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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (67)

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「姫様!こちらを!」
小瓶を取り出してくれるので、受け取り飲み干していく…っぐぅ、美味しくない。

筋肉や体力を回復させるために用意させた噛む必要のない効率だけを求めて作った味の調整が出来ない困った経口摂取型の栄養剤…別名、丸薬液体ヴァージョン…

栄養剤を飲み干し、筋肉が再生されるのを待ちながら、敵がどんな魔道具を持って来たのか…探ろうと目や耳に神経と魔力を集中させているんだけど…何もない?
爆発する事も無い、風が叫ぶ音も無い、水が弾ける様子も無い、火が天へと向かう事も無い?周囲の気温が変化する様子も無い…
戦士達が戦う隙間から覗いて見えたのが杖の様な魔道具…何かを発生させる魔道具、攻撃用の魔道具…いや違う?杖、じゃない?穴が無数に開いている筒状のもの…近い構造で言えば笛…かな?

その笛のような杖のような筒状のものをぶんぶん振り回しながら打撃用の武器として戦士達に殴りかかっている、その最中、時折地面に杖の先端を突き刺している?なぜ?…
笛と似たような構造、楽器?だとすれば…聴覚を更に強化!蝙蝠などが用いる超音波による催眠系統の音波攻撃の可能性を探る!

…違う、音は空中に広がっていない?
…なら、突き刺したときに音を地面に向けて解き放っている可能性は?
…狙いすましたかのようなワームの出現、タイミングも完璧だった…

脳裏に浮かびあがる敵が持つ魔道具の答え

嫌な予感が確信だと確かめる為に、地面に手を触れて振動を…検知!!!
地中に何かが起きている!地中の状況を把握するためにソナーを打つ…複数の反応あり!?

「やられた!そういうことか!!」
敵の魔道具は位置を知らせたり、指示を出す魔道具!!
地中に向けて振動を発生させてワームに的確な指示や情報を渡している可能性がある!!

アレがある限り、私は前に出れない!ワーム共が無限に湧いて出てくる!!!
壊さないといけない!攻撃系統の魔道具じゃないのであれば防御に徹してはいけない!
「虫呼びの魔道具!出来る限り早急に敵の魔道具を壊して!!壊せなくても筒の先端を地面につけさせないで!!徹底的に攻撃!!」
気付きを伝える為に、音声を増大させ魔道具持ちと闘っている戦士や騎士達に知らせると武器を叩いて合図を返してくれる。

これで、無限にワームが襲い掛かってくることは無い!
敵の魔道具によって誘導されて湧いて出てくるワームを駆除しきるまでは皆を守らないと!!

先ほどの敵の動きによって、ここにワーム共が湧き出てくるのは確実!
ソナーでも此方に向かってきているのを確認できている!
迎え撃つ為に大急ぎで準備をしないと!!

「要警戒!ワームが来るよ!!後方支援部隊は私達から離れないで!」
後方支援部隊がワームから逃げる為にセーフティエリアに向かって逃げない様に声を掛ける。
今ここで距離を取られる方が守れない!

危険な戦場になると判断し離れた方が良いかと動こうとした後方支援部隊の足が止まり、涙目で此方を見ている。わかってる!心配そうな顔をしないで!守るから!!

彼らにとってワームですら脅威の存在、目の前に先ほどのようないつ死んでもおかしくない状況がまた来るなんて怖いよね…
「俺達に出来ることはありますか!守られるばかりじゃない!!」
虚勢を張る様に声が震えている、視線を向けると、目の奥に灯る、闘うという灯は消えていない。

彼らが動こうとした意図を知る。私の勘違いだった、彼らを見縊っていた。
そっか、私達の邪魔にならない様に距離を取ろうとしてくれたんだね、命惜しくて逃げ出したいのではなく、共に闘う為に…

なら、彼らも闘う駒として受け止める!勇気ある者、勇を示す者を弱者として扱わない!!
「術譜を地面に撒いて!持ってきているやつ全部!系統何て関係なし!全部使って!!」
手当たり次第に術譜を地面にばら撒いてもらい即座に発動させる
ワーム対策以外にも持たせている術譜に刻み込まれた術式が歌う

その歌によって術譜がばら撒かれた大地には火が灯ったり、風が吹いたり、水が生まれ水たまりが生まれ、その水がゆっくりと凍っていく

傍から見たら錯乱したかのように見えるだろうね!
仕方が無いの!手持ちのワーム専用の対策術譜がもう無いはずだから…
そうなると、今できる手札の中だとね!
向かってくるワーム対策にはこれが一番手っ取り早い!
熱を感知して向かってくる習性を利用する!

状況を把握するためにソナーを打つ!
手のひらを地面に着けて振動を感知!!

…地中を突き進む一団の動きが停止している!
地表の温度が熱かったり冷たかったりでワーム共は地表の状況がわからないで混乱している。
そして、戦士達が魔道具を封じてくれているからワーム共も何処に人が居るのかわからなくなってる!

