最前線

TF

文字の大きさ
230 / 657

とある人物達が歩んできた道 ~ 6年後 ~ ②

しおりを挟む

当然のように貴族の間でも、ある人物がこの街の特権階級である姫様の右腕という立場に上り詰めたっていう話題になっているみたいで…お父様も、それを知った瞬間に手のひらを返したように私の事を社交界や、貴族会、自分の派閥で自慢しまくってるせいで王都に帰れないのよ!!迂闊に顔を出せば縁談ラッシュ間違いなし!!もう、いい年だから、結婚なんて諦めてるわよ!
…結婚を諦めているせいか、女としてもうどうでもよくなってしまったのか、困ったことに、普通に下ネタが、下ネタが!ぽろっと口から零れ出るように出ちゃうときがあるのよ、ぁ、しまったって思う前にでちゃうのよ…それを聞いてしまった若い子達が残念そうな表情をこっちに向けてきちゃうのよね…
いい立場の大人が下ネタをさらっと言うなんてね、綺麗に取り繕っているのにこの人ってそういう人なんだと、幻滅されちゃってるのよねー…
これじゃ、王都にいらっしゃる井戸端会議をしている奥様達と何も変わらないわね。一度、耳を澄まして聞いたことがあるけれど会話内容が余りにもピンクすぎて、衝撃的過ぎて赤面してその場から駆け出す様に離れたのを未だに忘れることが出来ず覚えているのよ。初心な時代が私にもあったのよね…

肩書が大層になっただけじゃないわよ?
当然、右大臣なんて大層な名前を貰ってしまったからには、仕事の量が…仕事の量が…増え続ける一方!私にもメイドを寄こせ!って言いたくなる…ぁ、絶賛募集中よ?一人くらい破格の値段で雇えるわよ?王都の求人所でも掲載してもらっているわよ?でもね、誰も志願してこないだけよ?

そうね、いい機会だし、冷静に6年前のあの頃と具体的な仕事量を比べてみてもいいわね…
うん、あり得ない程に、莫大に増えて、増え続けているわね…

あのころと比べて仕事としての比重を軽く比較してみる

医療班の仕事は…実質、減ったわね。
現場に出る回数が減っているもの。それどころじゃないから無理を言って減らしてもらってるのよね。団長失格よ。
でも、薬の開発に毒の考案、敵の毒の分析から対処方法の確立、昨今敵が使ってくる様々な攻撃に合わせたそれらを打ち消す為に日夜、研究し開発しているレジスト薬の開発改良、それらの開発責任者なのは変わらず。
浸透水式の技術指導も変わらずしているわね…誰も会得できてないけれど、困ったものね。

研究塔での仕事は…実質、減ったわね。
個人的な研究も殆ど…うん、もう殆ど手放しちゃったようなものだし、っていうか、姫ちゃんに頼めばすぐ終わらされそうな気がするっていうかもう終わってる気がする。
後は、私がしてきた一部の人から見ると非人道的な行為に当たる人工授精の技術を研究していたってのをバレない様にするくらいかしら?
研究塔で昔みたいに、本を開いて、周りと相談して、研究していたあの日々はもう、殆ど無いのよね…
薬の研究とか、新しい敵から採取した新成分とかの話し合いはしているけどね。

仕事が純粋に増えたのが…
未来姫ちゃんが用意して欲しいと残していった魔道具の開発、薬の調合、それらの資材の確保、生産ラインの確認などなどなどなどなど!!!



ぱんくすんぜんよ…


思い返してみると、大して変化してないどころか、新しい仕事が次々と増えていないかしら?昔みたいに丸一日、ゆっくりと出来る日がないのよ!
寝る時間も平均3時間か5時間くらいじゃない?体力には自信があったけれど、ちょ~っと頭が付いてこれていない気がするわね…

姫ちゃんも姫ちゃんで忙しさが倍増していっているのよね。
この数年での大活躍大躍進によって、世間一般どころじゃない程に各方面に名前が轟きすぎたのよ…人の口に窓は付けれない、噂は広まる一方。
広まり続けた結果、新しい取引相手として海を越えた他の大地にまで発展して取引先が増えてきてるみたい。
当然、海を渡っての取引だもの、凄い金閣の取引になるのは必定よね?その収益が一介の個人で抱えていい規模じゃなくなってきてるのよ、国家予算規模を超えるほどに、膨らんでる…日々、姫ちゃんの懐は凄いことになってるのよね。

帳簿整理している姫ちゃんに久々に見せてもらった帳簿が見たこともないとんでもない数字だったわね…これ程の取引をしているのだと、なるべく他の人達に知られないようにしないといけないわね。貯金もついでに見せてもらったけれど、王都全ての人を養えれるわよね?たぶんだけどね…

