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悪役に転生したんだけど……
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「レンは俺の婚約者なんだけど?」
原作では不貞を働くはずだったヒーローの第2王子がいう。
「存じています。しかしフォルモーント様は視野が広いお方。私たち身分の低いものにも分け隔てなく接してくださいます。逐一嫉妬していたらキリがないのでは第二王子殿下?」
ヒロイン♂の子爵令息が作り笑いで僅かに王子を嘲るように見る。
何故だが知らないが、この二人は頻繁に言い争っている。
俺が前世の記憶を思い出したのは7つの頃。丁度十年経って今は17になった。
婚約者で第2王子殿下のラリマー・ハルプモーントに会ったのは前世を思い出した半年後のことだ。
俺はどーせ離れるんだから。と全く媚びず、しかし婚約者として節度ある対応をした。そして惚れられた。何故。
『こんな子がいたなんて!』
と当時からキラキラしいショタっ子王子に言われたが…それはお前の環境のせいだ。知らんがな。
それから普通に与えられた仕事をこなしていたら天才だなんだと言われた。お前らが与えたんだけど?
で、原作アプリ漫画のヒロイン♂こと子爵令息のルベライト・アンゲロニアにはいつの間にか惚れられていた。
昔、茶会で親とはぐれて道にうずくまっていたときに俺がハンカチを手渡したそうだ。
そういえばそんなことがあった気がする。当時はピンクの髪ピンクの目で女の子と思っていたが。
そして俺と学園で再開し、運命だと思ったそうだ。なんの少女漫画だ。これアプリ漫画だったわ。
俺は身分の低い貴族(男爵、子爵)に人気らしい。分け隔てなく接してくださるから。とか言われたが、逐一区別していたら面倒くさい。ただそれだけである。
それからルベライトと友達として接していたら、俺の婚約者様が怒った。それにルベライトはよく反論する。今の構図の完成だ。ルベライトは王族に対して命知らずだな~と思う。でも、王子もそこに関しては何も言わないから俺もノータッチだ。
「「レイはどう思う!?
フォルモーント様どうは思いますか!?」」
といきなりきかれたがなんの話だ。改めてよくよくきくと俺がルベライトと仲良くしすぎ構って!とか第2王子殿下って嫉妬深いと思います。構って!という話だった。
結局どっちもかまってちゃんである。
でもそうだな。王子には最近かまってやってないかも。ルベライトといると楽しいし、俺が忙しいのもあるけど、最近疲れてそうだからしっかり休んでほしくて。
王子にその有無を伝えてごめんとしおらしい顔を作る。
「疲れてるときこそレイの癒やしがほしい」
と言われた。犬耳が垂れている。もう一度あやまり、ルベライトに顔を向ける。
「ルベライト、俺は君といるとすごく楽しい。これからも仲良くしてくれる?」
と微笑む。
「はい!!」
犬耳とシッポがピン!とたって可愛い。彼の頭を優しい手付きで撫でる。
ルベライトの機嫌が治ったみたいだし、俺はルベライトの頭を撫でたことで更にむくれてシュンとしている王子の手を取り、その場を立ち去った。
人がいない場所まできて、彼を抱きしめる。心地良い。心がポカポカする。
「ラリマー、機嫌直して?」
彼を下から覗き込むと彼がウッと何かを詰まらせたような声を上げた。
「だってずるいよあいつ。レイは俺のなのに」
むくれた顔を見てなんだかおかしくなる。
「ラリマーは可愛いな」
「それ、全然嬉しくないから。好きな人にはかっこいいって言ってほしいのが男の性でしょ?」
「う~ん?可愛いって愛おしいって意味も含まれると思うけどな」
と俺は微笑んで彼の頬にチュッとリップ音を立てる。
途端に彼の顔が赤くなる。好きな人には初心なのだこの王子。そういうところが更にかわいい。
そんな学生生活から10年がたった。俺は無事ラリマーと結婚して、子供を二人授かった。ちなみに言うと、この世界は男性が妊娠できる世界ではない。
ラリマーが世界中のなんかすごい人たちに脅し……頼み込んでなんとか俺が妊娠できる体になっただけの話だ。
ヒロイン♂の子爵令息ルベライトは異例の大出世を果たし、王宮に就職した。今ではラリマーの直属の部下で、お互い扱いたり扱かれたりしているらしい。
「母上、どうされたのですか?」
今年9つになった息子が、窓辺の安楽椅子に座ってくつろいでいる俺に話しかけてくる。
「ちょっと昔のことを思い出してたんだ」
にっこり笑って息子の頭を撫でる。随分大きくなった。
「かあさま~~~!!!」
と7歳の娘も息子を追いかけてきたようだ。
まだまだお転婆で可愛らしいが、将来が怖い。
「赤ちゃんは大丈夫ですか?」
きゅるきゅるなお目々で覗き込んでくる。
「大丈夫だよ。二人とも触る?」
二人はこくこく頷いて俺のお腹に触れて、中の赤子が動くたびに、小さく声を上げている。
俺は今、第3子を妊娠中だ。性別は男の子で二人とも年が離れているから、より可愛がってくれるだろう。
悪役を演じてもよかった。よくある物語のように、悪役回避のために奮闘しても良かった。
でも、俺は俺のありのままでいることを選んだ。
今、俺はとても幸せだ。
こういう物語もいいものだろう?
✡END✡
原作では不貞を働くはずだったヒーローの第2王子がいう。
「存じています。しかしフォルモーント様は視野が広いお方。私たち身分の低いものにも分け隔てなく接してくださいます。逐一嫉妬していたらキリがないのでは第二王子殿下?」
ヒロイン♂の子爵令息が作り笑いで僅かに王子を嘲るように見る。
何故だが知らないが、この二人は頻繁に言い争っている。
俺が前世の記憶を思い出したのは7つの頃。丁度十年経って今は17になった。
婚約者で第2王子殿下のラリマー・ハルプモーントに会ったのは前世を思い出した半年後のことだ。
俺はどーせ離れるんだから。と全く媚びず、しかし婚約者として節度ある対応をした。そして惚れられた。何故。
『こんな子がいたなんて!』
と当時からキラキラしいショタっ子王子に言われたが…それはお前の環境のせいだ。知らんがな。
それから普通に与えられた仕事をこなしていたら天才だなんだと言われた。お前らが与えたんだけど?
で、原作アプリ漫画のヒロイン♂こと子爵令息のルベライト・アンゲロニアにはいつの間にか惚れられていた。
昔、茶会で親とはぐれて道にうずくまっていたときに俺がハンカチを手渡したそうだ。
そういえばそんなことがあった気がする。当時はピンクの髪ピンクの目で女の子と思っていたが。
そして俺と学園で再開し、運命だと思ったそうだ。なんの少女漫画だ。これアプリ漫画だったわ。
俺は身分の低い貴族(男爵、子爵)に人気らしい。分け隔てなく接してくださるから。とか言われたが、逐一区別していたら面倒くさい。ただそれだけである。
それからルベライトと友達として接していたら、俺の婚約者様が怒った。それにルベライトはよく反論する。今の構図の完成だ。ルベライトは王族に対して命知らずだな~と思う。でも、王子もそこに関しては何も言わないから俺もノータッチだ。
「「レイはどう思う!?
フォルモーント様どうは思いますか!?」」
といきなりきかれたがなんの話だ。改めてよくよくきくと俺がルベライトと仲良くしすぎ構って!とか第2王子殿下って嫉妬深いと思います。構って!という話だった。
結局どっちもかまってちゃんである。
でもそうだな。王子には最近かまってやってないかも。ルベライトといると楽しいし、俺が忙しいのもあるけど、最近疲れてそうだからしっかり休んでほしくて。
王子にその有無を伝えてごめんとしおらしい顔を作る。
「疲れてるときこそレイの癒やしがほしい」
と言われた。犬耳が垂れている。もう一度あやまり、ルベライトに顔を向ける。
「ルベライト、俺は君といるとすごく楽しい。これからも仲良くしてくれる?」
と微笑む。
「はい!!」
犬耳とシッポがピン!とたって可愛い。彼の頭を優しい手付きで撫でる。
ルベライトの機嫌が治ったみたいだし、俺はルベライトの頭を撫でたことで更にむくれてシュンとしている王子の手を取り、その場を立ち去った。
人がいない場所まできて、彼を抱きしめる。心地良い。心がポカポカする。
「ラリマー、機嫌直して?」
彼を下から覗き込むと彼がウッと何かを詰まらせたような声を上げた。
「だってずるいよあいつ。レイは俺のなのに」
むくれた顔を見てなんだかおかしくなる。
「ラリマーは可愛いな」
「それ、全然嬉しくないから。好きな人にはかっこいいって言ってほしいのが男の性でしょ?」
「う~ん?可愛いって愛おしいって意味も含まれると思うけどな」
と俺は微笑んで彼の頬にチュッとリップ音を立てる。
途端に彼の顔が赤くなる。好きな人には初心なのだこの王子。そういうところが更にかわいい。
そんな学生生活から10年がたった。俺は無事ラリマーと結婚して、子供を二人授かった。ちなみに言うと、この世界は男性が妊娠できる世界ではない。
ラリマーが世界中のなんかすごい人たちに脅し……頼み込んでなんとか俺が妊娠できる体になっただけの話だ。
ヒロイン♂の子爵令息ルベライトは異例の大出世を果たし、王宮に就職した。今ではラリマーの直属の部下で、お互い扱いたり扱かれたりしているらしい。
「母上、どうされたのですか?」
今年9つになった息子が、窓辺の安楽椅子に座ってくつろいでいる俺に話しかけてくる。
「ちょっと昔のことを思い出してたんだ」
にっこり笑って息子の頭を撫でる。随分大きくなった。
「かあさま~~~!!!」
と7歳の娘も息子を追いかけてきたようだ。
まだまだお転婆で可愛らしいが、将来が怖い。
「赤ちゃんは大丈夫ですか?」
きゅるきゅるなお目々で覗き込んでくる。
「大丈夫だよ。二人とも触る?」
二人はこくこく頷いて俺のお腹に触れて、中の赤子が動くたびに、小さく声を上げている。
俺は今、第3子を妊娠中だ。性別は男の子で二人とも年が離れているから、より可愛がってくれるだろう。
悪役を演じてもよかった。よくある物語のように、悪役回避のために奮闘しても良かった。
でも、俺は俺のありのままでいることを選んだ。
今、俺はとても幸せだ。
こういう物語もいいものだろう?
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お互い扱いたり扱かれたりしているらしい←
おっふぅぅー(鼻血)
感想ありがとうございます!ティッシュ(つ≧▽≦)つどうぞ♥