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Dead End ユUキ・サクラ 妖闘桜散 (83)
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「ぬあ!?」
私が立っていた場所に水を生み出し、即座に凍らせ一点だけを滑らせ尚且つ、ぬかるみを作って足場のコンディションを奪って地の利を消す!
これにより勇気くんが一歩先にいる私に追い付かせないようにする!あわよくば姿勢をくずしてくれると!チャンス!!
一瞬だけ、姿勢が崩れたその隙を
「なぁんてな!」
飛ばした突風を避ける為に、両腕を右から左へと素早く振った力を利用し更には上半身を捻らせてサイドフリップの要領で左側に飛ぶ!?
旋回しながら避けないでよ!軽業も心得てるってのは反則じゃない!でもね!飛んだら着地しないといけない!膠着する瞬間がある!!チャンスに変わりなし!!
後方に飛んだ私の足が地面に着地しつつ彼が着地する瞬間に狙いを定めて突風の術式を・・・!?予想よりも頭を下げてきた!?って!?ちょ、っと!?
地面に足のつま先が付いても頭を上げずにより深く頭を下げて、片腕を地面に着いたと思ったら、腕の力だけで下半身を地面すれすれに伸ばしながら回してきた!?ブレイクダンスのトーマスフレアーって技!?何処で身に着けたのそんな軽業を!彼の足が私の足首に向かって伸びてくる!何て豪快な足払い!!当たったら痣出来るっての!容赦ないなぁ!!だけどぉ!!
「にゃ!!」
足払いを避ける為に両足を高く上げつつ!気持ち前方にジャンプ!私が飛んで避けるのを見た瞬間に自身の踵を地面に擦り付けて伸ばしてきた足を止めたね!
地面に触れているのは右腕に伸ばしてきた右足の踵!その状態で何が出来るんだっての!!
これで貴方が出来る行動力は大きく削げた!選択肢は一つしかない!
「空中に逃げ場はないぞ!」「その言葉そっくりそのまま返してあげる!」
さらに、前傾姿勢になる為に腹筋を使って頭を下げ、空中で両手両足を伸ばすと私が何をしようとしているのか瞬時に悟った勇気くんが地面に着いている腕の力だけで私が落下する地点に体を飛ばす。
地面に衝突しそうになる私を受け止める為に私の下に潜り込んできてくれる!
愛してる人が怪我しない様に行動してくれる勇気くんの優しさが勝敗を決する!
硬い地面に私が衝突しない様に私を抱きしめてくれた!
彼の胸板にダイブすると彼に抱きしめられ頭に巻いた布が外される
「引き分け…っか?」「わずかに私の方が早かったんじゃないかなー?」
ダイブの途中で突風を使って布を彼の頭から外したから、私の方が僅かに速いと思うけどな?
「っく…ユキが姫様の勝ちだと宣言している…俺の負けか…」
「にへへ、私のかちー!人類最強は私!!」
いぇーい!っと彼の腕の中で勝利宣言をしていると
「っふ、一本目は君に譲ろう、だが二本目はこうはいかないからな」
…ん?ぁー、そう?はいはい、負けず嫌いだなぁ、男の子なんだから、良いよ~三本勝負ってことでしょ?
「はいはい、次も私が勝てばいいってこと、何本でも勝って、あ・げ・る」
仰け反る様に上半身を持ち上げて、彼を見下ろしながらざーこざーこ、と小声で挑発すると温厚な勇気くんもカチンっと頭に来たのか目が笑っていない
「いーだろう!次、こうやって自身の体を犠牲にするようなアクションをとっても助けてあげないからな!」
私が上に乗っていようがお構いなしに起き上がり、一緒に立ち上がらされ頭にきゅっと布を巻かれる。勇気くんも地面に落ちている布を頭に巻き
「さぁ!ラウンド2といこうじゃないか!」
びしっと此方に指を刺してくる、負けん気の強いおこちゃまの相手をしてあげますかっと!!
それからは、一進一退、勇気くんも私が嫌がる戦法を容赦なく用いてくるから、二本目は負けて、三本目は引き分け、それでお互い納得するわけもなく。お互いが納得するまで、遊びは続いた…
「はぁはぁ…疲れた!終わり!もー!負けず嫌い!」
「っふっふっふ、スタミナ勝ちっということで俺の作戦勝ち、だな!」
地面に転がっている私を覗きこんで誇らしげな顔で煽ってくる…
ぐぬぬ!一本勝負だったら私の勝ちなのに!一時間近く、かな?遊んでたの?
はぁ、体の疲れを癒しに来てたのに、なんでまた体を酷使してんだ私?
まぁいっか…こうやって体を使って遊ぶのも…楽しかったからいいや。
修練場のど真ん中で両手両足を広げて寝ころんで幼い頃にこうやって遊んでいた弟たちのことを思い出してしまう。
「体が埃まみれだな、いや、埃どころか…はは、全身泥だらけだったか、汚れを落とすために風呂に入った方がいいぞ」
「うん…」
言われなくても入るよっと悪態をつく前にピンっと悪戯心が反応する。
その一言で、一つの邪なアイディアが思い浮かぶ、彼が嫌がること
「じゃぁ洗って♪」
子供のような笑顔と共に言葉にすると
「ああ、わかった」
子供を持ち上げる様に両脇から手を入れられて持ち上げられそのまま、お姫様抱っこの状態で連れていかれる完全に子ども扱い…
っていうか、そんなストレートに了承されるとは思っていなかったので、この後本当に、彼に全身を洗われてしまうのではないかと言う、先の事を想像してしまい、頭の中が混乱し始める…
状況が理解できずに困惑し続けていると、いつの間にか彼の部屋に連れていかれ、彼の部屋にある脱衣所に連れていかれ、流れのままに服をはぎ取られお風呂場に連れていかれ体が洗われていき…時間と共に状況を理解していく…
ぇ?抵抗ないの?っていうか、ちょ、ちょっとまって!?手慣れすぎてない!?
「ひ、ひゃ、ゆ、ゆうきく、ん?」
「こっち向かないで姫様、頭ちゃんと洗えない」
言葉の雰囲気で直ぐに察した、ユキさんだ…その手があったか…もとより、ユキさんに洗わせるつもりで了承したってことか。
「…ユキさん、慣れてない?」
「ん~?慣れている…のかな?慣れてるの、かなぁ?どうなんだろう?こういうと失礼かも?家の近くの子供達と一緒に銭湯に行くことがあって、小さな子の面倒をみたりすることがある、それだけじゃなく、一緒に銭湯に来た近所のとも…友達と!お互いを洗いっこしたりもするし…あとうし…んん、洗うのは慣れてるかも」
幼い子供や友達と同列に扱うのは許すけど、今、私と家畜を同列に扱わなかった?牛って言葉が出てきた気がするんだけど?気のせいだよね?
はぁ…残念な、これでよかったような、勇気くんに洗われていた可能性を考えると…ぅぅ、恥ずかしいからこれで良かったと思おう、勇気くんだったらさらっと洗ってくれそうな気もするし、うん、これはこれで、妹との親睦を深めるってことでいい事じゃん?
体から伝わってくる感触が思っていた以上に心地よい…
…それにしても、ユキさんって力加減絶妙に上手、下手するとお母さんやメイドちゃんよりも上手かも?
ユキさんの上手な洗体技能についつい喉を鳴らしてしまいそうになる。
「はい、終わったよ、浴槽にお湯はってあるから、浸かりなよ」
はーいっと返事をして湯船に浸かると、ユキさんも自身の体を洗い始める。
その雄々しき姿に込み上げてくる一つの感情。
「ごめんね」「なにがー?」
つい、謝ってしまう。
私の中での予定だったら、地下にあるユキさんの体にユキさんの魂を移してから聖戦を開始する予定だった。
でも…そのことについて自然と謝罪の言葉が出てしまう
「体を洗わせたことー?別にいいよー、お兄ちゃんだと、がさつだから!女性の柔肌を任せることなんで出来るわけない…ぇ~?そんなことない?何処が?普段見ているから知ってるよ?体の洗い方が雑!もっと隅々まで丁寧に洗ってよね!」
体を洗いながら文句を言いあっている。
相も変わらず二人は仲がいい、ユキさんも遠慮することなく不満を勇気くんにぶつけれている、今代が一番、二人の仲がいい気がする。
仲睦まじい兄妹の様子をぼんやりと眺めていると体に着いた泡を流し終えて此方を見てくる
「私もお風呂に入りたいけど、姫様はどうする?」
独り用の狭い湯舟だもんね、細身とはいえ、全身がすっぽり入るわけじゃない、足を伸ばしたらはみ出るくらいの湯舟だもんね。
…かといって、もう少しゆっくりと浸かりたい気分なんだよなぁ、まだ出たくない。
なら…なら!私が、わたし、が、ここ、心を…意識しない様にすればいいだけ!!
