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Dead End ■■■■■儀式 D●y ●日目 (2)

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帰り道はゆっくりと、歩いていると自然と心が学生の頃のような気分になってしまう。


昔から変わらない街並みに、自然と愛する騎士様の事を思い出す。
あの頃は草葉の物陰から眺めていただけだったわね、文武両道で、どんな人にも分け隔てなく接していて輝く笑顔、それだけじゃない、彼の周りだけは色が見えた。
彼の周りだけが別世界のように感じられた、あの頃からも今も、特別な人、勇気を出して学生のころから彼に声を掛けていれば、もしかしたら、私は彼と共に青春を謳歌できたのかもしれないわね。

一緒に、体力測定をしたり、学業の一環としてお互い近くの席で勉学を共にしたり、魔力測定の実験につきあって…

思い出の中に、気になることを思い出す。

そういえば、学生の頃に色々と測定したわね…そういえば、魔力測定器って、確か、王都に存在しているわよね?あれから何年も経っているので未だにあるのかは確証がないけれど、貴重な魔道具だから保管されている筈よね?

あるとすれば、王族直轄の研究所に保管されているのが一番可能性が高いわよね?
…どんなものなのか構造を見せてもらいたいけれど、コネクションが無い…いやあるわね、あるじゃない、奥様が確か、そちらに縁があるの、よね?

記憶の片隅にそのようなことを話したような気がする。せっかく王都に居るのだから、空いた時間にでも見学とか出来ないかしら?

…あ~しまったな~手紙にその事をお願いすればよかった、失敗したなぁ。

今から手紙を書いても行商の人が出発する時間には間に合いそうもない。
まぁ、焦ることもないわよね?ないよね?後々、街に帰ってから奥様にお願いして快く承諾していただけたら、一緒に王都観光よろしく、王都管轄の研究所を見せてもらいましょう。
その流れで、魔力を測定する魔道具を見せて貰ったらいいわよね?
…門外不出の貴重な魔道具なので関係者以外はお断り、として断られる可能性も考えて、自分達で開発する方針も固めておかないといけないわね。

そんな事を考えながら、ノンビリと玄関口から王都の中央に真っすぐ伸びている馬車も通れる大きな道を学生だった頃の気分を感じながら歩いていくのだけれど、正直に言うと、学生の頃って、ここの通りに来ることがあまりなかったのよね。どうして、若い頃はここを良く通ったのだと感じたのかしら?まったく通ったことが無いわけじゃないから、偶々、そんな気分になったのかしら?不思議な感じね。

だって、私が学生の頃っていい思い出が無さ過ぎるもの、騎士様のこと以外はあまり思い出したくない日々だったのよね…
騎士様という目標が出来るまでは、その辺に転がっている石ころと同じ、何処にでもあって誰からも必要されない特別でもない居ても居なくても何も変わらない存在として日々を過ごしていたわね。


空を見上げると曇り空になってきている、なので、太陽がどのあたりにあるのかわからない。凡その時刻はわからないけれど、そろそろ、司祭様も起き出す頃合いの、ちょうど良い時間じゃないかしら?
だって、歩いている通路に人が少しずつ増えてきているもの、王都の皆が目を覚まして、日々の仕事が始まっている様子だもの。
通路沿いにあるお店、そこから少しだけ視線を動かして店の前に置かれている看板、その脇を見ると、路地裏に人影が見える、何かを引きずっている様な姿が一瞬見えたので、店主も起きて仕事をし始めているのだろう。その証拠にお店のドアが開かれて箒片手に店の店主が欠伸をしながらお店の前を掃除しようと出てきたじゃない。

なら、路地裏の人影は誰よ?…気のせい?人がいたような気がしたけれど、奥様とか?うん、そうかもしれないわね。おおきなものをひきずっていたようなきがしたけれどきのせいよね…ちいさなみみなりがする

耳鳴りの影響で頭がぼんやりとする、思考が正常に働かない様な不思議な感覚を抱きながら教会に”帰る”と、周りを掃除する人がいることに驚いた、シスター以外にも掃除とかしてくれる敬虔な信徒がいらっしゃることに。

私個人で言えば、教会に対して敬虔なる信徒のように絶対的な信頼は得ていない、教えは貴族の嗜みとして知っているし、教会を悪く言うようなことは絶対にしてはいけない、邪教と見なされる危険性があるから。

その為、表立って教えの中に疑問に感じる部分を否定するわけにはいかない。

教えの中に感じた疑問、何とも言えない善の部分ばっかりだけで今となっては偽善のように感じてしまう。
幼きころは、その教えが世界を支えこの世は善に満ちているのだと惹かれるものがあった、だけれど、あの街で過ごす様になると、王都の人達は教会の話題を出す割に、教えに背いている様な気がしてしまう、その影響もあって教会とは?教えとは?って、感じるようになってしまった。

成長するにつれて、幼き日に聞かされた童話が、実話であり、知ってはいけない切り捨てられた黒い部分などを知ってしまったから、落胆したのかしら?

