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Cadenza 花車 ⑪
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あの巨躯でありえない動きを披露してくれた彼女も着地の時は緊張した面持ちだったが、徐々に強張った表情が崩れていき
「だ、だは、だはははぁは!!」
笑顔となり笑い声が溢れ出てきている。
きっと、地に足突いて一連の流れに思考が追いついたのだろう、彼女から溢れる笑い声が徐々に大きくなり修練場を覆いつくそうとしていた。
一連の女将から想像することが出来ない動きを此方の様子が気になるのか遠巻きで見ていた多くの人達からも小さな拍手が送られてくる。
その拍手に胸を張って腕をあげて小さく応えてから、此方に向かってゆっくりと歩いていくる。
「はーびっくりしたねぇ…って落ち着けるかっての!」
心落ち着かせたってわけでもなく、未だに興奮冷めやらぬって状態で鼻の穴を大きく広げながら近づいてくる。
「はー、な、なんだいなんだい、この感覚!?あ、あたいの、体じゃねぇみてぇだよ!こぅ、終わってからよ、なんつうんだ?感じてはいたんだよ!体が軽くて調子がいいねぇってよぉ、おもっていたけど、よぉ…こ、ここまでとは、はー、思い返してみても、おどろきだねぇ…」
顔上げて自分がどの程度飛んだのか、再確認している。
天性の肉体が魔力によって極限にまで強化されると、こんなことになるんだね…
下手すると、パワータイプの人型ですら易々と力だけで潰せてしまうんじゃ?
有り得ない話だけど、ありそうな話だと自分自身でも興奮が落ち着いて行かないのを感じていると
「す、すごい音がしましたけどー!?」
遠くからメイドちゃんの叫び声が聞こえたので車椅子の向きを少しだけ変えるように動かして、声の方へと向きを変えると、荷物を持った集団が此方に向かって駆けてきてくれるので、メイドちゃんに向けて
「おかえり」
声を出してみて驚いた、平静を装うと声を出し、冷静に驚きが伝わらないように手を上げてみたけど…
ダメだった、声が震えるわ手も震えてる。
アレを見て、興奮しない方がおかしいよね?
普段冷静な私が冷静を保てれないのだと伝わってしまったのか、メイドちゃんも少々慌てた様子で
「姫様、何が起きたんですか?お声だけでなく、上げられた腕も、小さく震えていますよ?」
あの一連の流れを目の当たりにして自分が想像していたよりも上回る凄さだった。
女将の変化にやっと思考が理解した瞬間、想像してしまった。
あの力がどれ程までに敵に有効なのか、彼女が放つ一撃がどれ程までに強烈なのか…
飛び上がった高さ、彼女の動きの速さ、大雑把に彼女の身体能力がどれ程まで、向上したのか大雑把な計算が終わると、彼女の強さを更に深く実感してしまったがゆえに、彼女の強さを目の当たりにした歓びからなのか、声と手が震えてしまっていた。
自分で良く私はポーカーフェイスとか得意って言ってたけれど、女将の事になるとつい、テンションが抑えきれなくなる!!
だって、抑えきれるわけないじゃん!
メイドちゃん達が運んでくれた物を見て、わくわくが更に加速するってーの!
早く実験したい、早く彼女の力をもっと見てみたいと、テンションが上がってしまい、女将に手を振る。
「おかみー!」
本来であれば運んでくれた彼女達にお礼の言葉を言うのが礼節ってなもんだってのに、湧き上がる衝動が抑えきれない!!
「お?おう!なんだい師匠!」
メイドちゃんが近くに来たのを見てから彼女は此方に向かってくる歩みを止め遠巻きに見ていたけれど、メイドちゃんに何かを言う前に呼ばれたことに少々戸惑いながら、此方に向かってブンブンっと肩を回しながら歩いてくる女将に
「その強化された腕力、試してみたいよね!?メイドちゃんと一緒に適当な物探してきて欲しい!曲げてもよい鉄の棒、持ってきて!」
その言葉に、メイドちゃんと女将がお互いの目を合わせ
「えっと、少々お待ち下さい」「いや、あたいも一緒にいくさ!」
メイドちゃんは優雅に、女将は豪快に進行方向を変え、修練場の外へと駆け出していく
修練場に曲げても怒られない鉄の板とかあれば良かったんだけど!そういう廃材はここにはないんだよね!
