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誓い
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馬鹿にされたと捉えたレオネルが今にも噛み殺しそうな勢いで睨みつけてくるので、私は慌てて謝る。
「あー、ごめんごめん。今のは私が悪いね」
悪いとは思うけど、どうしても笑いを堪えられなかった。
私の今から提案する内容を聞いたら嫌でもその態度を変えるしかなくなる。
私は変な空気になったのを変えようと軽く咳払いをしてから話し始める。
「得は充分にあるよ。いや、充分過ぎるほどにね」
私の言葉にレオネルは不審に思うも、意味深な言い方が気になり、話くらいは聞いてやろうという態度をする。
私はまた笑いそうになるのを耐えながら、もったいぶるように続きを話す。
「例えば、君の部下を見つけ助けだすとか……ね」
そう言った瞬間、レオネルの瞳の色が変わる。
「そうね、他にはヴェールトゥ国の者を奴隷から解放するとか」
私の言葉にその未来を想像したレオネルは、ゴクンッと喉を鳴らした。
だがすぐにその未来を黒く塗り潰し、そんな未来は一生こないと自身に言い聞かせるよう大声で否定する。
「……嘘を吐くな!そんなこと一介の魔法使いにできるわけがない!」
レオネルは私の甘い言葉に惑わされないといった感じに首を横に振る。
「確かに一介の魔法使いにはできないけど、私にはできるのよ」
私は自信たっぷりに宣言する。
この世界にきて3日が経った時、ある一つの設定を思い出した。
カメリア家の歴史を。
カメリアの初代当主は平民でしがない騎士だったが、国が滅亡するかもしれないというときにたった一人で敵国を退けた。
その功績で平民から一気に公爵の位になった。
民は彼こそ王に相応しいと言って王にしようとしていたが、自分はこの国を守る剣として生きると言い皇族の番犬となった。
問題はここからだ。
カメリアの当主になるには二つの方法がある。
一つは現当主が指名する方法。
もう一つが初代当主に認められること。
その方法は皇宮の奥にある部屋である儀式を行う。
カメリア家の血を受け継ぐ者は全員この儀式をしなければならない。
そして、もしこの儀式をして初代に認めてもらえればその者は当主となり皇帝陛下以上の力を持つ、という設定だ。
私はこの儀式に受かる方法を知っている。
だから、ヴェールトゥ国の者を助けることができる。
勿論、そのことは教えないが。
「嘘だ!」
「嘘じゃないわ。まぁ、信じるか信じないか貴方が決めればいい。でも、あまり時間がないから3分で決めてね」
私は砂時計を取り出し時間を計る。
レオネルは私の言葉を信じていいのかわからず疑っていたが、砂が半分も落ちる前に答えを出した。
彼はゆっくりと私に近づき目の前までくると跪ついた。
「俺は今から貴方の手足となります。貴方を傷つける全ての者から守ると約束します」
私の手を取り口づけをする。
騎士の誓いだ。
彼のルートでヒロインにしていたものだ。
まさか、こんなに早く騎士の誓いをされるとは予想外だった。
勿論、心の底からではないとわかってはいる。
「そう。なら今からよろしくね」
レオネルの胸のハートが黒から白へと変わるのを確認する。
ルドベキアのときはそこから黄色に変わったのに、レオネルは白で止まった。
やっぱり、このハートの色には何か意味がある。
気になるが、今は他にやるべきことがあるため一旦色のことは保留にする。
「はい」
「動かないで」
私はレオネルの頭に手を置きそう命じる。
レオネルは黙ってその指示に従う。
私はその間に彼の手足の治療をする。
「どう?まだ痛む?」
「いえ、大丈夫です」
レオネルは手の感触を確かめながら答える。
「そう。なら、よかったわ」
私は綺麗に治った手を見て微笑む。
