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各々の恋愛事情 交わらない平行線 ②
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暫くの間、座り心地でも悪いのか、ずっと私の太ももの上でもぞもぞと動いていたけれど、座り心地が良い場所を見つけたのか動かなくなり静かになっていく。
徐々に興奮して荒く、くすぐったかった吐息も落ち着いてくる。
どうしてか、この一連の流れで脳裏に過った言葉が猫っという単語、見た事も無いのに何故か、メイドちゃんが猫のような生き物に思えてくる。
きっと姫様の記憶だろう。
猫を撫でる時はこうだよっと姫様の記憶なのか、撫で方が思い浮かんできたので首筋から腰の付け根まで優しく撫でると逆効果だったのか、吐息が荒くなってしまったので、やめる。ごめんね、くすぐったかったのかな?
荒くなってしまった吐息が再び、落ち着くまで、何度も何度も優しくぐずる幼子をあやす様に背中を優しく叩いていると
「ずるいです、でも、私も悪いんですよね」
何時もの落ち着いた口調になる、これなら大丈夫だろう。
そのまま彼女が話す内容に耳を傾け背中を優しくリズムよく叩き続ける。
「ずっと、悩んでいたんです、貴女と二人で過ごす日々、あの日々で感じてしまった、私の過去、私の望み、ずっと…葛藤していたことがあるんです」
二人で?…二人っきりだったのってなると、こっちに戻ってきて一緒に最近建造された塔で過ごしていた時の事かな?
「その、ほら?私って…知って、いますよね?ルーツが」
「私達が住んでいる大陸から船を使って海を渡って、渡った先にある港町からそこそこ距離がある大きな国、独自の文化を持つ大国で、この大陸にある王都から最も近い大きな国として、他の大陸の代表として私達の王都と関りがある国」
姫様の記憶を見たからこそメイドちゃんの祖国が何処なのか知っているし、彼女からも教えてもらった。覚えてるよ、ちゃんと。
「はい、そうです、そこが私のルーツで、私には、その、大国の血が流れています。ですが、母も父も私は…知りません、生まれた時から、私は王都に潜伏している大国の機関で…育てられました」
うん、そんな内容を姫様の記憶で見たから、知ってるよ。
でも、メイドちゃんから教えてもらった事ってあった、かな?大国の出自だってのは教えてもらった気がするけれど、大国の機関で育てられたっというのは、初耳だった、かな?でも、私は知っている、もう、私の記憶なのか姫様の記憶なのかわからない。
「私の使命、いいえ、私を育てた機関が大国から耐えられた使命、それは、この大陸を監視する事、それが機関で育てられた華達に与えられた生涯の任務です」
腕の中にいるメイドちゃんが小さく震えている。怖くないよっと背中を優しく叩きあやしていく。
「もう一つは、もう、ひとつは…」
彼女の腕が背中に回され、震える指先が私の服を強くつかむと、襟元が僅かに引っ張られ喉に当たる。
震える声で彼女に与えられた役割を告げてくれる。
「種を持って帰ることです」
種?…何かこの大陸で珍しい植物でも育てたりしていたかな?しているなぁ?
「それを持ち帰る術を叩きこまれ、洗脳に近い教育を受け続けてきました、その影響は私の根となり永遠に絡みついています」
彼女の手が震え続けている、ううん、体中が悲しみに包まれてしまったのか、震えている。
「その教えによって…私は、貴女に…貴女の…体に…心惹かれているのではないのかと…」
体に惹かれる?
ふと、好きな人と同じ部屋だった時に見た彼の美しい背中、割れた腹筋、綺麗なうなじを思い出してしまい、頬が熱くなる。
メイドちゃんも、同じ、ことを、私を見て思ったって、こと、かな?
「感じた、心が動いた、あの瞬間、貴女を好きになった、でもこの感情が、自分の感情なのに自身が持てないんです、あなたが…あまりにも始祖様に似ているからで、貴女の清らかな心に惹かれているのかどうか…私は、自信が、心の底から、この感情が…正しいのだと自信が持てなかったんです」
恋や愛に正しいって、無いと思う、惚れやすい私じゃ説得力が無いかもしれないけれど、さ、見た目も、好きになる要素の一つだよね?