「ぇ?一緒に入れる?私が下になって、姫様を抱えればいい?…そっか、お兄ちゃん賢い」
勇気くんも同じ答えに辿り着いている、流石は子供を育てたことがある、昔の人もそうやってたのかな?
…うん、少し気持ちの整理もついた!相手の心が女性だってわかってる!アレが付いていようが私は気にしない!!相手の心を尊重するからね…
それに、私は何時だって彼を受け入れるつもりでいるから別にいいもん。にへへ
「そんなわけで、姫様~ちょっとごめんね」
此方の許可を取る間も無く湯船に入ってくる。
ユキさんって結構強引だよね?思ったことを考え無しに実行する癖があるよね?
まぁいいけど。
湯船に入ってきて足を伸ばしてきて「はい、いいよ~」そして上に乗れとな?…よし!そっちが完全にその気なら私だって大丈夫だもん!!
っと、心の中で叫んではいても…目の前にある体は勇気くんだから一目見て心臓が叫び狂いそうにい鳴る。バックンバックン跳ねてる!!っく、脳みそではわかっていても心臓が反応しちゃう!!
心臓の鼓動によって水面が揺れるんじゃないかと心配になりながらユキさんにもたれ掛かると、ユキさんの両腕が脇の下をとおって体の前に交差される…自然と抱きしめられてしまう。
「はぁ~お風呂っていいよね~…こっちにくるまではお風呂何て毎日入れなかった、タオルで体を拭くのが日常で、銭湯にいくのは偶にだもん~ぁ~~お風呂ってさいこー」
邪気も何もないただただ、お風呂を堪能しているみたいなので、私も倣って彼の…ううん、彼女の胸板に背中をぴったりとくっつけて
「お風呂が無い生活なんて考えらんないよね」
「知ってしまったらもう手放せないよ~」
姉妹仲良くお湯に溶けていく。
はぁぁっと、二人の漏れ出る吐息も仲良く溶けていく。
肉体からの重みから解放され、運動後の強張った筋肉もほぐされ血のめぐりによって細胞が回復していくのがわかるぅ…
無言のまま、二人で長い事お湯に浸かっていると
「お兄ちゃんが湯船で寝るなって注意してきた、口うるさいよね、姫様、そろそろ出ませんか?」「そうだねー、でよっか」
確かにね、このままだと湯船の中で寝ちゃいそうだもんね。湯船で寝るのは危ない!
湯船から出ると頼んでないのに、体を拭いてくれる。ありがたい!
ユキさんって結構、献身的?相手に尽くすタイプ?
…だとしたら、悪い男に引っかからない様に相手を見定めないといけないね!姉としてね!
「はい!お洋服はね、えっと、確か此処に、あったあった、これ着て!でも何でだろう?…お兄ちゃんの部屋に姫様の下着とか一式が揃ってるんだけど、何で?」
その問いかけに対して答えるつもりはない!!
私がそうしてって頼んでもない!恐らく、メイドちゃんの仕業だね!
いつかこういう日が来るだろうってメイドちゃんが用意していったんだよね!
誰の入れ知恵かなんてね!察しはついているけれど!
ってなわけで、綺麗な肌着を着て何時ものネグリジェを着て髪の毛も乾かしてもらって
二人仲良くベッドで寝ることに。
いっぱい遊んで、お風呂に入り、信頼できる人の傍で横になる。
気が付くと泥の中で意識を落とすのとは違い、人としての営みを感じる、生きているという日常を感じる。これもまた、一つの安らぎ…私が求めている平和な日常、久遠なる日々…
自然と妹の手を握りながら眠ってしまう。
私が立っていた場所に水を生み出し、即座に凍らせ一点だけを滑らせ尚且つ、ぬかるみを作って足場のコンディションを奪って地の利を消す!