その笑みはフードと暗さのせいでレオネルには見えなかったが、さっきと違って声が優しくなったので本当に心配していてくれたのだとわかる。
それでも目の前の人間を信じることはできない。
これは利益の一致で今は仕方なく従うしかないだけ。
顔も名前も知らない相手など信用することなどできないのだから。
そんなレオネルの考えを読み取とり、私はフードを外し顔を見せ名を名乗る。
「とりあえず自己紹介からしましょうか。私はカメリア家の長女。レイシー・カメリアよ。よろしくね」
私がフードを外すと、その瞬間まるで月が味方したように顔を出し辺りを照らす。
レオネルは目の前の女が月に照らされ微笑む光景を見て不本意だったが、心臓が高鳴った。
月の光で輝く姿が、まるで月の女神のように見えた。
今まで見てきた何より美しかった。
敵国の女なのに、そのことを忘れ、ただ見惚れていた。
「ご主人様。これから私はは何をすればいいでしょうか?」
馬鹿な考えを薙ぎ払うようにレオネルは話しかける。
一人称を「俺」から「私」に変えて。
主人と認めた訳ではないが、誓いをたてた以上礼儀は守らなければならない。
「とりあえず彼らを荷馬車に入れてくれる?」
伯爵の手下をさっきレオネルがされていた以上の強力な魔力で拘束する。
荷馬車も魔法で壊れたところを直す。
「……わかりました」
殺したいのをグッと我慢して返事をし、男達を次々と荷馬車に運んでいく。
それが終わると全員の剣を取ってと支持をする。
何故剣を?そんな目で私を見てきたが気づいていないフリをして無視をする。
「ご主人様。全て終わりました」
剣を私の足元に置き膝跨いて報告する。
「そう、じゃあ行こうか。案内してね」
荷馬車の馬を一頭だけ外し、それに乗ってこうと伝える。
「どこにでしょうか?」
レオネルは馬の手綱を受け取り、私を乗せた後に自分も乗り目的を聞く。
「奴隷商人のところ」
私がそう言うと、レオネルは手綱を握る手に力を入れ怒りを抑えようとする。
彼の顔は見えないが、どんな顔をしているのか簡単に予想ができた。
「……理由を聞いてもいいでしょうか」
「すぐにわかるわ。時間がない。早く行って」
これ以上話すことはないと、そう態度に表す。
レオネルはまだ何か言いたそうだったが、自分が奴隷だと言うことを思い出し、我慢して馬を走らせる。
「着きました」
レオネルは馬から降り、私に手を出す。
私はその手を取り馬から降ろしてもらう。
「ありがとう。それでここが本当に貴方がいた奴隷商人の店なの?」
外観からしてそうは見えない。
どう見ても高級ファッション店にしか見えない。
「はい」
こっちです、と言って裏口へと案内する。
私もその後に続く。
裏口も普通の作りで本当にここに奴隷商人がいるのかと疑ってしまう。
「入りますか?」
レオネルは扉に手をあて私の指示を待つ。
「ええ。でもその前に、貴方の髪と瞳の色を変えましょう。そのままいけばバレる可能性があるからね」
私は右手に魔力を集中させ変身の魔法陣を発動させる。
変身魔法は上手くいき、真っ白な髪は黒に変わり、瞳は黄金から赤へと変化した。
「うん。これなら誰も貴方が雪の王とは気づかないでしょう」
雪の王とはレオネルの別名みたいなものだ。
冬の国とも言われるヴェールトゥ国でレオネルは戦神として崇められていた。
帝国に負けるまでは百戦百勝していた。
戦争に負けた理由だって本当は王のせいであってレオネル達のせいではない。
彼らのところだけは勝っていたが、国が負けを認め民を売ったため、これ以上戦えば大勢の人が死ぬため、仕方なく負けを認め投降したのだ。
王がもし違ったのなら、勝敗は変わっていたかもしれない。
私がそう思うくらいなのだから、彼もきっとそう思っているだろう。
「……」
雪の王という言葉を聞いた瞬間、レオネルは苦虫を噛み潰したような顔をして扉のとってを握り潰した。
