。
寝て起きてすぐ動いたのが悪かったのか、わずかにグラつく。フラリと、ほんの少し揺らぐ。分からない程度にふらついたこの体を、瀬名さんが支えるように横から手を添えてきた。
背中に当たる大きな手のひら。優しい。知ってる。大事にされている。瀬名さんが優しくなかった事はない。大事にされてきた、記憶しかない。
「本当に平気か……」
「……うん。ごめんなさい。……大丈夫」
鞄が放り出されていた。こんな雑なこと、いつもなら絶対しないくせして。
慌てて駆け寄る姿が浮かんだ。考えなくても分かる。驚いた表情が想像できた。俺があんな場所で寝ていたものだから荷物を放り出してそばに来た。おそらくは、咄嗟に。慌てて。でなければ、普段は丁寧に扱われるはずの黒い鞄はこうなっていない。
心配してくれた。してくれたけど、気分は晴れない。ちゃんと帰ってきたのに。
申し訳ないのと嬉しいのが半々。いつもだったらそうなるけれど、今はもっとどす黒くてグチャグチャしている。
昨日の朝と同じ感覚にはなれず、だからそれとなく、目を逸らして逃げた。俺を支えようとするその手からも逃げ出すために一歩前に出る。
腹の底がずっと気持ち悪い。グルグルとして、吐きそうだ。
ケーキの箱に店の名前は入っていなかった。ロゴシールの一枚も貼っていなかった。紙袋がホテルの物でも、あの可愛いケーキがホテルで売られている商品とは限らないだろう。
たかが小さな入れ物だ。手提げ袋の存在一つで、ホテルを訪れた証拠になるものか。
俺が見つけるべきなのは、女がいる確証なんかじゃない。疑惑が杞憂であったことを示すための確信だ。そのため瀬名さんが風呂に行った後、紙袋に書かれていたホテルの名前を調べてみた。調べてしまって、後悔した。
ホテルには直営のパティスリーがある。上品で綺麗なスイーツが、ホームページに並んでいた。瀬名さんがくれたのと同じ、可愛くて綺麗なケーキも。
でも、まだ、決めつけるのは早い。疑いを後悔したのは俺自身だ。同じ後ろめたさを抱えたくないなら、同じ過ちは繰り返してはいけない。
だからまた一晩を費やした。大きなホテルを使う理由を思いつく限り集めた。
仕事上の会食。打ち合わせ。顔合わせ。会議があった。通常業務以外の可能性だって。たとえば取引先が主催するパーティーやなんかに招待されたとか。
そうだ。それだ。担当の人が行けなくなって、急遽代打としての出席が決まった。だからあの時間に電話をかけてきた。
宴会やパーティーの類でなくても、職務として医療機器の学会に参加する事もあるだろう。医療関係者という立場の人たちが大勢集まるような場面だとすれば、開催場所としてシティホテルの大ホールを指定されていても不思議ではない。
こんなにある。少し考えただけでも、これだけの理由が出てくる。可能性なんていくらでもある。疑うのがそもそもどうかしている。
だいたい、仮に何かがある相手と二人で本当にホテルを訪れたとして、そこの名前が真正面に入ったお土産を堂々と渡してくるはずがない。
俺の勘違いだ。やはり違う。瀬名さんにそんな相手はいない。瀬名さんは俺を裏切らない。
ホテルの名が入った紙袋を渡された。そこに隠し事があるようには見えなかった。後ろめたい何かがあるなら、普通だったらもっと注意を払う。疑われるリスクを遠ざけようとする。誰だってその程度は考えられるのだから、瀬名さんみたいに隙のない人ならそれ以上に頭を回すはず。
だから違う。潔白だ。疑惑の元となる紙袋を寄越してきたのが、潔白を示す何よりの証拠。
部屋の中で一人、夕べと全く同じ事を何度も繰り返し考え込んだ。しかし今日はそこまで思って、ふと、何かが記憶を掠めた。
スナネコ。広大なアニマルパーク。子ヤギや子羊を見渡せるレストラン。
生まれて間もないスナネコベビーを瀬名さんと二人で見に行った。俺がショウくんとはじめてラヴィを訪れた夜の翌日だった。注文したサラダうどんには一向に手を付けず、瀬名さんはあの時、自分で言った。
巧妙な、カモフラージュ。
「…………」
詰めて、耐えて、けれども駄目で、とうとう溜め息が漏れていった。ほんの一つ綻んでしまえば、縫い目からは二つ三つと零れる。
学会って、あんな時間にやるかな。会議なら、そうと一言言えば済む。別の誰かが行くはずだった仕事上のパーティーだとしても、そこまで突然の代理など、あるだろうか。分からない。
瀬名さんを疑っている自分を認めたくなかった。でも考えずにはいられない。嫌な想像だけが膨らんでいく。重苦しい気分のまま、ベッドの前にのろく座りこんだ。
今夜も電話が来たらどうしよう。夕食いらないって、言われたらどうしよう。
食事はもう用意してある。たった今二十時を回った。片膝に腕を乗せ、押し込めるようにわずかに顔を伏せ、それでも溜め息は勝手に漏れていく。
瀬名さんは帰ってくるだろうか。気持ちはまだ俺のところにあるのか。俺じゃない誰かがいるのか。そんなのはいないのか、本当はいるけど、まだ、抱いていないのか。
俺にするのと同じように、その人にも触れるのか。
疑いを潰すために考え始めたはずが、考えるほど疑いが強くなる。あの人が俺以外に触れる光景が浮かぶ。想像ですら耐えられない。
膝を抱え、すがるように腕に力を込めた。ぎゅっと目を強くつぶっても、嫌な光景は消えてくれない。
目の前は暗い。なのに鮮明に浮かぶ。時間が経つごとに、イメージは濃くなる。
あの人に抱かれる誰かがいるかもしれない。どれだけ大事にしてもらえるか知ってる。あの人に抱かれることが、どれだけ幸せなことかを知っている。
それは俺だけのものだったのに、今はもう違うのかもしれない。
頭がグラグラする。気持ち悪い。目を開けようとしたが、異様に重い。
それでも想像が掻き消える事だけはなかった。これでもかというほど鮮明なのに、目の前はどんどん暗くなっていく。
頭が重い。指先が重い。グルグルとして、気持ち悪い。瀬名さんはまだ帰って来ない。瀬名さんが誰かを抱くのは、嫌だ。