まぁ、それは私一個人の感情や想いであって、目の前で一心不乱に掃除をしている人達には関係のない話よね、信じて救われることもある、それを無暗に否定して感情を乱すようなことをするのは、何の恨みがあるのかってことよね、偽善でも善は善よ、悪ではないわ。断罪するような非道をするのは違うわね。

それに、教会の周りが綺麗になるのは私としても嬉しい気持ちになるものね、ここは、わたしのいえ、だから…

そうと決まれば腕をまくってやる気を出す、教会周辺を掃除している人達に声を掛けて一緒に掃除をしながら世間話をする。

昨日の負傷者を寝かしていたエリアも綺麗に掃除されていて昨日の悲惨な状況が嘘みたいに綺麗になっている。

掃除をしてくれている人達の話では
昨日の惨状を目の当たりにして同じ王都に住む仲間として何かできることは無いかと、普段から一緒に祈りを捧げている人達と相談したりはしていたけれど、何をしたらいいのかわからないし、現場に近づくのも憚れるくらい緊迫した状況で遠巻きに見る事しか出来なかった。

そんな見守ることしかできない時に背の高いシスターが出てくると緊迫した現場が一気に状況が変化した。
何をすればいいのか迷いをもって救いの手を差し伸べようとしていたシスター達の動きから迷いが消えて、不安そうな表情が消え、明日を見る真剣な眼差しに変わり、自信に満ち溢れて救いの手を差し伸べて始めた。
その様子を遠巻きで見たいた私達も安心してみることが出来た。
そんな時に突如、シスター達が教会の広場から外に向かって駆けだしたのを見て、何かあったのかと心配になり、私達も一緒に付いて行くと病院に到着して何か声を掛けているのが見えたので、近くに駆け寄って病院の先生に幾ばくかの寄付金を渡して、シスター達が必要としていた物を援助してもらったと、私の知らないことの顛末を教えてくれた。

事の顛末を知ったことによって安心したような、だけれど、何処か心の端っこの方で、ちょっと悲しくなってしまったような気分になる。

教会の周辺を掃除をしながら出てくる話題はもっぱら、王都の急激な変化についてが殆どだった、至極当然よね、奥様達の話題となればって感じよね。
私もそこまで王族について詳しくはないのよね、ごく普通の貴族が知っている様な内容しか知らないのよね。
先代の王、いえ、失礼よね、まだ退位していないから、現王であるモネ様が突如、今までは違った方法で次の王を決めると宣言をして、突如、開始された次代の王を決める選挙戦。
その影響が与えた影響は数多くあるみたいで、王都では今まで感じたことのない混乱が続いていて、平民の奥様達からすれば不安で不穏な日々で心穏やかに過ごせれていないのね。
奥様達の話題にも挙がっているモネ国王はどんな人なのかっていう話題があったのだけれど、正直な話、私のような側室の娘ではパレードや式典の時に遠目で見る事しか叶わないので、顔とかはっきりと思い出せないし、何をしたのか、何を成さったのかも知らないのよね、当然、この場に居る奥様達の殆どが声すら聞いたことがでしょうね。
そりゃ、王様の意図なんてわかるわけないわよね~表舞台に全然出てこないし、何をしたのかもわからないし、即位した時のパレードを当時、何処かで見た程度じゃ何もわからないのと一緒よね。

それにしても、どうして、従来の方法を改めて違うことをしようとしたのかしら?
王族が何をしているのか何も知らない民衆の総意の下で次の王を決めるだなんて、何を考えているのかしら?王都に住む人たちが不安になるだけじゃないのかしら?
どの様なお考えよってその答えに辿り着いたのか、私の様な貴族の端も端では、意図を掴むことなんて出来るわけが無いわね。

王族批判という考えになってしまうけれども、此度の騒動に関しては浅慮すぎないかしら?
少しでも、思慮を巡らせれば昨日のような惨状が起こりえるのだと考えるべきじゃないかしら?そんな考えにすら到達しない程、王は民衆の事を理解していないのかしら?候補者たちの事を理解していないのかしら?
貧困エリアに住む人たちだって、この国に住む民なのだから、当然、投票権はある、はず、詳しく内容を知らないので確証はないけれど、もし彼らも数に含まれるのであれば、彼らを含めた数だけで言えば、平民と貧困エリアに住む人達の方が貴族や王族よりも多い。
次の王候補である王族の中に貴族だけしか票を得られない様な人物が自分が有利になる方法として実行してはいけないけれども、短絡的な考えで非道な道を歩めれる人であれば、貧困エリアにいる人達を殺したり危害を加えて、投票させない道を選び、次の王になるのに手を弛めず手段を択ばず…
今の王が、自分たちの身内が、その道にを選ぶはずがないとか盲目的に信じていたとか?身内の狂気に気が付かい程、愚王、これは流石に言い過ぎね、だけれど、ここまでの浅慮な考えを抱く人だとはね、嗚呼、だからこそ、次の王は自分よりも優秀な人をってことかしら?考えが至らない自分が選ぶ次の王もまた、愚者となる。
それを避ける為かしら?

或いは、もしくは、頭が良すぎるが故にこの結果を望んでいた?…それを願っていた?増えすぎた、救えぬ民をこの世から解き放つためだったとしたら?自分の代では出来なかった負の遺産を消してもらう為だったとか?自分の手を血で染めないために?

っふ、考え過ぎね、私のような知恵無き者であり、王族が何たるかもわからぬ下民だもの、私達とは済む世界が異なる王族の考えてなんてね、わかるわけがないじゃない、考えるだけ無駄ってやつね。知りたいとも思わないし、どうでもいいか。どうでも、きょうかいのことをおざなりにしたつみはきえないし、あのことをわすれてやるわけにはいかないのよ…あの事って何だったかしら?頭痛がする、これ以上は思い出してはいけない気がする。
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