「行こうか」
私はそんなレオネルを無視して扉を開けるよ指示をする。
「……はい」
「あー、ごめんごめん。今のは私が悪いね」
悪いとは思うけど、どうしても笑いを堪えられなかった。
私の今から提案する内容を聞いたら嫌でもその態度を変えるしかなくなる。
私は変な空気になったのを変えようと軽く咳払いをしてから話し始める。
「得は充分にあるよ。いや、充分過ぎるほどにね」
私の言葉にレオネルは不審に思うも、意味深な言い方が気になり、話くらいは聞いてやろうという態度をする。
私はまた笑いそうになるのを耐えながら、もったいぶるように続きを話す。
「例えば、君の部下を見つけ助けだすとか……ね」
そう言った瞬間、レオネルの瞳の色が変わる。
「そうね、他にはヴェールトゥ国の者を奴隷から解放するとか」
私の言葉にその未来を想像したレオネルは、ゴクンッと喉を鳴らした。
だがすぐにその未来を黒く塗り潰し、そんな未来は一生こないと自身に言い聞かせるよう大声で否定する。
「……嘘を吐くな!そんなこと一介の魔法使いにできるわけがない!」
レオネルは私の甘い言葉に惑わされないといった感じに首を横に振る。
「確かに一介の魔法使いにはできないけど、私にはできるのよ」
私は自信たっぷりに宣言する。
この世界にきて3日が経った時、ある一つの設定を思い出した。
カメリア家の歴史を。
カメリアの初代当主は平民でしがない騎士だったが、国が滅亡するかもしれないというときにたった一人で敵国を退けた。
その功績で平民から一気に公爵の位になった。
民は彼こそ王に相応しいと言って王にしようとしていたが、自分はこの国を守る剣として生きると言い皇族の番犬となった。
問題はここからだ。
カメリアの当主になるには二つの方法がある。
一つは現当主が指名する方法。
もう一つが初代当主に認められること。
その方法は皇宮の奥にある部屋である儀式を行う。
カメリア家の血を受け継ぐ者は全員この儀式をしなければならない。
そして、もしこの儀式をして初代に認めてもらえればその者は当主となり皇帝陛下以上の力を持つ、という設定だ。
私はこの儀式に受かる方法を知っている。
だから、ヴェールトゥ国の者を助けることができる。
勿論、そのことは教えないが。
「嘘だ!」
「嘘じゃないわ。まぁ、信じるか信じないか貴方が決めればいい。でも、あまり時間がないから3分で決めてね」
私は砂時計を取り出し時間を計る。
レオネルは私の言葉を信じていいのかわからず疑っていたが、砂が半分も落ちる前に答えを出した。
彼はゆっくりと私に近づき目の前までくると跪ついた。
「俺は今から貴方の手足となります。貴方を傷つける全ての者から守ると約束します」
私の手を取り口づけをする。
騎士の誓いだ。
彼のルートでヒロインにしていたものだ。
まさか、こんなに早く騎士の誓いをされるとは予想外だった。
勿論、心の底からではないとわかってはいる。
「そう。なら今からよろしくね」
レオネルの胸のハートが黒から白へと変わるのを確認する。
ルドベキアのときはそこから黄色に変わったのに、レオネルは白で止まった。
やっぱり、このハートの色には何か意味がある。
気になるが、今は他にやるべきことがあるため一旦色のことは保留にする。
「はい」
「動かないで」
私はレオネルの頭に手を置きそう命じる。
レオネルは黙ってその指示に従う。
私はその間に彼の手足の治療をする。
「どう?まだ痛む?」
「いえ、大丈夫です」
レオネルは手の感触を確かめながら答える。
「そう。なら、よかったわ」
私は綺麗に治った手を見て微笑む。
その笑みはフードと暗さのせいでレオネルには見えなかったが、さっきと違って声が優しくなったので本当に心配していてくれたのだとわかる。
それでも目の前の人間を信じることはできない。