見たことのない規模の金額…お金って言うのは人を惑わし狂わせるものだから、そう言ったものに執着せず固執せず盲目的にならないっていう肝心の部分を考慮すれば、どう考えても私が管理する方がベストってわけよね…
そうね、今、この立場に誰か成りたいのだと会議すれば確実に目の色が完全に金色になっている奴が割り込んでくるでしょうね…
幸いにも昔の会議で決まったのが未だに変わることなく私がその立場に居続けているっていうのが、功を奏したと考えても良いのかもしれないけれど…疲れるのよね、色々と
…ううん、姫ちゃんの事を考えれば、想えば、それでよかったと思うわね。うんうん、あの子を守ってあげないと、このお金を見てしまったら、俗物的な考えを根強く持っている貴族出身の人が管理する立場に成った瞬間…考えたくないわね。

これ程の規模に膨らむなんて思っても居なかった、こうなる前に早々に銀行が誕生したことに大きく助けられていると心の底から痛感しちゃっている、前々から助かっていると感じていたけれども、それ以上よ。
このシステムが本当に画期的でどうして誰もやらなかったのかって思うけれど、システムを構築する術が無かったのだから致し方ないのでしょうね。

姫ちゃんが稼いでくる金貨を永遠と保管&管理しなくても良くなったことが、本当によかったと心の底から安堵できる。過去に保管していた金貨とはもう、桁が違いすぎる、帳簿にある金貨をこの部屋に押し込んだら床抜けるわよ

枚数を数えなくてもいいから、管理もしやすいし、銀行には専属の人が責任をもって運用もしているし、地方領主ともしっかりと提携出来ているから、仕事が無い地方領主も責任感と共にしっかりと職務を全うしているからお金の流れもわかりやすいみたいね。

国家規模のお金のやり取りをするうえで、大量の金貨を持ち運ばなくても良いというのも大事なのよね。他国には無いシステムでも近くの地方領主に金貨を代替えしてもらって後で補填すればいいだけだし、一度に全部運ばなくてもいいのよね、少しずつ相手に渡せばいいみたいだしね。姫ちゃんに聞いたら他国の通貨もしっかりと保管しているみたいで、相手に合わせて使用しているけれど、取引場所である海が近い領主に預かってもらってたりと取引をスムーズにするためにも色々と尽力を尽くしているみたい。

画期的な取引手段を作り出してくれていなかったら、お金を運ぶだけで常時専属の人が、何名常設しておかないといけないんだって話よね…
一応、地方とかにお金を動かすときは騎士団に相談して手伝ってもらってたりするみたいね、そういう時に頼りになるのがお義父様ってことね
引退されてから暇そうにしている時があるみたいで、対価を渡して手伝ってもらってたりするみたい。あの元王都最強の騎士にお仕事を依頼するって普通に考えたら出来ないわよね。

当然、数多くの取引先が居るのだから、取引の際に必ず発生する取引に使用した金額を正確に把握するための帳簿記入という名の終わらない計算地獄が残っていたら、私の人生が計算だけで終わらせるところだったわ…

それにね、銀行があるから助かっているだけじゃないのよね、今はね、そういった事務的なことには殆ど関わっていないのよ。
ある小娘が私の代わりとなって頑張ってくれてるからね。煩わしい計算からほぼ完全に開放されたのよ!それ以外の仕事が爆増しているのは目を瞑りたくなるけどね…

その小娘がねー、ただねー、そのねー?個人的な部分でね?…小娘がねー?ちょーっと私に対して反抗的で何を考えてるのかわかりづらいのよ!
出自も不安要素だらけで、年齢も確実に詐称している人をメイドとして雇っているのだけれど~…
問題点が数多くある!けれど!優秀だから、目を瞑っている!優秀だからこそ、他にこの人材をとられたくないって部分が厄介なのよ、多少の問題行動くらいじゃ迂闊に首にも出来ない…

優秀だけれど、問題要素と不安要素が上回れって不穏分子となるのであれば!…そりゃ、姫ちゃんの身を案じたら首にするわよ?

でもね、出自が不安要素だからと言って彼女を見つけてきた人物が保証してくれているというか…そういったしがらみがねあるのよ、その、紹介してくれたのが、そう、宰相兼外交官が見つけてくれた人材だから、そういった部分でも迂闊に首にできないのよね~。

あいつはさー、優秀じゃなかったら直ぐに返してくれてもいいって言っていたけれどさー…困ったことに優秀なのよ~、誰よりも事務能力にサポート能力、諜報員としての技も冴えわたっているから、手放せないのよね!
…何かしでかしたら即叩き返す予定だったけれども、今のところ問題がないわね。私と姫ちゃんの目を盗んで悪さを出来るとは思えないもの。
どうしてか、理由を知らないけれど…私に対してちょーっと棘があるのよね!節々でイラっとさせられるのよね!あの小娘!!いつかわからしたる!

…決してね?私個人の感情ではなく明確な敵意があると思うのよ?私、何かしたかしら?
愛する娘との距離を開かせたきっかけだからって、あの小娘をいじめたりして…無いわよ?
ちゃぁ~んと、丁寧に受け入れたわよ?…受け入れたわよね?いびってないわよね?