「貴女という人に惹かれたのか、貴女という才能を祖国へと持ち帰れという植え付けられた使命からなのか…わからなかったんです」
祖国へ持ち帰れって…無理だよ、私達はこの大陸から海を渡るには申請が必要で亡命すると殺される…
そもそも、私の事、始祖様に似てるって言うけれど、そんなにも似てるのかな?
「私って、そんなに似てるの?」
「はい、始祖様の肖像画が教会に飾られています、教会が行う祈りを捧げる行事の日であれば、誰でも閲覧できます。ですが、私が見た時は特別な日ではなく姫様が連れて行ってくれたんです。姫様が所用で教会に訪れた際に、普段から頑張っている私のご褒美にと、司祭様にお願いし特別に見せて頂きました。今でも目を閉じれば浮かんでくるほどに心を満たしてくれる、それ程までに美しく忘れることが出来ません、その肖像画と団長は、瓜二つなんです」
忘れることが出来ない美しさ、それと私が似てるなんて…
「光栄なことなの、かな?」
教会の掃除とか教えとか、幼い時から教会と関りがあった、けれども、不思議と、始祖様に対して特別な感情を抱いたことは、一度もないから、始祖様に瓜二つと言われても、今一つ、感情が湧いてこない、だから、何ていったらいいのか、わかない。
「はい、それはとても、始祖様に似ているというのはこの大陸、特に王都に住む貴族や王族からしたら、その要素だけで貴女を祀り上げようとする人達が現れてもおかしくない、そう姫様が仰っておられましたので、団長にとって似ているとことには…光栄なことかどうか、私には、わかりかねます、ですが、その美しさは誇っても良いと思います、貴女は誰よりも美しい、です」
私の頭に彼女は頭を擦り付けてくる、くすぐったいけれどこれくらいなら大丈夫。
過去の事を思い返してみると、そういった理由があるから、お母さんやお爺ちゃんは、私を貴族に合わせないようにしていたんじゃないかって、今なら、親の気持ちがわかる気がする。
頼まれていたお洋服を届けに行く時、お母さんは、絶対に貴族のお屋敷に私を連れて行ってくれなかった。
最初のころは、家で独りで待っているのが寂しくて嫌だったから付いていきたいって思ったりもした、でも、お母さんが家を離れる日は何時だってご近所さんのお手伝いで忙しかったか、お手伝いが終わった後は、皆と遊んだりして寂しいって思うことが無くなっていった。
だって、友達が傍に居てくれる方が…きっと、楽しいって思っちゃったから、お母さんが貴族の家に届けに行くのを、付いていきたいなんて言わなかった。
大人になってから知った、お爺ちゃんは貴族の中でも位が高くお爺ちゃんの家には時折、貴族が挨拶に来ることがある。
お爺ちゃんに鍛えてもらっている間、他の貴族の人とは一切合わなかった。
もしかしたら、ううん、きっとそう、お爺ちゃんが気を利かせて合わせないようにしてくれていたのかもしれない、私を守るために。
「でも、貴女と過ごした日々が私の心を否定しなかったんです、きっかけは、貴女の美しい姿かもしれません、でも、今は違います、貴女という人が好きなんです。だから、団長は、貴女だけは…ずっとそのままでいてください、そして、もし、もしもですが、遠い場所に行ってしまわれるのでしたら、絶対に…私を連れて行ってください、姫様が引き留めようと私は貴女の傍に居たいです。」
腕の力が強くなっていく、大好きな親から離れたくない子供みたいに…
こんなにも、力強く抱きしめられてしまったら逃げる事なんて出来ないよね。
私たちは三姉妹、姫様がお姉ちゃんで私で妹がメイドちゃんってところかな?…ん?メイドちゃんって何歳何だろう?…教えてもらったことが無い気がする。
姫様の記憶では、どうだったかな?おもい、だせない、姫様の記憶が私の中に宿っているんだけど、私が馬鹿だからか、都合よく思い出したい部分だけを思い出せない。
力いっぱい甘えてくるメイドちゃんを抱きしめながら、天井をぼんやりと眺め、メイドちゃんのエピソードが無いか思い出そうとしていると、呟く様な小さな声が腕の中から聞こえてくる?