これは利益の一致で今は仕方なく従うしかないだけ。
顔も名前も知らない相手など信用することなどできないのだから。
そんなレオネルの考えを読み取とり、私はフードを外し顔を見せ名を名乗る。
「とりあえず自己紹介からしましょうか。私はカメリア家の長女。レイシー・カメリアよ。よろしくね」
私がフードを外すと、その瞬間まるで月が味方したように顔を出し辺りを照らす。
レオネルは目の前の女が月に照らされ微笑む光景を見て不本意だったが、心臓が高鳴った。
月の光で輝く姿が、まるで月の女神のように見えた。
今まで見てきた何より美しかった。
敵国の女なのに、そのことを忘れ、ただ見惚れていた。
「ご主人様。これから私はは何をすればいいでしょうか?」
馬鹿な考えを薙ぎ払うようにレオネルは話しかける。
一人称を「俺」から「私」に変えて。
主人と認めた訳ではないが、誓いをたてた以上礼儀は守らなければならない。
「とりあえず彼らを荷馬車に入れてくれる?」
伯爵の手下をさっきレオネルがされていた以上の強力な魔力で拘束する。
荷馬車も魔法で壊れたところを直す。
「……わかりました」
殺したいのをグッと我慢して返事をし、男達を次々と荷馬車に運んでいく。
それが終わると全員の剣を取ってと支持をする。
何故剣を?そんな目で私を見てきたが気づいていないフリをして無視をする。
「ご主人様。全て終わりました」
剣を私の足元に置き膝跨いて報告する。
「そう、じゃあ行こうか。案内してね」
荷馬車の馬を一頭だけ外し、それに乗ってこうと伝える。
「どこにでしょうか?」
レオネルは馬の手綱を受け取り、私を乗せた後に自分も乗り目的を聞く。
「奴隷商人のところ」
私がそう言うと、レオネルは手綱を握る手に力を入れ怒りを抑えようとする。
彼の顔は見えないが、どんな顔をしているのか簡単に予想ができた。
「……理由を聞いてもいいでしょうか」
「すぐにわかるわ。時間がない。早く行って」
これ以上話すことはないと、そう態度に表す。
レオネルはまだ何か言いたそうだったが、自分が奴隷だと言うことを思い出し、我慢して馬を走らせる。
「着きました」
レオネルは馬から降り、私に手を出す。
私はその手を取り馬から降ろしてもらう。
「ありがとう。それでここが本当に貴方がいた奴隷商人の店なの?」
外観からしてそうは見えない。
どう見ても高級ファッション店にしか見えない。
「はい」
こっちです、と言って裏口へと案内する。
私もその後に続く。
裏口も普通の作りで本当にここに奴隷商人がいるのかと疑ってしまう。
「入りますか?」
レオネルは扉に手をあて私の指示を待つ。
「ええ。でもその前に、貴方の髪と瞳の色を変えましょう。そのままいけばバレる可能性があるからね」
私は右手に魔力を集中させ変身の魔法陣を発動させる。
変身魔法は上手くいき、真っ白な髪は黒に変わり、瞳は黄金から赤へと変化した。
「うん。これなら誰も貴方が雪の王とは気づかないでしょう」
雪の王とはレオネルの別名みたいなものだ。
冬の国とも言われるヴェールトゥ国でレオネルは戦神として崇められていた。
帝国に負けるまでは百戦百勝していた。
戦争に負けた理由だって本当は王のせいであってレオネル達のせいではない。
彼らのところだけは勝っていたが、国が負けを認め民を売ったため、これ以上戦えば大勢の人が死ぬため、仕方なく負けを認め投降したのだ。
王がもし違ったのなら、勝敗は変わっていたかもしれない。
私がそう思うくらいなのだから、彼もきっとそう思っているだろう。
「……」
雪の王という言葉を聞いた瞬間、レオネルは苦虫を噛み潰したような顔をして扉のとってを握り潰した。
「行こうか」
私はそんなレオネルを無視して扉を開けるよ指示をする。
「……はい」
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