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準備完了! カンペ―キ洞窟へ
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ロイデン村。
魔王軍に恐れ知らずの酔っ払いが絡む。
「何だお前? 邪魔だからあっちに行ってろ! 」
一向に見つからない伝説の実探しに神経を使いイライラしっぱなし。
それはここにいる者皆に当てはまること。
「へへへ…… 実は耳よりの情報があるんだが」
魔王様と交渉するつもりらしい。酔っ払いの分際でいい度胸だ。
そんな風に酔っぱらってるから強気に出れるんだろうな。
しらふに戻った時にどんな顔をするのか見もの。
いや待てよ…… そもそもモンスター相手では普通ではいられないか。
酒代を渡し話を聞くことに。
「ここからふた山超えたところに村があるんだがね。
その辺りに伝説の実が生えてると噂があってな」
酔っ払いの戯言を真に受ける魔王様ではないがタイミングよく舞い込んだ話。
これを利用しない手はない。
「本当だな? ふた山超えたところで間違いないな? 」
「ああ早く行ってみなよ。へへへ…… きっと伝説の実があるはずだから」
ホラ吹き酔っ払い男の話が本当なら今回の旅の目標達成となる。
それは願ってもないことなんだが…… もはや遅い気も。
この世界が消滅するなら不老不死であろうと不老長寿であろうと何の意味もない。
あくまで伝説の実探しはきっかけに過ぎない。
本当の目的である愚か者探しをカモフラージュするためのものでしかない。
その目的も達成された。
「よしお前ら。二手に分かれるぞ。半分はこの男の言う村へ。
もう半分はこの村で引き続き伝説の実について調べてくれ」
「あの…… 魔王様はどうなさるおつもりですか? 」
「一足先に帰らせてもらう。あまり留守にしておく訳にも行かないからな。
吉報を待つ! それでは解散! 」
こうして魔王様も村を離れることに。
例の人物も見つかった。これ以上ここにいる意味はない。
どう切り出すか迷ったがちょうどいい具合にホラ吹き男の登場。
奴らに怪しまれずにロイデン村を離れられた。
さあではそろそろ最後の準備に取り掛かるか。
こうして魔王様の準備は整った。
勇者ノアも国王と共にカンペ―キ洞窟へ。
残すは姫。アーノ姫の到着を待つばかり。
アーノ姫は隠れ家に戻っていた。
「本気かよ? この男が魔王様が追い求めてた者? 」
クマルはまだ信じようとしない。
男と言ってもまだまだ小さな男の子。
そんな彼を魔王様が首を長くして待っていたとは到底思えないと訝しがる。
「いいから! 魔王様の指示があるまでその子を人里離れたところへ。
絶対に誰も近づけてはダメ! 絶対だからね? 」
愚か者を愚か者のクマルに任せる。
本来でしたらボクが責任を持ってお世話したいのですが生憎予定が。
「へへへ…… 分かったよ。魔王様の要望なら従わない訳には行かないからな」
物分かりがいいのもクマルの魅力の一つ。単に何も考えていないだけ?
「いい? 何度も言うけど決して誰にも近づかせない。
特に人間を絶対に近づかせないこと」
忠告を聞いてるんだか聞いてないんだかで飛び出して行ってしまった。
もうクマルったら……
ただこれでひとまずのところは安心。
ではそろそろボクも準備に取り掛かりますか。
今日はもう遅いので朝一番で馬車に乗り例の場所へ。
これがお父様である国王の要望であり最後のチャンス。
今度のことでお父様には随分心配をかけてしまった。
もう一度お父様に会いたい。だから約束の場所に行く必要がある。
ドンドン
ドンドン
夜遅くに馬車と歩きでフラフラになりながら帰ってきた魔女。
「ふう…… 本当に疲れたよ。これお土産だからさ」
そう言うと村名物の不老不死の実に似せたまんじゅうを寄越す。
そしてもう一つ。魔王様の抜け殻だそう。
何でも魔王様は脱皮を繰り返して今の大きさになったのだとか。
実際確かめたのではない。噂に過ぎないそう。
「脱け殻だからね。大変貴重なんだよ。プライスレスって奴だね」
珍しいものを自慢する魔女。はっきり言っていらない。
結局彼女の助けなしにはやって行けなかった。感謝するしかない。
「ねえ…… 明日ついて来てくれない。お父様に会いに洞窟へ行くつもりなの」
「それはお勧めしないよ。どうして洞窟になど行かなければならない? 」
大人しくしてるように説得される。
「飽きたの! もうやることもないから! 」
強気で粘ると分かりましたと返事が。
「では今日はこれくらいで寝ましょう」
睡眠の重要性は現世から痛いほど理解してる。
「そうだ。焼き菓子も買ってきたんだった。一ついかが? 」
もう私だって行ったのに。まるで一人で行ったみたいじゃない?
「それは明日にでも…… 今日はもう寝ましょう」
つい魔女に甘える。
いつもは別々の部屋で寝ている。でもここも最後で魔女ともお別れが近い。
一緒に寝て思い出を作るのも悪くない。
「はいはい。姫様の好きなように」
そう言うと準備を始める。
二人で寝ることに。
「ねえ。これからどうなるんだろう? 」
不安な気持ちを隠さずにぶつけてみる。
「もう姫様は心配性だね。大丈夫だって。きっとうまく行くさ」
適当に大丈夫だと。果たしてその根拠はどこにあるの?
