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幕間 激しい戦いの後

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人型との戦いは、いつだって壮絶で、いつだって犠牲者が出てきた。

犠牲無くして勝利がありえない、いつかはそんな現状を打破したくて、頑張ってきたけれど、まだまだ、頑張りが足らない。
次こそは必ず、達成して見せる。絶対に!

今回だって、大きな大きな被害が出た、アイツらは突然湧いてくる、せめて監視している大穴からノコノコと出てきてくれたらわかりやすくて、警戒できるのに

そうじゃない、あいつらは呼び動作も何もなく、いきなり出てくる。
他の獣達が大穴から出てくるのは何度も何度も目撃しているのに、なぜか、人型の多くが大穴から出てくるのを目撃できない、姫様の推測では私達がまだ知らない認識阻害の術式を向こうが持っていて、此方に接近するまで使用している可能性が高いという推測を出しているが、

なら、どうして、街のど真ん中でいきなり現れないのか?っという疑問も残る。

考えれば考える程、よくわからないって言う結果になる、そういう難しい事は学者先生や姫様に任せて私は、医療技術や新しい技術の確立と、後人の育成を頑張るとしましょう!

今日の予定は、三つ編みちゃんがね、医療班に入りたい!っという嘆願書を直接、頂いたの、で!
一緒に行動して医療班として、どの様に仕事をしているのかを、数日間、私と一緒に行動して見てもらって頑張れそうなのかを自身で見極めてもらって、しっかりと見学して体験してそれでもなお、この過酷な現場で働きたいのなら、付いておいでと言う形になりました。

周りからは、初手団長は良くない!持たない!主に心が!って言われたけれど、私ってそんなに、きついのかなぁ?ちょっとショック…

でも、三つ編みちゃんからね、私が良いって指名してきたんだもん、私が良いって。
だったら、ねぇ?願いは、その、ほら?聞き届けてあげないとね?やる気があるようだし。

病棟に、入っていくと三つ編みちゃんが既に待っていたようで笑顔でこっちに走ってくる
「ぉ、おはようございます!お姉様!!」…ん?私男だよ?ぁれ?説明してなかったっけ?まぁいいか、誤解はそのうち解けるさ。

「おはよう」
朝の挨拶をしながら頭を撫でてあげると嬉しそうな顔をしている、ここまでダイレクトに慕ってくれるのは嬉しいけれど、何日持つのかなー?最後まで持ってくれると嬉しいなぁ・・・

「あ!それと私の事は団長っと呼ぶように!お姉様だと、勘違いされるからね?色々と」こういうのは、早めに釘を刺さないとね、上に立つものとして規律は大事。

「ぁ、はい、わかりました団長」ちょっとしょんぼりとした表情をされてしまっても、規律は大事だからね?

三つ編みちゃんと一緒に、病棟にいる患者の回診を行っていく。
特に大きな異常もなく、順調そのものだ、No2の処置に間違い何て早々起きない、伊達に前団長じゃないし、現在の医療班を導いてきた大先輩なだけある。

No2の代わりに処置した、腕と足を繋いで鼓膜も綺麗に治した根性のある新人も、
細胞が綺麗にくっついていたし、
皮膚を張り替えた際に発生する皺もないし、
火傷の影響で出てくるシミもなく、皮
膚は非常に綺麗な仕上がりとなっているし、
頭皮からも早くも薄っすらと髪が生えようとしているのがわかる、ちゃんと毛穴に栄養が流れている証拠である。
残っていた髪の毛も全部切って坊主にするなんて女性だと中々そこまで踏ん切りがつかないのに、根性のある娘だ、騎士の部がぜひとも欲しいと言っていた気持ちがわかる、肝が据わっている。

後は~ちぎれた腕と足をくっつけた際に、極稀に発生する拒絶反応とか、神経過敏症もなさそうなので、保存液の扱いが非常に良かったのだと判断できる。
吹き飛んだ腕と足を綺麗に感染症なく、神経や血管を死滅させることなく完璧に保存されていたことになる。

