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とある人物が歩んできた道 ~触れられたいおもい~

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魔力回復促進剤をどうやって飲みやすく、尚且つ、効果を落とさないで飲む方法を、食堂のおば…お姉さんと一緒に模索する!
前日の夜にお願いして、快く?手伝ってくれることになり、夜のうちに、急いで料理が得意な人たちに声をかけて協力をお願いする。
お願いした人達も快く協力してくれることになり、一日だけ食堂を任せることに!!

意外と協力してくれる人がいたお陰もあって、昨日の夜も少しだけ、話をして、翌朝から、ずっと二人で色々と試行錯誤が出来ました!

味の改良を色々と試してみてわかったのが、味を改良するのは無駄、どう足掻いても絶望的風味。
色んな手持ちの果実などで風味を変えようと努力はしました。

でも、無駄でした。

半分に薄める → 対して変わらない → 50倍くらいにものすごく薄める → これなら、味のしっかりとした果実であれば打ち消せる。

薄めないと味が変化しない、しかも、そうとう薄めないとダメ。

料理の大原則で味がきつ過ぎる物は薄めるのが基本
これ以上の味を変える場合、強烈な調味料などを混合して力業で変えることは可能、だけど下手をすると変な味になってより酷く悪化する。

なので、ここまできつ過ぎる味の時点で詰みだとおばちゃんが言う。
「濃すぎる味や臭いは基本的に、薄めてから改良するのが基本だね、だけど、滅茶苦茶薄めて、薄めて薄めても!味と臭いが残るほど強烈な物はやりようがない」だって。

何度も念を押さなくても知ってますー。だから、相談してるんだよね~…

なので、おばちゃんは違う案を二つほど提案してくれた

飲んだ後に、
口の中に残る嫌な味を打ち消す方が建設的、てことで考案されたのが、うがい用の香り付きの口を漱ぐためのお水。
胃から登ってくる消えない香りを打ち消すために胃液の分泌を促す作用のある成分が入った液体に柑橘系味と香りのするエキスを調合して飲む用の液体。

この二つを使えば飲んだ後の不快感を打ち消せ、は、しないけれど、多少はましになる、試しに飲んだ後に口を漱いで、液体を飲んだらすっきりとする。
後からあのえぐい味と香りに悩まされることはなかった!!

おばちゃんが考案した二つのレシピを量産するためにしっかりとメモを取り、保存しておく、量産する方法は研究塔のメンバーにお願いすればより効率よくロスも無くより良く改良してくれる、と思う。

今まで、このお姉さんのことを、味にうるさいくせに料理のレパートリーが少ない、ちょっとめんどくさい人だなぁって思っててすみませんでした!
やっぱり、その道を仕事にしているだけあるよ!プロってすごい!
一の策がダメなら二の策!!次に繋がるアイディアをしっかりと出してくれて非常に助かりました!
料理のおばちゃんは最高だぜぇ!!ぁ、もとい、お姉さんです。

試しに、騎士様グループのメンバー全員に魔力回復促進剤を飲んでもらってから、新しく作成した、味を打ち消す為の二種類の液体を飲んでもらう
実用に使えるのかどうか、改良点があるのかどうか、感想を貰いに行こう。

修練所に向かう為に外に出ると、今の時刻が夕刻に近いのだと気が付いた。
とても長い時間、没頭してしまっていたみたい。料理を作ってくれた人たちにも今度、何かお礼の品を用意しないとね、助けてもらったのだから感謝の気持ちを物に込めて贈るのは当然だよね~。

あの強烈な味を変えるために、ほんっと、色んな果実を煮たり、すりおろしてみたり、匂いだけを抽出したり。
研究塔にある色んな道具を駆使して(許可なく借りてきて)作成した、最高の出来!!きっと、これさえあれば!みんな気に入ってガブガブと戦場でもあれを飲んでくれること間違いなし!!

思い返してみると本当に貴重な経験をしたと思える、だってね、普段からっていうか、小さいころから料理なんてしない、だって、使用人が作ってくれるから。
だけれど!相手のことを考えて作って食べてもらうのってさ!すごくいいかも!

考えてみよ?私が作ったものってことは、私の一部ってこと!!
それを、食べるということは!私の一部を食べて騎士様が、私の一部のおかげで健やかに元気になるってことでしょ!?騎士様の細胞の一つになれるってことじゃないの!!
いかんな、想像するだけで飛んじまいそうだ。ぐへへ

きっと、おばちゃんもこんな高揚とした、この行為をしないと生まれない感情を、日々得られるからこそ、仕事を続けれるのよ!!いい仕事じゃないの!
私もこんな、新しい扉が開かれるなんて想像だにしていなかった!何事も臆せずチャレンジするのが一番っていう体験を得られたのも、ナイスな報酬かも!!

それにしても、あの液体を合計で3本も飲んだせいかなのかな?

体の芯が熱い…全身が、ぽっぽっぽっと、熱をもっちゃった感じがして、自然と手や足、額に汗が出てしまう。
これにさ、ちょっとした、興奮作用のある成分を追加すると、出来るよね?媚薬…

…もしかしなくても、あの時って物凄いチャンスだったんじゃない?チャンスって逃すと次って滅多に来ないから攻めるべきだったかな~惜しかった!!盛ればよかったなぁ!!

まぁ、逃してしまったことはしょうがない!次だってきっとある!楽観的に考えましょう!生きていればどんな状況だって覆せるさ!!
それにしても、今日はどうしてこんなにポジティブな気分なのかな~?太陽が落ちてくるこの時間ってさ、普段ならちょっとしんみりしちゃうタイミングなのに、ねぇ?
どうしてかわからないけれど、今の私の心はとっても心晴れやか!!

今ならどこにでも行ける気がする!そりゃもう大陸の端、ううん、海を渡ったさらにその先へ向こうへ思えばいけちゃうさぁ!!

そんないつもと違うテンションで修練所に行くと、予想外の光景が飛び込んできてしまう。

昨日までは、
あんなに、疲れ果てて生も根も尽き果ててそうなオーラを漂わせていた三名が驚いたことに

集中力高めに顔色も悪くなく、元気に、昨日、騎士様がしていたと思われる訓練をしているじゃない!!

みんな、集中しているようなので、邪魔をしない為に、椅子に座って持ってきた瓶たちが入った箱も近くにあるベンチの上においてっと、
ポケットの中から、魔力が見える魔道具を使って、三名がいったいどんな状況で魔力を扱えているのかチェックしよう。

三人をランク付けすると私の勝手な予想だとね、一番はあいつでしょー、二番目が坊やで、三番目が乙女ちゃんだと思う。
けれど、実際はどうなのかな~?湧き上がる好奇心、左手でレンズをもって、目の高さまで持ち上げ、魔力をレンズに流し魔道具を起動させ、魔力が見えるレンズを通して三人を覗き込む。

魔力が見えるレンズに魔力がいきわたると、白いもやっというか、湯気みたいなものが薄っすらと三人から見えてくる。
うん、三人の魔力が昨日よりも濃くて、よく見える、っていうか、あの時は完全に枯渇状態だったから、見えなかっただけかも。

さてさて、魔力の流れをチェックしてみましょう。

レンズを通して見えた世界は、驚きの連続だった。

一際、全身から出ている湯気の大きさのが一番なのは、意外と坊やだった
二番目が乙女ちゃんで、三番目が貴女なの!?なるほど、貴女もしかしなくても魔力の操作苦手なのね。

予想が外れて驚くのは当然なのだけど、魔力の流れが見えてしまったせいで気が付いてしまう。
あの巨体を動かして、尚且つ、常人ならざる力の源はてっきり魔力操作からくる身体強化を自然と使いこなしているのだと思っていたのに、敵の首を圧し折ったり、あのバカでかい斧とハンマーがくっ付いてて騎士様でも気軽に扱えないような重量級の武器。
当然、貴女以外は誰も扱いきれないので、実質的に、貴女専用武器になっていて、常人では振り回せないような得物を魔力の補助なしで、自分に宿る筋肉のみでぶんぶんと振り回して、自分の指先を動かすように気軽に軽やかに扱っていたのね~、はぁ~、凄すぎ。人間やめてない?人間じゃないでしょ貴女…

放出している魔力量が多い順番はわかったけれど、放出した魔力を操る技術は誰が一番長けているのかな?
レンズを通して見える放出された湯気のような魔力がどのような動きをしているのか見てみると、誰が一番なのか一目瞭然だった。

ま~そりゃそうよね、
一番下手糞なのは貴女よね~苦悶の表情で四苦八苦しているのが伝わってきているし、手のひらの上に小さな小さなちょっと濃い目の湯気が集まっているだけだもの。

乙女ちゃんのは、湯気の濃さが全体的に均一で、手のひらにしっかりと集まってきているのがわかる。
洗練された動きだと見て取れる、けど、坊やには負けていると思ってしまう。

だって、レンズを通してみると、坊やが凄いのがすぐにわかる。
全身から出ている湯気の濃さが三人の中で一番濃いし、手のひらに集まっていく湯気の濃さが一番濃い、それだけじゃなく、形も、球体にもしっかりと出来ている。
騎士様と同じくらいの濃さで尚且つ、綺麗な球体を維持してるってことは

全てにおいて坊やが一番なのかな?

レンズを見ながら三人の動きをじっくりと観察していると
「それなんですか?」声の方向に視線をむけ、って、騎士様の顔が!?ちか、近い!?私の頬が左側の頬が騎士様の頬に、当たりそう!?
急な接近もあって、心臓がバクバクと高鳴っていく、きっと耳まで赤くなっているだろう。
けれど、恥ずかしがっちゃうと騎士様が離れてしまうので!平常心を保つ!!鼻息は荒くならないように気を付けて!!

「魔力が視認できる魔道具です」
騎士様がレンズを覗き込みやすくするためにレンズを持っていた左手から、レンズを右手に持ち替えて、右腕を左側にいる騎士様に近づけるよう動かす。
こうすることによって!騎士様とより密着できるようになるのよ!

周りの目が無かったらな~、腕とか組んじゃいたいけど、ここでは出来ない!!
これが、たぶんだけど、不自然に思われない限界点!これ以上は、噂されちゃうのでこれが!精一杯!!
嗚呼、騎士様から漂う雄の薫りに眩暈がしちゃうぅぅ、ばれない程度に鼻が膨れないように鼻息が荒くならないように!ばれないように!
気を付けながら隣から脳が焼かれそうな程の狂おしいほど。

ううん、狂ってしまいそうなグッドスメルを堪能しよう。ぐぇへへ

私の手に持っているレンズを覗くために騎士様の体と私の体がぴったりとくっ付いている。
驚くほどの近距離なのに、騎士様は臆せずに冷静にレンズを覗き込んでいる。
嗚呼、どうして貴方は誰かのものになってしまったの?どうして、貴方は由緒ある貴族なのに、平民で、しかも、一夫多妻を否定する人を愛してしまったの?

あの人を愛さなければ、きっと、私にも、もっともっとチャンスがあったんじゃないかって考えてしまう。
始祖様の伝説が、この大陸で生きるものであれば誰しもが知っているのに、それを否定する考えは良くないと思います!

強き絶対的な雄の遺伝子は数多く残す!どうして、この想いや、考えが理解できないのかしら?

真剣な表情でレンズを覗き込み、レンズの角度を変えるために、私の腕を優しくつかんで私の腕ごとレンズを動かす。
私の腕からレンズを受け取って自分で魔道具を発動させればいいのに、それをしないってことは、その真意は
私とくっついていたいってイチャイチャしたいってラブラブしたいってことでいいですよねぇ?今夜、愛にいってもいいですかぁ?

「これ凄い魔道具ですね、こんなにもはっきりと魔力が見えるなんて、一つだけしかないのですか?」
驚いた表情でずっとレンズの先を見ながら話しかけてくる、荒げた声を出すたびに私の腕に貴方様の吐息があたるぅ…
「これが一つだけなのか、もしくは、作れるのか今度、聞いてみますね」
私からすごいビートが発生している心臓の高鳴りが悟られないように、平静を装いながら話し続ける。
ここが、この空間が密室で二人っきりだったら!装わずに甘く語り掛けれるのに!!!チャンスの様でチャンスじゃないこのもどかしさ!!焦らしプレイみたいで、たまらん!!ハァハァ・・・ぐぇへへ・・・

騎士様は、この魔道具の有用性や、使い道等が思い浮かんでいるのか、その内容に興奮が高まっており、いつもだったらもう少し冷静に受け止めて紳士的に会話するのに、興奮が抑えきれていないご様子で、荒々しい吐息と共に声を荒げている。
「ぜひお願いします!これは、素晴らしい!!手元に複数個欲しいですよ!!」

興奮が言葉だけじゃなく、騎士様の腕からも伝わってくるの、だって、レンズを持っている私の腕を力強く握ってくる、嗚呼、触れられるだけで悦んじゃう・・・


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