メイドちゃんと一緒に私の小部屋から荷物を運んでくれた人達が駆けていくメイドちゃんを荷物を持ちながら何処に行くのかと視線を追いかけているので
「運んでくれた物は私の近くにおいてー」
荷物を運んでくれた人たちに声を掛けると此方に木箱を持ってきてくれる、けど、想定以上に木箱が多い気がする。
細身の男性が木箱を足元に置くと
「思っていた以上に物が多く遅くなりました」
額に大粒の汗を流し、遅くなったと報告してくれて思い出す。
そういえば、確かに予想よりかは遅かった。
てっきり、改造術を受けている女将よりも速くメイドちゃんがここに来るものだと思っていたけれど、物が多い?…あの小部屋ってさ、そんなに…多くの品物って無かったよね?
ってなると、小部屋以外の荷物を調達していたってことだよね、そういう指示を出すとなると団長だよね。
「何か団長から頼まれたりした?何を運んでくれたの?」
中身を確認するために口頭での説明を願うと
「はい、団長に進言して、試し切り用の丸太とか、使い古した鎧、更にはそれらを固定するための板などなどが必要かと確認してから、彼女からそういったものを運んで欲しいと頼まれまして、それで、遅くなってしまいました」
運んでいる物を聞いて、自分もそういうのが必要だと失念していたと反省してしまう。
その先を想定できていなかった抜けている自分に驚いてしまう。
そうだよね、どれ程の威力があるのか見極めるためにも的ってやつは必須じゃん
珍しく用意不足な自分を反省する。
そうだよね、ここにあるやつを勝手に許可もなく、壊しちゃだめだよね。
「な~る。そうだよね、ここにある奴で試し切りするわけにはいかないもんね」
「ここにあるやつでも練習用の木偶であれば壊しても問題は無いと思いますよ、ですよね?幾らでも壊していただいて構わない、ですよね?」
細身の男性は汗をハンカチで拭いながら後ろを振り返り一緒に運んでくれていた大柄な男性に問いを投げかけると
「何も問題ない、ここにあるのは壊れても良いモノだ、そもそも、ここにある木偶を姫様がお戯れで何度も何度も、いや、木偶以外も、ここにある物を壊したことをお忘れか?」
お忘れです!ってね、にしし。
逃げるように視線を外すと
「ここにある在庫では数が足らない恐れがありましたので、団長に申し上げ許可を得てから的になりそうなものを選別して運ぶようにしました」
ん?あ、さっきも進言したっていってよね?ってことは、団長の入れ知恵かと思ってたら違ってたのか。
「機転が利くじゃん!」
機転を聞かしてくれた細身の男性の顔を見て彼が誰なのか思い出す。
「…ん?あ、そっか君か」
運んでくれた男性、その顔に見覚えがあった、そこそこ長い付き合いの人だった。
そうだよ、研究塔とか、術式研究所とかに所属している技術班の人じゃん。
彼は、わか…いのかな?年齢忘れちゃったや…うん、きっと私よりも若いから若い事にしておこう。
若いけれども、長とは違った方向で皆をサポートしてくれているんだよね。
そうそう、そうだよ、この街に来て長い人じゃん。
「そうです、俺ですよ。薄情ですね、気が付かなかったんですか?」
ハンカチをポケットにねじ込みつつ呆れた顔をされてしまう。
「ごめんね、考え事が多くってさ」
この発言に彼は驚いたのか目を大きく開いて此方を見てくる。
何だよ、驚いた顔しやがって、私だって思考が一杯一杯になるときがあるんだってーの。
「まさか、姫様がすんなりと謝られるとは思いませんでしたよ、ふふ、言い土産話が出来ました」
土産話?君が?誰に?その僅かな情報を逃す私じゃないよ?
迂闊な一言だと理解したのか、慌てて逃げるように向きを変え離れようとしたので
茶化さないわけないよね!!
離れる前に彼の背中に問いかける
「彼女?好い人が出来たの?土産話を利かせる相手ってだーれ?」
下卑た笑みを浮かべ彼の背中に指を刺すと
「ち、違いますよ。俺と彼女じゃ身分が違い過ぎます」
慌てて此方に振り返って訂正してくる。
その姿が物語っていることに彼は気が付いていないのだろうか?
慌てて?訂正する辺り?おやや?これはこれは?にしし。
どうやって彼からその情報を抜き出してやろうかと考える前に
「我々が知らない気が付かないわけが無かろう?姫様も余り、茶化さないでやってくれ」
筋骨隆々の戦士の部、所属の人物が語りだす。
ん?どういうこと?
「ベテランの姪っ子だろう?良く二人っきりで過ごしているのを何度も目撃しているからな、それを何度も目撃した我らからすれば、お前たちはそういう関係なのだと思っているよ」
ほほぅ?これまた、私の知らない所でラブロマンスが?
研究所の人達は恋バナしたりするけど、そういえば、話題の対象は戦士の部とか騎士の部とかが多くて、研究所内での恋バナの対象になっていたのは、長が主で他は出てこなかった気がする。
「え!?そ、ぇぇ!?ち、違いますよ!俺は、そう、彼女は、大切な後輩で、そういう、のとは、違いますよ」
慌ててながらも耳を真っ赤にして?脈ありありじゃん。
「年下を好きになることを恥じるな、彼女は十二分に適齢期、いや、やや早いのか?いいや、適齢期か?まぁどちらでもいい、いいか、相手は貴族の出自だという事を忘れるな?後から後悔する前に婚姻を前提にお付き合いを申し込め。もう一度言う、貴族の出自はな、そういうのが速いんだぞ?」
自身の体験談なのか熱く背中を押そうとしている。
内容も何も間違っていない、貴族ってやつは12歳から、ううん、産まれてすぐに相手が決まっていることなんてざらだったりするもんなぁ~。
確かさ、ベテランさんとこの姪っ子ってことは、あれでしょ?
確か、研究塔にいる女の子っていうとあれか、成長が私と同じようにちょっと遅れている子でしょ?
んで、貴族ってことは、閃光姫さんとこの血筋ってことだよね?
ベテランさんは誰の子かわからない孤児だもんね。
「だ、だは、だはははぁは!!」
笑顔となり笑い声が溢れ出てきている。
きっと、地に足突いて一連の流れに思考が追いついたのだろう、彼女から溢れる笑い声が徐々に大きくなり修練場を覆いつくそうとしていた。
一連の女将から想像することが出来ない動きを此方の様子が気になるのか遠巻きで見ていた多くの人達からも小さな拍手が送られてくる。
その拍手に胸を張って腕をあげて小さく応えてから、此方に向かってゆっくりと歩いていくる。
「はーびっくりしたねぇ…って落ち着けるかっての!」
心落ち着かせたってわけでもなく、未だに興奮冷めやらぬって状態で鼻の穴を大きく広げながら近づいてくる。
「はー、な、なんだいなんだい、この感覚!?あ、あたいの、体じゃねぇみてぇだよ!こぅ、終わってからよ、なんつうんだ?感じてはいたんだよ!体が軽くて調子がいいねぇってよぉ、おもっていたけど、よぉ…こ、ここまでとは、はー、思い返してみても、おどろきだねぇ…」
顔上げて自分がどの程度飛んだのか、再確認している。
天性の肉体が魔力によって極限にまで強化されると、こんなことになるんだね…
下手すると、パワータイプの人型ですら易々と力だけで潰せてしまうんじゃ?
有り得ない話だけど、ありそうな話だと自分自身でも興奮が落ち着いて行かないのを感じていると
「す、すごい音がしましたけどー!?」
遠くからメイドちゃんの叫び声が聞こえたので車椅子の向きを少しだけ変えるように動かして、声の方へと向きを変えると、荷物を持った集団が此方に向かって駆けてきてくれるので、メイドちゃんに向けて
「おかえり」
声を出してみて驚いた、平静を装うと声を出し、冷静に驚きが伝わらないように手を上げてみたけど…
ダメだった、声が震えるわ手も震えてる。
アレを見て、興奮しない方がおかしいよね?