***
「……き。……遥希」
遠くから聞こえた。呼ばれてる。遠くからじゃない。近かった。
控えめに肩を揺すられるのが分かって、パチリとそこで、目を開けた。
上から覗き込んでくる、心配そうな瀬名さんの顔。一瞬意味が分からず、ぼんやりと見渡す。ラグの上にいた。気づいたら、ラグの上で横たわっていた。
寝ていたのか。いつの間に。気怠く肘をつきながら、壁の時計に視線を向けた。二十時十分を少し過ぎている。さっきから十分くらい、時間だけが飛んでいた。
夕べも結局ほとんど眠れなかった。だからだろう。十分前に意識が落ちた瞬間の記憶もない。
「大丈夫か……?」
「あ……」
「……どうした。やっぱ具合悪いのか」
「いえ、すみません……ちょっと……寝ちゃってて」
のろのろと体を起こせば腰に手を当てて支えられる。近距離で顔を覗き込まれ、ふいっと視線を外し、逃げてしまった。
すると今度は額にふわりと。大きな手がそこを覆った。思わず体がビクリと強張ったのは、気づかれてしまっただろうか。
「……熱は……?」
「いえ……」
「病院行くか? まだやってるとこ探…」
「いえっ……いえあの、すみません。平気です……」
「…………」
気づかう意図しかないその手から離れ、不自然にならないよう立ち上がった。そのままキッチンに逃げ込もうとして、目に入る。瀬名さんのビジネスバッグ。
置いてあるんじゃない。投げ出されている。普段であれば決まった場所にきちんと置かれるはずの黒い鞄が、こことダイニングとの間で床の上に投げ捨ててあった。
寝て起きてすぐ動いたのが悪かったのか、わずかにグラつく。フラリと、ほんの少し揺らぐ。分からない程度にふらついたこの体を、瀬名さんが支えるように横から手を添えてきた。
背中に当たる大きな手のひら。優しい。知ってる。大事にされている。瀬名さんが優しくなかった事はない。大事にされてきた、記憶しかない。
「本当に平気か……」
「……うん。ごめんなさい。……大丈夫」
鞄が放り出されていた。こんな雑なこと、いつもなら絶対しないくせして。
慌てて駆け寄る姿が浮かんだ。考えなくても分かる。驚いた表情が想像できた。俺があんな場所で寝ていたものだから荷物を放り出してそばに来た。おそらくは、咄嗟に。慌てて。でなければ、普段は丁寧に扱われるはずの黒い鞄はこうなっていない。
心配してくれた。してくれたけど、気分は晴れない。ちゃんと帰ってきたのに。
申し訳ないのと嬉しいのが半々。いつもだったらそうなるけれど、今はもっとどす黒くてグチャグチャしている。
昨日の朝と同じ感覚にはなれず、だからそれとなく、目を逸らして逃げた。俺を支えようとするその手からも逃げ出すために一歩前に出る。
腹の底がずっと気持ち悪い。グルグルとして、吐きそうだ。
63
あなたにおすすめの小説
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
届かない「ただいま」
AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。
「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。
これは「優しさが奪った日常」の物語。
【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。
キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、
ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。
国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚――
だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。
顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。
過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、
気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。
「それでも俺は、あなたがいいんです」
だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。
切なさとすれ違い、
それでも惹かれ合う二人の、
優しくて不器用な恋の物語。
全8話。
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
猫カフェの溺愛契約〜獣人の甘い約束〜
なの
BL
人見知りの悠月――ゆづきにとって、叔父が営む保護猫カフェ「ニャンコの隠れ家」だけが心の居場所だった。
そんな悠月には昔から猫の言葉がわかる――という特殊な能力があった。
しかし経営難で閉店の危機に……
愛する猫たちとの別れが迫る中、運命を変える男が現れた。
猫のような美しい瞳を持つ謎の客・玲音――れお。
彼が差し出したのは「店を救う代わりに、お前と契約したい」という甘い誘惑。
契約のはずが、いつしか年の差を超えた溺愛に包まれて――
甘々すぎる生活に、だんだんと心が溶けていく悠月。
だけど玲音には秘密があった。
満月の夜に現れる獣の姿。猫たちだけが知る彼の正体、そして命をかけた契約の真実
「君を守るためなら、俺は何でもする」
これは愛なのか契約だけなのか……
すべてを賭けた禁断の恋の行方は?
猫たちが見守る小さなカフェで紡がれる、奇跡のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる