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Cadenza 戦士達 ⑭

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方法は?
『お互いの魔力を混ぜあわせる必要は無い、同調の手前、それでいい、俺を認識できる段階にまで精神を繋げればいい、その後に俺が彼女達と対話する。それだけでいい』
対話?…出来るのかな?まぁ旦那が出来るっていうのなら、それでいいか。
そうと決まれば、魔力が必要。
首を上に向けようとしても布が引っかかって上を向けないのでそのままの位置で
「団長、魔力ちょうだい」
「かなりの量いる?」
声を掛けてみると、車椅子の後ろからゴソゴソとセッティングしながらも返事を返してくれる
「ううん、たぶん、そこまで使わない、かな?」
『どれ程の量が必要なのかは俺も計り知れない部分がある、少しでも時間を節約するために二人同時に接続する。ちょうど、おあつらえ向きに点滴の為に腕が出てる、その腕に二人の手を重ねてもらえるか?』
えっと、つまるところ、一致団結するときの手を合わせてからもちあげる的な、その前段階って感じっかな?
脳内でイメージを思い描くと
『イメージは伝わったその様な形で大丈夫だ』
どうやら旦那にも伝わったみたいなので、言われたとおりにする。
少しでも手を前に出そうとしたが、布が肘辺りで引っかかってるのか、肩あたりで引っかかってるのか何方かはわからないけれど、何かが邪魔で思ったよりも前に出せない、であれば。
「二人とも私の手の甲の上に手のひらを乗せて」
二人に協力してもらえるようにお願いすると
女将が真っ先に手を広げて私の手の上に手を重ねようとしたが…手前で踏みとどまる?
今更、怖気づいてしまったのだろうか?
「あたいの方がさ、おめぇよりも手が大きい、だったらよおめぇから先に姫ちゃ…姫様の手の甲に乗せる方がいいさぁね」
ちょいちょいっとティーチャーくんを手招きして近くに呼び寄せる
その言葉にティーチャーくんも納得したように頷き、そっと私の手の甲に手を重ねると二人の手を包み込む様に女将の手のひらが乗せられる。

女将

ティーチャー


っと言う感じで手が重ねられ女将の手のひらはティーチャーくんの手のひら事、包み込む様に私の手を握っている。
愛する旦那の望む形とは少々違う気がするけれど、概ね間違ってはいない気がする。

確認の為に意識を向け
これでいい?
『ああ、暫しの間、意識を表面に出す…体のサポートはもう一人の俺がするから安心してくれ』
語り掛けるとこれで問題ないみたい、お気遣いの言葉も嬉しい限りだよね。
うん、二人が私を支えてくれているのはわかってるよ。

彼の言葉と共に気配が感じ取れなくなると、腕先に向かってゆっくりと魔力が集まっていき、帯となって手のひらに集約されていくのを感じ女将の手の中に熱が籠っていく。

魔力の流れを感じれば感じるほど、敵わないなっと思わされてしまう。
相も変わらず、体が変わろうが魔力の扱いがお上手、私の愛する旦那様なだけある!
流れるように洗練された魔力操作に惚れ惚れしてしまう。

魔力の帯が私の腕を通りぬけると、不思議でされど慣れた感覚が伝わってくる。
この感覚ってことは彼らと無事繋がった。
そう感じた瞬間、少しだけ寂しい気持ちが私の心に襲い掛かってくる。

どんな光景なのか愛する旦那と共に見てみたいと寂しい心が願った刹那『いいよ、僕が居るから■■■は自由にしていいよ、いつもみたいにね翅を広げておいで』もう一人の旦那に背中を押されるように彼らの世界へと導かれる

導かれている刹那、思い描いた光景がある。
繋がった先はきっと、真っ白で何もない…意識だけが存在し、物事を考えている時のような虚空で文字だけの世界なのかと想像していたら

…違った。

意識が愛する旦那と繋がり視界が開ける。
そこは、果ての無い草原で天は青く、されど太陽は無く、月も無い。
平地の草原に独りだけ、ひとりだ、け…私の大好きな旦那様が皆を待ち構える様に腕を腰に当て待っている。

愛する旦那の傍に行きたい!

強く願うと、意識の中だからだろうか、足が動く。
この中であれば私は自由に動ける…

彼のもとへと駆け寄る様に近づいていき、彼の隣に行くと気配を感じ、意識を向けると、女将の姿とティーチャーくんの姿が薄っすらと見えてくる。
彼らの前で甘えるのは少々抵抗があるというか、旦那に恥をかかせてしまいそうなので、愛する旦那に飛びついて抱き着きたい衝動を抑え、ゆっくりとお淑やかに彼の隣に立ち、もう一度、目の前にいる人物達に視線を向けると