ただの気休めはよして欲しい。
ううう…… 旅の疲れから急に眠気が。もう止まらない。
「どうしました姫様? もうお休みに? まだ夜は長いよ」
「ごめんなさい…… 」
これでは一緒に寝た意味がない。
「もう姫様ったら…… ほらおやすみ」
魔女の隣で久しぶりに夢を見る。
続く
魔王軍に恐れ知らずの酔っ払いが絡む。
「何だお前? 邪魔だからあっちに行ってろ! 」
一向に見つからない伝説の実探しに神経を使いイライラしっぱなし。
それはここにいる者皆に当てはまること。
「へへへ…… 実は耳よりの情報があるんだが」
魔王様と交渉するつもりらしい。酔っ払いの分際でいい度胸だ。
そんな風に酔っぱらってるから強気に出れるんだろうな。
しらふに戻った時にどんな顔をするのか見もの。
いや待てよ…… そもそもモンスター相手では普通ではいられないか。
酒代を渡し話を聞くことに。
「ここからふた山超えたところに村があるんだがね。
その辺りに伝説の実が生えてると噂があってな」
酔っ払いの戯言を真に受ける魔王様ではないがタイミングよく舞い込んだ話。
これを利用しない手はない。
「本当だな? ふた山超えたところで間違いないな? 」
「ああ早く行ってみなよ。へへへ…… きっと伝説の実があるはずだから」
ホラ吹き酔っ払い男の話が本当なら今回の旅の目標達成となる。
それは願ってもないことなんだが…… もはや遅い気も。
この世界が消滅するなら不老不死であろうと不老長寿であろうと何の意味もない。
あくまで伝説の実探しはきっかけに過ぎない。
本当の目的である愚か者探しをカモフラージュするためのものでしかない。
その目的も達成された。
「よしお前ら。二手に分かれるぞ。半分はこの男の言う村へ。
もう半分はこの村で引き続き伝説の実について調べてくれ」
「あの…… 魔王様はどうなさるおつもりですか? 」
「一足先に帰らせてもらう。あまり留守にしておく訳にも行かないからな。
吉報を待つ! それでは解散! 」
こうして魔王様も村を離れることに。
例の人物も見つかった。これ以上ここにいる意味はない。
どう切り出すか迷ったがちょうどいい具合にホラ吹き男の登場。
奴らに怪しまれずにロイデン村を離れられた。
さあではそろそろ最後の準備に取り掛かるか。
こうして魔王様の準備は整った。
勇者ノアも国王と共にカンペ―キ洞窟へ。
残すは姫。アーノ姫の到着を待つばかり。
アーノ姫は隠れ家に戻っていた。
「本気かよ? この男が魔王様が追い求めてた者? 」
クマルはまだ信じようとしない。
男と言ってもまだまだ小さな男の子。
そんな彼を魔王様が首を長くして待っていたとは到底思えないと訝しがる。
「いいから! 魔王様の指示があるまでその子を人里離れたところへ。
絶対に誰も近づけてはダメ! 絶対だからね? 」
愚か者を愚か者のクマルに任せる。
本来でしたらボクが責任を持ってお世話したいのですが生憎予定が。
「へへへ…… 分かったよ。魔王様の要望なら従わない訳には行かないからな」
物分かりがいいのもクマルの魅力の一つ。単に何も考えていないだけ?
「いい? 何度も言うけど決して誰にも近づかせない。
特に人間を絶対に近づかせないこと」
忠告を聞いてるんだか聞いてないんだかで飛び出して行ってしまった。
もうクマルったら……
ただこれでひとまずのところは安心。
ではそろそろボクも準備に取り掛かりますか。
今日はもう遅いので朝一番で馬車に乗り例の場所へ。
これがお父様である国王の要望であり最後のチャンス。
今度のことでお父様には随分心配をかけてしまった。
もう一度お父様に会いたい。だから約束の場所に行く必要がある。
ドンドン
ドンドン
夜遅くに馬車と歩きでフラフラになりながら帰ってきた魔女。
「ふう…… 本当に疲れたよ。これお土産だからさ」
そう言うと村名物の不老不死の実に似せたまんじゅうを寄越す。
そしてもう一つ。魔王様の抜け殻だそう。
何でも魔王様は脱皮を繰り返して今の大きさになったのだとか。
実際確かめたのではない。噂に過ぎないそう。
「脱け殻だからね。大変貴重なんだよ。プライスレスって奴だね」
珍しいものを自慢する魔女。はっきり言っていらない。
結局彼女の助けなしにはやって行けなかった。感謝するしかない。
「ねえ…… 明日ついて来てくれない。お父様に会いに洞窟へ行くつもりなの」
「それはお勧めしないよ。どうして洞窟になど行かなければならない? 」
大人しくしてるように説得される。
「飽きたの! もうやることもないから! 」
強気で粘ると分かりましたと返事が。
「では今日はこれくらいで寝ましょう」
睡眠の重要性は現世から痛いほど理解してる。
「そうだ。焼き菓子も買ってきたんだった。一ついかが? 」
もう私だって行ったのに。まるで一人で行ったみたいじゃない?
「それは明日にでも…… 今日はもう寝ましょう」
つい魔女に甘える。
いつもは別々の部屋で寝ている。でもここも最後で魔女ともお別れが近い。
一緒に寝て思い出を作るのも悪くない。
「はいはい。姫様の好きなように」
そう言うと準備を始める。
二人で寝ることに。
「ねえ。これからどうなるんだろう? 」
不安な気持ちを隠さずにぶつけてみる。
「もう姫様は心配性だね。大丈夫だって。きっとうまく行くさ」
適当に大丈夫だと。果たしてその根拠はどこにあるの?
ただの気休めはよして欲しい。
ううう…… 旅の疲れから急に眠気が。もう止まらない。
「どうしました姫様? もうお休みに? まだ夜は長いよ」
「ごめんなさい…… 」
これでは一緒に寝た意味がない。
「もう姫様ったら…… ほらおやすみ」
魔女の隣で久しぶりに夢を見る。
続く
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