「団長は、その…女性と男性のその、よ、夜の…営みについてはどう、おも、いえ…ななな、何でもない、ですぅ」
服を握る手が小さく震えて、っていうか、指先でぐりぐりと私の背中を回す様にいじってくる?
夜の営みかぁ、医療の知識と、一人静かにカルテの整理とかしているとさ、医療班の人達がそういう会話をしているのを聞こえてきたりしていたから、知識は、ある…
「ん~・・・そういう知識は、ある、よ?でも、この体だし、ちょっとそういうことに対して興味がない、うん、無い」
たぶん、私の中にあった男の部分、今となってはそれが男性ホルモン的な感じではなく、実は、私の中に複数の魂があってさ、その魂を統率し管理し、私の肉体を陰ながらコントロールしてくれていた魂。
その魂が姫様の想い人で、私の体が男性にならないようにコントロールしてくれていた、そのおかげで私はそういった部分が疎くなっているのかもしれない。
現に、その、男湯で見た、皆のアレと私のアレは大きさが違い過ぎるもん…
「そうなの、ですね。その、この大陸の貴族の方達はその、同性同士でその、そういった繋がりがある方が一定数おられるのでその…」
同性同士?男の人と男の人?女の人と女の人?…子供出来ないよ?何でするんだろう?
「そうなん、だ?」
メイドちゃんが何が言いたいのかわからず、取り合えず返事を返してしまう。
「それも、相まって…ぅぅ、私は蜜月を期待し過ぎているのでしょうか?お恥ずかしいですぅ…」
んー…会話の流れで何となく意味が分かった気がするけど、女性同士じゃ子供はできない、よ?ん~・・・メイドちゃんの願いがわかるようでわからない?
腕の中で悶える様に体を動かしている彼女が何を期待しているのか、少しわかった気がするけれど、理解は出来そうもなかった。
理解は出来そうも無いけれど、そういう考えもあるのだと姫様の記憶が教えてくれたような気がした。
なら、私はその気持ちを受け止めてあげたいと思う。
何れそういう世界に触れる日が来たとしても、私は怖気づくことなく彼女を真っすぐに受け止めてあげるのが正解だと感じたら、心のままに動こう。
…やっぱりだめだと思ったら断ろう。
不思議と、自分の中で答えが決まっていく。
馬鹿な私が姫様の記憶によって答えを出すのに必要な時間が短くなった気がして、私も、尊敬する姫様に近づけたような気がして、少しだけ、嬉しかった。
…姫様で思い出したけれど、もしかして…御伽噺に出てくる大きな剣を持った人物が好きだって言っていたのは、私に向けて言っていたのではなく、私の中にいるお兄ちゃんに向けて言っていたのかな?
…なんて、遠回しでいじらしい愛の告白の仕方何だろう。
そんなのわかるわけないよ…
気が付くわけないよ…
まったく、姫様は変なところでしおらしいよね。
彼女と過ごした思い出を、思い出していくと、彼女が私に対して行動してくれていたのは、私の為だけじゃなく、自分の為だったのではないかって、思えてくる。
だとしたら納得、姫様は合理的だもん、その方が、全ての行動に対してしっくりくる。
今頃は、愛する人と姫様の心の中で仲睦まじく、愛を語り合っているのかな?
天井を眺めながら、そんな事を考え続ける。
その間もメイドちゃんが甘える様におでこを擦り続けてくるのを受け止めながら、考えてしまう、思考が止まらなくなる、これもきっと姫様の影響かな?姫様のようにずっとずっと先を見据えれるように考えることを止めないをずっとしてきたってのも、あるの、かな?
だったら、嬉しいな、尊敬する人により深く近づけた、横に並べているような気がするから。
徐々に興奮して荒く、くすぐったかった吐息も落ち着いてくる。
どうしてか、この一連の流れで脳裏に過った言葉が猫っという単語、見た事も無いのに何故か、メイドちゃんが猫のような生き物に思えてくる。
きっと姫様の記憶だろう。
猫を撫でる時はこうだよっと姫様の記憶なのか、撫で方が思い浮かんできたので首筋から腰の付け根まで優しく撫でると逆効果だったのか、吐息が荒くなってしまったので、やめる。ごめんね、くすぐったかったのかな?
荒くなってしまった吐息が再び、落ち着くまで、何度も何度も優しくぐずる幼子をあやす様に背中を優しく叩いていると
「ずるいです、でも、私も悪いんですよね」
何時もの落ち着いた口調になる、これなら大丈夫だろう。
そのまま彼女が話す内容に耳を傾け背中を優しくリズムよく叩き続ける。
「ずっと、悩んでいたんです、貴女と二人で過ごす日々、あの日々で感じてしまった、私の過去、私の望み、ずっと…葛藤していたことがあるんです」
二人で?…二人っきりだったのってなると、こっちに戻ってきて一緒に最近建造された塔で過ごしていた時の事かな?
「その、ほら?私って…知って、いますよね?ルーツが」
「私達が住んでいる大陸から船を使って海を渡って、渡った先にある港町からそこそこ距離がある大きな国、独自の文化を持つ大国で、この大陸にある王都から最も近い大きな国として、他の大陸の代表として私達の王都と関りがある国」
姫様の記憶を見たからこそメイドちゃんの祖国が何処なのか知っているし、彼女からも教えてもらった。覚えてるよ、ちゃんと。
「はい、そうです、そこが私のルーツで、私には、その、大国の血が流れています。ですが、母も父も私は…知りません、生まれた時から、私は王都に潜伏している大国の機関で…育てられました」
うん、そんな内容を姫様の記憶で見たから、知ってるよ。
でも、メイドちゃんから教えてもらった事ってあった、かな?大国の出自だってのは教えてもらった気がするけれど、大国の機関で育てられたっというのは、初耳だった、かな?でも、私は知っている、もう、私の記憶なのか姫様の記憶なのかわからない。
「私の使命、いいえ、私を育てた機関が大国から耐えられた使命、それは、この大陸を監視する事、それが機関で育てられた華達に与えられた生涯の任務です」
腕の中にいるメイドちゃんが小さく震えている。怖くないよっと背中を優しく叩きあやしていく。
「もう一つは、もう、ひとつは…」
彼女の腕が背中に回され、震える指先が私の服を強くつかむと、襟元が僅かに引っ張られ喉に当たる。
震える声で彼女に与えられた役割を告げてくれる。
「種を持って帰ることです」
種?…何かこの大陸で珍しい植物でも育てたりしていたかな?しているなぁ?
「それを持ち帰る術を叩きこまれ、洗脳に近い教育を受け続けてきました、その影響は私の根となり永遠に絡みついています」
彼女の手が震え続けている、ううん、体中が悲しみに包まれてしまったのか、震えている。
「その教えによって…私は、貴女に…貴女の…体に…心惹かれているのではないのかと…」
体に惹かれる?
ふと、好きな人と同じ部屋だった時に見た彼の美しい背中、割れた腹筋、綺麗なうなじを思い出してしまい、頬が熱くなる。
メイドちゃんも、同じ、ことを、私を見て思ったって、こと、かな?
「感じた、心が動いた、あの瞬間、貴女を好きになった、でもこの感情が、自分の感情なのに自身が持てないんです、あなたが…あまりにも始祖様に似ているからで、貴女の清らかな心に惹かれているのかどうか…私は、自信が、心の底から、この感情が…正しいのだと自信が持てなかったんです」
恋や愛に正しいって、無いと思う、惚れやすい私じゃ説得力が無いかもしれないけれど、さ、見た目も、好きになる要素の一つだよね?
「貴女という人に惹かれたのか、貴女という才能を祖国へと持ち帰れという植え付けられた使命からなのか…わからなかったんです」
祖国へ持ち帰れって…無理だよ、私達はこの大陸から海を渡るには申請が必要で亡命すると殺される…
そもそも、私の事、始祖様に似てるって言うけれど、そんなにも似てるのかな?
「私って、そんなに似てるの?」
「はい、始祖様の肖像画が教会に飾られています、教会が行う祈りを捧げる行事の日であれば、誰でも閲覧できます。ですが、私が見た時は特別な日ではなく姫様が連れて行ってくれたんです。姫様が所用で教会に訪れた際に、普段から頑張っている私のご褒美にと、司祭様にお願いし特別に見せて頂きました。今でも目を閉じれば浮かんでくるほどに心を満たしてくれる、それ程までに美しく忘れることが出来ません、その肖像画と団長は、瓜二つなんです」
忘れることが出来ない美しさ、それと私が似てるなんて…
「光栄なことなの、かな?」
教会の掃除とか教えとか、幼い時から教会と関りがあった、けれども、不思議と、始祖様に対して特別な感情を抱いたことは、一度もないから、始祖様に瓜二つと言われても、今一つ、感情が湧いてこない、だから、何ていったらいいのか、わかない。
「はい、それはとても、始祖様に似ているというのはこの大陸、特に王都に住む貴族や王族からしたら、その要素だけで貴女を祀り上げようとする人達が現れてもおかしくない、そう姫様が仰っておられましたので、団長にとって似ているとことには…光栄なことかどうか、私には、わかりかねます、ですが、その美しさは誇っても良いと思います、貴女は誰よりも美しい、です」
私の頭に彼女は頭を擦り付けてくる、くすぐったいけれどこれくらいなら大丈夫。
過去の事を思い返してみると、そういった理由があるから、お母さんやお爺ちゃんは、私を貴族に合わせないようにしていたんじゃないかって、今なら、親の気持ちがわかる気がする。
頼まれていたお洋服を届けに行く時、お母さんは、絶対に貴族のお屋敷に私を連れて行ってくれなかった。
最初のころは、家で独りで待っているのが寂しくて嫌だったから付いていきたいって思ったりもした、でも、お母さんが家を離れる日は何時だってご近所さんのお手伝いで忙しかったか、お手伝いが終わった後は、皆と遊んだりして寂しいって思うことが無くなっていった。
だって、友達が傍に居てくれる方が…きっと、楽しいって思っちゃったから、お母さんが貴族の家に届けに行くのを、付いていきたいなんて言わなかった。
大人になってから知った、お爺ちゃんは貴族の中でも位が高くお爺ちゃんの家には時折、貴族が挨拶に来ることがある。
お爺ちゃんに鍛えてもらっている間、他の貴族の人とは一切合わなかった。
もしかしたら、ううん、きっとそう、お爺ちゃんが気を利かせて合わせないようにしてくれていたのかもしれない、私を守るために。
「でも、貴女と過ごした日々が私の心を否定しなかったんです、きっかけは、貴女の美しい姿かもしれません、でも、今は違います、貴女という人が好きなんです。だから、団長は、貴女だけは…ずっとそのままでいてください、そして、もし、もしもですが、遠い場所に行ってしまわれるのでしたら、絶対に…私を連れて行ってください、姫様が引き留めようと私は貴女の傍に居たいです。」
腕の力が強くなっていく、大好きな親から離れたくない子供みたいに…
こんなにも、力強く抱きしめられてしまったら逃げる事なんて出来ないよね。
私たちは三姉妹、姫様がお姉ちゃんで私で妹がメイドちゃんってところかな?…ん?メイドちゃんって何歳何だろう?…教えてもらったことが無い気がする。
姫様の記憶では、どうだったかな?おもい、だせない、姫様の記憶が私の中に宿っているんだけど、私が馬鹿だからか、都合よく思い出したい部分だけを思い出せない。
力いっぱい甘えてくるメイドちゃんを抱きしめながら、天井をぼんやりと眺め、メイドちゃんのエピソードが無いか思い出そうとしていると、呟く様な小さな声が腕の中から聞こえてくる?