これにより勇気くんが一歩先にいる私に追い付かせないようにする!あわよくば姿勢をくずしてくれると!チャンス!!
一瞬だけ、姿勢が崩れたその隙を
「なぁんてな!」
飛ばした突風を避ける為に、両腕を右から左へと素早く振った力を利用し更には上半身を捻らせてサイドフリップの要領で左側に飛ぶ!?
旋回しながら避けないでよ!軽業も心得てるってのは反則じゃない!でもね!飛んだら着地しないといけない!膠着する瞬間がある!!チャンスに変わりなし!!
後方に飛んだ私の足が地面に着地しつつ彼が着地する瞬間に狙いを定めて突風の術式を・・・!?予想よりも頭を下げてきた!?って!?ちょ、っと!?
地面に足のつま先が付いても頭を上げずにより深く頭を下げて、片腕を地面に着いたと思ったら、腕の力だけで下半身を地面すれすれに伸ばしながら回してきた!?ブレイクダンスのトーマスフレアーって技!?何処で身に着けたのそんな軽業を!彼の足が私の足首に向かって伸びてくる!何て豪快な足払い!!当たったら痣出来るっての!容赦ないなぁ!!だけどぉ!!
「にゃ!!」
足払いを避ける為に両足を高く上げつつ!気持ち前方にジャンプ!私が飛んで避けるのを見た瞬間に自身の踵を地面に擦り付けて伸ばしてきた足を止めたね!
地面に触れているのは右腕に伸ばしてきた右足の踵!その状態で何が出来るんだっての!!
これで貴方が出来る行動力は大きく削げた!選択肢は一つしかない!
「空中に逃げ場はないぞ!」「その言葉そっくりそのまま返してあげる!」
さらに、前傾姿勢になる為に腹筋を使って頭を下げ、空中で両手両足を伸ばすと私が何をしようとしているのか瞬時に悟った勇気くんが地面に着いている腕の力だけで私が落下する地点に体を飛ばす。
地面に衝突しそうになる私を受け止める為に私の下に潜り込んできてくれる!
愛してる人が怪我しない様に行動してくれる勇気くんの優しさが勝敗を決する!
硬い地面に私が衝突しない様に私を抱きしめてくれた!
彼の胸板にダイブすると彼に抱きしめられ頭に巻いた布が外される
「引き分け…っか?」「わずかに私の方が早かったんじゃないかなー?」
ダイブの途中で突風を使って布を彼の頭から外したから、私の方が僅かに速いと思うけどな?
「っく…ユキが姫様の勝ちだと宣言している…俺の負けか…」
「にへへ、私のかちー!人類最強は私!!」
いぇーい!っと彼の腕の中で勝利宣言をしていると
「っふ、一本目は君に譲ろう、だが二本目はこうはいかないからな」
…ん?ぁー、そう?はいはい、負けず嫌いだなぁ、男の子なんだから、良いよ~三本勝負ってことでしょ?
「はいはい、次も私が勝てばいいってこと、何本でも勝って、あ・げ・る」
仰け反る様に上半身を持ち上げて、彼を見下ろしながらざーこざーこ、と小声で挑発すると温厚な勇気くんもカチンっと頭に来たのか目が笑っていない
「いーだろう!次、こうやって自身の体を犠牲にするようなアクションをとっても助けてあげないからな!」
私が上に乗っていようがお構いなしに起き上がり、一緒に立ち上がらされ頭にきゅっと布を巻かれる。勇気くんも地面に落ちている布を頭に巻き
「さぁ!ラウンド2といこうじゃないか!」
びしっと此方に指を刺してくる、負けん気の強いおこちゃまの相手をしてあげますかっと!!