技術班の技術力も向上してきているし、姫様が担当していた研究の成果がしっかりと出ている。

ただ、まぁ、腕と足が離れていた期間があるぶん、ちょっと動きにタイムラグがあったり、自分が思い描いたとおりに動いてくれていない様子なのでリハビリテーションが必要なので、三つ編みちゃんにやり方を指導しながら、この娘の友達としてリハビリテーションを担当してもらおうと思う。

お互いの生死を必死に確認していた仲だもの、もっともっと縁を深めて絆を高めてもらおう。もしかしたら、この二人が今後、この街を引っ張っていく存在になるかもしれないからね。

若さってのは無限大の可能性があるからね。

まぁ、初日だし、三つ編みちゃんの今日の仕事は、この娘のリハビリテーションを頑張ってもらって、お昼過ぎたら帰っていいからねと伝えて別行動をとることに。
一緒についてきたそうにしていたけれど、君だって体が癒え切っていないんだから、無理しないのっと頭を撫でながら伝えると頬を真っ赤に染めてはいっと小声で頷いた。

まぁ、私も体が癒え切っていないと言えば、いないから今日のお仕事は、これでお終いかなー、無理をする必要もないし、無理をしないといけない出来事もないからね。
さてっと、仮眠室にいるNo2の様子を見てから、街の方に行って~…片付けの手伝いでもしよっかなっと!

病棟にある仮眠室に行くと「・・・・んが!・・・ぁががが、、、ふごーーー」大股で隊服もがっつりとはだけて寝ている寝相が悪いNo2がまだイビキをかいて寝ている。

パンツもブラも全部見えてる…っていうか、その先まで見えちゃってるよもう…

余りの寝姿にに淑女として、どうなの?っと頭痛がする景色に頭を抱えながら、ベッドからずり落ちそうな片足を持ち上げてちゃんとベッドに戻し、はだけている下着をきっちりと正して、ずり落ちたズボンをグイイっと上げて正しい位置に戻す、開けた胸の部分も綺麗に正して、どうやって外れたのかわからないけど、前のボタンをしっかりと留めて、イビキをかかないように横向きに寝姿勢を動かして、掛け布団をかけてあげる。


・・・介護か!!もうそんなお年なの!?って脳裏が過ったが言えるわけもなく。


気持ちよさそうにイビキも収まって寝続けているので、そっとしておこうと、部屋を出ると姫様とばったり遭遇する。

あれ?敵の分析に研究塔にいると思ったんだけどな、どうしたんだろう?No2に用事とかかな?っと不思議に思っていると
「いたいた~」っと言いいながら近寄ってきて私の腕を掴んだと思ったら何処かに連れて行こうとする。

「ど、どこいくの?」スタスタと歩いていくといきなりピタッと止まって「ぁ、この後、用事あった感じだった?」振り向きながらこっちの予定を確認する

予定はないけれど、なんだろう「急患?」不安げに尋ねると
「ぁ、違う違う!培養が終わったの!」ぁ、もしかして私の皮膚!もう終わったの!?早くない!?驚いているとグッと親指を立ててサムズアップしている。

「姫が皮膚の置き換え術してくれるの?」「当り前じゃない!任せて任せて!」

姫様がしてくれるのなら安心だけど、補助は誰がするのかな?たぶん、ダイブ方式でしょ?命綱無しでもこれくらいの、簡単な内容なら姫なら補助なしでもやってのけると思うけれど、大事な大事な姫の意識が帰ってこなくなるのは避けるべき事態なんだけど

「大丈夫!全て準備できてるから!」とびっきりの笑顔を見せたと思ったら、腕を引っ張って歩き始め、更衣室に到着する。
更衣室に入ると、姫様もささっと集中治療室用の服に着替えるので、私も隊服を脱いで、下着も脱いで、術着にぱぱっと着替えて、ちゃんと隊服も洗濯籠に入れて。

術着は、術の時間ロスを防ぐために、さっと脱ぐことが出来るように簡易的に紐で前後の布を繋ぎ合わせていて、紐を引っ張ると直ぐに脱げる構造となっている。
当然、下着も脱がないといけないので、今の私が身に着けてるのは薄い布一枚だけ、、、この格好ってちょっと恥ずかしいのよね。


姫様も私も、お互いおかしいところが無いか確認して、準備万端!


更衣室から出ると、なんでか知らないけれど、No3が仁王立ちで立ってるんだけど~。
こっちをじろじろと見ないでもらってもいいかな?裸同然に近い恰好なの!!視線を上下高速に動かして隅々までみないで!視線がねちっこいの!!やだぁもうぅ…

「お願いします!僕に!僕にやらせてください!僕も治療室に入れてください!!お願いします!!」
ぇぇ~、やだよー。難しい術じゃないから君が見学する必要も無ければ、これを経験する必要ないでしょー。

「はいはい、邪魔邪魔、ってか、君はどうやって嗅ぎ付けてきたの?っていうか、君の持ち場ってさ、今日は、外じゃなかったかなー?」
あ!そうだよ!今日の君の担当は外じゃなかったかなー?なんでいるのかなー?

「代わってもらいました!!お願いします!!僕に!僕にやらせてください!お願いします!!」
腰を直角に曲げてまで頭を下げられても、本能的に嫌なんだけど、どうしようと困った顔で姫を見てるとコクリと頷き

「ダメなものはダメでーす!お姉さんたちを怒らせる前に持ち場に戻りなさい」
下げた頭の後頭部をペシペシと裏拳で叩くと、ガバっと両膝を突き、頭を地面に突き刺し
「これでもダメですかぁ!!お願いしますぅ!!」
土下座フォームで懇願してくる、折れない、なんで折れないの!?帰れよ!!何がそこまで貴方を突き動かすの!?

姫様もすっと蹲踞の姿勢にまで視線を下げ
「どうしてそこまでしたいの?やりたいの?その理由をお姉さんに教えれるの?」ポソポソっと耳元で話しかけてるけど、小声の意味、病棟は静かだから私の耳にもしっかりと届いてるんだけど?なんでちょっとほくそ笑んでるの?

…なんだろう、悪戯してるときの姫の表情なんだけど?

土下座しているNo3が、地獄の底から響いてくるような唸り声を小さく漏れるように出てくるヴヴヴヴヴっヴっと音が鳴りやんだと思ったら
ゆっくりと立ち上がると同時に「すいませんでしたーーーー!!」っと、涙を流しながら顔を真っ赤にして走っていった。
こら!ここ病棟!五月蠅くしちゃダメでしょ!後で色々とお説教だなーもう!

そんで、なんで?どうして?姫はそんなニヤニヤした顔をしているの?

「っさ!根性の無いえろがっぱがどっか行ったことだし!さぁ手早くするよー!この後、イベントが目白押しだからね!」

イベント?片付けのことかな?あとえろがっぱって何だろう?雨具のこと、とかかな?レインコートの事を合羽って言うような言わないような…?

姫はね、昔から、時折よくわからない言葉を使うけど、姫の事だから適当に音の響きがそれっぽいってだけでしゃべったりするから私を含め全員、そこまで気にはしていない。

治療室の中に入ると、あれ?なんだろう?女性が多くない?部屋の中にメイドちゃん含め、数名の見学者が見学ルームにいるのが見える。
どうしてだろう?皮膚の置き換え術っで8割を超える皮膚を交換するなんて滅多にないから、気になる人もいるのかな?
…なんでだろう?美容に関心が高いメンバーばっかりな気がするけど?

あれ?どうしてメイドちゃんが補助の意識が深部から帰ってくるための命綱係の術式の陣の中にいるの?ぇ?心得あるの?

「補助はメイドちゃんがしてくれるから!」
ぁ、ある感じなんだ、メイドちゃん凄いなぁ、何でもできるなぁ。

「恐れながら若輩者ではありますが、姫様のサポート全てが出来るように精進したいと思っておりますので、この度は大変な術式に参加させて頂きまして恐悦至極の気持ちでございます。」
ペコリとお辞儀をしてくる。
…しっかりしてる子だよねぇ、年齢もそんなにかわらないのに、何処から見つけてきたんだろう?こんなに出来た人見たことが無いよ~、やっぱり実家からの縁者とかかなー?姫様のご実家凄そうだもの。

「では、早速ですが、術式を開始するにあたって、術着を着用されますと、その」
あ、そうだよね、全身の皮膚移植なんて、衣服があるだけで色々と時間のロスに繋がっちゃうものね、長く時間をかければかける程、意識が低迷して迷走して、自我が溶け込むリスクが上がるからね…てっきり部位ごとに複数回分けて行うのかと思ったら、全部一気にやるみたい。

…しばらくはお肌がピリピリしそうだけど、姫様も忙しい人だからしょうがないよね!その後の事なんて気合で頑張る!

ムンっと気合を入れてからメイドちゃんに術着の紐を引っ張ってもらうとはらりと布が落ち、こんな焼けた皮膚を全身見せるのはちょっと抵抗があるけれど、これは医療なのだから、気にしてはダメ。

「・・・・ほぉ」
ん?メイドちゃんがちょっと頬を赤らめてこっちを見てるけど、男の人の体、見慣れてないのかな?ごめんね。こんな汚い体で…

「こっちは準備できたよ!メイドちゃんも!団長に呼吸器を装着させてね!麻酔はしなくても大丈夫、この水その物に麻酔効果のある成分を入れてあるから浸かっている間に浸透していくから」
口の中に呼吸器を装着し、寝てる間も外れないようにセッティングし、液体の中に入り、生理学的肢位で横になる、ゆっくりと、じわじわと体の感覚が鈍くなってくるのがわかる、麻酔が効いてきているのがわかる、水の中から見える揺らめく天井の明かりに意識が吸い込まれていく…

目が覚めたら、全部終わってる…後は姫に全てを信頼して託そう…ありがとうお姉ちゃん、こんな私の為に時間を割いてくれて…



…夢…うん…これは夢だってわかる…だって…この人はもういない人だから…

僕が、生まれる前に、この街で戦って戦って、戦果をあげにあげて、若い人たちを育成した偉大なる戦士・・・

ほんっとたまに、たま~に帰ってきて僕に色々と教えてくれる・・・

正直言うと筋肉がごつすぎて、抱きしめられると硬くていたかった・・・

おひげも、硬くて痛かったから頬をすりつけないでほしかった・・・


でも


暖かくて心が、満たされるから傍にいてほしかった・・・


戦いになんていかなくてほしかった・・・


お父さんがいないときはお母さんも寂しそうにしてるときがおおかった・・・


僕が、大きくなって・・・色々とあって・・・お医者さんになって・・・自分を変えたいってぼんやりと思っていた・・・・


お父さんが・・・死んだって言う報せがきた・・・遺骨だけがかえってきた・・・

あんなに気丈なお母さんが・・・あんなに感情を露わにして泣き崩れるなんて思わなかった・・・

一カ月たっても・・・二カ月たっても・・・・半年たっても・・・・お母さんの顔は曇ったまま・・・・お母さんの作るお洋服もしばらくは悲しみの色が視えていた・・・・


大切な人の死は、人生を変えてしまうほどのエネルギーがある


お爺ちゃんが、お話してくれた言葉の中にあった・・・言葉・・・ほんとうだった・・・心の力は強い・・・

その想いが…思いが…強く…強ければ強いほど……反動も強くかえってくる……


おじいちゃんがずっと僕が幼い頃から色々と教えてくれた、生きる術を、だから、おかげである程度は戦えるんだ・・・


だからこそ、大切な人を守るために、自分の命も守りなさい・・・おじいちゃんは僕が自己犠牲しやすい性格だって見抜いていたんだと思う・・・


お母さんが、元気を取り戻すのに凄く凄く時間が必要だった、そんなお母さんをこんな気持ちにさせた敵が憎かった・・・

お父さんを殺した奴が憎かった!!!殺してやりたいとおもった!!!許せないと思った!!!

僕の夢なんて捨ててもいいと思った、復讐にいきるのもいいとおもった!!!

だから、僕は女の心を捨ててでもいい、漢して生きて復讐してやると誓った。



でも、この街で過ごすうちに・・・お父さんが残したいっぱいいっぱいが、色んな思いが僕を取りもどしてくれた・・・



お父さんが育てた人達が、僕の心を救ってくれたんだよ、復讐なんてお父さんはきっと望んでいない、お父さんは僕とお母さんのしあわせだけを望んでいた

その為に、脅威となるものをお父さんは守るために戦ってたんだと・・・

みんなが教えてくれたよ、お父さんが大事に育ててきた愛弟子のみなさんから、教えてもらったよ・・・


だからね、長い事、出来なかった恋もね、この街でできたんだ!叶わない恋って、わかってる。わかってるけど、僕は、私になれたんだ…


ありがとうお父さん、僕ね!頑張ってるよ!お父さんがずっとしてきたように私も、私として頑張る。もっと自分の体を大切にして、それから

お父さんに会いに行くね、胸を張ってお父さんに抱きしめてもらえるような結果をお土産にして・・・



だから、まだ抱きしめるのは早いよお父さん・・・ありがとう・・・わざわざきてくれて・・・・まだ、遠くから見守っててね・・・バイバイ、またね・・・


お父さんの子供として娘として、まだまだ、やりきってないから・・・・いまは、お母さんのそばにいてあげて・・・



すーーっと意識が戻っていく、目を開けると、天井からは眩しい光が目に刺さる…呼吸器を外して、自然の空気を肺に取り込んでいく

体を起こして、周りを見渡すと寝かせらていたのは病室ではなく、更衣室だった、寝ているベッドもストレッチャーの上だった。
声がするので音がする方向に視線を向けると、姫様たちがキャッキャッっと女子たちと楽しそうに会話しながら着替えをしていた。
「あ、起きたの?」
視線に気が付いたのかこっちを見て笑顔でこっちに来るのは良いんだけど、普通は病室のベッドで寝かすものじゃない?なんで更衣室?

「皮膚の移植は完璧だよん!ちょっと麻酔の影響で立ちにくいかな?立てる?」
ちょっと皮膚感覚がぼやぁっとしてるけれど、立ち上がれる…うん、立てる立てる、ちょっと地面に立っている感覚が鈍いけれど立てないこともない

「んーやっぱりちょっとぽや~っとしてるね、口は動く?」
口?あ、そっか顔面も綺麗にしたんだよね
「ぁ、あー、・・・うん、ちょっと口の端がピリピリする感じがあるけど、だ、大丈夫」
大きく口を開けるのはちょっとピンっと引っ張られるような感覚があるけれど、特に問題ないかな

「やっぱりまだまだ、ふらつきもあるよね、よいっしょっと」
立っていてもユラユラと揺れている私を支えるように腰に手をまわして支えてくれる、ありがとう?支えるって事は何処かに行くの?

「まずはさ、綺麗になった体を見てよ見てよ!」
おっとっと、そんな急がなくても信頼してるよー?目に見える範囲でも手とか綺麗になってるし、術着着てるから、腕くらいしか見えないけど

大きな姿見の鏡の前に連れていかれる

「わぁ!」
顔も、火傷を負う前と遜色かわらず!綺麗になってる!ちょっと色白すぎるのは仕方がないよね、培養液で作った皮膚はどうしても日焼けしていないから肌白くなるからね。
頭皮はしょうがないよね、綺麗に坊主になってる、そのうち生えてくるでしょ!

「ありがとう姫様!すっごく綺麗になってる!」
感激で涙が溢れそう!あんな焼け爛れた皮膚がここまで綺麗にしわなく出来るなんて流石だよー!!

「サプライズはこれからだよベイビー」
そういった瞬間、術着の紐を外し、布がぱさっと床に落ち、全身が鏡に映し出される
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