「団長は、その…女性と男性のその、よ、夜の…営みについてはどう、おも、いえ…ななな、何でもない、ですぅ」
服を握る手が小さく震えて、っていうか、指先でぐりぐりと私の背中を回す様にいじってくる?
夜の営みかぁ、医療の知識と、一人静かにカルテの整理とかしているとさ、医療班の人達がそういう会話をしているのを聞こえてきたりしていたから、知識は、ある…
「ん~・・・そういう知識は、ある、よ?でも、この体だし、ちょっとそういうことに対して興味がない、うん、無い」
たぶん、私の中にあった男の部分、今となってはそれが男性ホルモン的な感じではなく、実は、私の中に複数の魂があってさ、その魂を統率し管理し、私の肉体を陰ながらコントロールしてくれていた魂。
その魂が姫様の想い人で、私の体が男性にならないようにコントロールしてくれていた、そのおかげで私はそういった部分が疎くなっているのかもしれない。
現に、その、男湯で見た、皆のアレと私のアレは大きさが違い過ぎるもん…
「そうなの、ですね。その、この大陸の貴族の方達はその、同性同士でその、そういった繋がりがある方が一定数おられるのでその…」
同性同士?男の人と男の人?女の人と女の人?…子供出来ないよ?何でするんだろう?
「そうなん、だ?」
メイドちゃんが何が言いたいのかわからず、取り合えず返事を返してしまう。
「それも、相まって…ぅぅ、私は蜜月を期待し過ぎているのでしょうか?お恥ずかしいですぅ…」
んー…会話の流れで何となく意味が分かった気がするけど、女性同士じゃ子供はできない、よ?ん~・・・メイドちゃんの願いがわかるようでわからない?
腕の中で悶える様に体を動かしている彼女が何を期待しているのか、少しわかった気がするけれど、理解は出来そうもなかった。
理解は出来そうも無いけれど、そういう考えもあるのだと姫様の記憶が教えてくれたような気がした。
なら、私はその気持ちを受け止めてあげたいと思う。
何れそういう世界に触れる日が来たとしても、私は怖気づくことなく彼女を真っすぐに受け止めてあげるのが正解だと感じたら、心のままに動こう。
…やっぱりだめだと思ったら断ろう。
不思議と、自分の中で答えが決まっていく。
馬鹿な私が姫様の記憶によって答えを出すのに必要な時間が短くなった気がして、私も、尊敬する姫様に近づけたような気がして、少しだけ、嬉しかった。
…姫様で思い出したけれど、もしかして…御伽噺に出てくる大きな剣を持った人物が好きだって言っていたのは、私に向けて言っていたのではなく、私の中にいるお兄ちゃんに向けて言っていたのかな?
…なんて、遠回しでいじらしい愛の告白の仕方何だろう。
そんなのわかるわけないよ…
気が付くわけないよ…
まったく、姫様は変なところでしおらしいよね。
彼女と過ごした思い出を、思い出していくと、彼女が私に対して行動してくれていたのは、私の為だけじゃなく、自分の為だったのではないかって、思えてくる。
だとしたら納得、姫様は合理的だもん、その方が、全ての行動に対してしっくりくる。
今頃は、愛する人と姫様の心の中で仲睦まじく、愛を語り合っているのかな?
天井を眺めながら、そんな事を考え続ける。
その間もメイドちゃんが甘える様におでこを擦り続けてくるのを受け止めながら、考えてしまう、思考が止まらなくなる、これもきっと姫様の影響かな?姫様のようにずっとずっと先を見据えれるように考えることを止めないをずっとしてきたってのも、あるの、かな?
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