それからは、一進一退、勇気くんも私が嫌がる戦法を容赦なく用いてくるから、二本目は負けて、三本目は引き分け、それでお互い納得するわけもなく。お互いが納得するまで、遊びは続いた…
「はぁはぁ…疲れた!終わり!もー!負けず嫌い!」
「っふっふっふ、スタミナ勝ちっということで俺の作戦勝ち、だな!」
地面に転がっている私を覗きこんで誇らしげな顔で煽ってくる…
ぐぬぬ!一本勝負だったら私の勝ちなのに!一時間近く、かな?遊んでたの?
はぁ、体の疲れを癒しに来てたのに、なんでまた体を酷使してんだ私?
まぁいっか…こうやって体を使って遊ぶのも…楽しかったからいいや。
修練場のど真ん中で両手両足を広げて寝ころんで幼い頃にこうやって遊んでいた弟たちのことを思い出してしまう。
「体が埃まみれだな、いや、埃どころか…はは、全身泥だらけだったか、汚れを落とすために風呂に入った方がいいぞ」
「うん…」
言われなくても入るよっと悪態をつく前にピンっと悪戯心が反応する。
その一言で、一つの邪なアイディアが思い浮かぶ、彼が嫌がること
「じゃぁ洗って♪」
子供のような笑顔と共に言葉にすると
「ああ、わかった」
子供を持ち上げる様に両脇から手を入れられて持ち上げられそのまま、お姫様抱っこの状態で連れていかれる完全に子ども扱い…
っていうか、そんなストレートに了承されるとは思っていなかったので、この後本当に、彼に全身を洗われてしまうのではないかと言う、先の事を想像してしまい、頭の中が混乱し始める…
状況が理解できずに困惑し続けていると、いつの間にか彼の部屋に連れていかれ、彼の部屋にある脱衣所に連れていかれ、流れのままに服をはぎ取られお風呂場に連れていかれ体が洗われていき…時間と共に状況を理解していく…
ぇ?抵抗ないの?っていうか、ちょ、ちょっとまって!?手慣れすぎてない!?
「ひ、ひゃ、ゆ、ゆうきく、ん?」
「こっち向かないで姫様、頭ちゃんと洗えない」
言葉の雰囲気で直ぐに察した、ユキさんだ…その手があったか…もとより、ユキさんに洗わせるつもりで了承したってことか。
「…ユキさん、慣れてない?」
「ん~?慣れている…のかな?慣れてるの、かなぁ?どうなんだろう?こういうと失礼かも?家の近くの子供達と一緒に銭湯に行くことがあって、小さな子の面倒をみたりすることがある、それだけじゃなく、一緒に銭湯に来た近所のとも…友達と!お互いを洗いっこしたりもするし…あとうし…んん、洗うのは慣れてるかも」
幼い子供や友達と同列に扱うのは許すけど、今、私と家畜を同列に扱わなかった?牛って言葉が出てきた気がするんだけど?気のせいだよね?
はぁ…残念な、これでよかったような、勇気くんに洗われていた可能性を考えると…ぅぅ、恥ずかしいからこれで良かったと思おう、勇気くんだったらさらっと洗ってくれそうな気もするし、うん、これはこれで、妹との親睦を深めるってことでいい事じゃん?
体から伝わってくる感触が思っていた以上に心地よい…
…それにしても、ユキさんって力加減絶妙に上手、下手するとお母さんやメイドちゃんよりも上手かも?
ユキさんの上手な洗体技能についつい喉を鳴らしてしまいそうになる。
「はい、終わったよ、浴槽にお湯はってあるから、浸かりなよ」
はーいっと返事をして湯船に浸かると、ユキさんも自身の体を洗い始める。
その雄々しき姿に込み上げてくる一つの感情。
「ごめんね」「なにがー?」
つい、謝ってしまう。
私の中での予定だったら、地下にあるユキさんの体にユキさんの魂を移してから聖戦を開始する予定だった。
でも…そのことについて自然と謝罪の言葉が出てしまう
「体を洗わせたことー?別にいいよー、お兄ちゃんだと、がさつだから!女性の柔肌を任せることなんで出来るわけない…ぇ~?そんなことない?何処が?普段見ているから知ってるよ?体の洗い方が雑!もっと隅々まで丁寧に洗ってよね!」
体を洗いながら文句を言いあっている。
相も変わらず二人は仲がいい、ユキさんも遠慮することなく不満を勇気くんにぶつけれている、今代が一番、二人の仲がいい気がする。
仲睦まじい兄妹の様子をぼんやりと眺めていると体に着いた泡を流し終えて此方を見てくる
「私もお風呂に入りたいけど、姫様はどうする?」
独り用の狭い湯舟だもんね、細身とはいえ、全身がすっぽり入るわけじゃない、足を伸ばしたらはみ出るくらいの湯舟だもんね。
…かといって、もう少しゆっくりと浸かりたい気分なんだよなぁ、まだ出たくない。
なら…なら!私が、わたし、が、ここ、心を…意識しない様にすればいいだけ!!