思い返してみるが、普通に接しているはずよね?出自の関係で私が知らないだけで、向こうの風習では良くない対応をとってしまったのだったら、何処かでお詫びをしないといけないわね?…うーん、かといってあの小娘と二人っきりで腹を割って会話なんてしたくないのよね…どうしてかしら?

あの小娘が来ると決まったから姫ちゃんと私、違う部屋に住むようにしたのよね…メイドが頻繁に部屋に訪れるってことで、何時までも一緒に居るのもおかしいってことでね。
まぁ、建物が一緒だから直ぐ近くにいるんだけど…それでも、もう、一緒のベッドで寝ることも。寝ることも?…毎日じゃないけれど、確実に減ったわね。

普通に考えれば、親子ってのはいつかこういう日が来るものだと思っていたわよ?
その、来るべき時がきちゃったかなってくらいだから、寂しいのは寂しいけれど仕方が無いわよね?
あの子だって何時までもお母さんと同じ部屋だったら、好きな男性が出来た時に部屋につれてこれないものね…
だって、あの子が来てから、この街に来てから…6年?7年になるのかしら?

あの子はもう18歳?17歳?になるのよね、私達の常識で考えれば少し行き遅れってくらいの年齢に足を踏み込んでしまっているのよね…私の年齢?ははは、きくな、ははは

ほんっと、驚きよね~…年齢について話題に出た時に、私とは違う方向であの子も驚いていたわよ。
あの子の一族の事を考えれば、自分がここ迄、長生きできるなんて思ってもいなかったみたいで、感慨深く喜んでいたもの。今も五体満足で動けていることに感謝していたわね。

もしかしたら、力に目覚めた一族の中で、最も永く生きれているかもしれないってね。

それにね、時の流れ何年も経過したのだから、当然、見た目も女性らしく少しずつ成長している…成長しているけれども、封印術式の影響で身長が伸びてこないのよね、だって未だに見た目が13歳くらいだもの…いや、14歳かな?ってくらい。
あと、気持ち程度だけれど、女性らしく育ってきているのよね、臀部も乳房も控えめとはいえ、女性らしく成長してきてはいるのよね~。

あれくらいならごく普通に男性が反応してもおかしくない段階なのよね。特殊な性癖を持った若い子にしか反応しない人以外もね、女性なのだと認識してもおかしくなくは、ない。

だけれど、初めてお会いする人に、年齢を言うと驚かれてしまうのは仕方が無い事よ、見た目と年齢がかなり乖離してきちゃったのよね…
変な部分で勘ぐられたり、相手を怖がらせないためにね、姫ちゃんにはちょっとしたアイテムがあるのよ、相手を納得させる材料として、とある人物の写真をあの子持ち歩いているのよね~…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

精霊王の愛し子

百合咲 桜凜
ファンタジー
家族からいないものとして扱われてきたリト。 魔法騎士団の副団長となりやっと居場所ができたと思ったら… この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。

【完結】温かい食事

ここ
ファンタジー
ミリュオには大切な弟妹が3人いる。親はいない。どこかに消えてしまった。 8歳のミリュオは一生懸命、3人を育てようとするが。

こうしてある日、村は滅んだ

東稔 雨紗霧
ファンタジー
地図の上からある村が一夜にして滅んだ。 これは如何にして村が滅ぶに至ったのかを語る話だ。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

異世界ラーメン屋台~俺が作るラーメンを食べるとバフがかかるらしい~

橘まさと
ファンタジー
脱サラしてラーメンのキッチンカーをはじめたアラフォー、平和島剛士は夜の営業先に向けて移動していると霧につつまれて気づけばダンジョンの中に辿りついていた。 最下層攻略を目指していた女性だらけのAランク冒険者パーティ『夜鴉』にラーメンを奢る。 ラーメンを食べた夜鴉のメンバー達はいつも以上の力を発揮して、ダンジョンの最下層を攻略することができた。 このことが噂になり、異世界で空前絶後のラーメンブームが巻き起こるのだった。

私は逃げ出すことにした

頭フェアリータイプ
ファンタジー
天涯孤独の身の上の少女は嫌いな男から逃げ出した。

悲恋小説のヒロインに転生した。やってらんない!

よもぎ
ファンタジー
悲恋ものネット小説のヒロインに転生したフランシーヌはやってらんねー!と原作を破壊することにした。

置き去りにされた聖女様

青の雀
恋愛
置き去り作品第5弾 孤児のミカエルは、教会に下男として雇われているうちに、子供のいない公爵夫妻に引き取られてしまう 公爵がミカエルの美しい姿に心を奪われ、ミカエルなら良き婿殿を迎えることができるかもしれないという一縷の望みを託したからだ ある日、お屋敷見物をしているとき、公爵夫人と庭師が乳くりあっているところに偶然、通りがかってしまう ミカエルは、二人に気づかなかったが、二人は違う!見られたと勘違いしてしまい、ミカエルを連れ去り、どこかの廃屋に置き去りにする 最近、体調が悪くて、インフルの予防注射もまだ予約だけで…… それで昔、書いた作品を手直しして、短編を書いています。

処理中です...