「あ、あた、あたいがしってる」
「はい、僕も、夢で…」

先ほどと違う声も姿もはっきりと認識できる。
意識体だというのに本当に肉体があるみたいに認識することができてる。
『それはね、君が彼らの魂と一時とは言え繋がったからだよ、君だからこそ出来る空間なんだ』
もう一人の愛する旦那が疑問に答えてくれる。
そういう解説は、普段から答えて欲しいんだけど?
『今だからこそ出来る芸当なんだよ、ふふ、君は何時だって知りたがりだね、そう言うところ好きだよ。今はね、魔力があるからこそ出来る、妹のおかげさ、妹が僕達に魔力を分け与えてくれている、妹だからこそ出来る芸当なんだよ、妹じゃないと難しいんだ』
ちょっと愚痴ってみたら、思いの外色んなカウンターを食らってしまい
赤面のまま膠着していたら
「俺を認識…見えるのか?二人とも」
「もちろんさぁね!」「当たり前じゃないですか戦士長!!」
愛する旦那の第一声に返された言葉に圧倒されそうになる。
驚いたことに二人とも、夢ではなく実際に彼と共に人類の未来の為に長年研鑽を積み肩を並べて歩んできたかのような…凄い熱量が伝わってくる。
直ぐに返事を返すのかと思いきや、愛する旦那は動く様子が無い。
しばしの沈黙にどうしたのだろうかと見上げると
「無事、問題なく繋がったか…」
たぶんだけど、術がしっかりと成功しているのか確認していたって感じかな?
「ここに共に歩み共に敗北した我らが同胞達…彼らが居ないのが少々寂しいが、それはサクラの体に大きな負担を強いてしまうか」
彼の言葉から自身の名前を呼ばれた瞬間、感情が爆発し溢れ出てくる。
自然と意識体だというのに涙が頬を伝っていく。

肩の上に手が置かれるような感覚が伝わってくると
「ここであれば、皆の意識を集合させ各々である程度演算できる、君が失ってしまった脳の機能も彼らが補ってくれている。意識だけの世界、ある意味、魂の理想郷、帰るべき世界はこういったものなのかもしれないな」
優しく抱き寄せられ彼の胸板に頬が当たる。
これもきっと、私が記憶していた出来事だからこそ再現出来ているのだろう。

記憶と経験の再現、疑似的な物、だとしても、もう一度彼に触れれる、それだけで、私の心は満たされていく

彼の胸板に顔を埋め分厚く重厚な肉厚を堪能していると会話が始まるが口を挟むつもりは無いのでこのまま肉厚に顔を埋め堪能し続ける。これこれ、この柔らかいような硬いような不思議な感覚、さいこう…
「さて、あまり時間はかけれない、ここを維持するのに一定量の魔力が必要なんだ、妹も最近は魔力を使い過ぎているからね」
「いもう、と?ってことは団長はやっぱり妹ってことかい?」
「いや、正確には違う。粉砕姫先輩、今から説明をするので聞いて欲しい」
重厚な肉厚を堪能していても、見えなくても何となく気配で伝わってくる。

誰も動いていない気がするんだけど?
その言葉と同時に女将とティーチャーくんの動きが止まる?
っていうか、勇気くんも止まってない?

『今は三人だけで会話をしているんだよ、君は既に知っている物語だろう?決して仲間外れにされたわけじゃない気を止む必要は』
成程ね、魔力量的に少しでも節約したいって事でしょ?
そんな、フォローしなくてもさ、わかってるよー、私の心はそんなにやわじゃないやい。
でも、心配してくれるのは、好き、だよ?

姿が見えないもう一人の旦那に想いを告げると
『そう言ってくれると嬉しい限りだよ、僕は彼の影に過ぎないのに、そんな僕を認め好意を寄せてくれることに感謝を伝えよう』
畏まり過ぎだよー?まぁ、そういうのが美徳っていう人もいるからね。

そもそも!もとより!この世界に干渉したいと思ったのは私。
免れざる人ってわーけ、だから、説明会に参加できないのも当然じゃない?

それにね、説明会よりも、私は…
抱き寄せて動かない意識体の彼に触れてもらっている。
これだけで、十二分にここに居て良かったって、心の底から、ううん、魂の底から感じてる。

動かない愛する旦那の…温もり、たぶん、本当の温もりではない、そう感じるだけ、だけど、この温もりがある限り、私の心は折れない、前へ進む、進み続けることが出来る、そんな気がする。

会話は長引くだろうと、彼の胸板を摩ったり背中を摩ってみたり、力いっぱい抱き着いていると「そうだったのかぃ、そんな事情があったんだね」女将の声が聞こえてきたので慌ててハグを解こうとしても抱き寄せられている手の力が緩むことが無かった。
もしかしたら、勇気くんもこの話をするのに躊躇いがあったのかもしれない。
そう感じてしまう程に、抱き寄せられる力を強く感じてしまった。

「これが君たちの誤解を生んでしまった経緯さ、すまないね、妹が勘違いをさせてしまって」
見上げると照れた様な申し訳ないような表情をしている
「いいんだよ!そんなの、あたいたちも、そんな事情、鵜呑みにできねぇよ」
「はい、俄かに信じられる内容ではありません、あの夢があり、この現実があるからこそ受け止めれます」
女将と勇気くんが信頼関係を築き上げているのはわかるけど、オリンくん、おっとティーチャーくんも勇気くんと交友があったんだね。
騎士の部隊に所属してたから手ほどきとかしてたの、かな?

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