「ぇ?一緒に入れる?私が下になって、姫様を抱えればいい?…そっか、お兄ちゃん賢い」
勇気くんも同じ答えに辿り着いている、流石は子供を育てたことがある、昔の人もそうやってたのかな?
…うん、少し気持ちの整理もついた!相手の心が女性だってわかってる!アレが付いていようが私は気にしない!!相手の心を尊重するからね…
それに、私は何時だって彼を受け入れるつもりでいるから別にいいもん。にへへ
「そんなわけで、姫様~ちょっとごめんね」
此方の許可を取る間も無く湯船に入ってくる。
ユキさんって結構強引だよね?思ったことを考え無しに実行する癖があるよね?
まぁいいけど。
湯船に入ってきて足を伸ばしてきて「はい、いいよ~」そして上に乗れとな?…よし!そっちが完全にその気なら私だって大丈夫だもん!!
っと、心の中で叫んではいても…目の前にある体は勇気くんだから一目見て心臓が叫び狂いそうにい鳴る。バックンバックン跳ねてる!!っく、脳みそではわかっていても心臓が反応しちゃう!!
心臓の鼓動によって水面が揺れるんじゃないかと心配になりながらユキさんにもたれ掛かると、ユキさんの両腕が脇の下をとおって体の前に交差される…自然と抱きしめられてしまう。
「はぁ~お風呂っていいよね~…こっちにくるまではお風呂何て毎日入れなかった、タオルで体を拭くのが日常で、銭湯にいくのは偶にだもん~ぁ~~お風呂ってさいこー」
邪気も何もないただただ、お風呂を堪能しているみたいなので、私も倣って彼の…ううん、彼女の胸板に背中をぴったりとくっつけて
「お風呂が無い生活なんて考えらんないよね」
「知ってしまったらもう手放せないよ~」
姉妹仲良くお湯に溶けていく。
はぁぁっと、二人の漏れ出る吐息も仲良く溶けていく。
肉体からの重みから解放され、運動後の強張った筋肉もほぐされ血のめぐりによって細胞が回復していくのがわかるぅ…
無言のまま、二人で長い事お湯に浸かっていると
「お兄ちゃんが湯船で寝るなって注意してきた、口うるさいよね、姫様、そろそろ出ませんか?」「そうだねー、でよっか」
確かにね、このままだと湯船の中で寝ちゃいそうだもんね。湯船で寝るのは危ない!
湯船から出ると頼んでないのに、体を拭いてくれる。ありがたい!
ユキさんって結構、献身的?相手に尽くすタイプ?
…だとしたら、悪い男に引っかからない様に相手を見定めないといけないね!姉としてね!
「はい!お洋服はね、えっと、確か此処に、あったあった、これ着て!でも何でだろう?…お兄ちゃんの部屋に姫様の下着とか一式が揃ってるんだけど、何で?」
その問いかけに対して答えるつもりはない!!
私がそうしてって頼んでもない!恐らく、メイドちゃんの仕業だね!
いつかこういう日が来るだろうってメイドちゃんが用意していったんだよね!
誰の入れ知恵かなんてね!察しはついているけれど!
ってなわけで、綺麗な肌着を着て何時ものネグリジェを着て髪の毛も乾かしてもらって
二人仲良くベッドで寝ることに。
いっぱい遊んで、お風呂に入り、信頼できる人の傍で横になる。
気が付くと泥の中で意識を落とすのとは違い、人としての営みを感じる、生きているという日常を感じる。これもまた、一つの安らぎ…私が求めている平和な日常、久遠なる日々…
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