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過去を知る、今代の記憶を知る、次の一手を探す為に⑬
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このどう足掻いても不敬な発言を後ろで聞いてしまった団長がわわ!?っと、驚いた声を漏らしている
「はは、何だ?珍しく正直ではないか、腹芸なぞ玉座の前だけで充分っとでもいいたいのか?っであれば、不敬な態度許そう、我も…俺も今は王ではなく一介の客人として振舞いたいからな」
私の中にあるアレが殊勝な言葉を言うとは思えれない、変装した誰かだろうかとつい視線を向けてしまう…っていうかさ、ずっと気になっていたんだけど、なんでその服装なの?何でそのメーカーなの?
「一介の客人っとして振舞いたいから平民用の服装なの?」
隣に立つアレは、言葉の意味通り、今は、普段の服装とは違って王として存在を示す、それこそが王であるっという服装じゃない。
平民用に販売されている量産服、通称、普段着。
ブイネックの白い半そでのシャツ、ワンポイントお洒落として服の端に黒の射線を施してある。
下は、黒に近い色で染めたデニム?かな?あんな色、用意していたかな?
靴は…ブーツっていうか軍靴だね。
普段、玉座に居る時は常に身に着けていた煌びやかな宝石などがあしらわれているアクセサリーの類も身に着けていない…わけじゃないのか、ポケットに手を突っ込んでいる腕に金のリングを身につけている…
っむ、よく見ると金のネックレスもしてる、ふ~ん…お洒落に気を遣えれるんだ。
「決まっておろう、この様な場所に王族が威光を示す為の衣服なぞ無意味、下民共が言う汚れても良い服っとなれば、この様な服となるのは明白であろう?」
ポケットから手を出してシャツの袖をつまんでいる、その表情を見て察する。
言いたいことがね!当てつけって言いたいのかな?
「ふーん、私が販売している服ってのは、捨ててもいい服って言いたいわけ?」
「ほーぅ?下々に用意させた服、お前のとこが販売していたのか、下民共の生活を知らぬのでなぁ、許せよ」
不敵な笑みを浮かべて見下ろしやがって!でも、その服は汚れても良い服として販売しているから何も問題ないんだよなぁ!ちくしょう!
はぁ、こんなどうでもいい事なんて、アレと話していても時間の無駄、さっさと話を進めよう。
「それで、回りくどい事なんて面倒でしょ?何用なの?」
この一言で一気に機嫌が悪くなる?眉間に皺を寄せて…自分のペースじゃないと嫌なのが本当に我儘だよね。
「…王を急かすな不敬であるぞ、とは、今は…言えぬな、俺自らが今は王ではないと口に出したのであったな。しかしだな、用があるからこそ、この俺が、お前の用事が終わるのを待っていてやったのだからな?多少は遊び心に付き合っても良いと思わないのか?お前と違って俺はどうだ?優しいだろう?」
口角を上げて笑みを浮かべんなよ、きっしょくわっるぅ!
「うん、そうだね。偉いね」
視線をアレから外し、気づかれないように溜息を零しつつ適当な返事を返すと
「ふむ、お前も相当、まいっている様だな何時もの物言いではない。それにだ、悲しくも俺も王として生きた、長くな…」
お前も?お前もぉ!?
隣にいる人物と今代の私の中にあるイメージが完全に一致しない。
こいつ、何かと接触して洗脳されてたりしない?
警戒する様に視線を向けなおすと、団長の方を見てる?
「…遠目で見てはいたが、近くで見ると…美しいな」
っげ!?団長のチャームの影響か!?妖精の瞳ってやつはこいつにも効果があるの!?
「ぇ!?ぁ…あり、がとう、ございます」
唐突に話しかけられて困ってる、魔の手から団長を救ってあげないと!
こいつの手の速さっていうか、女を性欲のはけ口としか考えてない糞野郎だからな!!
「奥様と子供いるんでしょ?王が浮気しようとしているって広めるよ?」
「ふん、美しいモノを美しいというのに何が罪か、そもそも、我が国は一夫多妻制、それにだ、王の責務として子を残す事もまた…責務だ、ああ、責務だとも」
声が不機嫌そう?何か地雷を踏んでしまったかもしれない、まぁ、それならそれで?団長から気が逸れるのであれば、問題なし!