普段冷静な私が冷静を保てれないのだと伝わってしまったのか、メイドちゃんも少々慌てた様子で
「姫様、何が起きたんですか?お声だけでなく、上げられた腕も、小さく震えていますよ?」
あの一連の流れを目の当たりにして自分が想像していたよりも上回る凄さだった。
女将の変化にやっと思考が理解した瞬間、想像してしまった。
あの力がどれ程までに敵に有効なのか、彼女が放つ一撃がどれ程までに強烈なのか…
飛び上がった高さ、彼女の動きの速さ、大雑把に彼女の身体能力がどれ程まで、向上したのか大雑把な計算が終わると、彼女の強さを更に深く実感してしまったがゆえに、彼女の強さを目の当たりにした歓びからなのか、声と手が震えてしまっていた。
自分で良く私はポーカーフェイスとか得意って言ってたけれど、女将の事になるとつい、テンションが抑えきれなくなる!!
だって、抑えきれるわけないじゃん!
メイドちゃん達が運んでくれた物を見て、わくわくが更に加速するってーの!
早く実験したい、早く彼女の力をもっと見てみたいと、テンションが上がってしまい、女将に手を振る。
「おかみー!」
本来であれば運んでくれた彼女達にお礼の言葉を言うのが礼節ってなもんだってのに、湧き上がる衝動が抑えきれない!!
「お?おう!なんだい師匠!」
メイドちゃんが近くに来たのを見てから彼女は此方に向かってくる歩みを止め遠巻きに見ていたけれど、メイドちゃんに何かを言う前に呼ばれたことに少々戸惑いながら、此方に向かってブンブンっと肩を回しながら歩いてくる女将に
「その強化された腕力、試してみたいよね!?メイドちゃんと一緒に適当な物探してきて欲しい!曲げてもよい鉄の棒、持ってきて!」
その言葉に、メイドちゃんと女将がお互いの目を合わせ
「えっと、少々お待ち下さい」「いや、あたいも一緒にいくさ!」
メイドちゃんは優雅に、女将は豪快に進行方向を変え、修練場の外へと駆け出していく
修練場に曲げても怒られない鉄の板とかあれば良かったんだけど!そういう廃材はここにはないんだよね!
メイドちゃんと一緒に私の小部屋から荷物を運んでくれた人達が駆けていくメイドちゃんを荷物を持ちながら何処に行くのかと視線を追いかけているので
「運んでくれた物は私の近くにおいてー」
荷物を運んでくれた人たちに声を掛けると此方に木箱を持ってきてくれる、けど、想定以上に木箱が多い気がする。
細身の男性が木箱を足元に置くと
「思っていた以上に物が多く遅くなりました」
額に大粒の汗を流し、遅くなったと報告してくれて思い出す。
そういえば、確かに予想よりかは遅かった。
てっきり、改造術を受けている女将よりも速くメイドちゃんがここに来るものだと思っていたけれど、物が多い?…あの小部屋ってさ、そんなに…多くの品物って無かったよね?
ってなると、小部屋以外の荷物を調達していたってことだよね、そういう指示を出すとなると団長だよね。
「何か団長から頼まれたりした?何を運んでくれたの?」
中身を確認するために口頭での説明を願うと
「はい、団長に進言して、試し切り用の丸太とか、使い古した鎧、更にはそれらを固定するための板などなどが必要かと確認してから、彼女からそういったものを運んで欲しいと頼まれまして、それで、遅くなってしまいました」
運んでいる物を聞いて、自分もそういうのが必要だと失念していたと反省してしまう。
その先を想定できていなかった抜けている自分に驚いてしまう。
そうだよね、どれ程の威力があるのか見極めるためにも的ってやつは必須じゃん
珍しく用意不足な自分を反省する。
そうだよね、ここにあるやつを勝手に許可もなく、壊しちゃだめだよね。
「な~る。そうだよね、ここにある奴で試し切りするわけにはいかないもんね」
「ここにあるやつでも練習用の木偶であれば壊しても問題は無いと思いますよ、ですよね?幾らでも壊していただいて構わない、ですよね?」
細身の男性は汗をハンカチで拭いながら後ろを振り返り一緒に運んでくれていた大柄な男性に問いを投げかけると
「何も問題ない、ここにあるのは壊れても良いモノだ、そもそも、ここにある木偶を姫様がお戯れで何度も何度も、いや、木偶以外も、ここにある物を壊したことをお忘れか?」
お忘れです!ってね、にしし。
逃げるように視線を外すと
「ここにある在庫では数が足らない恐れがありましたので、団長に申し上げ許可を得てから的になりそうなものを選別して運ぶようにしました」
ん?あ、さっきも進言したっていってよね?ってことは、団長の入れ知恵かと思ってたら違ってたのか。
「機転が利くじゃん!」
機転を聞かしてくれた細身の男性の顔を見て彼が誰なのか思い出す。
「…ん?あ、そっか君か」
運んでくれた男性、その顔に見覚えがあった、そこそこ長い付き合いの人だった。
そうだよ、研究塔とか、術式研究所とかに所属している技術班の人じゃん。
彼は、わか…いのかな?年齢忘れちゃったや…うん、きっと私よりも若いから若い事にしておこう。
若いけれども、長とは違った方向で皆をサポートしてくれているんだよね。
そうそう、そうだよ、この街に来て長い人じゃん。
「そうです、俺ですよ。薄情ですね、気が付かなかったんですか?」
ハンカチをポケットにねじ込みつつ呆れた顔をされてしまう。
「ごめんね、考え事が多くってさ」
この発言に彼は驚いたのか目を大きく開いて此方を見てくる。
何だよ、驚いた顔しやがって、私だって思考が一杯一杯になるときがあるんだってーの。
「まさか、姫様がすんなりと謝られるとは思いませんでしたよ、ふふ、言い土産話が出来ました」
土産話?君が?誰に?その僅かな情報を逃す私じゃないよ?
迂闊な一言だと理解したのか、慌てて逃げるように向きを変え離れようとしたので
茶化さないわけないよね!!
離れる前に彼の背中に問いかける
「彼女?好い人が出来たの?土産話を利かせる相手ってだーれ?」
下卑た笑みを浮かべ彼の背中に指を刺すと
「ち、違いますよ。俺と彼女じゃ身分が違い過ぎます」
慌てて此方に振り返って訂正してくる。
その姿が物語っていることに彼は気が付いていないのだろうか?
慌てて?訂正する辺り?おやや?これはこれは?にしし。
どうやって彼からその情報を抜き出してやろうかと考える前に
「我々が知らない気が付かないわけが無かろう?姫様も余り、茶化さないでやってくれ」
筋骨隆々の戦士の部、所属の人物が語りだす。
ん?どういうこと?
「ベテランの姪っ子だろう?良く二人っきりで過ごしているのを何度も目撃しているからな、それを何度も目撃した我らからすれば、お前たちはそういう関係なのだと思っているよ」
ほほぅ?これまた、私の知らない所でラブロマンスが?
研究所の人達は恋バナしたりするけど、そういえば、話題の対象は戦士の部とか騎士の部とかが多くて、研究所内での恋バナの対象になっていたのは、長が主で他は出てこなかった気がする。
「え!?そ、ぇぇ!?ち、違いますよ!俺は、そう、彼女は、大切な後輩で、そういう、のとは、違いますよ」
慌ててながらも耳を真っ赤にして?脈ありありじゃん。
「年下を好きになることを恥じるな、彼女は十二分に適齢期、いや、やや早いのか?いいや、適齢期か?まぁどちらでもいい、いいか、相手は貴族の出自だという事を忘れるな?後から後悔する前に婚姻を前提にお付き合いを申し込め。もう一度言う、貴族の出自はな、そういうのが速いんだぞ?」
自身の体験談なのか熱く背中を押そうとしている。
内容も何も間違っていない、貴族ってやつは12歳から、ううん、産まれてすぐに相手が決まっていることなんてざらだったりするもんなぁ~。
確かさ、ベテランさんとこの姪っ子ってことは、あれでしょ?
確か、研究塔にいる女の子っていうとあれか、成長が私と同じようにちょっと遅れている子でしょ?
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