Future Sight

白黒ちゃん

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前世の記憶

人間

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僕の病院に同じ症状の患者が来るようになった。
身体に目ができたと。
サヨリと同じ目だ。
母親は疲れきっていた。
母親はこの村唯一の医者だ。
普段仕事を見に来ることはないが、サヨリと同じ目がある村人が病院に入っていくのを見て覗いてみた。
目は背中や首、おでこや頬にできる。
サヨリのように右手だけになるものでは無いらしい。
何やら注射みたいなものを打っている。
(何の液体だ……?)


やことかいようにその事を伝えた。
「お前の母親も何か知っているんじゃないか?」
「あぁ……そうみたいだな。」
「もしかしてしらないのは私たちだけなのかな?」
「そういえばお前が言ってた神社調べてきたぞ」





「僕にいい案がある」
「なんだ?」
「神社を調べるんだよ。」
「どうして?神社なんか」
「あの男に初めて会った時、神社までの道のりを聞かれたんだ。サヨリがいたのも化け物が現れたのも神社だ。あそこに何かあるとしか思えない。」
「なるほど、たしかにな。」
神社には何かあるはずだ。



「どうやって調べたのよ?」
「あそこは管理が薄い。夜中には誰もいない。」
「よく知ってたわね……」
「神主とは仲が良かったからな」
「これを見ろよ」
かいようが持ち出したのは僕がかあさんからばあちゃんに届けろと言われていた箱だった。
「これが神社にあったのか?!」
「そうだ、お前が持っていたもので間違いないようだな」
しかし箱の中には何も無かった。
「空っぽじゃない!」
「いいや、よく見ろ。」
箱は二段になっていて、下の蓋を開けると注射器がでてきた。
「お前の母親が打っている注射と同じか、もしくはそれの逆のものかってところだな」
「抗体ってやつ?」
「俺達にはこれを調べるだけの知識がないからな。」
「箱の内側に何か書いているわよ!……不老……不死?」
「不老不死だと?!」
たしかに不老不死と書かれていた。
「まさかこの注射は不老不死の薬か?」
そんなものがあると思えなかった。
不老不死の薬だなんてこんなちっぽけな村にあるはずがない。
「これだけじゃないぜ。この紙見てみろよ。」
その紙には人はいずれ死ぬそれに逆らってはならないと書かれていた。
「もしかしてこの注射を打った人が書いたのかな?」
なぜこれを母親が持っていたのか。
疑問はいくつもあった。
僕達は沈黙した。
考えても何も出ないことはわかっていたがそれでも理解するのに時間がかかるからだ。


「「キャァアアアーーー!!!」」

外から村人の叫び声が聞こえた。
「な、なんだ?!」
「あれをみて!!」

そこには目が全身にできている人間が立っていた。

「な、なんだよあれ……」
「おい!逃げるぞ!」
「2人は先に行ってくれ!俺はサヨリを連れてくる!」
「ちょ、おい!」

かいようは気づくと遠くまで走っていってしまった。
僕とやこは死にものぐるいで逃げた。
「おいっ!あいつ俺たちに着いてきてないか……??」
「まさか……そんなっ。きゃあっ!」
「大丈夫か?!手つかまれ!」
やこは木の根っこにつまづいて転んでしまった。
僕達は森の奥まで来てしまって足場が悪い。
あの化け物は速度を落とすことなくこちらに向かってくる。
森の奥に逃げたって逃げ切れる保証はない。
僕はあの男から渡された拳銃を思い出した。
(使うしかない……!!)
「やこ!先に行ってくれ!」
「なんで!追いつかれちゃう!」
「いいから早く行け!!」

やこの姿が見えなくなった時、僕は引き金を引いた。

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!

化け物はおぞましい悲鳴を上げた。
弾は身体を掠めた。
銃なんて初めて使うからできるわけがなかった。

化け物は近づいてくる。
もし次の弾を外せばあいつに追いつかれる……!!

全身に汗をかきながら震える手で引き金を引いた。
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