Future Sight

白黒ちゃん

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村の隠し事

訓練

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施設にきて翌日。
僕達は身体能力テストを受けさせられた。

(これになんの意味があるんだ?)

説明もなく、個別の部屋でテストをしていく。

「あの、これは何のためにしているんですか?」

係員に聞いても無視される。

テスト自体は簡易的なものだった。
走ったり腹筋したり、特にこれと言って目的があるようにも感じられなかった。

しかし最後のテストは射撃だった。
僕にはあの拳銃に関係があると思った。

僕が持っていた拳銃とは違ってテストで使われるのは小銃だったこと。

そして的は人型であること。

この施設に集められた者の中からあの化け物を倒す能力のある者を探っているとしか思えなかった。






テストの結果はまたその翌日に発表された。

「合格……?」

「そうきも合格か、いつきは?」

「僕もだ。」

合格か失格。
それだけ書かれた紙だけが配られた。
周りは合格で浮かれてるやつと失格を馬鹿にするやつ。
それに興味が無いやつ様々だった。

「かいよう、このテストはなんだと思う」
「ただの身体能力を測ってるだけとは思えねぇなあ」

周りがざわめく中、開いた扉から係員がでてきた。

「合格者は別の部屋へ移ってください。」




部屋へ案内されるとやことエマの姿があった。

合格者は僕らを含め100名ほどだった。


「お集まりいただきありがとうございます。」

そう言うと係員は銃を100本運んできた。

「あなた達にはこのアサルトライフルを使いこなしてもらいます。」

「え……?」

周りがざわめく。
ただ僕達だけが察していた。

「いつきくんは何か知ってるのかい?」

そうきは何も知らないからか、僕達を不思議そうな目で見ていた。

「あっ、いやなんでもないよ」

「ふ~ん」



「こちらの銃はあの未知の生物を倒す為だけに作られています。人間には効きませんのでご安心を。」

「俺たちにあの化け物と戦えってのか??」

かいようは皆が黙るなか、声を上げた。

「お前達がどうにかしろよ。俺達を使う意味が分からねぇ。」

「これは命令です。意味など必要ありません。断るのでしたら今ここであなたの息の根を止めますよ。」


係員はかいように銃口を向けた。

「断りますか?」

かいようは焦りを見せる。

「……やりゃーいんだろ。」






「お前上手いな。」

「趣味で狩猟なんかもしてたんだ。」

「そうきって凄いんだな。」

「そんなことないよ、狙撃銃しか触ったことないから小銃には慣れないし。」

僕には疑問があった。

選ばれた人達の射撃を見たが、僕とは比べものにならないくらい上手かったからだ。

テストでも的に1発も当てていない。

銃だって、村で1回使っただけだ。

僕が選ばれたのは別の理由だと思った。

「そうきと違ってお前はヘッタクソだな。」

「うるせーよ。」






「こちらへどうぞ」

俺はずっと訴えていた。

サヨリに会わせろと。

それがようやく叶った。

「かい!」

「サヨリ!元気だったか?何もされてないか?」

「大丈夫だよ、かいこそ元気そうでよかった」

ガラス越しだが、サヨリが無事でいることを知って安心した。

部屋には監視員がいた。
下手な話はできないと思った。

「みんなも元気なの?」

「あぁ、元気だ。」

「そっか、よかった!」

サヨリは一瞬寂しそうな顔をした。

「どうかしたか?」

「ううん。なんでもないよ」
俺達は他愛のない話をした。



「面会時間はこれで終わりです。部屋に戻ってください。」

与えられた15分はあっという間だった。

「サヨリ、無事でいろよ。絶対助けるから。」

「かいも元気でね」

部屋を去る時、サヨリの泣き声が聞こえた。


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