唇の前に人差し指を立てて静かにっという合図を送り、ポーチの中にある瓶を投げていく
一つ、二つ、三つ、四つ…っと抜き足差し足と慎重に音を立てないで戦士達から歩いて離れるように見せかける様に瓶を地面に投げていく。
次の一手として念動力で先ほど生み出した鉄塊を上空に浮かせると

五つ目の瓶が落ちた場所の周囲の地表が盛り上げる!
ワームの顔が出てくると同時に鉄塊を叩き落して頭を潰す!
その衝撃音で馬鹿どもはそこに人が居ると判断して次々と出てくるのでモグラたたき!
頭を鉄塊で潰していく!!

大地を幾度となく打楽器を奏でる様に振動させていると
「魔道具を破壊しました!!」
戦士達から合いの手が聞こえてくるように大きな声が聞こえてくる、やるじゃん!
これで、ワームが無限に湧いてくるってことは無くなった!!
音声拡張術式を起動させ
「さくっとそいつも仕留めちゃって!」
後ろを振り返り戦士達に大きな声で指示を出すとKiYAAAAAAAAAAAっと耳を塞ぎたくなるような絶叫が戦士達の向こうから聞こえてくる。
お決まりのパターン!魔道具が破壊されたことで怒り心頭ってことかな?
いつものパターンなら、冷静を欠いた人型なんぞ、戦士達の敵じゃない。

此方は、呼び寄せられたワーム共を最大限警戒し駆除していれば問題なし!
手のひらを地面につけて振動を感知しようと術式を展開すると

返ってきた反応に心臓が跳ねる、虚を突いてくる作戦に、思考を停止していまいたくなる!狙いはこの瞬間!
ワームを操る魔道具持ちすら囮!!!全てはこの一手の為に!!

「各員最大限!急いで戦士達の方に走って!!急いで!!」
その声とほぼ同時に地中からワームとは思えれない大きな塊が地中から湧き出てくる、そんな移動方法あったんだね!知らなかったよ先生!!

複数のワームたちから押し出される様に地中から出てきた塊が私を見るなり手に持っている石を投げつけてくる!!

傍に居た護衛の騎士が盾を構えて石を弾いてくれるが、私よりも!
後ろを振り返ると、地中から突如現れた人型を見て腰が抜けた人を引きずる様に引っ張りながら戦士達がいる場所へと向かおうとしている術式部隊、そして、その周りにワーム共が地中から出てきて周囲を囲み始める!?

眼前には術士として踏み込まれてはいけない距離に人型と複数のワーム
後方には戦う力、兵装をほぼ失った術式部隊に後方支援部隊を取り囲むワーム

虚を突く様な急激な変化に思考が錯綜する

今ここで誰かが怪我をする方が、いや、でも、怪我をしても死にさえしなければ、ダメ、怪我をすることを他者が傷つくのを許容しては、でも、彼らだって死ぬ覚悟を持って死の大地に、だけど、こんな序盤で私の近くで誰かが怪我をするっていうのが今後の士気に関る、、、!!

最適解を導き出せていない間にも世界は動く…幾ら思考を加速させようとも…

「ぅ、ぁが、、、ぁ、、、!?」

悲痛な声と金属が凹むような大きな音がした方向に視線を向けると後方支援部隊を護衛する為についてくれていた騎士が殴り飛ばされたのか私の上空を通り過ぎ術式部隊達がいる方向へと飛んでいく…

殴り飛ばした敵の駒と目が合う

不敵な笑みが此方を見下ろしてくると…

殺せ…人を殺せ…殺しつくせ…お前たちを■■にした人を殺せ…

呼応するかのように全ての目が開く、衝動を抑えることが出来ない…
明確な殺意と敵意が敵の瞳から伝わってきたから…

弾け飛ぶかのような殺戮の衝動、怨敵を駆逐し蹂躙しないといけないという衝動と共に
慈悲の心も湧き上がる、誰かを守る、人類を傷つけさせないという願いに近い意志と共に

私の体は動きだす、思考すら置き去りにして

キィィィイっと私と繋がっている魔石が悲鳴をあげる
「壁よ在れ!!土よ在れ!!」
詠唱をカット!消費魔力が数段あがるが知ったことか!両足を屈伸する様に曲げ
「障壁よ在れ!!」
目の前に生み出した壁が吹き飛ぶ
土の壁が壊されたところで関係ない!私は既に上空にいる!!

念動力で足場として力場を作成!
作成している限り魔力が減っていくから魔石の中にある魔力が尽きるまでに決着をつける!!

土壁を豪快に拳で吹き飛ばした人型が視界が土くれで前方が見えにくくなろうがお構いなしに私がいるであろう箇所に目掛けて蹴りを繰り出している!
ダミーとして私がいた場所に土の塊も精製済み!
足から伝わってくる感触に極上の笑みを浮かべながら蹴飛ばして殺したであろう砕け散った人物を探している。

殺した相手を見つけて悦に至りたいという願望を叶えようとしている、その隙に敵の死角から吸い出していく!地中から鉄などの硬い鉱石とかをね!!

地中から集めた素材を圧縮錬成!!空中で即席の槍を精製!!
土を蹴飛ばしあるはずのない遺体を探している愚者に向けて私が持てる最大出力によって…

射出!!

即席の槍が空中で激しい音を引き連れて音が発生した真下へ落ちる!
突如、発生した爆音に吸い寄せられるように上空へと顔を上げた愚者を即席の槍が貫く。
その勢いはすさまじく易々と敵の体を貫き、槍は愚者と大地を繋ぎ止める様に深く突き刺さった。

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