「そ・れ・で!元筆頭騎士様のようにこの街には、粉をかけるためにきたの?側室候補を漁りにでもきたの?」
「漁る必要も無し、次の王はもう育っている。これ以上、側室なぞ要らぬ」
…子供居たんだ、知らなかった、そう、だよね、いい年齢だもんなこいつ。
「そもそもだ、か、れ、だと、報告を受けてはいたが、実のところ、女性であるとは、近くで見るまで、俺を欺くためかと思っていたが、真であったか…」
団長の頭から胸のあたりに視線を向けて何度も頷いている。
あー…なーほーね?王位継承権がある団長のことを調べに来たって事?次代の王である、自身の子を守る為?だとしたら、お父さんしてんじゃん…
「そう、そうだとも、俺はもう王の座を…あの忌々しい玉座から解放される。この俺が世に王ではなく一人の男として解き放たれる、王都が秘宝としての責務は果たしたのだからな」
あれ?しがみ付くほど大事な玉座じゃないの?それともやっぱり窮屈な玉座に嫌気でも刺したの?
「責務は果たした、秘宝を残すことが出来た。だがな、その前に俺は、王としてやらねばならぬことがある、王として成すべきことがある、成させばならぬことが出来てしまったのだよ」
言葉が続けば続くほど熱が込められていくのが伝わってくる。
ここからが、本題っぽいな、黙って傾聴してあげようかな
「この状況下、不穏で不遜な者どもが声を荒げたのさ、俺が王であることに異を唱えてきた」
わからないこともない、正直に言えば、日誌を見る限り、アレが、王が王として威光を示すような出来事が特にないっぽいんだよね。
何かを成し遂げたわけでもない、何かを勝ち取ったわけでもない、伝説として語り継がれる様な偉大なる王というエピソードが皆無。
アレは偉大なる伝説的な王っというカテゴリーではない。
世間一般的な評価は、極普通の歴代の王とほとんど変わらない、平凡な王。
何もしない、ただ玉座に座る人、それが王、って感じの評価だろうね。
「異を唱える者が一定数いる、いてしまう。この俺が次代の王を指名したとして今の状況下であれば、全ての人物が納得はしない、いや、寧ろ、多くが反対の意見を述べるであろう、その中には、次の王は宰相であると愚図を推薦する愚者が居る、まったく嘆かわしい」
うん、それは完全に愚者だと思う。
まぁ、推薦する愚者が誰なのか察しはつくけどね、どうせ、古くからの信者、教会の一派だろうけどね、そんな酔狂なことを言うような人達って
「ただな、今の状況下、愚者の言葉には力がある、無下には出来なかった、してはいけない状況だ。愚者共の言葉、彼は死の大地、その奥地に足を踏み入れたが五体満足で帰還している伝説を持つ人物、この状況でも彼であれば…お前と共に世界を救うっと、多くの貴族に語り続け、広める様にのたまっている始末だ、愚者共は動くときは無駄に早いからな」
諦めた様な口調、こいつもこいつで、王として色々と日々の問題に頭を悩まされてきたんだろうね、私の旦那も王だから?その苦悩?わからんでもない。
つまるところ…自身が王として終わる前に、後世に名を残す為にこの街に来たってことか、王が動けば王様直轄の近衛騎士達も動かせれるからね。
「愚者共の口を黙らせるには、考える迄も無かろう?王として責務を果たさなければならぬっというわけだ」
口角を上げて自慢げな顔をしないで欲しいかな?別にお前たちの助け何て私達からすれば、いら…ないわけじゃない、人手は欲しい。
「平民共からすれば、王都で開かれる催し物、御伽噺でいうところであろうな。この窮地に偉大なる王都が秘宝が世界を救う為に馳せ参じた。というわけだ。幸いにしてお前が施した成果により、この大陸が滅びるまで、幾ばくかの余裕があるのだろう?」
自分の息子の為にやけっぱちになって足を運んできたってわけではなさそう、状況判断もしっかりと出来ているし冷静に未来を見据えている。
うん、そうだよね、その方が今代の私のイメージ通り、元々、狡猾で残忍な人だもの、地頭は良いんだよね。困ったことにね!
「なら、民衆の願い、想いを背負うのもまた王である。俺がこの窮地を救い、伝説を残す、それが王都総員の希望である。そう、俺はあの愚図と違い、真なる秘宝として残させばならぬ、後世に語り継ぐような王へと成らねばならない」
伝説を残さない限り、民意が、次の王を決める時に不利となる。
ここで動かなければ、王としての責務を果たさなかった愚者として、断罪されちゃう。
さすがにね、民衆からすればこの窮地、王が動くのが普通だと思うよね。
「それを、王としての覚悟をお前に伝えに来た、我らが王都、その精鋭達を好きに使え」
軽々と口から出てきた言葉に耳を疑ってしまう。
…ん?ぇ?全権限を渡すって事?その言い方だとそうなるよ?本当にいいの?逆だと思ってた、私達がお前に付き従い言う事を聞けって言ってくのかと。
「何を驚いた顔をしている、ここから先はお前たちの領分であろう?害虫の駆除というものは専門家に任せるが道理よ」
人対人であれば彼らの方が上手かもしれない、でも、獣共に対してであれば私達の方が経験が豊富ってことね。なら、その意志、ありがたく使わせてもらうよ。
「わかった、王都が騎士団、預からせてもらうね」
「ああ、任せた、死者を出すなとは言わぬ、存分に使え…民を守ってくれ」
最後の言葉を聞いて、私の中にあったイメージが完全に壊れる。
…情けない男って言葉は撤回しないとね、今代のこいつはちゃんと、彼のように民を導く王だね。
「それと、察しの良いお前であれば気が付いているであろう?」
…前言撤回、やっぱりこいつは狡猾だ!こいつ…この流れってことは、手を貸すということはさ、私に対して貸しとして計上するつもりだ!
ってことは!獣共を私達が倒した後、騎士団を貸したのだから、当然、此方側の我儘を叶えろってことでしょ?
何の我儘をいうつもり?何?次の王を決める時の後見人として動けとか?
その程度なら別にいいけど…今のうちに念を押すようなこと、かな?
どうせ、此度の一件が落ち着いたら、貴族達は浮かれて民衆の言葉に流されていくと思うけど?
「はは、何だ?珍しく正直ではないか、腹芸なぞ玉座の前だけで充分っとでもいいたいのか?っであれば、不敬な態度許そう、我も…俺も今は王ではなく一介の客人として振舞いたいからな」
私の中にあるアレが殊勝な言葉を言うとは思えれない、変装した誰かだろうかとつい視線を向けてしまう…っていうかさ、ずっと気になっていたんだけど、なんでその服装なの?何でそのメーカーなの?
「一介の客人っとして振舞いたいから平民用の服装なの?」
隣に立つアレは、言葉の意味通り、今は、普段の服装とは違って王として存在を示す、それこそが王であるっという服装じゃない。
平民用に販売されている量産服、通称、普段着。
ブイネックの白い半そでのシャツ、ワンポイントお洒落として服の端に黒の射線を施してある。
下は、黒に近い色で染めたデニム?かな?あんな色、用意していたかな?
靴は…ブーツっていうか軍靴だね。
普段、玉座に居る時は常に身に着けていた煌びやかな宝石などがあしらわれているアクセサリーの類も身に着けていない…わけじゃないのか、ポケットに手を突っ込んでいる腕に金のリングを身につけている…
っむ、よく見ると金のネックレスもしてる、ふ~ん…お洒落に気を遣えれるんだ。
「決まっておろう、この様な場所に王族が威光を示す為の衣服なぞ無意味、下民共が言う汚れても良い服っとなれば、この様な服となるのは明白であろう?」
ポケットから手を出してシャツの袖をつまんでいる、その表情を見て察する。
言いたいことがね!当てつけって言いたいのかな?
「ふーん、私が販売している服ってのは、捨ててもいい服って言いたいわけ?」
「ほーぅ?下々に用意させた服、お前のとこが販売していたのか、下民共の生活を知らぬのでなぁ、許せよ」
不敵な笑みを浮かべて見下ろしやがって!でも、その服は汚れても良い服として販売しているから何も問題ないんだよなぁ!ちくしょう!
はぁ、こんなどうでもいい事なんて、アレと話していても時間の無駄、さっさと話を進めよう。
「それで、回りくどい事なんて面倒でしょ?何用なの?」
この一言で一気に機嫌が悪くなる?眉間に皺を寄せて…自分のペースじゃないと嫌なのが本当に我儘だよね。
「…王を急かすな不敬であるぞ、とは、今は…言えぬな、俺自らが今は王ではないと口に出したのであったな。しかしだな、用があるからこそ、この俺が、お前の用事が終わるのを待っていてやったのだからな?多少は遊び心に付き合っても良いと思わないのか?お前と違って俺はどうだ?優しいだろう?」
口角を上げて笑みを浮かべんなよ、きっしょくわっるぅ!
「うん、そうだね。偉いね」
視線をアレから外し、気づかれないように溜息を零しつつ適当な返事を返すと
「ふむ、お前も相当、まいっている様だな何時もの物言いではない。それにだ、悲しくも俺も王として生きた、長くな…」
お前も?お前もぉ!?
隣にいる人物と今代の私の中にあるイメージが完全に一致しない。
こいつ、何かと接触して洗脳されてたりしない?
警戒する様に視線を向けなおすと、団長の方を見てる?
「…遠目で見てはいたが、近くで見ると…美しいな」
っげ!?団長のチャームの影響か!?妖精の瞳ってやつはこいつにも効果があるの!?
「ぇ!?ぁ…あり、がとう、ございます」
唐突に話しかけられて困ってる、魔の手から団長を救ってあげないと!
こいつの手の速さっていうか、女を性欲のはけ口としか考えてない糞野郎だからな!!
「奥様と子供いるんでしょ?王が浮気しようとしているって広めるよ?」
「ふん、美しいモノを美しいというのに何が罪か、そもそも、我が国は一夫多妻制、それにだ、王の責務として子を残す事もまた…責務だ、ああ、責務だとも」
声が不機嫌そう?何か地雷を踏んでしまったかもしれない、まぁ、それならそれで?団長から気が逸れるのであれば、問題なし!
「そ・れ・で!元筆頭騎士様のようにこの街には、粉をかけるためにきたの?側室候補を漁りにでもきたの?」
「漁る必要も無し、次の王はもう育っている。これ以上、側室なぞ要らぬ」
…子供居たんだ、知らなかった、そう、だよね、いい年齢だもんなこいつ。
「そもそもだ、か、れ、だと、報告を受けてはいたが、実のところ、女性であるとは、近くで見るまで、俺を欺くためかと思っていたが、真であったか…」
団長の頭から胸のあたりに視線を向けて何度も頷いている。
あー…なーほーね?王位継承権がある団長のことを調べに来たって事?次代の王である、自身の子を守る為?だとしたら、お父さんしてんじゃん…
「そう、そうだとも、俺はもう王の座を…あの忌々しい玉座から解放される。この俺が世に王ではなく一人の男として解き放たれる、王都が秘宝としての責務は果たしたのだからな」
あれ?しがみ付くほど大事な玉座じゃないの?それともやっぱり窮屈な玉座に嫌気でも刺したの?
「責務は果たした、秘宝を残すことが出来た。だがな、その前に俺は、王としてやらねばならぬことがある、王として成すべきことがある、成させばならぬことが出来てしまったのだよ」
言葉が続けば続くほど熱が込められていくのが伝わってくる。
ここからが、本題っぽいな、黙って傾聴してあげようかな
「この状況下、不穏で不遜な者どもが声を荒げたのさ、俺が王であることに異を唱えてきた」
わからないこともない、正直に言えば、日誌を見る限り、アレが、王が王として威光を示すような出来事が特にないっぽいんだよね。
何かを成し遂げたわけでもない、何かを勝ち取ったわけでもない、伝説として語り継がれる様な偉大なる王というエピソードが皆無。
アレは偉大なる伝説的な王っというカテゴリーではない。
世間一般的な評価は、極普通の歴代の王とほとんど変わらない、平凡な王。
何もしない、ただ玉座に座る人、それが王、って感じの評価だろうね。
「異を唱える者が一定数いる、いてしまう。この俺が次代の王を指名したとして今の状況下であれば、全ての人物が納得はしない、いや、寧ろ、多くが反対の意見を述べるであろう、その中には、次の王は宰相であると愚図を推薦する愚者が居る、まったく嘆かわしい」
うん、それは完全に愚者だと思う。
まぁ、推薦する愚者が誰なのか察しはつくけどね、どうせ、古くからの信者、教会の一派だろうけどね、そんな酔狂なことを言うような人達って
「ただな、今の状況下、愚者の言葉には力がある、無下には出来なかった、してはいけない状況だ。愚者共の言葉、彼は死の大地、その奥地に足を踏み入れたが五体満足で帰還している伝説を持つ人物、この状況でも彼であれば…お前と共に世界を救うっと、多くの貴族に語り続け、広める様にのたまっている始末だ、愚者共は動くときは無駄に早いからな」
諦めた様な口調、こいつもこいつで、王として色々と日々の問題に頭を悩まされてきたんだろうね、私の旦那も王だから?その苦悩?わからんでもない。
つまるところ…自身が王として終わる前に、後世に名を残す為にこの街に来たってことか、王が動けば王様直轄の近衛騎士達も動かせれるからね。
「愚者共の口を黙らせるには、考える迄も無かろう?王として責務を果たさなければならぬっというわけだ」
口角を上げて自慢げな顔をしないで欲しいかな?別にお前たちの助け何て私達からすれば、いら…ないわけじゃない、人手は欲しい。
「平民共からすれば、王都で開かれる催し物、御伽噺でいうところであろうな。この窮地に偉大なる王都が秘宝が世界を救う為に馳せ参じた。というわけだ。幸いにしてお前が施した成果により、この大陸が滅びるまで、幾ばくかの余裕があるのだろう?」
自分の息子の為にやけっぱちになって足を運んできたってわけではなさそう、状況判断もしっかりと出来ているし冷静に未来を見据えている。
うん、そうだよね、その方が今代の私のイメージ通り、元々、狡猾で残忍な人だもの、地頭は良いんだよね。困ったことにね!
「なら、民衆の願い、想いを背負うのもまた王である。俺がこの窮地を救い、伝説を残す、それが王都総員の希望である。そう、俺はあの愚図と違い、真なる秘宝として残させばならぬ、後世に語り継ぐような王へと成らねばならない」
伝説を残さない限り、民意が、次の王を決める時に不利となる。
ここで動かなければ、王としての責務を果たさなかった愚者として、断罪されちゃう。
さすがにね、民衆からすればこの窮地、王が動くのが普通だと思うよね。
「それを、王としての覚悟をお前に伝えに来た、我らが王都、その精鋭達を好きに使え」
軽々と口から出てきた言葉に耳を疑ってしまう。
…ん?ぇ?全権限を渡すって事?その言い方だとそうなるよ?本当にいいの?逆だと思ってた、私達がお前に付き従い言う事を聞けって言ってくのかと。
「何を驚いた顔をしている、ここから先はお前たちの領分であろう?害虫の駆除というものは専門家に任せるが道理よ」
人対人であれば彼らの方が上手かもしれない、でも、獣共に対してであれば私達の方が経験が豊富ってことね。なら、その意志、ありがたく使わせてもらうよ。
「わかった、王都が騎士団、預からせてもらうね」
「ああ、任せた、死者を出すなとは言わぬ、存分に使え…民を守ってくれ」
最後の言葉を聞いて、私の中にあったイメージが完全に壊れる。
…情けない男って言葉は撤回しないとね、今代のこいつはちゃんと、彼のように民を導く王だね。
「それと、察しの良いお前であれば気が付いているであろう?」
…前言撤回、やっぱりこいつは狡猾だ!こいつ…この流れってことは、手を貸すということはさ、私に対して貸しとして計上するつもりだ!
ってことは!獣共を私達が倒した後、騎士団を貸したのだから、当然、此方側の我儘を叶えろってことでしょ?
何の我儘をいうつもり?何?次の王を決める時の後見人として動けとか?
その程度なら別にいいけど…今のうちに念を押すようなこと、かな?
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